JPS607030B2 - シリカ質皮膜を有する製品の製法 - Google Patents

シリカ質皮膜を有する製品の製法

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JPS607030B2
JPS607030B2 JP7263779A JP7263779A JPS607030B2 JP S607030 B2 JPS607030 B2 JP S607030B2 JP 7263779 A JP7263779 A JP 7263779A JP 7263779 A JP7263779 A JP 7263779A JP S607030 B2 JPS607030 B2 JP S607030B2
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siliceous
film
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正彦 初代
清志郎 山河
憲幸 山田
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明はシリカ質皮膜を有する製品の製法に関するも
のである。
0 透明性に富んだシリカ質皮膜を有する製品は、これ
まで金属基材、ガラス基材等の基材の表面に、ケイ酸リ
チウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウムのようなケ
イ酸塩の水溶液を塗布し乾燥させて塗膜化し、これを焼
付けることにより基材タ表面にケイ酸塩にもとづくシリ
カ質皮膜を形成して製造されていた。
このようにして得られた製品のシリカ質皮膜は、硬度も
大きく、かつ充分な熱処理を経ることにより耐水性、耐
酸性、耐アルカリ性も大になる。しかしながら、このシ
リカ質皮0膜には、多数の小子し(ピンホール)が分布
形成されているため、長期間の使用中にその小孔部分の
基材が侵食されたり、小孔により皮膜の透明性が損なわ
れたりしていた。また、シリカ質皮膜中のアルカリ金属
が、大気中の炭酸ガスや亜硫酸ガスタと徐々に反応して
水可溶性成分となって表面に移行し、そこで乾燥して結
晶しェフロレッセンス(白化)を生じたりしていた。こ
のェフロレツセンスの発生を回避するために、基材にシ
リカ質皮膜を形成したのち、これを、硝酸、硫酸、塩酸
お0よびリン酸等の希薄水溶液中に短時間浸潰し、皮膜
中のアルカリ金属を除去することが行われている。この
場合、ェフロレッセンスの発生を効果的に防止するため
には、それらの酸の水溶液の濃度を高めるとともに液温
を高め、そのなかにシリカ質皮膜を有する製品を比較的
長時間浸債する必要がある。しかしながら、このように
すると、シリカ質皮膜自身が酸の水溶液に溶解するため
、シリカ質皮膜の強度が低下するという問題が生じた。
また、酸を使用すると、臭気等により作業環境が悪化す
るとともに、公害等の問題も生じてくるため、それらの
対策に莫大な設備が必要になっていた。この発明者らは
、このような問題を解消するために熱処理時のケイ酸塩
中の自由水の挙動等につし・て詳細に研究を行った結果
、高温におけるケイ酸塩の暁付処理に先立って100q
o未満の温度で予備乾燥すると、小孔の発生原因となる
ケイ酸塩中の自由水が除去されるようになるため、シリ
カ質皮膜の小孔の生成が著しく少なくなることを見いだ
した。
そして、さらに研究を重ねた結果、ケイ酸塩として2種
類のケイ酸塩、すなわちケイ酸ナトリウムとケイ酸リチ
ウムを併用するようにし、基材上にケイ酸ナトリウムに
より第1のシリカ質皮膜を形成し、その上にケイ酸リチ
ウムにより第2のシリカ質皮膜を形成するようにすると
、脱アルカリ処理を施すことなくェフロレツセンスの発
生が効果的に防止され、かつシリカ質皮膜全体では優れ
た耐薬品性および耐衝撃性等が発揮されるようになるこ
とを見いだしたのである。そして、この発明者らは、さ
らに研究を重ねた結果、ケイ酸ナトリウムとケイ酸リチ
ウムを、周期律表第la族に属するアルカリ金属のリン
酸塩、ホゥ酸塩およびァルミン酸塩の少なくとも1つか
らなる変性剤で変性し、この変性ケイ酸ナトリウムと変
性ケイ酸リチウムを用いて第1および第2のシリカ質皮
膜を形成すると、形成された第1および第2のシリカ質
皮膜中に変性剤に由来するP205、弦03、AI20
3が入り込んでシリカ質皮膜の性能が一層向上すること
を見いだした。そして、この発明者らは、さらに研究を
重ねた結果、第1のシリカ質皮膜および第2のシリカ質
皮膜のうちの少なくとも一方のシリカ質皮膜に対して、
酸の水溶液および水溶解時に酸性を呈する塩の片方また
は双方により脱アルカリ処理を行うと、一層ェフロレッ
センスの発生が防止され得られた製品を過酷な条件で使
用してもェフロレッセンスが全く発生しなくなることを
見いだしこの発明を完成した。すなわち、この発明は、
下記の一般式(1)(1) Na20・xSミ02・
yH20(ただし、xは0.5以上の正数、yは0また
は正数)で表わされるケイ酸ナトリウムが熔解され、か
つ変性剤として周期律表第la族に属するアルカリ金属
のリン酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩の少なくとも
1つが、それぞれP2Q、B203、虹203に換算し
て生成シリカ質皮膜中においてSi02成分100モル
に対し合計で1〜30モルの割合になるように溶解され
ている変性ケイ酸ナトリウム水溶液を準備するとともに
、下記の一般式(ロ)(n) Li20・おi02・
yH20(ただし、xおよびyは一般式(1)と同じ)
で表わされるケイ酸リチウムが溶解され、かつ変性剤と
して周期律表第la族に属するアルカリ金属のリン酸塩
、ホウ酸塩およびアルミン酸塩の少なくとも1つが、そ
れぞれP2Q、B203、AI203に換算して生成シ
リカ質皮膜中においてSi02成分100モルに対し合
計で1〜30モルの割合になるように溶解されている変
性ケイ酸リチウム水溶液を準備する工程と、上記の変性
ケイ酸ナトリウム水溶液を基村の表面に塗布し100℃
未満の温度で予備乾燥したのち、さらに高温で焼付処理
を行って第1のシリカ質皮膜を形成する工程と、この第
1のシリカ質皮膜の上に上記の変性ケイ酸リチウム水溶
液を塗布し100oo未満の温度で予備乾燥したのち、
さらに高温で擬付処理を行って第2のシリカ質皮膜を形
成する工程とを備えたシリカ質皮膜を有する製品の製法
を第1の要旨とし、第1のシリカ質皮膜の形成後および
第2のシリカ質皮膜の形成後のうちの少なくとも一方の
シリカ質皮膜の形成後に、形成されたシリカ質皮膜に対
して酸の水溶液および水溶解時に酸性を呈する塩の水溶
液の少なくとも一方により脱アルカリ処理を行うことを
第2の要旨とするものである。
つぎに、この発明を詳しく説明する。
まず、この発明で用いる原材料について説明する。
この発明で用いる基材としては、例えば、アルミニウム
板等の金属板、ガラス板、セメント板があげられる。
しかしながら、これに限定されるものではなく、熱処理
時の加熱に耐えうるものであればどのようなものでもよ
い。特に基材としてアルミニウム反射板を用い、これに
、この発明の方法よって透明性に富んだシリカ質皮膜を
形成すると、反射板の鏡面が長期間にわたって保持され
耐久性が著しく向上するようになるため極めて有用であ
る。すなわち、投光器、セード等の照明器具用の反射板
には、従来からアルミニウム材が用いられることが多い
が、これは研磨により容易に表面光沢(反射率大)を出
し易く、軽量であり成形も容易である等の理由によるも
のである。この場合、反射面は、化学研磨、電解研磨を
行ったのち、鏡面の保持のためアルマイト処理をして耐
食性、耐候性を付与することが行われていた。ところが
、それでもなお鏡面が侵されやすかったのである。しか
しながら、アルミニウム反射板にシリカ質皮膜を形成す
ると、その皮膜より反射板の鏡面が半永久的に保持され
るのである。これは、アルミニウムが他の金属と異なり
、ケイ酸塩と反応するため、シリカ質皮膜とアルミニウ
ム反射板との密着固定性がよいためと考えられる。上記
の基材に塗布し焼付ける変性ケイ酸ナトリウム水溶液と
しては、下記の一般式Na20・xSj02・yH20 (ただし、xは0.5以上の正数、yは0または正数)
で表わされるケイ酸ナトリウムが溶解されているととも
に、変性剤として周期律表第la族に属するアルカリ金
属のリン酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩が単独でま
たは併せて溶解されているものが用いられる。
変性剤として用いられる上記のアルカリ金属のリン酸塩
としては、リン酸一水素ナトリウム、IJン酸二水素ナ
トリウム「 オルソリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナト
リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム〜リン酸水素カリ
ウム、リン酸二水素カリウム、オルソリン酸カリウム、
ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、無定
形P2Q−Na20組成物、無定形P205日Na20
−K20組成物、IJン酸系ガラス等があげられる。変
性剤として用いられる上記のアルカリ金属のホウ酸塩と
しては、ホウ酸ナトリウム(Na20・厄203)、ホ
ゥ酸カリウム(K20・脂203)、ホゥ酸リチウム(
Li20・旧203)、ホゥ酸含有ガラス等があげられ
る。変性剤として用いられる上記のアルカリ金属のアル
ミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カリウム、アルミン酸リチウム、アルミニウム含有ガラ
ス等があげられる。変性ケイ酸ナトリウム水溶液に溶解
されているケイ酸ナトリウムは極めて造膜性に富んでお
り、特にxの値が0.5〜3.勿程度のものが顕著であ
る。そして、ケイ酸ナトリウムによって形成される皮膜
は、厚さが1〜2仏程度迄は相当な熱衝撃(350→2
500への急激な冷却)を加えても機械的な衝撃を加え
てもクラックが入らない優れたものである。しかしなが
ら、その皮膜は、どのように強く暁付けを施しても、脱
アルカリを施してもェフロレッセンスが発生しやすく、
かつ耐薬品捧持に耐アルカリ性に欠けるものである。前
記の変性剤は、この皮膜に対して耐薬品性および耐ェフ
ロレッセンス性を付与するとともに、耐熱衝撃性および
機械的衝撃性を一層向上させるのである。このような変
性ケイ酸ナトリウム水溶液は、例えばつぎのようにして
調製される。すなわち、前記のケイ酸ナトリウムを水に
溶解して水溶液にし、これに前記の変性剤を溶解して調
製される。この場合、変性剤の使用量は、変性剤をそれ
ぞれP2Q、B203、AI203に換算して生成シリ
カ質皮膜中においてSi02成分100モルに対し合計
で1〜30モルの割合になるように選ぶことが必要であ
る。この合計量が1モル未満になると変性剤の使用量が
少なくなりすぎて効果が発揮されなくなる。逆に合計量
が30モルを超えると変性剤の使用量が多くなりすぎて
生成シリカ質皮膜が柔らかくなり、傷がつきやすくなる
とともに、耐水性が悪くなるのである。変性剤を溶解す
る場合には、得られる変性ケイ酸ナトリウム水溶液が透
明で均一な溶液となるように、加熱溶解させたり、また
は変性剤を予め水溶液にしておき、これを、ケイ酸ナト
リウムの水溶液に混合することが行われる。すなわち、
変性ケイ酸ナトリウム水溶液が不透明状になると生成シ
リカ質皮膜の透明性が損なわれる傾向がみられるからで
ある。また「このようにして変性ケイ酸ナトリウム水溶
液を調製する場合において、変性ケイ酸ナトリウム水溶
液の濃度を1〜30重量%(以下「%」と略す)に設定
することが好ましい。すなわち、濃度が30%を超える
と水溶液の粘度が高くなりすぎて塗布作業が困難になる
とともに、塗膜の焼付け時にクラックが生じたり、発泡
したりするようになる傾向がみられるからであり、濃度
が1%未満では効果が充分に発揮されにくくなるからで
ある。変性ケイ酸ナトリウム水溶液の塗布、競付けによ
り形成されたシリカ質皮膜(第1)の上に塗布する変性
ケイ酸リチウム水溶液としては、下記の一般式Lj20
・XSi02・yH20 (ただし、xは0.5以上の正数、yは0または正数)
で表わされるケイ酸リチウムが熔解されているとともに
、変性剤として周期律表第la族に属するアルカリ金属
のリン酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩が単独でまた
は併せて溶解されているものが用いられる。
この変性剤の具体例は、変性ケイ酸ナトリウム水溶液の
場合と同様である。そして、変性ケイ酸リチウム水溶液
に溶解されているケイ酸リチウムは、ケイ酸ナトリウム
に比べれば造膜性に欠けるが、xの値が0.5〜3.5
程度のものは厚さ1〜2仏の皮膜を充分に形成しうるも
のである。しかし、xの値が7.5以上になると造膜性
に大きく欠けるようになる。このように、ケイ酸リチウ
ムは、ケイ酸ナトリウムに比べて造膜性にはやや欠ける
が、それによって形成される皮膜は、耐薬品性に極めて
富んでいるのである。すなわち、20000以上の温度
で0.5分間以上の焼付処理を施して形成される皮膜は
、厚さがIA程度でも耐酸性(10%HCI中室温下6
0分)および耐アルカリ性(10%NaOH中室温下6
0分)に富んでいるのである。そして、ケイ酸リチウム
によって形成される皮膜は、ェフロレッセンスの発生も
極めて少ないのであり、20000以上の焼付けを経て
形成される皮膜は、脱アルカリ処理を経なくても炭酸ガ
ス、亜硫酸ガス雰囲気下において変化しないものである
。このように、ケイ酸リチウムによって形成される皮膜
は、耐薬品性、耐ェフロレッセンス性に富んでいるもの
の耐衝撃性等はやや欠けるのである。前記の変性剤は、
この皮膜に対して耐衝撃性を付与するとともに、耐薬品
性および耐ェフロレッセンス性を一層向上させるのであ
る。なお、変性ケイ酸リチウム水溶液の調製、変性剤の
好ましい使用量および変性ケイ酸リチウム水溶液の好ま
しい濃度等は、変性ケイ酸ナトリウム水溶液の場合と同
様である。この発明は、上記のように耐衝撃性、耐熱衝
撃性に極めて富むとともに耐ェフロレッセンス性にも富
むシリカ質皮膜を生成しうる変性ケイ酸ナトリウム水溶
液と、上記のように耐薬品性、耐ェフロレッセンス性に
極めて富むシリカ質皮膜を生成しうる変性ケイ酸リチウ
ム水溶液とを併用することにより、両者の長所を生かし
合い、全体として耐衝撃性、耐熱衝撃性、耐薬品性およ
び耐ェフロレッセンス性に極めて富むシリカ質皮膜を基
材上に生成させるようにするのである。脱アルカリ処理
をする場合に用いられる酸の水溶液および水溶解時に酸
性を呈する塩の水溶液としては、下記のようなものがあ
げられる。
すなわち、酸の水溶液としては、HN03、日3P04
、比S04、HC1、日3803、日2C03および有
機酸等の水溶液があげられる。効果の点からすれば、H
N03の水溶液を用いることが好ましい。また、水溶解
時に酸性を呈する塩の水溶液としては、硝酸アルミニウ
ム「硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛ト硝
酸バリウム等の硝酸塩、硫酸アルミニウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛等の硫酸塩、第一リ
ン酸アルミニウム、第一リン酸カルシウム、第一リン酸
マグネシウム、第一リン酸鉄、第一リン酸鋼、第一リン
酸亜鉛等のリン酸塩および塩化カルシウム、塩化アルミ
ニウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、塩化亜
鉛等の塩酸塩の水溶液があげられる。効果の点からすれ
ば、硝酸塩の水溶液を用いることが好ましく、硝酸アル
ミニウムの水溶液を用いることが特に好ましい。この脱
アルカリ処理は、上言己の酸の水溶液または上記の塩の
水溶液または両者の混合水溶液をシリカ質皮膜に対して
スプレィしたり、シリカ質皮膜を有する製品を上記の水
溶液中に浸債すること等により行われる。この場合、上
記の水溶液は、処理剤の種類によっても異なるが、濃度
を1〜20%に設定することが好ましい。そして、処理
時間は、処理剤の種類や水溶液の濃度によっても異なる
が、0。5〜3粉1間に設定することが好ましい。
特に、酸の水溶液を用いて脱アルカリ処理するよりも、
水落解時に酸性を呈する塩の水溶液を用いて脱アルカリ
処理する方が好ましい。これはつぎの理由による。すな
わち、酸の水溶液による場合でも塩の水溶液による場合
でも、脱アルカリ処理によってシリカ質皮膜からアルカ
リ金属が溶出し、その溶出跡が形成されるものであるが
、塩の水溶液を用いて脱アルカリ処理すると、溶出跡が
生ずるにつれて塩の水溶液から塩の金属イオン等陽イオ
ンが入り込んでその溶出跡を埋めるため、シリカ質皮膜
の表面状態を損なうことが少ないのである。つぎに、上
記の原材料を用い、この発明の方法によってシリカ質皮
膜を有する製品を製造する例について説明する。
まず、ケイ酸ナトリウムの水溶液を基材に塗布する。塗
布の方法は限定しない。例えば吹き付け、はけ塗りや、
基材をケイ酸ナトリウムの水溶液中に浸潰することが行
われる。つぎに、ケイ酸ナトリウムの水溶液が塗布され
た基材を風乾したのち、100o○未満の温度で予備乾
燥する。
この予備乾燥は、ケイ酸ナトリウム塗膜中の自由水を除
去し、後で行われる高温における焼付けの際の発泡を防
止するために行うものである。通常、この予備乾燥は、
5000以上100つ○未満の温度範囲内において0.
5〜30分間行われる。つぎに、ケイ酸ナトリウム塗膜
を高温で焼付け処理して第1のシリカ質皮膜化する。こ
の場合、焼付けを2段階に分け、比較的低温(100〜
200℃)で1次暁付けし、引続いて高温(20000
を超え400oo以下)で2次焼付けするようにすると
シリカ質皮膜に対する小孔の形成が一層防止されるよう
になるのである。すなわち、この発明者らは、シリカ質
皮膜に多数の小孔が分布形成される原因について研究を
重ねた結果、その原因は乾燥時のケイ酸塩中の自由水の
不完全な除去と、熱処理時のケイ酸塩の脱水反応を充分
に把握せず、不適正な条件で熱処理を行うことにあるこ
とを見いだし、そこで、つぎに熱処理時のケイ酸塩の脱
水反応について、示差熱分析(DTA)おび熱量量分析
(TGA)によって詳細に研究を行うことにより、10
0〜20000の間でシリカ質皮膜の小孔(ピンホール
)の生成原因となる反応(脱水反応と思われる)が激し
く起きるため、この温度範囲でケイ酸塩を熱処理(1次
焼付け)して充分脱水反応を行わせたのち、さらに温度
を高めて200ooを超え40000以下の温度で熱処
理(2次暁付け)するとシリカ質皮膜の小孔の生成が著
しく少なくなることを見いだして焼付処理を2段階に分
けるようにしたのである。この1次焼付けは、0.5〜
30分程度行うことが効果の点から好ましい。1次焼付
け後に行う2次暁付けは、200q○を超え400qo
以下の温度で行うことが好ましい。
この2次蟻付けは、シリカの皮膜を強固にする目的のた
めに行うものであり、焼付け時間は経済性等を考慮して
通常0.5〜30分に選ばれる。つぎに、このようにし
て形成された第1のシリカ質皮膜に対して、必要な場合
には、前記の酸の水溶液または水熔解時に酸性を呈する
塩の水溶液で脱アルカリ処理を施す。
第1のシリカ質皮膜は、変性剤によって耐ェフロレッセ
ンス性は付与されているのであるが、このようにして脱
アルカリ処理を施すとざらに耐ェフロレツセンス性が向
上するようになるのである。ついで、第1のシリカ質皮
膜の上に変性ケイ酸リチウム水溶液を塗布し、変性ケイ
酸ナトリウム水溶液の塗布から暁付処理までの一連の処
理と同機の処理を施すことにより第2のシリカ質皮膜を
形成する。
つぎに、このようにして形成された第2のシリカ質皮膜
に対して、必要な場合には、前記の酸の水溶液または水
溶解時に酸性を呈する塩の水溶液の片方または双方で脱
アルカリ処理を施す。第2のシリカ質皮膜は、変性ケイ
酸リチウムにより形成されていて、耐ェフロレッセンス
性には富んでいるのであるが、このようにして脱アルカ
リ処理を施すと一層耐ェフロレッセンス性が向上するよ
うになるのであり、得られた製品を過酷な条件下で使用
してもェフロレッセンスが発生しなくなるのである。そ
して、第1および第2のシリカ費皮膜は、変性剤によっ
て性能が大幅に向上しているため、このような脱アルカ
リ処理によって全く影響を受けないのである。なお、第
1および第2のシリカ質皮膜の膜厚は、それぞれ0.1
〜2仏に設定することが効果の点からも好ましいのであ
る。
このようにして、透明性に富み、4・孔(ピンホール)
が形成されていず、耐ェフロレツセンス性、耐薬品性、
耐衝撃性に極めて富んだシリカ質皮膜を有する製品が得
られるのである。
すなわち、この製品のシリカ質皮膜は、高温における競
付処理に先立って100oo未満の温度で予備乾燥(小
孔の形成原因となるケイ酸塩中の自由水の除去を目的と
する)されているため、小孔の分布形成が防止されてい
るのである。そして、シリカ質皮膜が2層になっていて
、表面側が、変性剤により耐薬品性、耐ェフロレッセン
ス性に極めて富むようになった第2のシリカ質皮膜(変
性ケイ酸リチウムにより形成)からなり、基材側が、変
性剤により耐衝撃性、耐熱衝撃性に極めて富むようにな
った第1のシリカ質皮膜(変性ケイ酸ナトリウムにより
形成)からなるため、第1および第2のシリカ質皮膜の
長所が生かされ、シリカ質皮膜全体として耐薬品性、耐
ェフロレッセンス性、耐衝撃性および耐熱衝撃性に極め
て富むようになるのである。そのため、ェフロレッセン
スの発生を防止するために脱アルカリ処理をする必要が
なくなるのである。そして、特に、第1および第2のシ
リカ質皮膜の片方または双方に脱アルカリ処理を施すと
、一層ェフロレッセンスの発生が防止されるようになる
ため、得られた製品を過酷な条件で使用してもェフロレ
ッセンスが全く発生しなくなるのである。なお、特に必
要がある場合には、上記のようなシリカ質皮膜形成から
脱アルカリ処理に到る一連の工程を繰返し行ってもよい
のである。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
実施例、比較例 基材としてアルミニウム基材を準備した。
このアルミニウム基材は、JISに規定された高純度ア
ルミニゥム板(住友軽金属社製、AI070P、山純度
97%以上、100×100×1柳)をバフ研磨したの
ち、中性洗剤で脱アルカリ処理して化学研磨俗(リン酸
80容量%、酢酸5容量%、硝酸15容量%、液温10
0℃)に3硯砂間浸薄し、ついで水洗したのち、10容
量%日NOぷ先浄、水洗し鏡面化したものである。この
基材を用い、後記の第1表に示すように、基材表面に同
表に示すケイ酸塩水溶液を同表に示す量だけ塗布し、同
表に示すように熱処理したのち、必要に応じて脱アルカ
リ処理してシリカ質皮膜を有する製品を得た。
聡 縦 二 S べ 船 縦 S ふ つぎに、上記のようにして得られたシリカ質皮膜を有す
る製品のシリカ質皮膜の性能を調べた。
その結果は第2表のとおりであった。第2表から明らか
なように、実施例により得られた製品のシリカ質皮膜の
性能は、極めて良好であることがわかる。これに対して
比較例で得られた製品のシリカ質皮膜はェフロレッセン
スが発生したり、耐薬品性が悪かったり、クラックが発
生したり、耐熱性、耐熱衝撃性が悪かったりしていて、
いずれも満足できるものではないことがわかる。船 船 馨 管 Z R 蓮 S 選 管 X 宅 * なお、第2表の性能評価方法は、つぎのようにして行っ
た。
{1} 外観:顕微鏡(×100)でクラックの有無を
チェックした。
色は目視にて観察した。{2} 耐薬品性:10%HC
Iおよび10%NaOHの水溶液にそれぞれ炉紙(10
肋×10肋)を3枚重ねて浸し、これを試験品の表面に
置いて時計皿で覆い、室温で30分間放置したのち「水
洗し、変色、腐食の有無をルーペ(×25)で観察した
(3} S02ガステスト:デシケータ底部に1伽の深
さに水を張り、そこへ試験品を入れ、ついでデシケータ
内に400伽血のS02ガスを充満させて完全密閉状態
にし、その状態で室温において4報時間放置(この時、
デシケータ内部は「室温での飽和水蒸気と400功血の
S02ガスとの混合ガスによって満たされている)した
。その後、試験品を取り出し、100〜13000のオ
ープン中に投入して乾燥させたのち、白化物(ェフロレ
ッセンス)の発生の有無をルーペ(×25)で調べた。
【4} ウェザオメー夕試験および塩水噂霧試験:JI
Sにもとづく方法で、ウェザオメータ試験は30畑時間
、塩水贋霧試験は10サイクル行った。■ 耐熱性:2
50ooで1独特間行った。{6} 耐熱衝撃性:試験
品を250ooで3時間保ったのち、直ちに2000の
水に浸潰して1時間保つ。これを1サイクルとし5サイ
クル繰返し行った。(7ー 膜厚測定:パーマスコープ
EWD8(フィッシャー社製(***))で測定した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の一般式(I) (I)Na_2O・xSiO_2・yH_2O(ただし
    、xは0.5以上の正数、yは0または正数)で表わさ
    れるケイ酸ナトリウムが溶解され、かつ変性剤として周
    期律表第1a族に属するアルカリ金属のリン酸塩、ホウ
    酸塩およびアルミン酸塩の少なくとも1つが、それぞれ
    P_2O_5、B_2O_3、Al_2O_3に換算し
    て生成シリカ質皮膜中におてSiO_2成分100モル
    に対し合計で1〜30モルの割合になるように溶解され
    ている変性ケイ酸ナトリウム水溶液を準備するとともに
    、下記の一般式(II)(II)Li_2O・xSiO_2
    ・yH_2O(ただし、xおよびyは一般式(I)と同
    じ)で表わされるケイ酸リチウムが溶解され、かつ変性
    剤として周期律表第1a族に属するアルカリ金属のリン
    酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩の少なくとも1つが
    、それぞれP_2O_5、P_2O_3、Al_2O_
    3に換算して生成シリカ質皮膜中においてSiO_2成
    分100モルに対し合計で1〜30モルの割合になるよ
    うに溶解されている変性ケイ酸リチウム水溶液を準備す
    る工程と、上記のケイ酸ナトリウム水溶液を基材の表面
    に塗布し100℃未満の温度で予備乾燥したのち、さら
    に高温で焼付処理を行つて第1のシリカ質皮膜を形成す
    る工程と、この第1のシリカ質皮膜の上に上記の変性ケ
    イ酸リチウム水溶液を塗布し100℃未満の温度で予備
    乾燥したのち、さらに高温で焼付処理を行つて第2のシ
    リカ質皮膜を形成する工程とを備えたシリカ質皮膜を有
    する製品の製法。 2 第1および第2のシリカ質皮膜の形成の際に行われ
    る高温での焼付処理を、100〜200℃の温度で1次
    焼付けし、ついで200℃を超え400℃以下の温度で
    2次焼付けすることにより行う特許請求の範囲第1項記
    載のシリカ質皮膜を有する製品の製法。 3 予備乾燥の所要時間が0.5〜30分の範囲内に選
    ばれるとともに、1次焼付けおよび2次焼付けの所要時
    間がそれぞれ0.5〜30分の範囲内に選ばれている特
    許請求の範囲第2項記載のシリカ質皮膜を有する製品の
    製法。 4 基材が、アルミニウム板に脱脂処理したのち化学研
    磨処理または電解研磨処理し反射率75%以上の鏡面を
    形成したアルミニウム基板である特許請求の範囲第1項
    ないし第3項のいずれかに記載のシリカ質皮膜を有する
    製品の製法。 5 下記の一般式(I) (I)Na_2O・xSiO_2・yH_2O(ただし
    、xは0.5以上の正数、yは0または正数)で表わさ
    れるケイ酸ナトリウムが溶解され、かつ変性剤として周
    期律表第1a族に属するアルカリ金属のリン酸塩、ホウ
    酸塩およびアルミン酸塩の少なくとも1つが、それぞれ
    P_2O_5、B_2O_3、Al_2O_3に換算し
    て生成シリカ質皮膜中においてSiO_2成分100モ
    ルに対し合計で1〜30モルの割合になるように溶解さ
    れている変性ケイ酸ナトリウム水溶液を準備するととも
    に、下記の一般式(II)(II)Li_2O・xSiO_
    2・yH_2O(ただし、xおよびyは一般式(I)と
    同じ)で表わされるケイ酸リチウムの水溶液が溶解され
    、かつ変性剤として周期律表第1a族に属するアルカリ
    金属のリン酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩の少なく
    とも1つが、それぞれP_2O_5、B_2O_3、A
    l_2O_3に換算して生成シリカ質皮膜中においてS
    iO_2成分100モルに対し合計で1〜30モルの割
    合になるように溶解されている変性ケイ酸リチウム水溶
    液を準備する工程と、上記の変性ケイ酸ナトリウム水溶
    液を基材の表面に塗布し100℃未満の温度で予備乾燥
    したのち、さらに高温で焼付処理を行つて第1のシリカ
    質皮膜を形成する工程と、この第1のシリカ質皮膜の上
    に上記の変性ケイ酸リチウム水溶液を塗布し100℃未
    満の温度で予備乾燥したのち、さらに高温で焼付処理を
    行つて第2のシリカ質皮膜を形成する工程と、第1のシ
    リカ質皮膜の形成後および第2のシリカ質皮膜の形成後
    のうちの少なくとも一方のシリカ質皮膜の形成後に、形
    成されたシリカ質皮膜に対して酸の水溶液および水溶解
    時に酸性を呈する塩の水溶液の少なくとも一方により脱
    アルカリ処理を行う工程とを備えたシリカ質皮膜を有す
    る製品の製法。 6 第1および第2のシリカ質皮膜の形成の際に行われ
    る高温での焼付処理を、100〜200℃の温度で1次
    焼付けし、ついで200℃を超え400℃以下の温度で
    2次焼付けすることにより行う特許請求の範囲第5項記
    載のシリカ質皮膜を有する製品の製法。 7 予備乾燥の所要時間が0.5〜30分の範囲内に選
    ばれるとともに、1次焼付けおよび2次焼付けの所要時
    間がそれぞれ0.5〜30分の範囲内に選ばれている特
    許請求の範囲第6項記載のシリカ質皮膜を有する製品の
    製法。 8 基材が、アルミニウム板に脱脂処理たのち化学研磨
    処理または電解研磨処理し反射率75%以上の鏡面を形
    成したアルミニウム基板である特許請求の範囲第5項な
    いし第7項のいずれかに記載のシリカ質皮膜を有する製
    品の製法。 9 脱アルカリ処理用の酸の水溶液が硝酸の水溶液であ
    り、水溶解時に酸性を呈する塩の水溶液が硝酸塩の水溶
    液である特許請求の範囲第5項ないし第8項のいずれか
    に記載のシリカ質皮膜を有する製品の製法。
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