JPS61241358A - ポリイミド前駆体溶液 - Google Patents

ポリイミド前駆体溶液

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JPS61241358A
JPS61241358A JP6827385A JP6827385A JPS61241358A JP S61241358 A JPS61241358 A JP S61241358A JP 6827385 A JP6827385 A JP 6827385A JP 6827385 A JP6827385 A JP 6827385A JP S61241358 A JPS61241358 A JP S61241358A
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JP
Japan
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general formula
polyimide precursor
formulas
component
formula
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Application number
JP6827385A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Igarashi
一雅 五十嵐
Katsuhiko Yamaguchi
勝彦 山口
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP6827385A priority Critical patent/JPS61241358A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ポリイミド前駆体の溶媒として汎用溶剤で
ある多価アルコール誘導体を用いたポリイミド前駆体溶
液に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、耐熱性に富んだ芳香族ポリイミドは、それ自身
有機溶剤に不要であるためそのままの状態ではフィルム
等の成形体に加工することができない。したがって、通
常、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の状態でN
−メチル−2−ピロリドン、N、N’−ジメチルアセト
アミド、N。
N゛−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルホスホルアミドの有機極性溶剤に溶解し、
それをガラス板上等に流延し、高温下で加熱処理して脱
水閉環させることによりポリイミドフィルム等にするこ
とが行われている。しかしながら、上記有機極性溶剤は
いずれも皮膚吸収性を有していて毒性が強いため、その
取扱いには耐溶剤手袋を着用しなければならない等の煩
雑さがあり、取扱い性に難点がある。また、これらの有
機極性溶剤は、溶解力が強いため、上記ポリアミド酸の
有機極性溶剤溶液を被塗布材に塗布し加熱硬化して被塗
布材の表面にポリイミド膜を形成するような場合、被塗
布材として有機材料を用いると、その材料が、上記有機
極性溶剤に侵されてしまうため、通常、被塗布材として
金属、金属酸化物等の無機材料を用いざるをえずポリイ
ミドの適用範囲が有機極性溶剤によって狭まっている。
有機極性溶剤は上記のような難点を有しているため、こ
れ以外の溶剤に溶解するポリイミド前駆体が研究され、
フェノール、クレゾール等のフェノール系溶剤に可溶な
ポリイミド前駆体が開発された。このようなフェノール
系溶剤を用いたポリイミド前駆体溶液は、フェノール系
溶剤は臭気(例えばクレゾール臭)が強く、また、皮膚
に付着するとやけどを生じたりするため、安全衛生上問
題がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のように、従来においては、毒性や臭気のない汎用
溶剤に溶解するポリイミド前駆体が開発されていないた
め、これまでに述べたような種々な問題を生じているの
である。したがって、この発明は汎用溶剤に溶解するポ
リイミド前駆体を開発することにより、取扱い性がよく
、また安全衛生上の問題を生じず、適用範囲の広いポリ
イミド前駆体溶液を提供することをその目的とするもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明のポリイミド前駆
体は下記のA成分およびB成分が合計で100〜80モ
ル%含有されているとともに下記のC成分が0〜20モ
ル%含有され、かつ上記A成分とB成分との相互の割合
が、A成分と日成分の合計量を100モル%としたとき
に、A成分100〜80モル%に対してB成分が0〜2
0モル%の割合に選択されているポリイミド前駆体と、
その溶媒とからなるポリイミド前駆体溶液であって、上
記溶媒が下記のD成分を主成分とするという構成をとる
(A)一般式(1)で表される反覆単位および一般式(
2)で表される反覆単位の少なくとも一方。
(B)一般式(3)で表されるところの一種もしくは複
数種の反覆単位。
(C)一般式(4)で表される反覆単位、一般式(5)
で表される反覆単位および一般式(6)で表される反覆
単位の少なくとも一つ。
〕 (D)一般式(7)で表される多価アルコール誘導体。
)1sC+0−CHxCHi”)1−OCH3−−−−
−−−−−−−・ (7)〔式(7)において、mは4
以上の整数である。〕本発明者らは、汎用溶剤に溶解す
るポリイミド前駆体を開発するために一連の研究を重ね
た結果、ポリイミド前駆体の溶解性に大きな影響を及ぼ
すのがポリイミド前駆体の合成に用いられる原料、特に
ジアミノ化合物にあることをつきとめ、特定の芳香族4
核体ジアミンを用い、これと特定の芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物ないしはその誘導体とを組み合わせると、
汎用溶剤である上記の−般式(7)で表される多価アル
コールm導体に赫れた溶解性を有するポリイミド前駆体
が得られることをみいだしこの発明に到達したのである
この発明のポリイミド前駆体溶液は、ポリイミド前駆体
の溶媒として、汎用溶剤である多価アルコール誘導体を
用いているため、取り扱いに際して耐溶剤手袋等を着用
量る必要がなく、また皮膚に付着してもやけど等を生じ
ず、しかも上記多価アルコール誘導体が前記有機極性溶
剤はど溶解力が強くないため、有機材料に対しても適用
しうるのである。しかもこの発明のポリイミド前駆体溶
液は、従来のポリイミドと同等の優れた特性を有するポ
リイミドを形成しうるのである。すなわち、全芳香族ポ
リイミド前駆体の溶解性を向上させるためには、一般に
、ポリマー中に嵩高い置換基を導入してその結晶性を低
下させたり、または出発原料であるジアミノ化合物とし
てオルソまたはメタ置換ジアミンを用い、ポリマーの分
子鎖をジグザグ状にしてその結晶性を低下させることが
考えられる。しかしながら、このようにしてボリイミイ
ミドは強靭性等の特性が悪くなるのである。
しかしながら、この発明は、上記のようなポリマーの結
晶性を低下させるというありきたりの方法によらず、ポ
リイミド前駆体の出発物質として特定のジアミノ化合物
を選択し、これと特定の芳香族テトラカルボン酸二無水
物ないしはその誘導体とを組み合わせることによりポリ
イミド前駆体の溶解性を向上させ、かつその生成前駆体
の熔解に最適な汎用溶剤を選択使用してポリイミド前駆
体溶液を製造するものであるため、生成ポリイミドは良
好であり、強靭性等の特性において、従来のポリイミド
と同等の特性を有するのである。
この発明に用いるポリイミド前駆体は、通常、下記の一
般式(lO)で表されるジアミノ化合物を用い、場合に
よってはその一部を下記の一般式(11)%式%(10
) 〔式中、χは、前記一般式(1)のとおりである。〕で
表されるシア龜ノシロキサンて置換し、これと、下記の
一般式(12)で表される芳香族テトラカルボン酸二無
水物ないしはその誘導体および一般式(13)で表され
る芳香族テトラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体
の片方もしくは双方とを反応させることにより、場合に
よっては下記の一般式(12)および(13)で表され
る芳香族テトラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体
の一部を下・記の一般式(14)で表される芳香族テト
ラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体で置換して反
応させることにより得られる。
〔^r、は前記一般式(1)のとおりである、〕(Ar
mは前記一般式(2)のとおりである、〕[Arcは前
記一般式(3)のとおりである、]上記一般式(lO)
で表されるジアミノ化合物の代表例を例示すると、2.
2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン、2.2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕へキサフルオロプロパン、4.4’−ジ(4
−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホンがあげられる
。好適なのは2.2−ビス(4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパンである。上記例示の芳香族4核
体ジアミンは単独で用いてもよいし、併せて用いてもよ
い。
また、一般式(11)で表されるジアミノシロキサンの
代表的なものを例示すると下記のとおりである。
CH2CI。
CHs  CH3 CaHs  CJs cns  C■。
Cs、Hs   0CHs   CJs上記例示のジア
ミノシロキサンは、ポリイミドに対して、シリコンウェ
ハやガラス等のケイ素含有材に対する密着性を特に付与
する必要があるときに使用するものであるが、この過剰
使用はポリイミドの耐熱性や耐湿性を損なう、したがっ
て、上記一般式(11)で表されるジアミノシロキサン
の使用量はジアミノ化合物全体中の1〜20モル%の範
囲内に抑制する必要がある。好ましい範囲は1〜4モル
%であり、最も好ましい範囲は2〜3.5モル%である
。ポリイミドの用途が、ポリイミドフィルム等のように
、ケイ素含有材に対する密着性を要求されない分野であ
る場合には上記一般式(11)で表されるジアミノシロ
キサンを用いる必要はない。
上記一般式(12)で表される芳香族テトラカルボン酸
二無水物は、3.3°、4.4’ −ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物であり、一般式(13)で表される
芳香族テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二
無水物である。これらは単独でもしくは併せて用いられ
、またこれらのエステルや酸塩化物等の誘導体も用いら
れる。しかしながら、特に好適なのは二無水物である。
二無水物を用いると、特に優れた特性を持つポリイミド
前駆体が得られるようになるのである。
また、上記一般式(14)で表される芳香族テトラカル
ボン酸二無水物は、前記一般式(12) 、 (13)
で表される芳香族二無水物以外の芳香族テトラカルボン
酸二無水物であり、これらのエステルや酸塩化物等の誘
導体も用いられる。一般式(14)で表される芳香族テ
トラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体は必要に応
じて適宜使用されるものであり、前記一般式(3)で表
される反覆単位の構成成分となるものである。前記一般
式(3)で表される反覆単位の割合があまり多くなると
、ポリイミド前駆体の、前記溶剤に対する溶解性等が低
下するため、その割合は、一般式(1)および(2)で
表さ ・れる反覆単位(A成分)と一般式(3)で表さ
れる反覆単位(B単位)の合計を100モル%にしたと
きに、一般式(3)で表される反覆単位(B成分)が0
〜20モル%(これを2モル%とする)となり、一般式
(1)および一般式(2)で表される反覆単位(A成分
)が、100−1モル%であるところの100〜80モ
ル%になるように選ばれる。
一般式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無
水物の好適な例としては、2,3.3°、4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物および3.3”、4,4
” −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物があげ
られる。これらは単独でもしくは併せて用いられ、また
これらのエステルや酸塩化物等の誘導体も用いられる。
なお、上記一般式(14)で表される芳香族テトラカル
ボン酸二無水物ないしその誘導体を一般式(12) 、
 (13)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物
ないしその誘導体の一部に代えて使用するときには、一
般式(14)で表される芳香族二無水物ないしその誘導
体と反応するジアミノ化合物は、通常、一般式(10)
で表されるジアミノ化合物ないしは一般式(11)で表
されるジアミノ化合物となる。
したがって、一般式(1) 、 (2)および(3)で
表される反覆単位の全てにおいてジアミノ化合物残基は
一般式(10)および(11)から誘導されるものとな
り共通するようになる。しかしながら、ジアミノ化合物
としては、上記一般式(10)および(11)で表され
るものに限定されるものではなく、その一部に代えて、
上記一般式(10)および(11)で表されるジアミノ
化合物以外のその他のジアミノ化合物を用いてもよい。
しかし、このようにする場合には、全体を同一反応容器
において反応させて上記その他のジアミノ化合物から誘
導される構造部分がポリイミド分子鎖のところどころに
導入されるようにする必要がある。このようにすればポ
リイミドの溶解性が確保される。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物ないしその誘導体
とジアミノ化合物との重合反応は従来公知の方法に準じ
て行えばよ(、通常、前記一般式(7)で表される多価
アルコール誘導体中に、芳香族テトラカルボン酸二無水
物ないしその誘導体とジアミノ化合物とを等モルもしく
はほぼ等モル仕込み、好ましくは窒素ガス気流下で、重
合発熱を勘案して80℃以下、好適には60℃以下に制
限しながら高い重合度が得られるまで反応させることが
行われる。この重合度は反応物の固有粘度ηを調べるこ
とによって簡単に検知できるものであり、その固有粘度
が、0.3〜3.0の範囲内に入るようにすることが好
ましいのである。
上記固有粘度〔η〕は、得られたポリイミド前駆体溶液
からポリイミド前駆体を水で再沈させ、これを40℃以
下の温度条件下で減圧乾燥し、得られた乾燥品をN−メ
チル−2−ピロリドンに溶解し、測定温度30±0.0
1℃(恒温槽)でつぎの式: %式%) t;ウベローデ粘度計で測定されるポリマー溶液の落下
時間 tO;上記と同様にして測定される溶媒の落下時間 C;ポリイミド前駆体の濃度(0,5重量%とじた) より算出することができる。
上記一般式(7)で表される多価アルコール誘導体は、
上記式(7)において、mが4以上の整数のものであり
、通常、mが6までのものが使用され、とりわけ、mが
4のものが好適に使用される。
その代表例としては、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル等のグ
リコールジアルキルエーテルがあげられ、単独でもしく
は併せて使用することができる。
これらの多価アルコール誘導体は、有機極性溶剤例えば
N、N’  −ジメチルホルムアミドと比較して化学的
に不活性であり、また低揮発性、難引火性であって取り
扱い作業性に優れているのである。
このようにして、この発明のポリイミド前駆体溶液が得
られる。このポリイミド前駆体溶液は、通常、15〜3
0重量%の濃度で用いられる。この場合のポリイミド前
駆体溶液の希釈溶媒としては、上記一般式(7)で表さ
れる多価アルコール誘導体をそのまま用いることができ
るのはいうまでもない、また、その他取り扱い性を低下
させない範囲内において(通常、全溶剤組成中の50重
量%以下)従来用いられていた有機極性溶剤もしくはフ
ェノール系溶剤等を使用することもできる。
この場合、有機極性溶剤もしくはフェノール系溶剤の使
用量が従来の半量以下となるため、その弊害も著しく低
下するのである。さらにポリイミド前駆体に対する溶解
能のないベンゼン、キシレン等の炭化水素系溶剤、ケト
ン系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテ
ル系溶剤、グリコールモノエーテル系溶剤および前記一
般式(7)においてm=1〜3で示されるグリコールエ
ーテル系溶剤等の各種汎用溶剤をポリイミド前駆体を析
出させない範囲内において希釈溶媒として使用すること
もできる。
なお、この発明においてポリイミド前駆体とは、一部が
脱水閉環してイミド化しているものを含むものであり、
まだイミド化工程を経由していないもののことをいうの
である。また、この発明のポリイミド前駆体溶液は、重
合溶媒として有機極性溶剤を用い、ポリイミド前駆体合
成後、溶媒置換によって、前記一般式(7)で表される
多価アルコール誘導体に、合成ポリイミド前駆体を溶解
して製造してもよい。
また、ポリイミド前駆体合成時の仕込み濃度は、一般に
5〜50重量%の範囲が適当であるが、これは経済的な
観点ないし使用目的により任意に選択することができる
。また、反応終了後の重合体溶液は、高い重合度をもつ
ため、場合により溶液粘度が使用目的の粘度よりも相当
に高い場合もあるが、この場合においても通常40〜8
0℃に加温し、熟成工程を経由させることにより所望粘
度まで低下させることができる。
この発明のポリイミド前駆体溶液は、上記のような汎用
溶剤を用いているため、取扱い性等に優れており、これ
を被着体に塗布したのち、高温加熱処理して脱水閉環す
ることにより、耐熱性2強靭性等の特性の優れたポリイ
ミドに変換することができるのである。また、ポリイミ
ドフィルムの製造にも利用することができるのはもちろ
んである。これらの場合において、イミド化の方法は上
記のような加熱イミド化に限るものではなく、例えば上
記ポリイミド前駆体溶液をガラス板上に流延し乾燥して
皮膜を形成し、生成皮膜をピリジンと無水酢酸のベンゼ
ン溶液に浸漬して脱溶剤とイミド化反応を行わさせポリ
イミドフィルム化する等の化学的イミド化も行うことが
できる。特に、この発明のポリイミド前駆体溶液を、半
導体素子表面の保護膜、パッシベーション膜、α線シー
ルド膜等め用途に用いる場合、被着体であるケイ素含有
材に対する密着性が要求される。そのような場合には、
すでに述べたように、前記一般式(11)で表されるジ
アミノシロキサンが一般式(10)で表される芳香族4
核体ジアミンと共に用いられるのであるが、これらを同
じ反応容器内において芳香族テトラカルボン酸二無水物
ないしその誘導体と反応させて共重合体からなるポリイ
ミド前駆体を合成するのではな(、上記一般式(11)
で表されるジアミノシロキサンと上記一般式(10)で
表される芳香族4核体ジアミンとを別個の反応容器内で
反応させて2種類のポリイミド前駆体を合成し、これを
合成後において混合することにより、目的とするポリイ
ミド前駆体溶液を製造するようにしてもよい。しかしな
がら、このようにするよりも、前記のように生成ポリイ
ミド前駆体を共重合体にすることが好ましいのであり、
これにより密着性および耐湿性特性のばらつき等が生じ
ず品質の安定したポリイミドを形成しうるポリイミド前
駆体溶液を製造できるのである。
また、この発明のポリイミド前駆体溶液は、半導体素子
表面のパッジベージコン膜等として非常に有用であり、
半導体装置組立の際によく利用されるのであるが、上記
パッシベーション膜等のなかにイオン性不純物が含まれ
ているとその電気特性に悪影響を及ぼすため、イオン性
不純物を除去する必要がある。この除去の方法としては
、各モノマー成分および使用溶剤を、再結晶、蒸留とい
う公知の精製法で精製することがあげられ、これによっ
て上記イオン性不純物のほぼ完全な除去が可能である。
精製度合の目安としては、Naイオン、 Cj!イオン
ともに5 ppm以下、好適には1pp−以下である。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明のポリイミド前駆体溶液は、使
用溶媒が汎用溶剤であるところの多価アルコール誘導体
であるため、従来用いられていた有機極性溶剤のような
毒性や皮膚吸収性がなく、したがって、その取扱いに際
して耐溶剤手袋等の着用の必要がなく取扱い性に優れて
いる。またフェノール系溶剤のような臭気ややけどの恐
れもないため、安全衛生上の問題も生じないのであり、
従来公知の各種用途に好適に使用できる。そのうえ、上
記多価アルコール誘導体は、有機極性溶剤のような強力
な溶解力を存していないため、この発明のポリイミド前
駆体溶液をポリエステル等の有機材料からなる被着体に
塗布しても有機材料製被着体を溶解する恐れがなく、従
来では適用が不可能であった有機材料製被着体に対して
も適用ができ、ポリイミドの適用範囲を大幅に広げうる
のである。しかも、この発明は、ポリイミド前駆体の分
子構造中に嵩高い置換体を導入したり、もしくは出発原
料としてオルソ、メタ置換体ジアミンを用いる等によっ
てポリマーの結晶性を低下させるというようなことをせ
ず、特定の芳香族4核体ジアミンと芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物ないしはその誘導体とを組み合わせること
によって汎用溶剤である多価アルコール誘導体に可溶な
ポリイミド前駆体を製造し、その溶液をつくるため、そ
のイミド化により生じるポリイミドは良好であり、した
がって、耐熱性2強靭性等の特性において従来のポリイ
ミドと同等の性能をもつポリイミドが得られるようにな
る。この発明のポリイミド前駆体溶液は、このような優
れた特徴を有しているため、広範な用途に利用でき、優
れた効果を発揮しうるのである。例えば、半導体素子表
面のパッシベーション膜、保護膜、ダイオード、サイク
リスタ、トランジスタ等のP−N接合部のジャンクショ
ン保護膜、VLS Iのα線シールド膜、眉間絶縁膜、
透明電極を含むガラス基板またはポリエステル基板等の
有機フィルム基板からなる液晶セルの液晶配向膜、積層
板、各種基板のサンドイッチ構造用の接着剤、各種絶縁
皮膜等に好適に利用できる。また、この発明のポリイミ
ド前駆体溶液は、上記のような用途だけでなく、無機、
有機等の各種充填剤を分散したペーストのバインダー(
結着材)としても有用である0例えば銀粉、金粉、パラ
ジウム粉等の導電性充填剤を含む耐熱性導電性ペースト
のバインダーとしてチップボンディング用、電子部品の
電極用等に使用できる。また、ウラン、トリウム含量が
59pb以下の有機または無機質フィラーを分散してソ
フトエラー防止用スクリーン印刷用ペーストとしても使
用できるのであり、これらの用途において、優れた効果
を発揮するのである。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
なお、以下の実施例および比較例において溶液の粘度は
、東京計器社製EMD型回転粘度針を用い、25℃で測
定した値であり、フィルムの引張抗張力2体積抵抗率は
それぞれJIS K6760 、 JISK648に準
じて測定した値である。また密着性は、シリコンウェハ
(ミラーシリコン)上にフィルムを形成し、JIS 0
0202に準じて試験を行い、(剥離数)/(総数)を
調べることによって測定したものである。
〔実施例1〜5、比較例1〜3〕 ジアミノ化合物として第1表に示すジアミンを用い、分
子構造中にシロキサン結合を有しないポリイミド前駆体
の溶液をつぎのようにして製造した。
すなわち、攪拌装置、冷却管、温度計および窒素置換装
置をつけた、500 m Itのフラスコ中に、蒸留に
より精製した第1表に示す有機溶剤を同表に示す量添加
し、窒素ガスを流入した。ついで上記第1表に示すジア
ミノ化合物を同表に示す量だけ添加し攪拌し、続いて第
1表に示す酸二無水物を少量づつ5分の間に徐々に添加
した。これにより反応系の粘度が徐々に増加するととも
に温度が38℃に昇温した。ついで温度を30℃に保っ
て6時間攪拌を続けた結果、反応系は、第1表に示す粘
度と、状態の溶液となり、目的とするポリイミド前駆体
溶液が得られた。
つぎに、得られたポリイミド前駆体溶液をガラス板上に
塗布し、150℃で1時間、200℃で1時間、さらに
25(1℃で6時間乾燥機中で加熱して硬化させ透明ポ
リイミドフィルム化した。つぎに、得られたポリイミド
フィルムをガラス板より剥離させ、引張抗張力9体積抵
抗率を測定し、その結果を第1表に併せて示した。
実施例1〜5と比較例1との対比かられかるように、実
施例1〜5のポリイミド前駆体溶液を用いて得られたポ
リイミドフィルムと有機極性溶剤を用いて得られた比較
例1のポリイミドフイルムの特性は近似しており、この
発明のポリイミド前駆体溶液から得られるポリイミドが
従来と同様の優れた特性を有していることがわかる。ま
た、比較例2および3では生成ポリイミド前駆体溶液が
ポリマーの析出により不透明状になったため、ポリイミ
ドフィルム化ができなかった。
(以下余白) 〔実施例6〜8、比較例4〕 ジアミノ化合物として、芳香族4核体ジアミンとともに
、ジアミノシロキサンを用い、・分子構造中にシロキサ
ン結合を有するポリイミド前駆体の溶液をつぎのように
して製造した。
すなわち、第1表に示す有機溶剤、酸二無水物、ジアミ
ノ化合物に代えて第2表に示す原料をそれぞれ用い、上
記実施例1〜5.比較例1〜5と同様にして分子構造中
にシロキサン結合を有するポリイミド前駆体の溶液を製
造した。そして、得られた溶液を、前記と同様にしてガ
ラス板上に塗布し、加熱硬化させ、ポリイミドフィルム
化した。この場合、実施例6.7で得られたポリイミド
フィルムについては密着性は良好であったが、実施例8
で得られたポリイミドフィルムはジアミノシロキサンの
使用量が少ないため実施例6および7のものほど密着性
には冨んでいなかった。他方、比較例6で得られたポリ
イミドフィルムはガラス板に対する密着性は良好である
ものの熱分解温度(空気中で測定)が320℃であり、
実施例6および7で得られたポリイミドフィルムの41
5’C,415℃に比べて耐熱性がかなり劣っており、
実用上問題があることがわかる。
(以下余白) 手続補正書(自発 昭和61年 5月13日

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記のA成分およびB成分が合計で100〜80
    モル%含有されているとともに下記のC成分が0〜20
    モル%含有され、かつ上記A成分とB成分との相互の割
    合が、A成分とB成分の合計量を100モル%としたと
    きに、A成分100〜80モル%に対してB成分が0〜
    20モル%の割合に選択されているポリイミド前駆体と
    、その溶媒とからなるポリイミド前駆体溶液であって、
    上記溶媒が下記のD成分を主成分とするものであるポリ
    イミド前駆体溶液。 (A)一般式(1)で表される反覆単位および一般式(
    2)で表される反覆単位の少なくとも一方。 ▲数式、化学式、表等があります▼………(1) ▲数式、化学式、表等があります▼………(2) 〔上記式(1)、(2)において、Ar_1は3,3′
    ,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸残基、Ar_
    2はピロメリット酸残基、XはC(CH_3)_2、C
    (CF_3)_2またはSO_2である。〕(B)一般
    式(3)で表されるところの一種もしくは複数種の反覆
    単位。 ▲数式、化学式、表等があります▼………(3) 〔上記式(3)において、Ar_3は式(1)、(2)
    で示したAr_1およびAr_2以外のテトラカルボン
    酸残基であり、Yはジアミノ化合物残基である。〕(C
    )一般式(4)で表される反覆単位、一般式(5)で表
    される反覆単位および一般式(6)で表される反覆単位
    の少なくとも一つ。 ▲数式、化学式、表等があります▼………(4) ▲数式、化学式、表等があります▼………(5) ▲数式、化学式、表等があります▼………(6) 〔上記式(4)、(5)、(6)において、Ar_1、
    Ar_2およびAr_3は式(1)、(2)、(3)で
    示したとおりであり、Rは二価の有機基、R′は一価の
    有機基、nは1以上の整数である。〕 (D)一般式(7)で表される多価アルコール誘導体。 ▲数式、化学式、表等があります▼………(7) 〔式(7)において、mは4以上の整数である。〕(2
    )B成分が下記の一般式(8)で表される反覆単位およ
    び一般式(9)で表される反覆単位の少なくとも一方で
    ある特許請求の範囲第1項記載のポリイミド前駆体溶液
    。 ▲数式、化学式、表等があります▼……(9) 〔上記式(7)、(8)において、Ar_4は2、3、
    3′、4′−ビフェニルテトラカルボン酸残基、Ar_
    5は3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
    ン酸残基、XはC(CH_3)_2、C(CF_3)_
    2またはSO_2である。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0211631A (ja) * 1988-06-30 1990-01-16 Nippon Steel Chem Co Ltd 半導体保護用樹脂及び半導体
JPH03166227A (ja) * 1989-11-24 1991-07-18 Ube Ind Ltd 熱可塑性芳香族ポリイミド

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