JPS6045576B2 - 表示用または装飾用の金属体の合成樹脂基体への取付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表示用または装飾用の金属体の合成樹脂基体
への取付け方法に係り、特に合成樹脂によつて成形され
たキャビネットに表示用または装飾用の金属体を取付け
るために用いて好適な方法に関するものである。

合成樹脂製のキャビネットを具備する電子機器、例え
ばラジオ受信機において、そのラジオ受信機の商標や商
品名等を表示するための最も簡単な方法は、キャビネッ
トの表面に印刷等の方法によつて上記の表示を行うこと
である。

しかしこの方法による表示は明らかに高級感に欠け、廉
価のセットではともかく、比較的高いセットには不適当
なものである。そこで上記商標や商品名を刻設−したた
アルミニウム製の小さな飾り板を合成樹脂製のキャビネ
ットの表面に接着するようにしたものが提案されている
。この場合には接着前に飾り板の表面をダイヤカットし
て光らせ、高級感を出すようにしていた。しかしこのよ
うな方法によると、工程が多くなつてコストが上昇し、
またいかにも別物を貼つたという感じを与え、あるいは
接着剤が横にはみ出して外観が悪くなり、さらに技術的
にもモールドの合せや精度や接着強度の問題があつた。
また一体感を必要とするセットを用いると、却つておか
しくなるという欠点を有している。 本発明はこのよう
な問題点に鑑みてなされたものであつて、表示用または
装飾用の金属体を合成樹脂基体に埋込みかつこの金属体
の一部が前記合成樹脂基体の外表面に露出するようにこ
の合成樹脂基体を成形し、この一部が露出した金属体を
含めて前記合成樹脂基体の外表面に仕上げ層を被着させ
、次いで機械加工によつて前記金属体の外表面に露出し
た部分と対応する前記仕上げ層を取除き、さらに前記金
属体の一部を除去するようにしたことを特徴とする表示
用または装飾用の金属体の合成樹脂基体への取付け方法
に係るものである。

従つてコスト的に安価で、しかも高級感を与え、さらに
合成樹脂基体が金属でできているようにみえるという効
果をもたらす。なおここで仕上げ層とは、合成樹脂基体
の傷やひけによる凹凸を目立たなくしたり、樹脂体に着
色したりするための塗布膜をいう。以下本発明の一実施
例を図面につき説明する。

なおこの実施例は、本発明を小型ラジオ受信機のキャビ
ネットに商品名を刻設した飾り板をインサートして固定
するための方法に適用したものである。まず第１図およ
び第２図に示すように、キャビネットを形成するための
一対の金型１，２の内の雌型１のキャビティの内表面に
、商品名の文字と同じ凹凸３を形成する。この凹凸３は
、インサートされる金属体４と同じ形状の凹凸を有する
銅製の陰極工具（図示せず）を用意し、この陰極工具に
よつて雌型１の内表面の所定の位置を放電加工する。こ
れによつて金属体４の凹凸と全く逆でかつ正確な凹凸３
が第１図に示すように形成される。そしてこの凹凸３に
インサートすべき金属体４の凹凸を嵌め込む。凹凸３は
放電加工によつて正確に形成されているため、この凹凸
３とそして金属体４との間に樹脂が回り込んでしまう心
配はない。成形時に金属体４が雌型１から脱落するのを
防止するために、雌型１に空気孔（図示せず）を設け、
真空吸引によつて金属体４を雌型１に保持するようにす
ることが好ましい。次いで第２図に示すように、雌型１
と雄型２との間に形成されたキャビティ５内に溶融した
合成樹脂、例えばＡＢＳ樹脂、ハイインパクトスチロー
ル樹脂等を射出し、ラジオ受信機の一対のギヤ．ビネツ
トの内の一方、例えばフロントパネルを兼ねたキャビネ
ット６を成形する。

このキャビネット６の所定の位置には上記金属体４が埋
込まれてインサートされており、しかもこの金属体４の
凹凸によつて表示が刻設されている部分はキャビネｊツ
ト６の外表面に露出して形成される。なおこの金属体４
のキャビネット６に対する保持を確実にするために、第
３図および第４図に示すように、キャビネット６には一
対の支持部７が一体に成形されて、金属体４の巾方向の
両端の下部が支えら５れている。以上のようにして金属
体４がインサートされたキャビネット６の外側および内
側の表面には、第５図に示すように仕上げ層８が形成さ
れる。

この仕上げ層８は例えばスプレー、浸漬、刷毛塗り等ク
の方法によつて行なわれる。使用される塗料としては、
例えばアクリル系樹脂あるいはウレタン系樹脂にラツカ
を混入したものであつてよい。この仕上げ層８を形成す
ることによつてキャビネット６の表面と金属体４の表面
とが同一の色に着色され、キャビネット６の表面と金属
体４の表面との間に外観上の相違がなくなる。さらにキ
ャビネット６と金属体４との接合部もあたかも一体に連
続しているかのような外観を与えることになり、さらに
この仕上げ層８によつてキャビネット６と金属体４との
接合部が補強されることになる。以上のようにして仕上
げ層８が形成された後に、第６図に示すように、例えば
フライス加工に）よつて金属体４の表示部分を構成する
凸部９の表面を除去加工する。これによつて凸部９の表
面を覆つている仕上げ層８が除去され、次いで金属体４
自体がわずかであるが切削される。これによつて、例え
ばアルミニウム製の金属体４の凸部９かＪら成る表示部
分の表面がダイヤカットされ、光るようになる。なおフ
ライスによる切削加工の代りに研削加工を行つてもよい
。このようにすると第７図に示すように、例えば商品名
゜゜ＩＣＲＡＤＩ０゛がキャビネット６の表面に表示さ
れることになる。なお上記文字の内゛Ｏ゛については、
この文字の内側の凹部には樹脂を入れることはできない
が、上記塗装によつて内側の凹部がキャビネット６の外
表面と同じ外観となり、問題はない。以上に述べたよう
に本実施例の商品名の表示によると、表示部分９が除去
加工によつて光沢を発し、しかも枠がないためにこの表
示部分９を構成する金属体４が外観上は合成樹脂製のキ
ャビネット６と全く一体であるかのような外観を与える
ために、キャビネット６全体が金属から成るような印象
を与える。従つてキャビネット６に直接印刷したものや
、キャビネット６に別の部材から成る表示用の金属体を
接着した場合に比べて高級感が得られる。また金属体４
は金型１に嵌め込まれてキャビネット６にインサートさ
れて成形されるために、キャビネット６に対する表示部
分の位置が極めて正確に規制されることになる。また金
属体４はキャビネット６にインサートされて成形されて
いるために、金属体４の取付け強度が大きく、この金属
体４がキャビネット６から脱落することがない。また金
属体４は金型１に係合した状態でキャビネット６に埋込
まれてインサート成形されるために、金属体４の位置が
上下あるいは左右逆になることもない。さらに金属体４
はキャビネット６とともに成形されるために、接着のた
めの工程が必要でなく、製造コストも安くなる。以上本
発明を実施例につき述べたが、本発明は上記実施例によ
つて限定されることなく、本発明の技術的思想の範囲内
で各種変更が可能である。

例えば上記実施例は本発明をラジオ受信機の商品名の表
示に適用したものであるが、その他各種の機器における
商標の表示、磁気テープの走行方向を示す矢印、その他
の装飾用の飾り物等にも適用することが可能となる。以
上に述べたように本発明によると、表示用または装飾用
の金属体を合成樹脂基体にインサートして成形し、露出
した金属体を含めて合成樹脂基体の外表面に仕上げ層を
被着させ、次いで機械加工によつて金属体の外表面に露
出した部分と対応する仕上け層およびこの仕上げ層の下
の金属体の一部を除去するようにしたものである。

従つて高級感のある表示あるいは装飾を施すことができ
、しかも金属体の精度および取付け強度の点で優れ、コ
スト的にも有利なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明をラジオ受信機における商品名の表示に適
用したものであつて、第１図はキャビネットを成形する
ための雌型の断面図、第２図はキャビネットを成形する
状態を示す金型の断面図、第３図は成形されたキャビネ
ットの断面図、第４図は第３図における■−■線断面図
、第５図はキャビネットの要部拡大断面図、第６図は除
去加工の状態を示すキャビネットの拡大断面図、第７図
はキャビネットの要部拡大正面図である。 なお図面に用いた符号において、４・・・・・・金属体
、６・・・・・・キャビネット、８・・・・・・仕上げ
層、９・・・・・・表示部分である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表示用または装飾用の金属体を合成樹脂基体に埋込
   みかつこの金属体の一部が前記合成樹脂基体の外表面に
   露出するようにこの合成樹脂基体を成形し、この一部が
   露出した金属体を含めて前記合成樹脂基体の外表面に仕
   上げ層を被着させ、次いで機械加工によつて前記金属体
   の外表面に露出した部分と対応する前記仕上げ層を取除
   き、さらに前記金属体の一部を除去するようにしたこと
   を特徴とする表示用または装飾用の金属体の合成樹脂基
   体への取付へ方法。