JP3709845B2 - 花粉付着防止織物および花粉付着防止織物製品 - Google Patents

花粉付着防止織物および花粉付着防止織物製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、花粉付着防止織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
花粉症は一度発病すると、2月〜4月頃スギ花粉が飛散する時期にほぼ毎年発病し、なかなか完治しない病気でる。また、花粉症はスギ花粉だけでなくヒノキ、イネ、ブタクサ、ハンノキなど多くの花粉がアレルゲンになり患者の発生は通年化し、年により増減はあるものの、年々花粉の飛散量は増加する傾向にあり、その治療法も確立されていない。また、花を扱う農家や趣味で花に触れるガーデニング愛好者にとっては深刻な問題である。
【0003】
従来より、花粉症患者はなるべく花粉に触れない対策を取ってきた。花粉が飛散する時期に屋外に出ないことが最も効果があるがそれは困難であり、可能な対策として外出時に目、鼻、口に花粉がなるべく触れない様マスクやめがね、ゴーグル、帽子などで防御して来た。しかし外出後屋内に入ると、屋外で衣料に付着した花粉を持ち込むことになる。一旦屋内に花粉を持ち込むと屋外に出すことが難しいのが現状である。そこで、花粉が付着しにくく、織物の繊維間や衣料内に花粉が入り込みにくい衣料が要求される。
【0004】
かかる要求に対する衣料としては、導電性繊維を使用し静電気により花粉が付着しにくい衣料が商品化されているが、いったん花粉が繊維表面に到達すると、花粉が繊維間や衣服内に入り込む可能性があるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、花粉が付着しにくく、織物の繊維間や衣料内にも花粉が入り込みにくい布帛を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、タテ糸およびヨコ糸共に、総繊度が44〜220デシテックス、単糸繊度が0.7〜8デシテックスのフィラメント糸からなり、隣接するタテ糸同士の隙間と、隣接するヨコ糸同士の隙間が共に30μm以下で、KES法による織物表面の表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下で、摩擦帯電圧がタテ方向・ヨコ方向共に4kV以下である花粉付着防止織物である。
【0007】
また本発明は、上記の花粉付着防止織物を縫製してなる、花粉付着防止織物製品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり花粉が付着しにくく、織物の繊維間および衣料内に入り込みにくい構造の布帛について鋭意検討し、フィラメント糸使い織物の中でも、総繊度、単糸繊度、糸と糸の間の隙間、KES法による表面粗さの平均偏差(SMD)、摩擦帯電圧を特定範囲に選択して織物を作製することにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0009】
本発明の花粉付着防止織物はタテ糸およびヨコ糸共に、フィラメント糸からなる。フィラメント糸を採用することにより、紡績糸使い織物に比べて生地表面に毛羽がなく、微細な凹凸が少ないので花粉が付着しにくく、織物繊維間に花粉が入り込みにくい。
【0010】
また織物は、編物に比べ表面が平滑で凹凸が少ないため花粉が付着しにくく、糸糸間の拘束力が強いため、繊維間や衣服内に花粉が入り込みにくくする上で有効な構造である。
【0011】
総繊度が44デシテックスから220デシテックスの間とすることにより、衣料としてソフトで、適度な張り腰を有するものである。また、単糸繊度が0.7デシテックスより小さいと単糸繊維と単糸繊維の間に花粉が入り込みやすくなり、8デシテックス以上になると織物表面に凹部が形成され花粉が付着しやすくなる。
【0012】
花粉症患者が最も多いスギ花粉はほぼ球形で、直径が約25〜35μmであり、その他の花粉の長径もほぼ20〜40μm、平均30μmであることから、織物の隣接するタテ糸同士の隙間と、隣接するヨコ糸同士の隙間が共に30μm以下の高密度織物にすることにより、殆どの花粉に対して、衣料内に入り込み中衣や下着などに付着するのを防止できる。糸と糸の間の隙間は、実施例中にて後述する方法で測定することができる。
【0013】
本発明の花粉付着防止織物は、フィラメント糸からなるものであれば、合成繊維および天然繊維、再生繊維のいずれでもよい。
【0014】
合成繊維としてはポリエステル系繊維、ポリアラミド系繊維またはポリオエフィン系繊維が好ましい。ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートやこれらを主成分とした共重合ポリエステル系繊維等が含まれ、また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6、ナイロン66および第3成分を共重合したもの等が含まれる。ポリオレフィン系繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が含まれる。また天然繊維としては絹等が好ましく、再生繊維としてはビスコースレーヨン等が好ましい。フィラメント糸使い織物の組織は、平組織、綾組織、朱子組織、およびそれらの変化組織であってもよいが、タテヨコ一重組織であることが好ましい。より好ましくは平組織であれば、生地表面が最も平滑なので、花粉が付着しにくい。
【0015】
KES法による表面粗さの平均偏差(SMD)をタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下にすることにより、織物表面の凹凸が少なく花粉が付着しにくく、入り込みにくくなる。本発明の表面粗さの平均偏差(SMD)は、実施例中にて後述する方法で測定することができる。
【0016】
また本発明の花粉付着防止織物は、摩擦帯電圧をタテ方向・ヨコ方向共に4kV以下とすることが重要である。摩擦帯電圧を4kV以下にすることにより、静電気による花粉付着を防止することが可能となる。摩擦帯電圧4kV以下は、例えば、タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に、制電性合成繊維フィラメントや導電性合成繊維フィラメントを使用することによって実現できる。また、仕上げ加工で帯電防止加工をおこなって制電性を付与・向上させ、摩擦帯電圧を4kV以下にすることもできる。帯電防止加工としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、有機アミン塩、第4級アンモニウム塩、無機塩の単体もしくは混合体からなる帯電防止剤を繊維表面に固着するものである。上記手段の組み合わせを採用してもよい。中でも、静電気の発生を起こしにくくし、制電性能の洗濯耐久性がある制電性合成繊維フィラメントを使用することが好ましく、特に芯鞘型複合繊維の芯部に制電剤を含有させた態様は制電性能が高くより好ましい。摩擦帯電圧は、実施例中でも後述するように、JIS L1094B法(摩擦帯電圧測定法)に基づいて測定することができる。
【0017】
フィラメント糸の中でも、花粉付着防止という点では捲縮形態が大きな加工糸よりも捲縮形態が小さな加工糸の方が織物表面が平滑で好ましく、より好ましくは捲縮のない生糸がよい。ただし、狙い、用途によっては生糸では裏地のような風合いでアウター衣料としてのファッション性に欠ける場合も出てくる。その場合は、合成繊維フィラメント糸を下記(1)〜(4)の特性を満足する捲縮糸にすると、捲縮形態の大きな仮撚加工糸より捲縮形態が小さい低捲縮糸となり、織物表面がより平滑で花粉が付着しにくい花粉付着防止織物になる。
(1)伸度が20%以上50%以下、
(2)伸縮復元率(CR)が10%以上40%以下、
(3)捲縮発現伸長率(TR)が0.5%以上25%以下、
(4)交絡数が4以上50以下。
【0018】
上述した低捲縮糸は、合成繊維の未延伸糸を加撚前に加熱した後、加熱体と仮より具との間で加熱体と糸条とが離れる点とは異なる位置に撚り止め装置を設け、撚り止め装置を加撚開始点として延伸仮撚することにより得ることができる。当該延伸仮撚工程の具体的図面を図1に示す。
【0019】
当該低捲縮糸には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ナイロンなどの熱可塑性重合体からなる合成繊維が好ましく使用される。糸強伸度及び収縮特性を広範囲にとれる点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、制電剤を含有させたものがより好ましい。
【0020】
上記特性条件(1)については、伸度を20%以上とすることで毛羽が増えて製織性の工程通過性が悪くなるのを防ぎ、伸度を50%以下とすることで、配高性が不足し強さが不足するのを防ぐことができる。伸度は、より好ましくは25%以上40%以下である。
【0021】
上記特性条件(2)については、CRを10%以上とすることで、織物にした後の収縮が小さくふくらみのないものとなるのを防ぎ、40%以下とすることで染色仕上げ工程後の収縮を抑え、織物表面の凹凸が大きくなり花粉が付きやすくなるのを防ぐことができる。好ましい伸縮復元率(CR)は、12%以上38%以下である。伸縮復元率(CR)は、実施例中でも後述するように、JIS L1019Tに基づいて測定することができる。
【0022】
上記特性条件(3)については、TRを25%以下とすることで織物の染色仕上げ後の捲縮発現を抑え、ひいては織物表面の凹凸を抑え、ソフト性が低下し花粉が付きやすくなるのを防ぐことができる。より好ましい捲縮発現伸長率(TR)は15%以下である。さらに好ましくは、8%以下である。捲縮発現伸長率(TR)は、実施例中にて後述する方法で測定することができる。
【0023】
上記特性条件(4)については、交絡数を50以下とすることで、染色仕上げの工程後に交絡が残らず、織物の凹凸が大きくなり花粉が付きやすく品位も悪くなるのを防ぐことができる。また4以上とすることで良好な解除性を維持することができる。好ましい交絡数は、5以上40以下である。なお、交絡数は、実施例中でも後述するように、JIS−L1013(1992)の規定に基づいて測定することができる。
【0024】
本発明の花粉付着防止織物を縫製して花粉付着防止織物製品とすることにより、花粉発生下で外出しても、花粉が付着しにくく、繊維間や衣料内にも花粉が入り込みにくいので、屋内に花粉を持ち込むのを防ぐことができる。その態様としては、一般用婦人・紳士コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス等、またスポーツウエア用ウインドブレーカー、シャツ、スカート、スラックス等、また子供服用のコート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス等、さらに作業用エプロン、腕カバー、ブルゾン、シャツ、スカート、スラックス等に好ましく使用できる。また、花粉症対策用帽子や手袋、スカーフ、布団干しカバーとしても使用できる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の測定方法は次の方法に従った。
【0026】
(1)花粉付着防止性
織物のシワのない個所でタテ7cm×ヨコ7cmにカットした試料を、20℃×65%Rhの温調室で24時間調湿後、試料30枚と疑似花粉である石松子((有)津田商店製)を1.0g入れたポリエチレン製袋(45L)を温調室内空気で膨らませ口を輪ゴムで縛る。縛り口を基準にして、1回/secの速度で上下に100回振る。袋から試験片を取り出し、マイクロスコープで150倍に拡大し写真を撮り、写真上の76.5cm2(7.5cm×10.2cm)に付着した疑似花粉の個数を数える。5枚の平均値を花粉付着数とした。
尚、疑似花粉による花粉付着数は、スギ花粉飛散時のスギ花粉付着数と相関が認められ、疑似花粉付着数が200個以下の時、花粉付着防止性があることを確認している。
【0027】
(2)糸と糸の間の隙間の測定(μm)
織物をマイクロスコープで150倍に拡大して、タテ糸とヨコ糸のいずれによっても占められていない隙間のタテ方向・ヨコ方向の大きさを測定した。マルチフィラメントのふくらみにより隙間内の間隔が均一でない場合には、その隙間におけるタテ方向・ヨコ方向の最大の間隔の部分をとるものとする。
【0028】
(3)表面粗さの平均偏差(SMD)
カトーテック(株)KES−FB4を用い、タテ20cm×ヨコ20cmにカットした織物を20℃×65%RHの環境下で調湿する。20gf/cmの張力をかけた織物に、0.5mm径のピアノ線1本を5mm幅に折り曲げた接触子を10gfで織物に着圧する。この接触子はバネで圧着されているが、バネの定数は25gfとする。圧着された接触子を0.1cm/secの一定速度で水平に長さ2cm移動し測定する。上記方法でタテ方向、ヨコ方向の表面粗さの平均偏差(SMD)を測定し、大きい方を表した。
【0029】
(4)摩擦帯電圧
JIS L1094B法(摩擦帯電圧測定法)に基づいて測定する。
20℃×40%Rhの実験室で、8cm×5cmの試験片をタテヨコ糸方向のそれぞれについて5枚ずつ採取し、JIS L1080に規定の綿摩擦布を500gf荷重を加えて取り付け試験片と摩擦させる。ドラムを回転させてから60秒後の摩擦帯電圧を測定した。数字が大きいほど摩擦帯電圧が高く、制電性が悪い。実施例中表1には、タテ、ヨコの各5枚の平均値の大きい方を表した。
【0030】
(5)伸度(%)
JIS L1013法に基づいて、破断時の伸度を求める。
【0031】
(6)収縮復元率(CR(%))
JIS L1019Tに基づいて測定する。すなわち、初荷重を掛けてカセ長約40cm、巻き数10回の小カセを作った後に、これを90℃の熱水中に20分間浸漬した後試料を取り出し、吸い取り紙、または布で水を切り、水平状態で自然乾燥した後測定したものである。
【0032】
(7)捲縮発現伸長率(TR(%))
捲縮糸を5回巻きしたカセを作成し、見かけ繊度×0.022dtex・gの初荷重をかけ、150±2℃で、5分間乾熱処理し、次に見かけ繊度×0.11dtex・gの定荷重をかけ長さの比によって求める。
TR(%)=100×(A−B)/B
A:定荷重をかけたときの長さ
B:初荷重をかけ熱処理したときのカセ長さ。
【0033】
(8)交絡数(個)
交絡数は、JIS−L1013の規定に準じ、ロシルド社製インタングルメントテスター(型式:R2040)を用いて測定した値である。
【0034】
(10)総合評価
次のように2段階表示した。
○:隣接する糸と糸の隙間がタテ・ヨコ共30μm以下で、かつ花粉付着数が200個以下、花粉付着防止性が優れている。
×:上記○以外、花粉付着防止性が劣っている。
【0035】
[実施例1]
タテ糸、ヨコ糸共に、56デシテックス、40フィラメントのナイロン生糸を使用し、平織を製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、染色を行った後、アニオン系界面活性剤エレナイトAB−100(高松油脂(株)製)1wt%からなる処理液に浸漬後、ピックアップ率40%になるようにマングルで絞り、170℃で30秒間熱乾燥セットする帯電防止加工を実施し、タテ密度175本/2.54cm、ヨコ密度107本/2.54cmの織物を作製した。タテ糸とタテ糸の隙間は0μm、ヨコ糸とヨコ糸の隙間が0μm、表面粗さの平均偏差(SMD)が3.2μm、摩擦帯電圧が2.5kVで、この織物の花粉付着防止性は、疑似花粉付着数が90個で、総合評価として、花粉付着防止性が優れていた。
結果を表1に示す。
【0036】
[実施例2]
84デシテックス、72フィラメントのPET加工糸をタテ糸に用いた。ヨコ糸には、芯部に制電剤を含有させた芯鞘型複合ポリエステルフィラメントで、156デシテックス18フィラメントの未延伸糸を加撚前に加熱した後、加熱体と仮より具との間で加熱体と糸条とが離れる点とは異なる位置に撚り止め装置を設け、撚り止め装置を加撚開始点として延伸仮撚した78デシテックス、18フィラメントの低捲縮糸を使用した。これらのタテ糸とヨコ糸で平織を製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行い、タテ密度188本/2.54cm、ヨコ密度98本/2.54cmの織物を作製した。タテ糸とタテ糸の隙間は0μm、ヨコ糸とヨコ糸の隙間が0μm、表面粗さの平均偏差(SMD)が2.1μm、摩擦帯電圧が0.4kVであった。伸度が35%、伸縮復元率(CR)が38%、捲縮発現伸長率(TR)が2.6%、交絡数が5個であった。この織物の花粉付着防止性は、疑似花粉付着数が65個で、総合評価として、花粉付着防止性が優れていた。結果を表1に示す。
【0037】
[比較例1]
ポリエステル100%使い50番手の紡績糸を使用した平織物を通常の染色方法で、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行い、タテ密度127本/2.54cm、ヨコ密度90本/2.54cmの織物を作製した。タテ糸とタテ糸の隙間は20μm、ヨコ糸とヨコ糸の隙間が17μm、表面粗さの平均偏差(SMD)が2.9μm、摩擦帯電圧が5.5kVで、この織物の花粉付着防止性は、疑似花粉付着数が265個で、総合評価として、花粉付着防止性が劣っていた。結果を表1に示す。
【0038】
[比較例2]
タテ糸に167デシテックス、48フィラメントのPET強撚加工糸を使用し、ヨコ糸に167デシテックス、48フィラメントのPET加工糸を使用し、平織を製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、染色を行った後、カチオン系界面活性剤エレナイトK−102(高松油脂(株)製)1wt%処理液に浸漬後、ピックアップ率40%になるようにマングルで絞り、180℃で30秒間の仕上セットによる帯電防止加工を実施し、タテ密度95本/2.54cm、ヨコ密度59本/2.54cmの織物を作製した。タテ糸とタテ糸の隙間は110μm、ヨコ糸とヨコ糸の隙間が240μm、表面粗さの平均偏差(SMD)が7.3μm、摩擦帯電圧が1.9kVで、この織物の花粉付着防止性は、疑似花粉付着数が258個で、総合評価として、花粉付着防止性が劣っていた。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003709845
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、花粉が付着しにくく、かつ織物の繊維間や衣服内に花粉が入り込みにくい織物を提供することができ、屋内に花粉を持ち込みにくい花粉付着防止効果のある衣料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で好ましく用いられる低捲縮糸の製造方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1:未延伸糸
2:フィードロール
3:加熱ロール
4:セパレートロ−ル
5:加熱ロールと糸条が離れる点
6:撚り止め装置
7:仮撚り具
8:引き取りローラ
9:ストレッチロール
10:巻取装置

Claims (7)

  1. タテ糸およびヨコ糸共に、総繊度が44〜220デシテックス、単糸繊度が0.7〜8デシテックスのフィラメント糸からなり、隣接するタテ糸同士の隙間と、隣接するヨコ糸同士の隙間が共に30μm以下で、KES法による織物表面の表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下で、摩擦帯電圧がタテ方向・ヨコ方向共に4kV以下である花粉付着防止織物。
  2. タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に制電性合成繊維フィラメント糸を含む請求項1記載の花粉付着防止織物。
  3. 制電性合成繊維フィラメント糸が、芯鞘型複合繊維で芯部に制電剤を含有する請求項2記載の花粉付着防止織物。
  4. タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方が、下記(1)・(4)の特性を満足する合成繊維フィラメント糸の捲縮糸である請求項1・3のいずれかに記載の花粉付着防止織物。
    (1)伸度が20%以上50%以下、
    (2)伸縮復元率(CR)が10%以上40%以下、
    (3)捲縮発現伸長率(TR)が0.5%以上25%以下、
    (4)交絡数が4以上50以下
  5. 合成繊維フィラメント糸の捲縮糸の捲縮発現伸長率(TR)が0.5%以上8%以下である請求項4に記載の花粉付着防止織物。
  6. 請求項1・5のいずれか記載の花粉付着防止織物を縫製してなる、花粉付着防止織物製品。
  7. コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス、スカーフ、エプロン、帽子、手袋、腕カバー、布団干しカバーのいずれかである請求項6記載の花粉付着防止織物製品。
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