JPS6119236Y2

JPS6119236Y2 -

Info

Publication number: JPS6119236Y2
Application number: JP1980183902U
Authority: JP
Priority date: 1980-12-19
Filing date: 1980-12-19
Publication date: 1986-06-10
Also published as: JPS57105466U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車等において使用されるデイフア
レンシヤルギヤユニツトのオイルシール潤滑機構
に関する。

デイフアレンシヤルギヤユニツトの一つとし
て、ケーシング内にてケーシングにベアリングを
介して回転自在に軸支されたケースを備えるとと
もに、該ケースに回転可能に軸支され前記ベアリ
ングの外側にて前記ケーシングに組付けたオイル
シールを通して前記ケーシング外に延出する左右
一対のサイドギヤシヤフトを備えてなるものがあ
る。ところで、かかる構成のデイフアレンシヤル
ギヤユニツトにおいては、静止時においてケーシ
ング内に封入した潤滑油の液面がオイルシールの
リツプ部の下方部分（サイドギヤシヤフトの軸心
部に相当する）より上方になるようにしてはある
ものの、作動時（回転時）においては、ケーシン
グ内の潤滑油が撹拌されてその液面がオイルシー
ルのリツプ部より下方になり、オイルシールとベ
アリング間に形成される空間から潤滑油が流出し
てしまうため、オイルシールのリツプ部への潤滑
油供給がほとんど期待できない。また、作動後の
静止時（以下、単に静止時という場合がある）に
おいては、潤滑油の液面が元の状態に戻ろうとす
るものの、上記空間への潤滑油の流動をベアリン
グが邪魔するため、上記空間内の潤滑油の液面だ
けが短時間に戻らず、再作動までの時間が短い場
合にはオイルシールのリツプ部に潤滑油が十分に
供給されない。したがつて、オイルシールのリツ
プ部に摩耗、焼付き等の不具合が生じるおそれが
ある。

本考案はかかる実状に鑑みなされたもので、そ
の目的は、静止時においてオイルシールのリツプ
部に潤滑油を良好に供給し得るオイルシール潤滑
機構を提供して、上記した問題を解決しようとす
るものである。

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図は自動車の平行２軸式トランスアク
スルを概略的に示していて、そのケーシング１０
はトランスアクスルケース１１、ミツシヨンケー
ス１１２及びケースカバー１３からなる。トラン
スアクスルケース１１は、その第１図図示右側に
てクランクシヤフトのみを仮想線にて図示したエ
ンジン（詳細はエンジンブロツク）に取付けられ
るものであり、エンジンとトランスアクスルケー
ス１１間にはクラツチ装置２０が収容される。ミ
ツシヨンケース１２はその第１図図示右側にてト
ランスアクスルケース１１に取付けられ、またケ
ースカバー１３はその第１図図示右側にてミツシ
ヨンケース１２に取付けられていて、インプツト
シヤフト３０がクラツチ装置２０と同軸的に配置
されるとともに、アウトプツトシヤフト４０がイ
ンプツトシヤフト３０に平行に配置されている。
またアウトプツトシヤフト４０にはフアイナルド
ライブキツト５０を介してデイフアレンシヤルギ
ヤユニツト６０が連結されている。

インプツトシヤフト３０は、ベアリングB₁を
介してトランスアクスルケース１１に回転自在に
軸支されるとともに、ベアリングB₂を介してミ
ツシヨンケース１２に回転自在に軸支されてい
て、第１速〜第５速のドライブギヤ３１〜３５、
リバースドライブギヤ３６、３−４速切換スリー
ブ３７及び５速切換スリーブ３８を備えている。
またインプツトシヤフト３０はトランスアクスル
ケース１１に組付けたオイルシール３９を通して
トランスアクスルケース１１を貫通しており、図
示右端にてクラツチ装置２０に接続されている。
アウトプツトシヤフト４０は、ベアリングB₃を
介してトランスアクスルケース１１に回転自在に
軸支されるとともに、ベアリングB₄を介してミ
ツシヨンケース１２に回転自在に軸支されてい
て、第１速〜第５速のドリブンギヤ４１〜４５、
リバースドリブンギヤ４６及び１−２速切換スリ
ーブ４７を備えている。また、アウトプツトシヤ
フト４０にはフアイナルドライブキツト５０のピ
ニオンギヤ５１が組付けられている。

デイフアレンシヤルギヤユニツト６０は、第２
図にて詳細に示したように、ケース６１、一対の
ピニオン６２、６２、左右一対のサイドギヤ６
３、６３及び左右一対のサイドギヤシヤフト６
４、６４を備えている。ケース６１は、テーパー
ローラベアリングB₅を介してトランスアクスル
ケース１１に回転自在に軸支されるとともに、テ
ーパーローラベアリングB₆を介してミツシヨン
ケース１２に回転自在に軸支されていて、フアイ
ナルドライブキツト５０のリングギヤ５２を支承
している。またケース６１内には、ピニオンシヤ
フト６５を介してピニオン６２、６２が回転可能
に組付けられ、かつサイドギヤ６３、６３が回転
可能に組付けられている。サイドギヤシヤフト６
４、６４は、その内端部にてサイドギヤ６３、６
３にスプライン結合され、かつその中間部にてケ
ース６１に回転可能に軸支されていて、トランス
アクスルケース１１及びミツシヨンケース１２に
それぞれ組付けたオイルシール６６、６６を通し
てケーシング１０外に延出している。

しかして、本実施例においては、各サイドギヤ
シヤフト６４に、軸方向の油穴６４ａが穿設され
るとともに、半径方向の４本の油孔６４ｂ〜６４
ｂが穿設されている。油穴６４ａは、サイドギヤ
シヤフト６４の軸心に設けられていて、サイドギ
ヤシヤフト６４の内端にて開口している。油孔６
４ｂ〜６４ｂは、油穴６４ａの外端部に設けられ
ていて、油穴６４ａをテーパーローラベアリング
B₅（又はB₆）とオイルシール６６間の空間R₁（又
はR₂）に連通させている。また各油孔６４ｂはサ
イドギヤシヤフト６４の周方向において等間隔
（すなわち、十文字）に設けられている。この油
孔６４ｂの個数及び配置は適宜変更可能である。
また、本実施例においては、ケーシング１０内に
所要量の潤滑油が封入されていて、この潤滑油の
液面はデイフアレンシヤルギヤユニツト６０の静
止時においてサイドギヤシヤフト６４の軸心部に
至る。

かかる構成により、本実施例においては、デイ
フアレンシヤルギヤユニツト６０の静止時、テー
パーローラベアリングB₅、B₆が潤滑油の空間
R₁、R₂への流動を邪魔しても、潤滑油はサイド
ギヤシヤフト６４、６４の油穴６４ａ及び油孔６
４ｂを通つて空間R₁、R₂内に良好に流入するた
め、空間R₁、R₂内の潤滑油の液面がオイルシー
ル６６、６６のリツプ部６６ａ、６６ａの下方部
分より上方になる。この作用は、当該自動車が一
時停止するような短い時間にても得られる。この
ため、デイフアレンシヤルギヤユニツト６０の静
止時又は作動時（サイドギヤシヤフト６４、６４
の回転時）に、オイルシール６６、６６のリツプ
部６６ａ、６６ａは空間R₁、R₂内に流入した潤
滑油により十分に潤滑され、潤滑不良による摩
耗、焼付き等の不具合は生じない。

以上の説明から明らかなように、本考案におい
ては、各サイドギヤシヤフトに、内端にて開口す
る油穴を軸心に軸方向に沿つて設けるとともに、
該油穴をベアリングとオイルシール間の空間に連
通させる油孔を半径方向に設けたことにその構成
上の特徴があり、これにより、デイフアレンシヤ
ルギヤユニツトの静止時においてベアリングとオ
イルシール間の空間に潤滑油を良好にかつ短時間
に流入させることができて、同空間内の潤滑油の
液面をオイルシールのリツプ部の下方部分より上
方にすることができる。したがつて、オイルシー
ルのリツプ部に潤滑油を良好に供給することがで
き、潤滑不良による不具合を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す自動車の平行
２軸式トランスアクスルの概略構成図、第２図は
第１図の要部を詳細に示した拡大断面図である。符号の説明、１０……ケーシング、６０……デ
イフアレンシヤルギヤユニツト、６１……ケー
ス、６４……サイドギヤシヤフト、６４ａ……油
穴、６４ｂ……油孔、６６……オイルシール、
B₅，B₆……テーパーローラベアリング、R₁，R₂
……空間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ケーシング内にて同ケーシングにベアリングを
介して回転自在に軸支されたケースを備えるとと
もに、該ケースに回転可能に軸支された前記ベア
リングの外側にて前記ケーシングに組付けたオイ
ルシールを通して前記ケーシング外に延出する左
右一端のサイドギヤシヤフトを備えてなるデイフ
アレンシヤルギヤユニツトにおいて、前記ケーシ
ング内に封入した潤滑油の液面が当該デイフアレ
ンシヤルギヤユニツトの静止時において前記各サ
イドギヤシヤフトの軸心部に至るようにしてな
り、かつ前記各サイドギヤシヤフトに、内端にて
開口する油穴を軸心に軸方向に沿つて設けるとと
もに、該油穴を前記ベアリングとオイルシール間
の空間に連通させる油孔を半径方向に設けたこと
を特徴とするデイフアレンシヤルギヤユニツトの
オイルシール潤滑機構。