JPH0343905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は車両用内装材の固定構造に関するもの
で、特に車内に見栄え向上に好適なものである。

〔考案の背景〕

近年、車両はデザインおよびいたずら防止の面
から内装材の締結固定ねじの頭部を極力隠す傾向
にあり、種々の方法がある。特に、最近多く採用
されているFRP内装材（強化プラスチツク）に
おいては、固定ねじ頭の露出防止のため内装材裏
面にあらかじめ所定間隔で雄ねじを埋込んでおき
車体骨組へ締結するようにしているが、雄ねじの
締結本数が多く工数が多大となつている。また、
車体骨組も複雑となる欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、内装材の装着に際して作業の
簡略化を図り、かつ、構造が簡単で表面の見栄え
の良い車両用内装材に固定構造を提供することに
ある。

〔考案の概要〕

本考案は、一方の壁面を覆う第１の内装材と、
これに実質的に直交する他方の壁面を覆う第２の
内装材とを車体骨組に固定する構造において、前
記第１の内装材は前記第２の内装材側の端部に該
第２の内装材側に平行に突出させた第１の接続部
を備え、また、該第１の接続部の端部には車両骨
組に固定するために裏面側に突出させた第２の接
続部を備え、該第２の接続部に取付けられてい
て、前記第２の内装材に並行に突出させた板を折
返してＶ状の弾性体として第１の固定具を備え、
前記第２の内装材の端部の裏面には該端部を前記
第１の接続部の前面に重ねたとき、前記第１の固
定具のＶ状部が入ることによつて該Ｖ状部を狭持
する第２の固定具を設けていること、を特徴とす
る。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
によつて説明する。同図において、１は客室の側
面を構成する側内張で、設置する箇所により側窓
開口部等が形成されている。２は客室の妻面を構
成する妻内張である。該妻内張２の幅方向端部
は、断面がＬ字形に形成され、客室の隅部を一体
に形成している。該Ｌ字形部分の底辺部が第１の
接続部である。また、前記Ｌ字形部分の縁は前記
側内張１の縁を重ね合わせられるようにへこまし
て形成されている。さらに、前記Ｌ字形部分の裏
面部には車体を構成する車体内骨３に取付けるた
めの固定フランジが形成されている。該固定フラ
ンジが第２の接続部である。前記固定フランジは
前記車体内骨３の支持面に平行となるように対応
させて設置されている。したがつて、該妻内張２
の車体への固定は前記固定フランジを車体内骨３
に重ねて締結ボルト・ナツト４によつて行なわれ
る。前記固定フランジの側内張１側の面には支持
具に相当するインサート金具５が取付けられてい
る。該インサート金具５は前記側内張１の面に平
行な突出部を有し、該突出部はＶ字形に折り曲げ
られた形状となつており、この部分がばね作用を
有した構造となつている。

一方、前記側内張１はその幅方向端部の縁が前
記妻内張２の縁に形成されたへこみ部分に重なり
合うように形成されており、かつ、裏面には前記
縁を妻内張２の縁に重ね合わせた状態で前記イン
サート金具５と嵌合する固定具に相当するインサ
ート金具６が設置されている。該インサート金具
６は前記インサート金具５の突出部が嵌合可能な
ように側内張１の面に平行な嵌合穴が形成されて
いる。前記嵌合穴の水平方向の幅は前記突出部の
ばね作用が十分発揮できるように少し狭くなつて
おり、かつ、垂直方向の幅は該突出部の幅に対応
させて形成されている。

このような構体において、前記妻内張２および
側内張１の取付状況について説明する。

まず、車体内骨３に締結ボルト・ナツト４によ
つて妻内張３を取付ける。

次に、側内張１を取付ける。これは第３図の矢
印で示す如く、側内張１を妻内張２の端部側に移
動させて行なう。これによつて妻内張２のインサ
ート金具５のＶ状部が側内張１のインサート金具
６に入り、側内張１は妻内張２に固定される。こ
のとき、側内張１と妻内張２の室内側表面は重な
り合つている。

このような構成によれば、妻内張２を車体内骨
３に締結ボルト・ナツト４によつて取付け、さら
に、妻内張２のインサート金具５と側内張１のイ
ンサート金具６を嵌合するようにして該側内張１
を配置するだけで、両内張を簡単な作業によつて
車体に設置することができる。また、側内張１お
よび妻内張２自体の構造も特に複雑になることも
なく、かつ、部品点数も増加することがない。ま
た、前記インサート金具５へのインサート金具６
の嵌合方向は側内張１の面に平行になつており、
かつ、該インサート金具５のばね作用も相まつて
側内張１を強固に固定することができる。さら
に、側内張１と妻内張２との合わせ部の室内側表
面は、一方に他方を重ね合わせる構造となつてい
ることから、該合わせ部を覆うための部材を必要
とせず、また、該部分が角部であるから端面が見
えにくく、このため構造の簡略化と見栄え向上が
図れるものである。

〔考案の効果〕

本考案によれば、内装材の装着に際して作業の
簡略化を図り、かつ、構造が簡単で表面の見栄え
の良い車両用内装材の固定構造を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した車内斜視図、第２図
は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は装着状況を示
すＢ視図である。 １……側内張、２……妻内張、３……車体内
骨、４……締結ボルト・ナツト、５……インサー
ト金具、６……インサート金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方の壁面を覆う第１の内装材と、これに実質
   的に直交する他方の壁面を覆う第２の内装材とを
   車体骨組に固定する構造において、 前記第１の内装材は前記第２の内装材側の端部
   に該第２の内装材側に平行に突出させた第１の接
   続部を備え、また、該第１の接続部の端部には車
   両骨組に固定するために裏面側に突出させた第２
   の接続部を備え、該第２の接続部に取付けられて
   いて、前記第２の内装材に並行に突出させた板を
   折返してＶ状の弾性体とした第１の固定具を備
   え、 前記第２の内装材の端部の裏面には該端部を前
   記第１の接続部の前面に重ねたとき、前記第１の
   固定具のＶ状部が入ることによつて該Ｖ状部を狭
   持する第２の固定具を設けていること、 を特徴とする車両用内装材の固定構造。