JPS6129856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物における外壁構造の改良に関す
る。

一般木造建築では外壁は胴縁または柱、間柱の
外側面に防水用のアスフアルトフエルトを介して
外装板が縦張りまたは横張りされ、これら外装板
はその表面から釘打ち固定される。そのため外装
板の裏面に発生した結露水や外装板の隙間から浸
入した漏水が、前記外装板と胴縁や柱、間柱との
密着部分でせきとめられて流下せず、排水不良と
なつて壁体内に滲水し、外壁の寿命を縮める原因
となつていた。

本考案は上記欠点と除き、特に横張外装板にお
いて、前記結露水や漏水を容易に壁体外方へ排出
可能とした外壁構造を提供することを目的とす
る。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図乃至第４図において、横張外装板１は、
横長矩形をなし、裏面に横方向複数グループに分
割されて、上下に並行するＶ型横みぞ１１，１２
……が設けられる。そして、各隣接グループの並
行横みぞ（例えば１１と１２）は互いに1/2ピツ
チだけ上下方向に位置をずらして配置され、その
端部が隣接グループ相互に喰い込み、上下方向に
重なり状態に形成される。しかして、この重なり
部分は先端が下向傾斜して傾斜溝部１１ａ，１２
ａ，……とされる（第４図）。こられ傾斜溝部１
１ａは縦溝１ａ，１ｂ，……により上下連結され
ている。縦溝１ａ，１ｂの横幅方向ピツチは柱２
および間柱３のピツチと同一に形成される。

この外装板１が張設されるには、第２，３図示
の如く、柱２および間柱３の屋外側面にアスフア
ルトフエルト４を介して釘着固定される。この場
合外装板１の前記縦溝１ａ，１ｂ……が間柱３の
位置と一致するよう配設される。最下部の外装板
の屋内側には水切金物５が介装され、該水切金物
５の張出傾斜面５１は前記最下部外装板下端と一
定の隙間を有する。なお、第３図における６は断
熱材、７は内装板、８は土台、９は床板である。

以上のような外壁構造において、外装板１の裏
面に発生した結露水および漏水は、前記Ｖ型横み
ぞ１１，１２に溜り、傾斜溝部１１ａ，１２ａを
経て縦溝１ａに流入し、間柱３に沿つてその表側
を順次下方の傾斜溝部へと流下し、最終的には水
切板５と最下部外装板との隙間から外部へ排出さ
れる。外装板の張設に際して上層下層の外装板の
夫々の縦溝１ａ，１ｂ，１ｃが連絡するよう構成
されていることは勿論である。これら溝は外壁内
空気の流通を向上させるものに役立つ。

上記実施例の他、第５図示の如くＶ型横みぞ１
１，１２の傾斜溝部１１ａ，１２ａが下方に屈曲
され、直接相手側グループの横みぞ１２，１１に
連結されていてもよい。

上記実施例はいずれも横張外装板について説明
したが縦張外装板にも適用できる。

本考案は以上の如く、上下方向に連結された複
数の横溝を裏面に設けた外装板が柱、間柱に防水
シートを介して固定され、前記外装板裏面に生ず
る結露水や漏水を集めて下方へ導くようにした外
壁構造であるので、外装板の釘着による柱、間柱
との密着部分に水が滞溜することがなく容易に流
下排出される。従つて水が壁体内に浸入して外壁
の寿命を縮めることがなくなつた。また、外壁内
部の通気がよくなることにより、壁体内の結露現
象を軽減し、外装板の耐候性をも改善することと
なつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す外装板の裏面
図、第２図は外装板張設状態平面図、第３図は外
壁の縦断面図、第４図は第１図の要部拡大図、第
５図は他の実施例の要部拡大裏面図である。 １……外装板、１１，１２，１３，１４……横
みぞ、２……柱、３……間柱、４……アスフアル
トフエルト、５……水切金物、１ａ，１ｂ，１ｃ
……縦みぞ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外装板の裏面に溝を設け、該溝は横方向に複数
   のグループに分割され、各グループは上下に並行
   する横溝からなり、隣接グループの並行横溝は、
   互いに上下方向に1/2ピツチだけ位置をずらして
   配置され、その端部が下向傾斜して直接、または
   縦溝を介して相手側グループの横溝と連結されて
   おり、これら外装板を柱、間柱に防水シートを介
   して固定したことを特徴とする外壁構造。