JPS604977Y2 - 光フアイバ母材製造用原料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＶＡＤ法による光フアイバ用母材の製造におい
て、母材の主原料である四塩化シリコンの自動供給装置
に関するものである。

従来、この種の装置は、ガラスの゛原料となる四塩化け
い素およびドーピング物質、たとえば四塩化ゲルマニウ
ム、オキシ塩化りん、三臭化はう素等を、各原料容器内
に充填し、流量制御されたキャリアガス、たとえばアル
ゴンガスを各容器内の液状ガラス原料中にバブリングし
て所望の上記各原料の蒸気を得るように構成されていた
。

第１図はこのような装置の一具体例の構成を示した概略
図であり、１はガラス製原料用容器、２はバブラ、３は
蒸気状ガラス原料の出口、４は液状ガラス原料の供給口
、５は液状ガラス原料、６はチャンバ、７は温風ヒータ
、８は液状原料収納タンク、９はバルブを表わす。

容器１において、キャリアガスは流量制御されてバブラ
２から吹き出し液状ガラス原料５をバブリングして蒸気
状ガラス原料が得られる。

液状ガラス原料は時間の経過とともに減少するので、減
少量に応じて液状ガラス原料を容器内に供給しなければ
ならない。

従来、液状ガラス原料の供給方法は、液状ガラス原料収
納タンク８と供給口４を耐蝕性パイプで接続し、不活性
ガス、たとえばアルゴンガスなどによって圧力を加え、
液状ガラス原料５の液面が所定の位置、たとえば１ｏｒ
ｌｒＩＩＬ低下したところでバルブ９を開き、液状ガラ
ス原料を供給する方法が行われている。

しかしこの供給方法は、圧力によって原料を供給するの
で、バルブ９を開いた瞬間に原料容器１内の圧力が高く
なり、蒸気状ガラス原料の出口３から得られる蒸気状ガ
ラス原料量は、その圧力変化に応じて増減し、ガラス原
料の供給が終るまで、これらの変動が続く。

この結果、蒸気状ガラス原料を安定に供給することがで
きず、これによって作製される光フアイバ用母材の屈折
率は、微少なゆらぎが生じることになり、光ファイバの
光学特性に悪影響を及ぼすことになる。

本考案はこれらの欠点を解決するためになされたもので
あり、その目的は、液状ガラス原料の供給時に生じるガ
ラス原料用容器内の圧力変動を防止し、蒸気状ガラス原
料を安定に供給し得る光フアイバ母材製造用原料供給装
置を提供することにある。

本考案について概説すれば、本考案の光フアイバ母材製
造用原料供給装置は、液状ガラス原料を収納タンクから
容器に供給し、これにキャリアガスをバブリングして、
蒸気状ガラス原料およびキャリアガスの混合物として供
給する光フアイバ母材製造用原料供給装置において、ガ
ラス原料用容器に設けた液状ガラス原料供給管路４中に
圧力調整用原料容器を設けたものである。

本考案による圧力調整用原料容器を設けた原料供給系に
おいては、液状ガラス原料をガラス原料用容器に供給す
ることによって生じるガラス原料容器内の圧力変動が防
止されて、常に一定圧力の蒸気状ガラス原料が得られ、
これにより製造される光フアイバ母材の屈折率（Δｎ）
のゆらぎも著しく減少させることができる。

次に、本考案の実施例を図面により詳細に説明する。

第２図は光フアイバ母材製造用原料供給系の一具体例の
構成を示す概略図であり、１および１３は原料容器、２
はバブラ、４は原料供給口、５および１４は四塩化けい
素、６はチャンバ、７は温風装置、８は四塩化シリコン
収納タンク、９．１０，１１および１２はバルブ、１５
はキリアガス、１６は蒸気状ガラス原料、１７は圧力調
整管、１８は液面検知器を示す。

四塩化けい素収納タンク８と圧力調整用原料容器１３を
テフロン管で接続し、その管路中にバルブ１１を設けた
。

圧力調整用原料容器１３の上部に排気管をつけ、その管
路中にバルブ１２を設けた。

圧力調整用原料容器１３の上部と原料容器１の上部をテ
フロン管で接接し、その管路中にバルブ１０を設けた。

圧力調整用原料容器１３の下部と原料容器を原料供給管
４で接続し、その管路中にバルブ９を設けた。

また原料供給管４は、原料容器１に充填される四塩化け
い素５の液面より下部になるように長くした。

次に本考案の動作を説明する。

温風ヒータ７によってチャンバ６内の温度を４０℃に昇
温した。

次にバルブ９，１０．１１および１２を開き、四塩化け
い素収納タンク８に、アルゴンガスによって０．１５に
９／Ｃ７１！の圧力を加えて、四塩化けい素を原料容器
１に充填した。

原料容器１に四塩化けい素が充填された後、バルブ９を
閉じて圧力調整用原料容器１３に四塩化けい素を充填し
、バルブ１１および１２を閉じた。

このような状態において、１００ｃｃ／ｍｉｎに制御さ
れたアルゴンキャリアガス１５をバブラ２に流して、四
塩化けい素５をバブリングして蒸気状四塩化けい素１６
を得た。

１時間経過した後、四塩化けい素５の液面が初期状態よ
り１−低下した。

ここでバルブ９を開き、圧力調整用原料容器１３中の四
塩化けい素１４を原料容器１中に充填し、四塩化けい素
５の液面が初期状態にもどった時点でバルブ９を閉じた
。

これらの作業中、蒸気状原料の出口３側の圧力変動は、
はとんど認められなかった。

この結果は、バルブ９を開いて原料容器１中に四塩化け
い素を充填する際、原料容器１の中の四塩化けい素液面
の上部空間の圧力は高くなるが、この圧力増加分は管路
１７を経て、圧力調整用原料容器１３に吸収されたと結
論できる。

本考案者らはこの原料供給系を用いて、蒸気状ガラス原
料を得、この原料によって光フアイバ用母材を作製した
結果、母材の長尺方向の屈折率（Δｎ）変化は０．０１
％以下であった。

なお比較のために、圧力調整用原料容器１３を設けず、
原料供給口４とバルブ１１を接続しての実験を行ったが
、この場合には、原料を供給する際の圧力変動が大きく
、得られた光フアイバ母材の長尺方向の屈折率（Δｎ）
変化は０．２％と大きく、母材の寸法精度も悪くなった
。

また本考案は４個のバルブの開閉を簡単なリレー回路を
用いて連動させることにより自動化することができ、こ
のため、長尺ファイバ、たとえば５００〜１０００ｋｍ
相当量の一定な蒸気状ガラス原料を自動的に、かつ簡単
に得ることができる。

さらに本考案によれば、液面検知器１８を原料用容器１
に取り付け、液面検知器１８とバルブ９を連動させるこ
とにより、液面の低下を任意に設定でき、その設定値ま
で液面が低下すると、原料の自動供給が行われるように
することもできる。

以上説明したように、本考案によれば、圧力調整用原料
容器を設けたことにより、原料を供給することによって
生じる原料容器内の圧力変化による影響が改善され、常
に一定圧力の蒸気状ガラス原料を、長時間にわたり供給
することができ、この原料によって製造された光フアイ
バ用母材の長尺方向の屈折率（Δｎ）変動も最少限度に
抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の原料供給装置の構成を示す概略図、第２
図は本考案による原料供給装置の構成を示す概略図であ
る。 １．１３・・・・・・原料用容器、２・・・・・・バブ
ラ、３・・・・・・蒸気状ガラス原料の出口、４・・・
・・・液状ガラス原料の供給口、５，１４・・・・・・
液状ガラス原料、６・・・・・・チャンバ、７・・・・
・・温風ヒータ、訃・曲設状原料収納タンク、９．１Ｇ
、１１，１２・・曲バルブ、１５・・・・・・キャリア
ガス、１６・・・・・・蒸気状ガラス原料、１７・・・
・・・圧力調整管、１８・・・・・・液面検知器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液状ガラス原料収納タンクから圧力によって液状ガラス
   原料をガラス原料容器に充填し、これにキャリアガスを
   バブリングして蒸気状ガラス原料を供給する光フアイバ
   母材製造用原料供給装置において、前記液状ガラス収納
   タンクと前記ガラス原料用容器を結ぶ原料供給管路中に
   、液状ガラス原料を一時的に収納する原料用容器を設け
   、この原料用容器の上部空間と、前記ガラス原料用容器
   の上部空間とを連結することを特徴とする光フアイバ母
   材製造用原料供給装置。