JPS6061286A - 被記録材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、インクによる記録法に用いられる被記録材に
関し、特にインク（記録液）の吸収性が高く、かつイン
クの発色性の優れたインクジェット記録に好適な被記録
材に関する。

インクジェット記録法は、高電圧印加による静電吸引方
式、圧電素子を用いてインクに機械的振。

動または変移を与える方式等のインク吐出方式によりイ
ンクの小滴を発生させ、これを飛翔させて紙などの被記
録材に付着させて記録を行うものであるが、騒音の発生
が少なく、高速印字、多色゛印字の行える記録法として
注目されている。インクジェット記録用のインクとして
は、安全性、印刷適性の面から主に水系のものが使用さ
れている。

このインクジェット記録法に使用される被記録材として
は、従来通常の紙が一般的に使用されてきた。しかし、
記録の高速化あるいは多色化など、インクジェット記録
装置の性能の向上に伴ない、インクジェット記録用の被
記録材に対しても：より高度な特性が要求されつつある
。すなわ−ち、高解像度、高品質の記録画質を得るため
のインクジェット記録用被記録材としては、１）インク
の吸収が可及的速やかであること、２）インクドツトが
重なった際に、後で付着したインクが前のドツトに流れ
出さないこと、３）インクドツトの径が必要以上に大き
くならないこと、 ４）インクドツトの形状が真円に近く、またその周辺が
滑らかであること、 ５）インクドツトの濃度が高く、ドツト・周辺がぼけな
いこと、 等の要求性能を満たすものであることが必要とされる。

更に、多色インクジェット記録方式によりカラー写真に
匹敵する程度の記録画質を得るには、上記の要求性能に
加え、 ６）白色度が高いこと、 ７）・インクの着色成分の発色性が優れたものであるこ
と、 ８）インクの色の数と同数のインク小液滴が、同一箇所
に重ねて付着することがあるのでインク吸収性が特に優
れていること、 ′　等の性能が加重して要求される。

しかしながら、これ等要求性能を全て満たした被記録材
は未だ知られていないのが実状である。

例えば、通常の上質紙を被記録材として用いた場合、イ
ンク吸収性が悪く滲みの度合が不均一でドツトの形状が
著しく悪くなる。また市販のノンコート紙では、インク
吸収性は十分であるが、滲みが大きくドツト形状および
色彩性が劣る。特開昭５２−７’ｉ、ｓｏｉ号記載のイ
ンクジェット記録用紙では、・インクの吸収は速やかで
あるが、ド”／　）径が大きくなりやすく、ドツトの周
辺がぼけやすいし、また記録後の寸法変化が大きいとい
う欠点を有している。

本発明の目的は、前記のような諸要求を満足させ、なか
でもインク吸収性が極めて高く、しかもインクドツトの
径が必要以上に大きくならず、かつ発色性に優れ、特に
多色インクを用いたフルカラーのインクジェット記録用
として好適な被記録材を提供することにある。

−１−記の目的は、以下の本発明によって達成される。

すなわち本発明は、支持体の表面上に、充填材と結着剤
とを含む被覆層を設けた被記録材に於いて、前記被覆層
が該被覆層の厚さ方向に該被覆層の表面に連通した空隙
を多数内在して形成、されてなることを特徴とする被記
録材である。

本発明の被記録材は、インクの受容層として機能する被
覆層のその厚さ方向の独特な構造（被覆層の断面構造）
によって特徴づけられる。すなわち、被覆層の主成分で
ある比較的大きな粒径の不定形の充填材が支持体の表面
上に積み上げられたような状態に載置されて被覆層が形
成される。そ・して、それら充填材粒子の間にインク吸
収孔として機能する空隙が主に被覆層中央部付近に多数
内在する構造をとるもので、代表的には第１図の模式図
により図示した状態として示される。

すなわち、支）与体ｌ上に、主に充填材粒子３と結着剤
（不図示）とによって形成された被覆層２が設けられ、
被覆層２内に形成された隙間５を介して被覆層２の表面
に連通している空隙４が被覆層２の主に中央部付近、す
なわち空隙４が被覆層２の表面にあるいは支持体ｌにま
で達することなく被覆層２内に該層の平面方向に適当な
密度を持って多数散在している。

第２図は、本発明の被記録材の一実施態様例のの被覆層
面に対し垂直に切断した切断面部分の７００倍の走査型
電顕写真であり、支持体の表面上に積み上げられた充填
材粒子とそれ等粒子によって形成された大きな空隙が被
覆層に多数内在した特徴ある構造が良く示されている。

これに対し、第３図の従来の被覆層を有する被記録材の
表面の同倍率の電顕写真に見られるように、従来の被記
録材の被覆層は、その表面にインクの吸収孔として機能
する微細孔を多数有しつつも、被覆層内部（断面）には
空隙がほとんど認められない構造をとるもので、本発明
の被記録材とは明確に区別される。

このように本発明の被記録材の被覆層２内には、隙間５
を介して被覆層２の表面連通したインク吸収孔として機
能する充填材粒子間の空隙４が多数内在していやために
、インクによる記録が行われたときには、被覆層表面に
付着したインクのほとんどは隙間５を経て空隙４に速や
かに吸収され、一時的に空隙４に滞留する。このため良
好なインク吸収性が得られ、またインクの流れ出しゃ茶
杓・な滲みを防ぐことができる。更に、空隙４は、第１
図に示されたように主に被記録材の厚さ方向に広がり、
この方向へのインク吸収性が特に良好であるためインク
ドツトの不必要な広がりが防止される。

また、空隙４の有するインクの吸収容量は非常に大きく
、例えば多色インクジェット記録方式によるフルカラー
画像の記録を行う場合等のように短時間内に同一箇所に
重複してインクの小滴が付着した際にも、良好なインク
吸収性を維持することができる。

一方、被覆層２の表面に付着し空隙４に吸収され−・時
的にそこに滞留したインクは、更に空隙４の周辺の被覆
層中に浸透したり、支持体１まで達する。この峙、イン
ク中の色素成分（例えば染料や顔料等）は、被記録材の
被覆層（表層）にある充填材粒子に吸着されるため、被
記録材の表層の呈色性が良好となり、記録後の優れた発
色性を得ることができる。

本発明の被記録材の支持体としては、紙を使用するのが
適当であるが、布、樹脂フィルムあるいは合成紙等も使
用することができる。

これに対し、本発明の被記録材の被覆層は、基本的には
充填材と結着剤とから構成される。該充填材としては、
例えばシリカ、クレー、ケイソウ」−１）に酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、サチンホワイト、ケイ酸アルミニ
ウム、アルミナ、ゼオライト等か挙げられ、これらの１
種以上が用いられる。

上記充填材粒子としては、前述したように、インクによ
る記録の行われた際に、前述したようなインクの色素成
分が被記録材の被覆層にある充填材粒子に吸着されるこ
とによる、良好な呈色性、すなわち記録後の優れた発色
性を得るためには、多孔性の充填材粒子を用いるのが好
ましい。

一方、充填材粒子が多孔性のものでない場合には充填材
粒子のインクの色素成分の吸着性が低いことに基づくイ
ンクドラ飄の濃度や真円性の低下が生じる等の不利があ
る。

他方、該結着材としては、デンプン、ゼラチ〉′、カゼ
イン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、カルボキシメ
チルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド
等の水溶性高分子：合成ゴムラテックス等の合成樹脂ラ
テックス；ポリビニルブチラール、ポリビニルクロライ
ド、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロこトリル；ポリメチ
ルメタクリレート、ポリビニルホルマール、メラミン樹
脂、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリウレタン、アル
キッド樹脂等の有機溶剤可溶性樹脂が挙げられる。また
、被覆層には、本発明の効果を損なわない範囲で、プラ
スチックピグメント等の他の顔料類、更には分散剤、蛍
光染料、ＰＨ調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活
性剤等の各種添加剤を混在させることもできる。

本発明の被記録材の被覆層の有する独特な構造は、これ
まで述べてきた本発明の被覆層を構成することのできる
成分を水等の媒体中に分散させ、更にベントナイト、沈
降性硫酸バリウム等の顔料や界面活性剤もしくは凝集剤
等を加える等の方法により構造粘性（チキソトロピー性
）の付与された塗工液を調整し、この塗工液をロールコ
ーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコ
ーティング法、エアナイフコーティング法等により前記
支持体上に塗工し、その後可及的速やかに乾燥させて製
造することができる。なお、前述の本発明の被覆層を構
成することのできる成分のうち、これらの成分のみによ
って調整された塗工液が構造粘性を持つような成分を選
択して塗工液に構造粘性を付与することもできる。

このように塗工液に構造粘性を付与することによって、
主に充填材粒子を凝集させてこの充填材粒子の三次元凝
集体を形成させると共に、該充填材粒子の凝集体に、塗
工後の被記録材の被覆層の乾燥状態に於ける構造が第１
図に示したような構造となるような三次元的立体構造を
与えることができ、本発明の被記録材の被覆層の有する
独特な構造を形成することができる。

本発明の被記録材の独特な構造を形成する際に、塗工液
中の充填材と結着剤の混合比としては、一般に充填材１
００重量部に対して結着剤がｌＯ乃至＋００３ｉｉ部が
適当であり、該充填材の粒径としては、特に限定される
ものではないが、前記充填材の粒径が１乃至５０鱗程度
のものが適当であり、３乃至３０μ程度のものがより使
用し易い。なお、充填材の平均粒径が大きいときには、
できるだけ結着剤の量を少なく用いることが好結果をも
たらす。また、充填材の粒径が余りにも大き過ぎるとイ
ンクドツトの真円性が損なわれ、記録画像の解像度が低
下するため好ましくない。

支持体上の被覆層の量は、通常１〜５０ｇ／ｍ”程度（
乾燥塗工量）、好ましくは２〜３０ｇ／ｌｎ’程度（乾
燥塗工量）であることが望ましい。

゛　このようにして支持体上に独特な構造を有する被覆
層を設けてなる本発明の被記録材は、インク吸収性が極
めて高く、不必要なインクドツトの広がりがなく、異色
のインクが短時間内に同一箇所に重複した場合にもイン
クの流れ出しや滲み出し現象がなく、高解像度の鮮明な
画像を与えるものであり、しかも発色性に於いても優れ
た特性を発揮し、特にフルカラーの記録を行う場合のイ
ンクジェット記録用の被記録材として好適なものである
。

以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。

実施例１ 充填材としてシリカ（商品名：サイロイド４０４、富士
デヴイソン化学（株）製、平均粒子径：１０μ）を用い
、結着剤としてポリビニルアルコールとＳＢＲラテック
スを用いて下記組成に基づき塗工用組成物を作製した。

なお、構造粘性をこの塗工用組成物に付与するために更
にベントナイトが添加された。

シリカ　１００　重量部 ポリビニルアルコール　２５１／ ＳＢＲラテツクス　５１／ ベントナイト　２ノ／ 水　８００　／／ 一方、支持体としては、ＪＩＳＰ８１２２に基づくサイ
ズ度が３５秒の一般上質紙（坪量８５ｇ／ｍ″）を使用
し、この支持体上に上記塗工用組成物を乾燥塗工量１５
　ｇ　／　”の割合でブレードコーター法により塗工し
、常法により乾燥させて被記録材を得た。

得られた被記録材の被覆層面に対し垂直に切断した切断
面部分の７００倍の走査型電顕写真を第２図に示す。

この被記録材に対して、下記４色のインクを用いてカラ
ーインクジェット記録を行い、記録特性の評価を行った
。

イエローインク（組成） Ｃ，１，アシッドイエロー２３　２　重量部ジエチレン
グリコール　３Ｑ　ｔｔ 水　７０　〃 マゼンタインク（組成） Ｃ，１，アシッドレッド３２　２　重量部ジエチレング
リコール　３０／／ 水　７Ｑ　ｔｔ シアンインク（組成） Ｃ，１，ダイレクトブルー８６２９重量部ジエチレング
リコール　３０ノ／ 水　７Ｑ　ｔｔ ブラックインク（組成） Ｃ，１，ダイレクトブラック１８２　重量部ジエチレン
グリコール　３Ｑ　ｔｔ 木　７０　ｌ／ 被記録材の記録特性の評価結果を表１に示す。

表１に於ける記録特性の評価に際し、 ｌ）ドツト濃度は、印字ドツトをさくらマイクロデンシ
トメーターＰＤＭ−５（小西六写真工業（株）製）を用
いて測定した。

２）ドラＩ・形状は、印字ドツトを実体顕微鏡で観察し
て、はぼ円形のものを０１円形が多少くずれたものをΔ
、不定形のものを×とした。

３）滲み度は、印字ドツトの直径を実体顕微鏡で測定し
、インクドロップレットの何倍にな−ったかで示した。

４）色彩鮮明性は、インクジェット記録画像の色の鮮明
さを目視により比較し、最も良いものを＠、最も悪いも
のを×とし、ｅ、ｏ、Δ、×のランク分けをした。

５）インク吸収性は、４色のインクを重ねて記録した場
合、インクの流れ出しがなく、画像の鮮明なものを０、
それ以外を×とした。

実施例２ 充填材としてケイソウ±（商品名：セライト２８１、ジ
ョンマンピル製、平均粒子径８Ｊｌ１ｍ）を用い、結着
剤としてデンプンとＳＢＲラテックスとを用いて、下記
組成に基づき塗工用組成物を作製した。なお、この塗工
用組成物に構造粘性を付与するためにポリアクリルアミ
ド系高分子凝集剤（商−品名：ケミフロック１１００、
日光ケミカルズ（株）製）が更に添加された。

ケイソウ土　１００　重量部 デンプン　３Ｑ　ｔｔ ＳＢＲラテックス　１０１／ ポリアクリルアミド系 高分子凝集剤　０．５　ｔｔ °水　１０００　／／ 一方、支持体としては、実施例１と同じ一般上質紙を使
用し、この支持体上に上記塗工用組成物を乾燥塗工量１
０ｇ／ｍ″の割合でブレードコーター法により塗工し、
常法により乾燥させて被記録材この被記録材の被覆層の
被覆層面に対し垂直に切断した切断面部分の７００倍の
走査型電顕写真は、第２図に示した実施例１で得られた
ものとほぼ同様であった。

この被記録材の記録特性を実施例１と同様にしてＩｉｆ
価した結果を表１に示す。

実施例３ 充填材としてゼオライト（商品名：モレキュラーシープ
１３Ｘ、ユニオン昭和（株）製、平均粒子１４１０ｕａ
　）を用い、結着剤としてデンプンとポリビニルアルコ
ールを用いて、下記組成に基づき塗工用組成物を作製し
た。なお、この塗工用組成物に構造粘性を付与するため
に更に沈降性硫酸バリウムが添加された。

ゼオライト　１００重量部 ポリビニルアルコール　５　〃 デンプン　２０〃 沈降性硫酸バリウム　１０〃 水　５００　ｔｔ 一方、支持体としては、実施例１と同じ一般。

上質紙を使用し、この支持体上に上記塗工用組成物を乾
燥塗工量２０ｇ／ピの割合でブレードコーター法により
塗工し、常法により乾燥させて被記録材を得た。

この被記録材の被覆層面に対し垂直に切断した切断面部
分の７００倍の走査型電顕写真も、第２図に示した実施
例１で得られたものとほぼ同様であった。

この被記録材の記録特性を実施例１と同様にして評価し
た結果を表１ｉ示す。

比較例１ 被記録材として市販のアートコート紙（商品名：ＳＫコ
ート、重陽国策バルブ株制）を使用してインクジェット
記録特性の評価を実施例１と同様にして行った。その結
果を表１に示す。

なお、このアートコート紙の被覆層面に対し垂直に切断
した切断面部分の７００倍の走査型電顕写真を第３図に
示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の被記録材の一例の被覆層の被覆層面
に対し垂直に切断した模式的切断面部分図、第２図は実
施例１に於いて得られた本発明の被記録材の被覆層の被
覆層面に対し垂直に切断した切断面部分の７００倍の走
査型電顕写真、第３図は、比較例１に於いて使用した従
来の被記録材の被覆層の被覆層面に対し垂直に切断した
切断面部分の７００倍の走査型電顕写真である。 図に於いて、１は支持体、２は被覆層、３は充填材粒子
、４は空隙、５は隙間である。 第１図 手続補正書（方式） 昭和５８年２月２９日 特許庁長官　殿 １、事件の表示　昭和５８年　特許願　第１８８３７５
号２、発明の名称 被記録材 ３、補正をする者 事件との関係　特許出願人 （１００）キャノン株式会社 ４、代　理　人 住所　東京都港区赤坂１丁目９番２０号５、補正命令の
日付 昭和５８年１月３１日発送 ８、補正の対象 明細書０゛図面の簡単な説明欄７．　・＼７、補正の内
容 （１）明細書第２０頁第６行にある「切断面部分の７０
０倍の走査型電顕写真、」の記載を「切断面に於ける充
填材粒子の粒子形状を表わすための７００倍の走査型電
子顕微鏡による図面代用写真、」の記載に訂正する。 （２）明細書第２０頁第８〜９行にある「切断面部分・
・・・・・・・・写真である。」の記載を「切断面の第
２図の図面代用写真と同倍率の走査型電子顕微鏡による
同様な図面代用写真である。」の記載に訂正する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 、　支持体の表面上に、充填材と結着剤とを含む被覆層
   を設けた被記録材に於いて、前記被覆層が該被覆層の厚
   さ方向に該被覆層の表面に連通、　した空隙を多数内在
   して形成されてなることを特徴とする被記録材。