JPS6111044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体に接着固定されるウインドガラ
スと車体との間隙部を隠蔽するために用いられる
ウインドガラスの周縁モールの改良に関するもの
である。

ウインドガラスを車体の窓枠フランジに確実に
接着固定する一方で、このウインドガラス取付部
をスツキリとさせるために、接着剤の中に埋設さ
れる脚部を有するタイプの周縁モールがあるが、
このようなウインドガラスの周縁モールを使用し
たウインドガラスの取付構造としては、例えば第
１図乃至第３図に示すようなものがある。これ
は、ウインドガラス１の周縁裏面に予めダムラバ
ー２を貼着する一方、このダムラバー２の外側の
ウインドガラス１の周縁裏面に接着剤３を塗布
し、この状態で、車体側に形成した窓開口フラン
ジ４の突出部５に、ダムラバー２によつて接着剤
３のはみ出しを防止しながら接着固定させ、さら
にウインドガラス１の周縁と窓開口フランジ４と
の間隙６を隠蔽するためにモールＭを装着して成
る。

モールＭは、第２図及び第３図に示すように、
合成樹脂等を長尺に押出成形して得られ、ウイン
ドガラス１の周縁と窓開口フランジ４との間隙６
を覆う装飾部７と、この装飾部７の裏面から下
方、即ち間隙６内方へ延び先端に矢じり状のアン
カ部１２を形成した脚部８と、この脚部８の両側
に複数突設されたリツプ９とから、成る。このモ
ールＭは、上記間隙６内に脚部８を挿入し、ウイ
ンドガラス１固着用の接着剤３が未だ粘性を有し
ている間にアンカ部１２を当該接着剤３の中に埋
設させると共に、上記装飾部７の両側をウインド
ガラス１の周縁上面及び窓開口フランジ４の立上
り部１０基端上面に当接させて取付けられてい
る。そして、モールＭ取付後、接着剤３の乾燥、
擬固と共にアンカ部１２が接着剤３中に固定され
モールＭの抜けを防止すると共に、リツプ９の先
端がウインドガラス１の端面１３及び窓開口フラ
ンジ４の立上り部１０の面に弾接してモールＭを
支えるようになつている（米国特許第4165119号
参照）。

しかしながら、このような従来のウインドガラ
スの周縁モールにあつては、脚部８の先端に設け
たアンカ部１２が矢じり形状に成形され、且つこ
のアンカ部１２が、第３図に示すように、脚部８
の長手方向に連続しているため、ウインドガラス
１の取付作業時、モールＭを埋設固定しようとす
ると、アンカ部１２の下面における接着剤３の抵
抗が大きくなり、上記モールＭの取付けがし難い
という不具合があつた。且つ又、上記大きな抵抗
に逆らつてモールＭを押し込むと、脚部８先端が
接着剤中に埋設されるにしたがつて、この脚部８
によつてかなりの容積の接着剤３が押しのけら
れ、その一部がウインドガラス１及び窓開口フラ
ンジ４の外表面に押し出される場合があり、これ
を拭き取るために余計な作業工程が必要となつた
り、或は、拭き残りの接着剤のため、外観品質が
悪くなるという問題が生じ易かつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、その目的は、モールの脚部先端
を漸次細くして略くさび形の断面形状を有するア
ンカ部を設ける一方、脚部の長手方向に所定の間
隙をおいて、当該脚部を切欠いて成り又接着剤と
の間で係止作用を及ぼす係止面を有する空隙部を
形成し、モールの脚部における実質的な体積を減
少させることにより、接着剤中に埋設し易く、埋
設後は接着剤中に脚部がしつかりと固定されるこ
とが出来、しかも取付け作業が簡単で且つ取付け
時接着剤が外へ流出する恐れが少ないウインドガ
ラスの周縁モールを提供し上記問題点を解決する
ことである。

本考案の実施例を添付の図面を参照して詳細に
説明する。

第４図及び第５図は、本考案の第１の実施例に
係るウインドガラスの周縁モール及びこれを使用
したウインドガラス取付構造を示す図である。こ
の実施例に係るモールＭは、第５図に示すよう
に、合成樹脂等を長尺に押出成形して得られ、ウ
インドガラス１の周縁と窓開口フランジ４との間
隙６を覆う装飾部７と、この装飾部７の裏面から
下方へ延びる脚部８と、脚部８の両側に突出して
設けられた複数のリツプ９とを有し、脚部８の先
端を漸次細くしてくさび形状のアンカ部１４を形
成する一方、当該脚部８の長手方向に所定の間隙
をおいて複数の空隙部を形成して成る。空隙部
は、脚部８の先端部から基端部へ向けて略矩形状
に形成され、上方を向いて傾斜した係止面１５を
有するスリツト１６から成る。このスリツト１６
の上方位置においてリツプ９が脚部８の両側面か
ら突出し、モールＭを間隙６に押し込んだ時、こ
のリツプ９の先端がウインドガラス１の端面１３
及び窓開口フランジ４の立上り部１０の面に弾接
するようになつている。この時、ウインドガラス
１の周縁部に塗布された接着剤３は、その一部が
モールＭの押し込みと共にスリツト１６内に流入
するから、モールＭの押し込みを容易に行うこと
ができ、かつ接着剤３がウインドガラス１及び窓
開口フランジ４の外表面に溢れることはない。そ
して、接着剤３は、第４図に示すようにモールＭ
脚部８を埋設した状態で時間の経過と共に硬化す
る。その結果、スリツト１６内に侵入した接着剤
３はこのスリツト１６内で硬化し、係止面１５を
上方から覆い固定してモールＭの抜け防止を行
う。このため、従来のように、アンカ部１２を矢
じり形状にした場合に比べて、モールＭの装着が
簡易に出来る上、一旦装着した後は、アンカ部１
２を矢じり形状に成形した場合と同様のモールＭ
固定能力を発揮させることができる。

第６図は、モールＭの脚部８に逆台形状のスリ
ツト１７を切り込んで空隙部を形成した、本考案
の第２の実施例を示す図である。この実施例に係
るウインドガラスの周縁モールでは、脚部８の先
端部から基端部へ向けてスリツト１７を逆台形状
又は逆三角状に切り込んであるから、このスリツ
ト１７の両側壁を上方向きに傾斜させることがで
き、これによつて上記第１の実施例におけるより
も多くの係止面１５を作ることができる。したが
つて、モールＭを間隙６内に押し込む時は、脚部
８が接着剤３内に埋設するにしたがつて接着剤３
はスリツト１７内に流入し、モールＭの装着を容
易にする一方、このモールＭを所定の量だけ押し
込んだ後においては、接着剤３はスリツト１７内
で硬化して当該スリツト１７両側の係止面１５を
上方から覆い固定し、モールＭの抜け防止を行
う。

第７図は、モールＭの脚部８下方部分に円形、
その他の形状の貫通孔１８を形成して空隙部とし
た、本考案の第３の実施例を示す図である。この
ように、脚部８に貫通孔１８を設けたため、間隙
６内にモールＭを押し込む時は、脚部８が接着剤
３内に埋設されるに従つて接着剤３が貫通孔１８
内に流入する。そして、モールＭを所定の量だけ
押し込んだ後は、脚部８の両側に充填されている
接着剤３部分は貫通孔１８を通して互いに混合し
合い、且つ一体的に硬化する。したがつて、モー
ルＭは、取付け時にあつては容易に接着剤３中に
埋設される一方で、取付け後は貫通孔１８内で硬
化した接着剤３と貫通孔１８の下部面、即ち上方
を向いた係止面１９との間の係止作用により、接
着剤３から抜けにくくなる。

以上述べたように、本考案によれば、モール脚
部の先端を漸次細くして断面略くさび形状のアン
カ部を設ける一方、脚部の長手方向に所定の間隔
をおいて上方を向いた係止面を有する空隙部を形
成したため、ウインドガラスを車体に取付け固定
する工程において、取付けが簡単でしかも取付け
後には容易に抜けない周縁モールを提供すること
が出来、モールの取付作業性が向上した。また、
モールの取付けに際して接着剤がウインドガラス
や窓開口フランジの外表面に溢れ出ることはなく
なり、車両の外観品質の低下を防ぐことが出来る
等の効果も得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用される車両のウインド部
を示す斜視図、第２図は従来のウインドガラスの
周縁モールを用いたウインドガラス取付構造を示
す第１図中−線における断面図、第３図は従
来のウインドガラスの周縁モールを示す斜視図、
第４図は本考案に係るウインドガラスの周縁モー
ルを用いたウインドガラスの取付構造を示す第２
図と同様の断面図、第５図は本考案の第１の実施
例に係るウインドガラスの周縁モールを示す斜視
図、第６図は本考案の第２の実施例に係るウイン
ドガラスの周縁モールを示す斜視図、第７図は本
考案の第３の実施例に係るウインドガラスの周縁
モールを示す斜視図である。 １……ウインドガラス、３……接着剤、４……
窓開口フランジ、７……装飾部、８……脚部、９
……リツプ、１２，１４……アンカ部、１５，１
９……係止面、１６，１７……スリツト（空隙
部）、１８……貫通孔（空隙部）、Ｍ……モール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固定されるウインドガラスの周縁と車体
   との間隙を覆う装飾部と、この装飾部の裏面から
   下方に延び、先端をウインドガラス固着用の接着
   剤内に埋設して固定される脚部とを有するウイン
   ドガラスの周縁モールにおいて、脚部先端を漸時
   細くして断面略くさび形のアンカ部を設ける一
   方、脚部の長手方向に所定の間隔をおいて、上方
   を向いた係止面を有する空隙部を形成し、モール
   取付時、接着剤が空隙部内に流入し得るようにし
   たことを特徴とするウインドガラスの周縁モー
   ル。