JPS6055325B2 - パワ−シフトトランスミッションを備えた駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パワーシフトトランスミッションを備えた
駆動装置に関する。

例えば、パワーシフトトランスミッションを備えたシ
ョベル作業車等の変速操作は、一本の操作レバーで前後
進切換操作と高低速切換操作とを行なうもので、具体的
にはコの字型とかクランク型等の変速案内溝に沿わせて
一方の操作方向に対して他方がほぼ直交する方向に操作
するように構成されているために、たとえばＨＳＴのよ
うな直線案内溝によるものに較べて中立位置が明確で誤
操作を生じにくい利点がある。

従つて、たとえば、ショベル作業時等において、前進・
後進あるいは停車を頻繁に繰返すのにレバー操作に必要
以上に気を使う欠点がなく、軽快なレバー操作が可能で
ある利点がある。 ところで、かかるショベル作業車に
よつて、その作業箇所を頻繁に変更しながら定置掘削の
作業を行なうような場合、一般にブレーキペダルの踏−
み込み操作によつて車体を定置固定されて、作業反力に
よる車体の対地移動を生じさせないようにしているが、
ショベル作業の間、そのペダルの踏み込み操作を継続す
るのに作業疲労が大であり、或は、走行停止や前後進の
切換えを繰返し行なう場合、変速操作とブレーキ操作を
同時的に繰返し行なう事が極めて煩わしいものであつた
。

本発明は、上述の実情に鑑みて、パワーシフトトランス
ミッション本来の上述した利点、つまり変速操作レバー
の操作の簡便さは維持した状態で、その本来の構成を有
効に利用して、ミッションによる駆動部の非伝動状態に
おける制動を自動的に行なわせられるようにする事を目
的とする。

本発明による駆動装置は、原動機に連設した流体圧ポン
プをパワーシフトトランスミッションの入力軸に連設の
流体圧モータに接続すると共に、この流体圧モータを正
逆転駆動させる中立停止ボートを含む切換弁を前記ポン
プとモータとの接続流路中に介装し、前記入力軸に変速
用流体圧ポンプを設けると共にこの変速用流体圧ポンプ
の吐出流路に、変速操作部を順次的に作動させる操作ボ
ートと変速操作部の総てに対する圧油供給を断つて非作
動状態とする中立ボートとを備えた変速操作用バルブを
介装し、この変速操作用バルブの中立ボートを通る変速
用流体ポンプからの圧力流体を、車輪に付設の制動装置
の制動用流体圧シリンダに供給するシリンダ流路を設け
てミッションを中立状態に操作すると、それに連動の車
輪を変速操作用流体圧で制動させるように構成し、且つ
、前記シリンダ流路からタンクへのドレン流路途中に、
前記原動機で駆動される流体圧ポンプから流体圧モータ
への流路内の流体圧をパイロット圧と；して、流体圧モ
ータへ圧力流体が供給されている状態では前記ドレン流
路を閉じ、流体圧モータへの流体供給が断たれたときに
前記ドレン流路を開放するように構成された開閉バルブ
を配設し、前記切換弁を中立状態に操作した時、自動的
にシリｊンダ流路内の圧力流体を還流させて、シリンダ
による制動状態を解除させるように構成してあることを
特徴とする。即ち、ミッションによる駆動部が停止状態
にあるときの変速操作用ポンプの圧力流体の有効利用４
によつて、単にミッションを駆動停止させるだけの変速
操作てもつて、それに連動させて同時的にミッションに
よる駆動部を制動状態にする事ができ、その制動操作の
省略によつて、特に駆動停止を頻繁に繰返し行なう場合
の操作性を向上させる事ができるようになつた。

しかも、ミッションが中立状態で自動的に制動用流体圧
シリンダを制動作用させることができる門ばかりでなく
、更にそのミッションが中立状態にありながらも前記シ
リンダを非制動状態にすることができるために、たとえ
ば、作業車をトレーラー等の車輌で牽引して移動・搬送
等する作業を簡便に行なえる利点がある。

このように、本発明は、パワーシフトトランスミッショ
ンを備えた駆動装置本来の変速操作レバーの操作の簡便
性をそのまま維持しながらも、作業性の能率向上並びに
機体の移動・搬送の簡便さを共に現出できる産業利用上
有用なものである。

次に、本発明の実施例を図面に基いて詳述する。ホィー
ル式走行装置１を備える車体２にロータリージョイント
３を介して旋回台４を取付け、この旋回台４にボンネツ
ト５で覆つたエンジン６と操縦部７を搭載すると共に、
車体横方向に摺動固定自在なショベル作業装置８を設け
てショベル作業車を構成してある。

前記走行装置１の駆動装置９を構成するに、第１図及び
第２図に示すように、前記旋回台４に搭載のエンジン６
に流体圧ポンプＰを連設し、前記走行車体２にパワーシ
フトトランスミッション１０を設けると共に、そのミッ
ション１０の入力軸１１に連設の流体圧モータＭと前記
ポンプＰを前記ロータリージョイント３を通る流路で接
続し、そして前記モータＭを正逆転駆動させる中立停止
ボートｆを含む３位置切換弁Ｖを前記旋回台４側に設け
ると共に、流体圧式スプリング解除型制動装置１２を備
えた前後の車輪１ａの差動装置１３，１３と前記ミッシ
ョン１０の変速出力軸１５を伝動軸１６，１６で連動連
結してある。

前記パワーシフトトランスミッション１０を構成するに
、第２図及び第３図に示すように、前記入力軸１１と変
速出力軸１５を備えたミッションケース１７に２本の中
間軸１８，１９を架設し、前記入力軸１１にギアＧ１を
一体連設して、このギアＧ１に常時咬合する歯数の異な
るギアＧ２，Ｇ，を前記中間軸１８，１９の夫々に固設
すると共に、夫々の歯数が異なる２枚のギアＧ，，Ｇ，
，Ｇ６，Ｇ７対を中間軸１８，１９の夫々に遊嵌し、か
つそれらのギアＧ４，Ｇ５，Ｇ６，Ｇ７を中間軸１８，
１９に一体化させる流体圧変速操作部Ａ，ｂ，ｃ，ｄを
設けると共に、前記ギアＧ，，Ｇ６の両者、及びギアＧ
５，Ｇ７の両者に常時咬合するギアＧ８，Ｇ９を前記変
速出力軸１５に固着し、そして前記ミッションケース１
７をタンクとしてそれに接続の流体圧ポンプＰ１を前記
入力軸１１に一体連結して、このポンプＰ１の吐出流路
に、変速操作部Ａ，ｂ，ｃ，ｄを順次的に作動させる非
伝動の中立ボートｅを含む回転式の変速操作用バルブＶ
１を介装し、もつて両バルブＶ，Ｖｌの選択操作により
、駆動停止を含めて前後進４段の変速操作を行なえるよ
うにしてある。

前記旋回台４に付設のバルブｖと、前記走行車体２に付
設のバルブＶ１に対する操作構造２０を構成するに、第
４図に示すように、前記ロータリージョイント３に対し
てその中心部に相対回転自在にロッド２１を挿嵌し、こ
のロッド２１の下端に、相対回転並びに腰折れ自在な連
結構造を介して操作部材２２を連結すると共に、前記バ
ルブＶ，の変速回転軸に連設のアーム２３と前記操作部
材２２を枢支連結し、そして前記ロータリージョイント
３の旋回台４側にブラケット２４を立設して、これに横
軸まわりて揺動自在に変速操作具としてのレバー２５を
設けると共に、このレバー２５に連設のアーム２６と前
記ロッド２１の上端をリンク２７で枢支連結し、もつて
レバー２５の揺動操作により走行車体２側のバルブＶ１
を５位置にわたつて操作できるように構成する。

一方、レバー揺動軸に直交する横軸まわりで前記揺動レ
バー２５を腰折れ自在にして、その腰折れレバー部分２
５ａにアーム２８を設け、このアーム２８と前記バルブ
Ｖの押し引き操作ロッド２９をロッド３０とベルクラン
ク３１を介して枢支連結し、もつてレバー部分２５ａの
腰折れ揺動操作によつてバルブＶを３位置にわたつて操
作できるように構成し、そして前進操作域Ｘと後進操作
域Ｙおよび両域Ｘ，Ｙにわたる中立操作域Ｚを備えたコ
の字状のガイド溝を形成したガイド板３２を設けてある
。

前記レバー２５を前後進操作域Ｘ，Ｙでの中立操作域ｚ
に位置させた状態において、そのバルブ■１の中立ボー
トｅを通る変速操作用ポンプＰ１からの圧力流体を、車
輪１ａに付設の前記制動装置１２の制動用流体圧シリン
ダ３３に供給する流路３４を設けて、前後進いずれであ
つてもミッション１０を駆動停止させるバルブ■１の変
速操作に連動して、自動的に前記シリンダ３３が制動作
用するように構成してあり、即ちミッション１０を中立
状態に操作すると、それに連動の車輪１ａを変速操作用
流体圧て制動させるようにしてある。

そして、車体走行時におけるモータ流路内の流体圧を設
定圧として、それ以上の圧力をパイロット圧として流路
を閉じるスプリング復帰式の開閉バルブＶ２を前記シリ
ンダ流路３４に接続されたタンクへのドレン流路３５の
途中に配設し、もつて前記バルブＶを中立状態に操作し
た時に、自動的にシリンダ流路３４内の圧力流体をケー
ス１７に還流させて、そのシリンダ３３による制動状態
を解除させるようにしてあり、即ち、ミッション１０が
中立状態で自動的にシリンダ３３を制動作用させるもの
において、更にそのミッション１０が中立状態にありな
がらも前記シリンダ３３を非制動状態にする事ができる
ように、前記変速操作用バルブ■１と前後進切換え用バ
ルブ■の連係操作具２５が、バルブＶの中立状態による
非制動状態操作位置Ｚａを現出するように構成してあり
、例えば、流体圧系のトラブルを生じた時に、その作業
車を他の車輛で牽引する事ができるようにしてある。尚
、前記バルブＶの中立位置への操作に連動して前記開閉
バルブ■２の流路を開放させるべく、両バルブ■，■２
を機械的に或は電気的に連係さｌせる等、非制動状態を
現出させる構造を各種変形する事ができ、また、制動用
流体圧シリンダ３３を変速出力軸１５が伝動軸１６に制
動作用させる等、制動対象を各種選択でき、それらをミ
ッション１０による駆動部と総称する。

門図面の簡単な説明 図面は本発明に係るパワーシフトトランスミッションを
備えた駆動装置の実施例を示し、第１図は作業車の全体
側面図、第２図はパワートランスミッションの系統図で
あり、第３図はそのギア咬フ合の形態図である。

第４図は操作構造の斜視図である。１ａ・・・・・・車
輪、６・・・・・・原動機、１０・・・・・・パワーシ
フトトランスミッション、１１・・・・・・入力軸、１
２・・・・・・制動装置、３３・・・・・・制動用流体
圧シリンダ、３４・・・・・・シリンダ流路、３５・・
・・・・ドレン流路、Ｍ・・・・・・流体圧モータ、Ｐ
・・・・・・流体圧ポンプ、Ｐ１・・・・・・変速用流
体圧ポンプ、Ｖ・・・・・・切換弁、Ｖェ゜゜゜゜゜゜
変速操作用バルブ、■２゛゛゜゛開閉バルブ、ａ〜ｄ・
・・・・・変速操作部、ｅ・・・・・・中立ボート、ｆ
・・・・・・中立停止ボート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原動機６に連設した流体圧ポンプＰをパワーシフト
   トランスミッション１０の入力軸１１に連設の流体圧モ
   ータＭに接続すると共に、この流体圧モータＭを正逆転
   駆動させる中立停止ポートｆを含む切換弁Ｖを前記ポン
   プＰとモータＭとの接続流路中に介装し、前記入力軸１
   １に変速用流体圧ポンプＰ＿１を設けると共にこの変速
   用流体圧ポンプＰ＿１の吐出流路に、変速操作部ａ、ｂ
   、ｃ、ｄを順次的に作動させる操作ポートと変速操作部
   ａ、ｂ、ｃ、ｄの総てに対する圧油供給を断つて非作動
   状態とする中立ポートｅとを備えた変速操作用バルブＶ
   ＿１を介装し、この変速操作用バルブＶ＿１の中立ポー
   トｅを通る変速用流体ポンプＰ＿１からの圧力流体を、
   車輪１ａに付設の制動装置１２の制動用流体圧シリンダ
   ３３に供給するシリンダ流路３４を設けてミッション１
   ０を中立状態に操作すると、それに連動の車輪１ａを変
   速操作用流体圧で制動させるように構成し、且つ、前記
   シリンダ流路３４からタンクへのドレン流路３５途中に
   、前記原動機６で駆動される流体圧ポンプＰから流体圧
   モータＭへの流路内の流体圧をパイロット圧として、流
   体圧モータＭへ圧力流体が供給されている状態では前記
   ドレン流路３５を閉じ、流体圧モータＭへの流体供給が
   断たれたときに前記ドレン流路３５を開放するように構
   成された開閉バルブＶ＿２を配設し、前記切換弁Ｖを中
   立状態に操作した時、自動的にシリンダ流路３４内の圧
   力流体を還流させて、シリンダ３３による制動状態を解
   除させるように構成してあることを特徴とするパワーシ
   フトトランスミッションを備えた駆動装置。