JPS61138703A - 無塵衣 - Google Patents

無塵衣

Info

Publication number
JPS61138703A
JPS61138703A JP59260814A JP26081484A JPS61138703A JP S61138703 A JPS61138703 A JP S61138703A JP 59260814 A JP59260814 A JP 59260814A JP 26081484 A JP26081484 A JP 26081484A JP S61138703 A JPS61138703 A JP S61138703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust
fabric
free
denier
volume ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP59260814A
Other languages
English (en)
Inventor
津元 傳
董 平川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP59260814A priority Critical patent/JPS61138703A/ja
Publication of JPS61138703A publication Critical patent/JPS61138703A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はクリーンルーム、バイオクリーンルーム、手術
室等で使用される無塵衣に関する。更に詳しくは、通気
性および塵埃(ダスト)に対して高捕集効率を有する布
帛で構成され、且つ袖口の密閉性(シーリング)を向上
せしめて袖口からの衣内塵埃(ダスト)の漏れを減少さ
せることにより、防塵性を高めた無塵衣に関するもので
ある。
〈従来技術〉 従来、クリーンルーム、バイオクリーンルーム等で使用
される無塵衣(以下無菌衣等も含めて無塵衣という)と
しては布帛自体からの発塵を防止する目的で合成繊維フ
ィラメント織編物あるいは長繊維スパンボンド不織布な
どが使用されている。
またダストが無塵衣に付着するのを防止する目的で帯電
防止処理が施こされたものが多く使用されている。しか
しクリーンルーム内における最大の発塵源は作業者であ
り、作業者から発塵したダストがクリーンルームの汚染
レベルを上昇させるのである。作業者からの発塵源とし
ては、(1)人体自体、(2)作業者の下着、(3)無
塵衣自体に大別されるが、(3)については長繊維使い
の布帛を用い、かつ無塵衣を無塵クリーニングすること
によってその発塵を低減できる。主発塵源は(1)及び
(2)である。
すなわち、人体や下着などが主要発塵源となっている。
従って人体または下着などから発生したダストが無塵衣
などの外へ放出されるのを防止することが必要である。
そこでダストが無塵衣の外へ放出されることを防止する
ことができ、かつ作業性、耐久性2着心地にすぐれた無
塵衣が必要とされてきた。このダストの放出を防止する
方策としては従来無塵衣用布帛としてダスト透過性の低
い、すなわち、ダスト捕集性の高い(高フィルター性)
のものが指向されてぎたが、従来の織編物はいずれもダ
スト透過率の大きいものくダスト捕集率の低いもの)で
あった。スパンボンド不織布にはダスト透過率の小さい
ものもあるが、反面触感がペーパーライクであり、また
洗濯耐久性の低いものであった。そこで織編物のダスト
透過性を低下せしめ、ダストが無塵衣の外へ放出される
のを防止することを目的として合成繊維フィラメント織
編物に樹脂コーティングした布帛あるいは合成繊維フィ
ラメント織編物にフィルムをラミネートした布帛を用い
た無塵衣などが最近販売されている。
このタイプのものはたとえば防水透湿型樹脂(ポリウレ
タン系樹脂など)を布帛にコーティングすることによっ
て、大きくはないが多少の透湿性を持たせながら、通気
性を低下せしめたものである。
このタイプのものは、通気性がなく空気を通さないので
ダストを透過させない。しかし反面、(1)透湿性1通
気性が不充分であるために着用時のムレが大きい、 (
2)樹脂コーティング(またはラミネート)したものは
一般に着用耐久性、洗濯耐久性。
耐摩耗性が劣る。(3)クリーンルーム用衣服はドライ
クリーニングされることが多いが、防水透湿性樹脂等は
一般にその耐久性に問題がある。、 (41また本発明
者等が特願昭59−26)32号及び特願昭59−11
5391号で指摘した如く、クリーンルーム内等で極め
て高度の清浄度が要求されるようになった現在では、作
業者が無塵衣を着用して動作した際に、無塵衣の袖口や
衿口等の開口部から洩出する衣内ダスト量の影響が無視
できなくなってきており、開口部から洩出する衣内ダス
トのため無塵衣の防塵性がある水準以上に改良されない
という欠点がある。通気性およびダスト捕集性の高い無
塵衣を提供するため、本発明者等は、特願昭59−26
)32号及び特願昭59−115391号で通気性を有
し、ダスト捕集効率の極めてすぐれた布帛を提案した。
これは無塵衣用布帛としては、高度の機能(ダスト捕集
効率、着用快適性、耐久性、制電性)を有するものであ
るが、上述のごとく無塵衣として用いたときの防塵性を
さらに高めるには袖口構造の改善が必要であることを見
出した。
ところで袖口、衿口等の開口部から直接漏れる空気最は
一般的に人肉圧力に比例し、布帛の通気度に反比例する
が、布帛の通気度が小さい程、人肉圧力は高くなるので
、開口部から直接漏れ出るダスト量は布帛の通気度の関
数となり、布帛の通気度が低い程増大する。しかし、本
発明者等が特願昭59−115391号で循案した布帛
は、通気性のほとんどないコーティング布帛やラミネー
ト布帛と比較すると大きな通気性を有するものであるが
、従来の無産衣用イ5帛と比較すると通気度が低いもの
であって、′Mil 1mからのダスト漏れは、さけら
れないという欠点が残されていた。
すなわち、ダスト捕集効率、II用快適性(透湿性1通
気性)、耐久性、制電性並びに袖口等からのダスト漏れ
防止性を共に満足する無塵衣はこれまで得られていない
。特に袖口からのダスト漏れは、作業者が製品を手で取
扱う場合が多いことから、クリーンルームの清浄度を低
下させるのみでなく、製品への汚染が著しく大きいとい
う点で特に問題が大きい。
そこで、従来の無塵衣製品について本発明者等は袖口か
らのダスト漏れ防止性を評価したが、その性能はきわめ
て不充分なものであった。すなわら、ダスト捕集効率9
着用快適性、耐久性、訓電性、及び袖口からのダスト漏
れ防止性をいずれも満足する無塵衣はこれまで得られて
いない。
〈発明の目的〉 本発明者らはかかる欠点を解消すべく鋭意検討を重ねた
結果、ダスト捕集効率が極めて良好となるような微細孔
構造を有し、かつ通気度が約4CC/ d / sea
以下のill電性布帛を用い、該布帛より成る無塵衣の
袖口のシーリング性を改良することにより、従来の欠点
が解消された島防塵性無塵衣が、得られることを見い出
し本発明に到達したものである。
すなわち本発明の目的は、極めて高度の清浄度が要求さ
れるクリーンルームにも対応できる無塵衣、すなわちダ
スト捕集効率1着用快適性、耐久性、訓電性、及び袖口
からのダスト漏れ防止性にすぐれる無塵衣を提供するこ
とにある。
〈発明の構成〉 すなわち、本発明は[単糸繊度が3.5デニール以下、
全繊度が20〜400の長TJAMから成り、電気抵抗
値が1010Ω/α以下の導電性繊維を3ないし50m
mの間隔で経及び/又は緯に混用した、厚さが0.05
〜0.40 mm、通気度が0.3〜4CC/cd/5
eC1孔径に対する累積容積分布において43μm以上
の孔径に対する累積容積比が40%以下である布帛を使
用し且つ袖口部の拡張応力Tが1509以上であること
を特徴とする無塵衣」である。
ここに長m帷の素材は特に限定されない。例えばポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフ
タレート(PAT)等のポリエステル系、ナイロン−6
、ナイロン−66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系
、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系
、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリルなどのポリビニル系重合体からなる合成繊維
レーヨン繊維、アセテート繊維、絹あるいはガラス繊維
などを挙げることができる。長繊維はこれらの単独で構
成してもよく、またこれらの2種以上の素材で構成して
もよい。無塵衣は衣料としての機能に加え、場合によっ
ては耐薬品性が要求され、また耐久性、耐洗濯性、耐ド
ライクリーニング性、防炎性が特に要求される場合があ
る。これらの各要求特性に対して広範に対応可能な素材
を使用するのがより好ましく、このような素材はPET
、PBTなどのポリエステル系あるいはナイロン−6、
ナイロン−66などのポリアミド系あるいは芳香族ポリ
アミド系である。
単糸デニールは3.5デニール以下である。後述するよ
うに布帛中の単繊N間空隙の容積比が大きくなる程布帛
のダスト濾過性は向上する傾向にある。一方、ひとつの
フィラメント束を考えた場合、単位重量当りの該フィラ
メント束の表面積はその単糸デニールが小さい程大きく
なる。従って単糸フィラメント間で生じるフィラメント
束内の細孔は単糸デニールが細い程、径が小さくなり、
またフィラメント束中の微細孔容積も増大する。単糸繊
度は小さい程好ましく、1.5デニール以下、特に約0
.5デニール以下が好ましい。また単糸繊度を1.5デ
ニール以下とすることによって、柔軟な風合の布帛が得
られる。経及び/又は緯糸の打込み密度を上げて繊維束
間空隙の容積比を小さくした場合、濾過性能は単mM間
空隙の容積比に一段と依存する。従って布帛のダスト濾
過性能を高めるには単糸繊度は重要な要因であり、でき
るだけ小さくするのが好ましい。
単糸繊度が従来に比べて非常に小さい、すなわち極細繊
維フィラメントは公知である。本発明においては公知の
いかなる方法で製造される極細繊維フィラメントも使用
できる。極細繊維フィラメントを得る公知の方法として
は例えば特開昭51−70366号公報、特開昭51〜
130317号公報、特開昭Sl−58578@公報、
特公昭56−16231号公報、特開昭58−1866
63号公報などの剥離型複合紡糸方法。
特公昭45−6297号公報、特公昭44−18369
号公報。
特公昭58−22126号公報などの海島型複合紡糸方
法、特開昭54−30924号公報、特開昭54−73
915号公報、特開昭55−1338号公報、特開昭5
5−152809号公報などの直接紡糸法などを挙げる
ことができる。これらの極細繊維は、公知の方法に従っ
て織編物に製造することができる。
単糸フィラメントの断面形状については特に限定されな
い。丸断面でも良く、あるいは三角断面。
十字断面、中空断面、星型断面等のW形断面でも良い。
もちろん丸断面と異形断面が混合されてもよい。単繊椎
間空隙の容積比の増大を図る場合、異形断面の使用また
は混用が有利となる場合もある。
経糸または緯糸の太ざ(全繊度)は20〜400デニー
ルであることが必要である。経糸または緯糸の全繊度が
400デニールを超える場合は、布帛が厚くなり、また
布帛の風合が悪くなるばかりでなく、経糸、緯糸間の空
隙が大きくなり濾過性能の低下を招くので好ましくない
。また全繊度が20デニ一ル未満の場合は、布帛が薄す
ぎるために布帛の強さが不足し耐久性に欠けたりあるい
は濾過性能が低下する。特に好ましい全繊度は50〜2
50デニールである。
布帛の厚さは0.05〜0,40 tmの範囲である。
布帛の厚さが0,40 xaを超える場合には、厚さの
増大に伴い濾過性能は向上するが、しかし無塵衣が重す
ぎて着用感が悪化する。厚さが0.05 mより少ない
場合には薄すぎるために布帛の強さが不足し耐久性に欠
けたり濾過性能が低下する。
フィラメントの形態としてはフラットヤーン。
嵩高加工糸などを用いることができる。仮撚加工系や収
縮差の異なる糸条が混合されたフィラメントなどの嵩高
加工糸は、フラットヤーンの場合よりも単糸間バラケが
慨して大きい。このため嵩高加工糸より成る布帛は、単
繊椎間空隙の容積比がフラットヤーンよりも大きくなり
、濾過性が慨してすぐれている。従って1成分が他の成
分より高い収縮率を示す分割型極細繊維よりなる織編物
は、嵩高効果に極細lIHの効果も加わって、非常に高
い単繊椎間空隙容積比を得ることが可能である。
織物としては平織、綾織(ツイル)、朱子織などであり
、編物としては横編み(丸編み)、経編みなどである。
布帛の強さ、耐久性、低伸度性。
腰の強さあるいは低通気性を具備せしめるための処理の
容易性を考慮すると、無塵衣用布帛の形態としては織物
がより好ましく、中でち平織、綾織が適当である。
布帛における空隙(孔)は、(1)単繊維がその繊維表
面に有する単繊稚内空隙(I ntra  fiber
pore) 、(2)複数の単繊維間で形成される単繊
椎間空隙(I nter  fiber  pore)
 、 (3)経糸や緯糸を構成する繊維束(Yarn)
の間で形成される繊維束間空隙(I nter  Y 
arn  pore)の3つに大別される。これらの空
隙(細孔)の占める容積を孔径別に測定する方法として
は、流体透過法や電子顕微鏡法等もあるが、孔径に対す
る容積分布を精度よく簡便に測定するには水銀圧入法(
ポロシメーター)が最適である。本発明における孔径に
対する容積分布の測定は水銀圧入法によるものである。
ここで細孔の測定法について概略を説明する。
水銀はほとんどの物質をぬらさないので強制的に圧入さ
れない限り細孔中へ水銀が入ることはない。
細孔径と水銀に加えられる圧力との関係は次式で示され
る。
P−D=−4σCOSθ  ・・・・・・(1)ここで
Pは水銀に加えられた圧力、Dは円筒と仮定した細孔の
直径、σは水銀の表面張力、θは測定しようとする試料
の水銀に対する接触角である。この式から、P、σ及び
θがわかれば細孔直径りが求められる。また圧入された
水銀の体積は細孔の体積を表わす。更に段階的に加えら
れた圧力と圧入される水銀の体積値から孔径に対する容
積弁イ■が得られる。
水銀圧入法で測定された種々の布帛の孔径に対する容積
分布が第1図である。いずれの布帛も1〜10μmと2
0〜100μmに容積比のピークが瑛われる。これらの
ピークはそれぞれ単繊線間空隙と繊維束間空隙に対応す
ると考えられる。容積比とは布帛中の全細孔容積く圧入
された水銀容積)に対するある孔径以上または孔径以下
の累積容積あるいはある一定範囲の孔径間の容積をパー
セントで表わしたものである。容積は布帛1グラム当り
のキュービックセンナメーター(cc/9)で示される
さて一般にダストが織編物を透過する際、織編物中の貫
通孔の径が大きい程、ダストは透過し易い。従ってダス
トの透過を少なくするためには貫通孔の径を小さくする
ことが第一に重要である。
織編物において、最も大きい孔は上記(3)の繊維束間
空隙であるから、これを可能な限り減少せしめなければ
ならない。本発明者等はこの点に関して検討すべく、従
来の無塵衣に使用されている布帛の孔径に対する容積分
布を測定した結果、従来の布帛はいずれも約50μm以
上という大孔径の容積比が非常に高いことを見い出した
。本発明者等はまずかかる大孔径を小さくし、かつ大孔
径の容積比を減少せしめれば従来の無塵衣用布帛の低い
濾過性能を改良できると考え更に検討を進めた。繊維束
間空隙の径及びその容積比に影響する要因としては打込
み密度、カレンダー加工処理の有無とその条件、使用す
る繊維の形態(例えばフラットヤーン、嵩高加工糸)、
織組織、仕上げ密度などである。仕上げ密度は直接に該
空隙を左右するので可能な限り高くするのが好ましい。
この密度が過少になれば繊維束間空隙が過大となってし
まいフィルター性能が悪化する。通常、織布の平面的な
空隙率は、カバーファクターで表されるが、立体的な織
布空隙率と一致しないこともあってカバ−ファクターで
統一的に表すことは困難である。
hレンダ−加工は、目つぶし効果を奏するので布帛の繊
維束間空隙率を小さくし低通気性を具備させるための一
般的な方法であり、本発明においても有効である。織組
織によっても繊維束間空隙は異なり、平織よりも綾織の
方が繊維束間空隙の容積比がより小さくなる。あるいは
、生機を例えば染色加工工程で、大きく収縮させること
により、高密度の布帛を得ることもできる。これらの手
段を単独であるいは組合せて講じることにより繊維束間
空隙率の小さい織編物を得ることができる。
このようにして得た種々の布帛及び従来の布帛について
孔径に対する容積分布とダスト濾過性能との関係を解析
検討した結果、孔径に対する累積容積分布において孔径
43μm以上の累積容積比が40%・以下の布帛とした
場合にダスト濾過性能が改良されることを見出した。こ
こでいう孔径とは水銀圧入法においUI9出される細孔
の径である。本発明においては前記(1)式でθ=13
0度、σ−484ダイン/αと設定しているので、例え
ば42.6236μmは4.2psia (pound
s  per  5quare  1nchabsol
ute)の圧力に相当する。
孔径43μ瓦以上の累積容積比が40%を超える布帛の
場合には、ダスト濾過性は従来のものと変らない。40
%以下の水準になった場合にダスト濾過性の改良が顕著
となる。孔径43μm以上の累積容積比が25%以下の
場合にはダスト濾過効果は一段と向上する。これは繊維
京間空隙比の減少及びそれに加えてダスト濾過効果が非
常にすぐれている単繊椎間空隙比の増大によるものであ
る。tsi束間空隙の減少は、ダストの漏れ防止を目的
としたものであるのに対して、単繊線間空隙の増大は、
ダストを高効率で濾過する作用の増大を目的とする。適
度の通気性を有しながら非常に^いダスト−過性能を有
する布帛は繊維束間空隙が少なく、かつ単繊線間空隙が
非常に多いものである。本発明において適度の通気性を
有し碌がらダスト濾過性能を最も高めることができる布
帛が備えるべき構造は孔径に対する累積容積分布におい
て孔径0.1〜10μmの累積容積比が28%以上で、
孔径43μm以上の累積容積比が40%以下のものであ
る。
この際、孔径0.1〜10μmの累積容積比が28%よ
り高くなるほど且つ孔径43μm以上の累積容積比が4
0%より低くなる程、ダスト濾過性は高くなる。
特に孔径0,1〜10μmの累積容積比が約40%を超
え、且つ孔径43μ以上の累積容積比が約10%以下の
構造の布帛は適度の通気性を有し、かつ極めて高いダス
ト濾過性を示し、無塵衣用布帛として最も好ましいもの
となる。
一方、ダストの透過を完全に防止可能な布帛を得ること
は容易であり、布帛の通気性を無くすればよい。空気が
布帛を透過できなければ、空気を構成する分子よりも大
きいダストは当然透過できない。しかしながら、発塵の
多い下着の上に無塵衣を着用し、動作した時の0.3μ
m以上の発塵数を測定すると、実質上通気性のない布帛
から成る無塵衣における発塵数は、ゼロに近い値とはな
らず、逆に通気性を有する布帛から成る無塵衣における
発塵数よりも多くなる。通気性が無いかあるいは実質上
通気性のない布帛から成る無塵衣を着用したとしても、
実際には発塵が多いのである。
本発明者等はこの原因を追求するため、実質上通気性が
ない布帛から成る無塵衣の袖口や首部を完全にシールし
たときの上記発II量を調査した結果、発塵口が大巾に
減少した。すなわち、この種の無塵衣の場合、布帛に通
気性が無いため動作に伴う空気の流出入が袖口や首部の
みで行われ、この部分から直接汚染された空気が排出さ
れることが判明した(特願昭59−26)32@)。従
って、無塵衣用布帛としては適度の通気性を有し、かつ
袖口等開口部のシール性の改良が必要である。ここで通
気性が実質上ないとは、極めてわずかの通気性しかない
ことを意味し、JISL  1079のフラジール法に
よる通気度が大体0.2〜0.3cc/ aj /se
a以下のものを指す。
織編物においては一般に4111束間空隙が大きいと通
気酋が大きくなりすぎるので、ダスト濾過性向上という
面からは繊維束間空隙率を適度に低くするのが好ましい
。他方、織編物の通気度が小ざくなりすぎると透湿度が
不足しムレ感を伴う。現在、着用時のムレ感を低減させ
るには、織編物の透湿度は約4000g/ yd / 
24hr以上必要と言われている。布帛にこの透湿度を
具備せしめるには大体0.3cc/ t−d / se
c程度以上、好ましくはo、tcc/d/sea以上の
通気性を具備せしめることが必要である。また、通気度
が4 cc/ d / Secを超える場合とは繊維束
間空隙が大きい場合であり、ダスト濾過性能が低下する
。従って、通気度は0.3〜4 cc/ cj / s
ecの範囲とすることが必要である。
本発明においては布帛の経及び/又は緯に3ないしSO
aw間隔で電気抵抗値が10+sΩ/1以下、好ましく
は109Ω/1以下の導電性長繊維が混用される。該導
電性長1aNの直径は100μ而以下、特に60t17
FLが好ましい。なお電気抵抗値は繊維の両端を導電性
ペーストを用いてアルミホイルに固着して電極とし、試
料長2(J、印加電圧100■にて測定した値である。
導電性繊維の電気抵抗値が1010Ω/cIR以下であ
る限り、その製造方法はいがなるもであってもよい。す
なわち、金属繊維、カーボン繊維、有機導電性繊維のい
ずれをも含む。
有機導電性繊維としては、合成繊維の表面にカーボンブ
ラックや金属粉末を樹脂とともにコーティングしたもの
(特公昭46−23799号公報)、カーボンブラック
や金属微粉末を含むポリマーを一成分とする複合紡糸に
よって得られたちのく特開昭48−48715号公報)
、金属イオンの拡散により繊維内部に金属錯体を形成さ
せたもの、ヨウ化第−銅を繊維内部に含有せしめたもの
(特開昭57−35004号公報)などが挙げられる。
この様な導電性繊維は、布帛の経及び/又は緯に3ない
し504111間隔で混入されるが、その間隔が50M
を越える場合には訓電効果が低下するので不適当であり
、また3MR未渦の場合には、制電効果が飽和する。ま
た、本発明においては、導電性長mWiを混用した布帛
に、更に帯電防止加工剤を付与してもよく、また、制電
性合成長繊維を布帛の経及び/又は緯に用いてもよい。
かかる本発明の制電性布帛のl!j!擦帯電主帯電電荷
密度C/rIt以下となる。
単m維間空隙の容積比を増大せしめる手段としては前記
したように単に単糸デニールを小さくすることも有効で
あるが、更に該容積比を増大せしめるには中糸デニール
を小さくするのみでなく、繊維束内の構造に工夫をこら
さなければならない。
フラットヤーンのように11W束内で各々の単繊維゛フ
ィラメントがほぼ平行に近い状態で集束している場合に
は、単繊維フィラメント同志が長さ方向に沿って近接し
ているために必然的に単繊椎間空隙の容積は低下する。
単繊維デニールを小さくすることによって該容積を多く
することができるが、フラットヤーンである限り、大幅
な増大は望めない。従って、フラットヤーンから成る布
帛においては、43μm以上の繊維束間空隙の容積比を
従来の布帛より減少せしめ、更には単繊維デニールを小
さくしたとしてもその濾過性能には限度があり、更に濾
過性を高くするには通気度を極度に低くしなければなら
ない。布帛のダスト濾過性能を高めるには、繊維束間空
隙の容積を減少させ単繊維デニールを小さくするととも
に、孔径1〜10μ而の単繊椎間空隙の容積比を更に多
くして、単繊維間すなわち繊維束内でダストを濾過でき
る布帛の構造にするのが好ましい。単繊椎間空隙による
容積比の多い布帛を得る方法としては、例えば次のもの
がある。
(1)  単糸繊度が約1デニール以下の、捲縮を有す
るポリエステルマルチフィラメント(例えば仮撚加工糸
)を経糸および/または緯糸に用いて製織する。この際
、繊維束間空隙を少なくするためにできるだけ高密度に
製織する。製織した生機を次に常法に従って精練、染色
し、更に加圧熱ロールでカレンダー加工する。熱ロール
の温度は150〜220℃、圧力は10〜80に9/c
i程度である。必要であれば更にカムフィツト加工を施
し、織物の風合を柔軟化する。かかる織物は従来の布帛
に比べて孔径43μm以上の累積比が低下し、孔径1〜
10μmの累積容積比が高い。
(2)経糸として単糸デニールが1デニール以下のポリ
エステルマルチフィラメントを用い、緯糸としてポリエ
ステル成分とポリアミド成分が交互に隣接して多数環状
に配置され、かつ繊維の長手方向に伸び、全体として管
状体が構成されている分割剥離型中空複合繊維を用いて
製織し生機を得る。中空複合繊維の個々の構成部分のデ
ニールは0.001〜0.8デニールである。この生機
は次いで常法に従って精練、染色される。
この工程によって分割剥離型の複合繊維は分割処理され
る。分割処理は例えばフェニルフェノール類、ベンジル
アルコール、クロルベンゼン類、アルキルベンゼン類あ
るいはジフェニール類などの水性エマルジョン中(10
〜40℃程度)に浸漬することによって行われる。次に
加圧熱ロールでカレンダー加工する。加圧熱ロールの温
度は130〜iao℃、圧力は10〜80Kg/d程度
である。(qられた織物は、分割処理時及び染色時にナ
イロン−6成分がより大きく収縮を起すために、極めて
高密度化するとともに分割によって単糸デニールは極細
化し、且つポリエステル成分とナイロン6成分の糸長に
差が生じる。
従って繊維束間空隙は非常に小さく且つ単繊椎間空隙が
極めて大ぎい織物が得られる。
(3)上記(2では分割剥離型の複合繊維は緯糸のみに
使用したものであるが、経糸及び緯糸とも該複合繊維と
するのも好ましい。加工は(2)と同様にして行う。得
られた織物は上記(2の織物より更に好ましい構造とな
る。
(4)  上記の複合繊維を常温で1500〜3500
T / M程度に加熱し、該複合繊維の接合面を部分的
に分割剥離せしめたのち、上記(2)または(3)と同
じように製繊、加工する。ここで得られる織物は、製織
前に部分的に分割されているため、製織後に施される分
割処理工程で分割され易く、最終的な分割度合は上記の
(2)または(3)よりさらに高い。
(5)上記の(2)の複合繊維に圧空噴射流体処理を施
しく例えば圧空圧4 Kg/ cd 、室温1オーバー
フイード率10%)、該交絡糸を用いて上記(2)また
は(3)と同様にして製織、加工する(特願昭58−1
89997号)。
(6)  上記(2)または(3)の製織布に分割剥離
処理を施す前に、50℃以上の温度で湿熱処理し、次い
で分割剥離処理を行う。
また本発明においては、拡張効力(T)が1509以上
であることが必要である。拡張応力(T)とは袖口など
の開口部における密閉性(シールド性)を表す尺度であ
り、拡張応力(T)の測定方法の詳細は実施例の項にお
ける評価方法として記載している。
一般に、無塵衣の袖口は、袖口からのダスト洩れを防止
するためにゴム状弾性体たとえば輪状ゴムを袖口部に縫
製して取り付けたものが多いが、ゴム状弾性体を用いず
、ホックを用いて袖口を閉めるものもある。しかし従来
の無塵衣においては、王が小さく密閉性が不足している
。無塵衣の全体として防塵性を高めるにはTは150g
以上、好ましくは400 g以上とすることが無塵衣用
袖口として必要である。■の上限についての制限は特に
ないが、あまりに大きい場合は締めつける力が強すぎて
着用感に劣るため、10009を超えないのが望ましい
本発明に使用できる袖口のシール部としては、例えばゴ
ムひちゃゴムベルトのようなゴム状弾性体を用いたもの
、あるいは油部が伸縮性の布帛(例えば、編物や加工糸
織物あるいは不織布あるいはこれら布帛に伸縮性樹脂を
コーティングもしくは積層したもの)で構成されたもの
などを挙げることができる。
〈発明の効果〉 本発明は下記の効果を奏する。
(1)  長繊維使いの織編物布帛であるため、布帛そ
のものからの発塵が少ない。
(2)  ダスト捕集効率を低下させる大径の孔が少な
く、且つダスト捕集効率の高い小径の細孔の多い緻密な
構造を有しているため、ダストの捕集効率が従来のもの
に比して非常に高い。
(3)布帛が適度の通気性を有し、且つダスト捕集効率
が高いので、(イ)無塵衣の防塵性が良好で、しかも(
0)着用時のムレがない。
(4)  柔軟で風合もよく着用感、肌合にすぐれる。
(5)樹脂コーティングあるいは樹脂ラミネートがされ
ていないので、洗濯耐久性、耐摩耗性にすぐれている。
(6)  導電糸を混用しているので、高い濾過性と共
に高い訓電性を有する。
(力 本発明の無塵衣は、袖口のシール性が高く、袖口
からのダスト漏れが少ないので防塵性能が高い。
〈実施例〉 以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお
本発明における評価方法は次の通りである。
(1)孔径に対ザる累積容積分布 測定装置としては水銀圧入式ポロシメーター(島)車製
作所(株製のM icromeritics  A u
teP ore  9200 )を用いた。水銀圧力は
1.9〜60000psia (細孔径94〜o、oo
3μmに相当)の範囲であり、この範囲で43段階の圧
力を設定した。試料布帛・は3グラムである。水銀の接
触角は130度、水銀の表面張力は484ダイン/an
とした。細孔径は(1)式に従い計算した。全細孔容積
とは0.003μm以上の孔径(水銀圧力約60000
psiaに相当)の全細孔容積である。全細孔容積の単
位は、布帛1グラム当りの容積(CC/g>で示される
。孔径43μm以上の累積容積比とは、孔径43μm以
上の容積を全細孔容積で割り、それに100を掛けて求
めた。また孔径0.1〜10μmの累積容積比とは、孔
径0.0937μm以上の累積容積から孔径9,858
5μ汎以上の累積容積を差し引きこれを全細孔容積で割
り、これに100を掛けて求めたもので、いずれもパー
セントで示される。なお第1図の孔径に対する累積容積
比図における孔径とは、平均孔径であり、その容積比と
は平均孔径5を算出した二つの連続した細孔径間の容積
比である。
(2布帛のダスト捕集効率(η) 空気中のダスト濃度及びダスト粒径分布の変動が少なく
空調された室内で評価した。試料布帛を有効直径18 
cmのステンレス製ロートに空気洩れがないように取り
つけ、該ロー1−の導管とダン科学■製4100型ダス
トカウンターとをブラスチックチューブで連続する。ダ
ストカウンターを作動させ(ナンブルエアー吸引量は0
.3f1/分及び1.Op/分とした)、布帛で濾過さ
れた空気をダストカウンターに吸い込み0.3μ雇以上
のダスト数([1)を計測する。室温における空気の0
.37177z以−ヒのダスト数(no )は別途計測
しておく。ダスト捕集効率ηは次式で算出した。
η=(no  −〇 ) /  n。
なおnの計測時には、ロート内圧力(布帛面に接近した
場所)をマノメーターで同時測定し、大気圧との差圧(
圧損、INIIH20)を求めた。
イh帛の通気性が少ないほど圧損は高くなるので、濾過
速度が一定であれば圧損は布帛の通気度を表わす。なお
りランター吸引量を0.3![!/分及び1.0す7分
としたときの濾過速度は、それぞれ0.02 cm /
 SeC、0,066cm / Seeである。無囚衣
を実際に着用し動作した際の無塵衣と下着の間の空間と
無塵衣外の圧力との差を上記マノメーターを用いて前も
って測定した結果では、該圧力差は0.4#H20以下
であった。
(3)  通気度 JISL1096フラジール法で評価した。
(4)透湿度 JISL0208カップ法(温度40℃、相対湿度90
%RH)で評価した。
(5)  無塵衣の防塵性 天井部と側面下部にそれぞれ空気流入、?、出出孔もつ
ボックス(容積0.771L3)をクラス100以下の
クリーンベンチ内に設置し、該ボックスの中へ無塵衣を
着用した人(被検者)が入り、運動をした際の発塵伶を
前記のダストカウンターで測定した。人が入る前のボッ
クスの空気清浄度(B/Gとする)はクリーンベンチと
同程度であった(0.3μm以上のダストが3〜4コ/
fL)。被検者は無塵衣の下に市販の木綿シャツを着用
し、また無塵至用のブーツ、頭巾。
手袋を着用した。無塵衣およびブーツ等はいずれも導電
糸使用の制電性製品である。ボックス内で行った運動は
腕振り(両足は接地)で、90回/分の速度で動作した
。ボックス内での動作によって発生したダストは、気流
とともにボックスの流出孔から出ていくが、ダスト数は
該流出孔の中央部で計測し、B/Gを差し引いて算出し
た。なお上記の下着く木綿のブリーフ及び木綿の長袖シ
ャツ)のみを着用して、同様に足踏み運動を行った際の
発塵数は7160コ/旦という極めて高いものであった
(6)  布帛の厚さ JISL−1079の方法に基いて測定した。
(7)摩擦帯電電荷密度 労働省産業安全ω]究所の静電気安全指針(1978年
10月)帯電防止作業服の構造基準(第154〜第16
)ページ)に記載されている帯電防止作業服の帯電性能
試験方法(ファラーデーゲージ法、温湿度20℃、相対
湿度30%RH,測定用標準布はナイロン布及びポリア
クリロニトリル布を使用)に従って実施した。
(8)  拡張応力T 一端をしつかり固定した、重力と直角の方向にある直径
約5酬の金属棒の他端から無塵衣袖口の上側を水平に差
し入れ、次いでバネ秤りの先端部にバネ秤りの応力方向
く重力方向)と直角に直径約511IIIの金属棒の一
端を固定し、他端を袖口の下側へ差し入れる。そして、
袖口に差し入れられた上側金属棒の最上面と下側金属棒
の最下面の間隔が8cIRとなるまでバネ秤りを垂直に
下げ、該間隔8c11における見掛は応力を読み取り、
バネ秤りの重量補正を行って応力Tを求める。この操作
を無塵衣の両袖口について行い、両者の平均値を求め、
この平均値をその無塵衣の拡張応力Tとした。
(9)袖口長し 無塵衣の袖口を平坦な板の上に置き、袖口の下側と上側
とを合わせて軽く手で押したのら、袖口の内側の上下両
端の距離L(ca+)を測定する。すなわち、しは照応
り下における、袖口の内側上下両端間の長さである。
(イ))伸長弾性 下式(1)で定義され、拡張間隔8cmにおける1%伸
長当りの拡張応力を意味する。
T 実施例1 経糸としてポリエチレンテレフタレートフィラメント 
75デニール/72フイラメント(撚数250T/M)
及びこのフィラメントと電気抵抗値8X106Ω/ e
taの22デニールのメタリアン■(帝人■製)とを撚
数250T / Mで交撚したもの、緯糸としてポリエ
チレンテレフタレートフィラメント64デニール/14
4フイラメント(無撚)を用いて平織に製織し生機を得
た。この生機には上記の経糸フィラメントと導電41A
Mとの交撚糸を経方向に0.6c、間隔で織り込んだ。
この生機を糊扱、精練後乾燥し、180℃でプレセット
を施し、次いで135℃のラビッド号−キュレーター染
色機を用いてMikawhite  ATN (日本生
薬H製)(2%owf )で螢光染色を行い、乾燥後、
170℃で最終セットを行い、次いで熱ロール温度17
0℃、線圧30Kg / cm 、布速t5m/iin
 Tjy し>ターIJn工ヲ施し、ついで温度100
℃、布速207n/minでカムフィツト加工を施し無
塵衣用布帛を得た。16れた布帛の特性を表−1,孔径
に対する容積比率を表−2,細径分布を第1図、ダスト
濾過性を表−3に示す。
実施例2    − (1)織物の作成 極限粘度0.62  (オルトクロロフェノール中、3
5℃で測定)のポリエチレンテレフタレートと極限粘度
1.30  (メタクレゾール中、35℃で測定)のポ
リ−ε−カプロアミドを用い、ポリエステル構成部分と
ポリアミド構成部分が交互に隣接して16個環状に配置
され、かつ繊維の長手方向に伸び、全体として管状体を
構成している中空複合繊維を製造したく特開昭51−7
0366号公報)。この中空複合繊維において、全ポリ
アミド構成部分と全ポリエステル構成部分のff1ff
l比は1:1であり、個々の構成部分の繊度は0.23
デニール、中空複合繊維の繊度は3.7デニールであっ
た。また中空率−全ポリアミド構成部分と全ポリエステ
ル構成部分および中空部分の体積の合計に対する中空部
分の体積の割合は8%であった。
緯糸としで、前記中空複合uA紺のマルチフィラメント
(150デニール/40フイラメント、無撚)を用い、
経糸としでは、ポリエチレンテレフタレートのマルチフ
ィラメント(15デニール/72)・Cラメント)に撚
数300T/Mで施撚した糸及びこのフィラメントと2
2デニールで電気抵抗値2x 108Ω/’ CImm
のヨウ化銅含有導電性ポリエヂレンテレフタレートモノ
フィラメント(帝人(体製)を撚数200T/Mで交撚
したものを用いて、織物密度が経105本/インチ、緯
73本/インチの平織物(タフタ)を作成した。
なJ5、導電***撚繊維の打込みは、0.83間隔とし
た。
(2)  ii物の加工 前記の如くして得られた織物に、サーキュラ−染色機(
日限製作所■製)で、ソーダ灰197文、スコアロール
400(花王アトラス■製)19/旦を含む浴で、90
℃で20分間湿熱処理を行った。次いでこの織物をサー
キュラ−染色機を用い、テトロシン0E−N (山川薬
品■製。
0−フェニルフェノールを36%含む)の1%乳化液で
30℃で30分間処理した(浴比1:30)。
その後、該織物をソーダ灰59/uとスコアロール40
0を1g/旦含む精練浴で、90℃で20分間精練した
。織物は170℃で30秒間ヒートセットし、次いで、
デュラノールブルーG (G。
i 、 NO,63305,I 、 C,I 、社製分
散染料の商標名)を4%、酢酸を0.2ndl/l、お
よびナフタレンスルホン酸とホルムアミドの縮合生成物
を主成分とする分散剤を1 g/l含む水性染色浴中で
130℃で60分間染色した。その後、非イオン性洗浄
剤の水溶液で80℃で20分間ソーピングし、そして1
20℃で3分間乾燥した。
その後、織物は熱ロールを用い 115℃で20に9/
 ctAの加圧下にカレンダー加工した。得られた布帛
の特性を表−1,孔径に対する容積比率を表−2,細孔
分布を第1図、ダスト濾過性を表−3に示す。また、得
られた布帛において、・導電***撚繊維の経方向におけ
るi隔はo、6Q11であった。
比較例1 経糸としてポリエチレンテレフタレートフィラメント 
75デニール/36フイラメント(M数1547/M)
及びこのフィラメントと電気抵抗値8×105Ω/ c
urのカーボン系導電繊維22デニールの「メタリアン
」■(帝人(体製)を撚数200T / Mで交撚した
もの、緯糸としてポリエチレンテレフタレート仮撚加工
フィラメント 100デニール/24フイラメント(無
撚)を用い2/1綾織に製織し生機を得た。この生機に
は上記のフィラメントと脣電繊帷の交撚糸を経糸方向に
2cIR間隔で織り込んだ。この生機を糊抜、精練後乾
燥し、200℃でプレセットを施し、次いで130℃の
液流染色機を用いてMikawhite  ATN (
日本生薬[7)(2%owf )で螢光染色を行い、乾
燥後180℃で最終セットを行い、無塵衣用布帛を得た
。、得られた布帛の特性を表−1,孔径に対する容積比
率を表−2、細孔分布を第1図、ダスト−過性を表−3
に示す。
比較例2 経糸を三角断面のポリエチレンテレフタレートフィラメ
ント 100デニール/48フイラメント。
緯糸を三角断面のポリエチレンテレフタレートフィラメ
ント 100デニール/48フイラメントとし組織を平
織とした以外は比較例−1と同様に行い、無塵衣用布帛
を得た。得られた布帛の特性を表−1、孔径に対する容
積比率を表−2,細孔分布を第1図、ダスト濾過性を表
−3に示す。
実施例3〜4.比較例3〜4 実施例1で得た布帛を用いて、袖口の拡張応力下のみが
異なる同一のオーバーオール型無塵衣を4種作成した。
同一のゴムひもを袖口部に縫製し、袖口の径をそれぞれ
変えることによって拡張応力Tを変更した。各無塵衣の
袖ロ長、拡張応力、伸長弾性、防塵性及び布帛の摩擦帯
電電荷密度を表−4に示す。表−4から、同一無塵衣に
おいても袖口のシール度合によって防塵性が大きく異な
り、拡張応力Tが大きいもの、すなわち、袖口部のシー
ル性が高い実施例のものは、比較例に比べて防塵性が良
好である。
比較例5〜9 市販の無塵衣(いずれもオーバーオール型)について評
価した。通気疾、袖ロ長、拡張応力、伸長弾性、防塵性
及び摩擦帯電電荷密度の結果を表−5に示す。比較例5
はポリエステルフィラメント織物に合成樹脂をコーティ
ングした布帛を用いたもので、通気性がほとんどなく、
ダストの透過をシャットアウトできる特性を有する。比
較例6はポリニスデルフィラメント織物より成る無塵衣
である。比較例7は導電性繊維を混用していない高通気
性のポリエステルフィラメント織物より成る無塵衣で、
袖口部はホック式である。比較例8及び9は高通気性の
ポリエステルフィラメント織物より成る無塵衣である。
比較例7を除いて、布・帛には導電性長繊維が混用され
ている。なお、比、較例9の拡張応力及び防塵性は、袖
口部に3個ついているホック穴のうち袖口径が最小とな
るホック穴にホックして評価を行った。
表−5から、市販無塵衣の拡張応力Tはいずれも100
g以下であった。
特に比較例7及び8の場合は袖口長りが91以上もあり
、袖口と手首とに相当のすき間を生じるものであった。
また比較例7は導電性繊維が混用されていない布帛を使
用しているため、訓電性がほとんど認められなかった。
比較例10 比較例9の無塵衣について両袖口の縫製をほどき、縫込
まれていたゴムひもに代えて、ゴム弾性力のより大きな
ゴムひもを元の袖口とほぼ同じ径となるように再縫製し
て袖口部のシール性を改良した無塵衣を作成した。その
袖ロ長、拡張応力。
伸長弾性及び防塵性を表−6に示す。
比較例9と比較例10との比較から明らかな如く、比較
例10は比較例9より袖口のシール性が改良されている
にも拘らず、防塵性はさして変っておらず、通気性の大
ぎな布帛より成る無塵衣においては、もはや袖口のシー
ル性を高めても、はとんど改良効果が認められない。
実施例5.比較例11 実施例2で得た布帛を用いて、袖口の拡張応力Tのみが
異なる同一のオーバーオール型無塵衣を作成した。ここ
で、同一の2 crm 1]のゴムベルトを袖口部にy
iU製したが、袖口部の径をそれぞれ変えることによっ
て、拡張張力Tを変更した。
各無塵衣の袖ロ長、拡張応力、伸長弾性、防塵性を表−
7に示す。表−7から、袖口のシール性が改良された実
施例5は比較例11に化し防塵性が向上している。
布帛の孔径に対する容積比率及び細孔分布を示す表−2
及び第1図から、比較例の布帛はいずれも最大容積比率
を示す孔径が50〜60μm以上に存在し、42.6μ
m以上の容積比が非常に大きく、且つ0.1〜9.9μ
mの範囲の容積比が小ざいのに対して、実施例の布帛は
いずれも最大容積比率を示す孔径が比較例の各布帛より
も小さい領域に存在し、42.6μm以上の容積比が大
巾に減少し、且つ0.1〜9.9μmの範囲の容積比が
増大している。
すなわち、比較例の各布帛は繊維束間空隙が多く、且つ
単繊離間空隙が少ない。一方実施例の各布帛は、いずれ
も繊維束間空隙が大きく減少し、且つ単繊離間空隙がよ
り多い布帛構造となっている。
特に実施例2の布帛は、その特徴が顕著である。
このように比較例の布帛に対し、本発明の布帛は、ダス
トフィルター性の高い布帛構造を有している。
さて、次に種々の布帛におけるダストの捕集効率η及び
その時の圧力損失ΔPを測定した。表−3はその結果を
示したものである。従来の防塵衣用布帛である比較例1
〜2のηは、高いものでも0.75 、大体において0
.5〜0.6程度である。なお比較例5の布帛について
は、圧力損失が高すぎて評価不能となったほど通気性に
乏しく、無塵衣用布帛としては不適当であった。一方、
実施例の各布帛における捕集効率はいずれも約0.9ま
たはそれ以上と高く、比較例の布帛に比べてダスト濾過
性が改良されていることがわかる。特に実施例2の布帛
の捕集効率はほぼ1.OOと極めて高く、空気を透過さ
、せながら、ダストをほぼ100%濾過することができ
る。
更に、表−2と表−3とを対照させて検討すると、孔径
42.6μm以上の細孔容積比が小さくなるほど、また
孔径0.1〜9.9μm範囲の細孔容積比が大きくなる
ほど、ダストの捕集効率が高くなっており、布帛の細孔
特性(構造)とダストの捕集効率とは密接な相関関係を
有している。
発塵実験の際、同時に各無塵衣の着用快適性を調べた。
いずれ−b同一被検者が通常の着衣方法で6分間足踏み
動作したのち、着心地を評価したものである。動作後の
被検者の発汗状態はうつすらと汗が肌ににじむ程度であ
った。通気性の低い布帛から成る無塵衣はどムレ感が強
くなる傾向であったが、比較例1.比較例2.実施例1
.及び実施例2の各無塵衣においてはムレ感はないか、
あるいは問題となるほど大きくなかった。しかし比較例
5の無塵衣においてはムレ感が著しく大きく、且つ布地
と汗をかいた肌とがベトベトくっつくという欠点がみら
れ、着用快適性が低かった。これは比較例5の布帛の通
気性や透湿性が過少のためと思われる。
次に布帛の摩擦帯電電荷吊をみると(表−4゜5.7)
、導電糸が混用されていない比較例は、その値が高く訓
電性が不良であるのに対して、実施例はいずれもその値
が低く(7μC/TIt以下)、すぐれた制電性を有し
ている。
〈発明の効果〉 本発明において用いる無塵衣用布帛は、すぐれた機能性
〈着用快適性、訓電性、風合、低発塵性。
高いダスト捕集効率)を有するものであるが、無四次と
しては布帛の改良のみでなく、袖口からのダスト漏れを
減少させなければ無塵衣としての防塵性は不充分である
ことが、実施例及び比較例から明らかである。本発明の
無塵衣は、使用される布帛及び無塵衣の袖口のシール性
を共に従来よりも改良することにより、従来にない高度
の防塵性能を有すものである。
(L:1.下余白) 表−2孔径に対する容積比率 但し、表−1における各略号の意味は下記のとおりであ
る。
T :ポリエチレンテレフタレート(PET)TN:実
施例−6のPETとナイロンの中空複合繊維 W :仮撚嵩高加工糸 de  ニブニーJし fll:フィラメント数 Δ :三角断面。なお特にことわらないものは丸断面で
ある。
表−3ダスト濾過性
【図面の簡単な説明】
第1図は布帛中の孔径に対する累積容積分布を示す図で
ある。図において横軸は孔径(μm)を表し、縦軸は容
積比(%)を表す。 第1図において、Oは比較例−1,・は比較例−2,Δ
は実施例−1,マは実施、例−2を示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)単糸繊度が3.5デニール以下、全繊度が20〜
    400デニールの長繊維から成り、電気抵抗値が10^
    1^0Ω/cm以下の導電性長繊維を3ないし50mm
    の間隔で経及び/又は緯に混用した、厚さが0.05〜
    0.40mm、通気度が0.3〜4cc/cm^2/s
    ec.孔径に対する累積容積分布において43μm以上
    の孔径に対する累積容積比が40%以下である布帛で構
    成され、かつ袖口部の拡張応力Tが150g以上である
    ことを特徴とする無塵衣。
  2. (2)拡張応力Tが400〜1000gである特許請求
    の範囲第(1)項に記載の無塵衣。
  3. (3)単糸繊度が1.5デニール以下の長繊維からなる
    特許請求の範囲第(1)項または第(2)項に記載の無
    塵衣。
  4. (4)単糸繊度が0.5デニール以下の極細長繊維を経
    糸及び/又は緯糸に用いる特許請求の範囲第(1)項ま
    たは第(2)項に記載の無塵衣。
  5. (5)単糸繊度が0.5デニール以下の極細長繊維がポ
    リエステルとポリアミドよりなる分割剥離型複合繊維を
    分割剥離して得られた繊維である特許請求の範囲第(4
    )項に記載の無塵衣。
  6. (6)43μm以上の孔径に対する累積容積比が25%
    以下である特許請求の範囲第(1)項〜第(5)項のい
    ずれかに記載の無塵衣。
  7. (7)孔径に対する累積容積分布において孔径0.1〜
    10μmに対する累積容積比が28%以上である特許請
    求の範囲第(1)項〜第(6)項のいずれかに記載の無
    塵衣。
  8. (8)孔径に対する累積容積分布において孔径0.1〜
    1.0μmに対する累積容積比が40%以上である特許
    請求の範囲第(1)項〜第(6)項のいずれかに記載の
    無塵衣。
  9. (9)布帛が織物である特許請求の範囲第(1)項〜第
    (8)項のいずれかに記載の無塵衣。
  10. (10)嵩高加工された長繊維を含む特許請求の範囲第
    (1)項〜第(9)項のいずれかに記載の無塵衣。
JP59260814A 1984-12-12 1984-12-12 無塵衣 Pending JPS61138703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59260814A JPS61138703A (ja) 1984-12-12 1984-12-12 無塵衣

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59260814A JPS61138703A (ja) 1984-12-12 1984-12-12 無塵衣

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS61138703A true JPS61138703A (ja) 1986-06-26

Family

ID=17353124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59260814A Pending JPS61138703A (ja) 1984-12-12 1984-12-12 無塵衣

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61138703A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63122448A (ja) * 1986-10-30 1988-05-26 インテラ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド 糸屑のない帯電防止性手術用織物製品
JPH04370240A (ja) * 1991-06-17 1992-12-22 Teijin Ltd ホスピタルテキスタイル
JP2011517475A (ja) * 2008-10-01 2011-06-09 クアンタム クロージング グループ リミテッド 衣料品

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5949323A (ja) * 1982-09-10 1984-03-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc タ−ボ機械

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5949323A (ja) * 1982-09-10 1984-03-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc タ−ボ機械

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63122448A (ja) * 1986-10-30 1988-05-26 インテラ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド 糸屑のない帯電防止性手術用織物製品
JPH04370240A (ja) * 1991-06-17 1992-12-22 Teijin Ltd ホスピタルテキスタイル
JP2011517475A (ja) * 2008-10-01 2011-06-09 クアンタム クロージング グループ リミテッド 衣料品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4582747A (en) Dust-proof fabric
US20080132133A1 (en) Woven or Knitted Fabric and Clothes Containing Crimped Composite Filaments and Having an Air Permeability Which Increases When the Fabric is Wetted With Water
JP2006249595A (ja) ぬれ感の少ない編地および衣料
KR20090127259A (ko) 제전성, 흡수성 및 접촉 냉감성이 우수한 복합섬유
JP2013133572A (ja) 部分吸水編物および衣料
JP3796816B2 (ja) 肌着用編地
JP2006225784A (ja) 異方的な吸水拡散性を有する編地および衣料
US20040229540A1 (en) Dustproof clothing
JP3558451B2 (ja) 多層構造布帛
JPS61138703A (ja) 無塵衣
JP2001164474A (ja) 防塵衣用織物および作業衣
JP4451613B2 (ja) 制電性と撥水性を有する防水織物
JP3709845B2 (ja) 花粉付着防止織物および花粉付着防止織物製品
JPH05195367A (ja) 紫外線遮蔽織物
CN113322534A (zh) 一种改性纤维及其制备方法和医用防护服
JP2004124293A (ja) 吸放湿・吸水性多層構造編地の製造方法
JPS60259649A (ja) 防塵布
JP4228112B2 (ja) 吸放湿性に優れた布帛及び繊維製品
JPS60173140A (ja) 無塵衣用布帛
JP2008274496A (ja) 紡績糸
JP2874996B2 (ja) 防塵衣用織物
JP2003055860A (ja) 透け防止性を有する快適性に優れたクリーンルーム用アンダーシャツ地
JP2615752B2 (ja) 経編地防塵衣
JP2009084726A (ja) 精紡交撚糸条
KR20070114066A (ko) 대전방지원단 및 이의 제조방법