JP2561670B2 - フィニッシャ構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば自動車等に使用されるフィニッシ
ャとりわけ文字，マーク等の外観装飾部が設定されたフ
ィニッシャ構造に関する。

従来の技術 例えば第14,15図に示すように自動車Ｖにあっては、
各種フィニッシャＦに文字あるいはマーク等の外観装飾
部を設定したものがある（この類似構造は、例えば特開
昭62−53264号公報に示されている）。

このようなフィニッシャＦとしては例えば第７〜10図
に示すように透明樹脂等で成形されたフィニッシャ本体
１の裏面に文字部２を予め凸状あるいは凹状に形成して
おき、この文字部２にホットスタンプ等により光輝色塗
装を施した後、フィニッシャ本体１の裏面全体を塗装し
た構造が知られている（従来技術（１））。

また第11,12図に示すように単にフィニッシャ本体１
の裏面に文字部２をホットスタンプ塗装等により設けて
フィニッシャ本体１の裏面を塗装したフィニッシャ構造
もある（従来技術（２））。

発明が解決しようとする問題点 従来技術（１）は、文字部２が立体的に構成されてい
るためフィニッシャをその表面から見た場合、文字に立
体感が得られる点で従来技術（２）に比較して有利であ
るが、上記フィニッシャ本体１が共通で文字，マークの
みが異なるような場合には、各々について別型を用いな
ければならず製造コストが高くなってしまう。

このような不具合をなくすため、第13図に示すよう
に、文字部２を形成する例えば上型３あるいは下型４の
一部を入子５として分割構成し、この入子５を各文字，
マーク毎に必要数用意して対処することも可能である
が、フィニッシャ本体１の入子５の入子線ｌが出来てし
まい、フィニッシャ表面からの見栄えを損ねてしまうお
それがある。

また、文字部２には光輝色塗装等を施すがフィニッシ
ャ本体１裏面に形成された凸部あるいは凹部に塗装する
ため、安定した光輝感を得るのが難しく、また、フィニ
ッシャ本体１の裏面とは別の塗装を施すため、この塗装
作業の際にはマスキングが不可欠となり作業工数が多く
かかり、コストアップにつながるという問題もある。

そこで、この発明は文字，マーク等に立体感が得られ
ると共に文字，マーク等外観装飾部のみが異なる場合に
も容易に製造でき、かつ、作業工数も少なく、外観品質
の高いフィニッシャ構造を提供するものである。

問題点を解決するための手段 文字，マーク等の外観装飾部が形成されたフィニッシ
ャ構造において、略断面半円形状または台形状の文字，
マーク等の形状に形成された文様部分と、この文様部分
の裏面側より突出するボスとを備えた文様部品のうち、
文様部分を透明樹脂製のフィニッシャ本体の裏面側に埋
没させて、この文様部分により外観装飾部を形成する。
作用 立体感及び光輝感が優れ、種々の外観装飾部に対応す
る。

実施例 以下、この発明の実施例を第14,15図を援用し第１図
以下の図面によって前記従来の構成と同一部分に同一符
号を付して詳述する。

第１〜５図において、Ｆは自動車Ｖの外面を装飾する
フィニッシャであり、透明樹脂製のフィニッシャ本体１
と、文字，マーク等の形状に形成された文様部品である
文字部品７とから構成され、この文字部品７の後述する
文字部分９がフィニッシャ本体１の裏面の所定部位に埋
没されてフィニッシャＦの外観装飾部０を形成してい
る。

上記文字部品７は、例えばABS樹脂等により形成され
ており、任意の文字等の形状の文字部分９と、フィニッ
シャＦ成形時の固定用のボス10とを備えたものである。

この文字部分９は、フィニッシャＦ成形時において樹
脂の流れを良好なものとし気泡発生を防止するため断面
半円形状に形成されていると共に文字部分９の高さｈと
フィニッシャ本体の高さＨとがｈ≦H/2の関係になるよ
うに設定しており、その表面には成形時の溶融防止用と
してメッキ等の表面処理が施されている。

そして、フィニッシャＦ成形時に、まず上記文字部品
７のボス10を第４図に示すようにフィニッシャ本体１裏
面を形成する下型４の文字設定部位に設けられた取付孔
８に挿入して、文字部品７を下型４に固定し、この状態
で下型４と上型３とを型締めして、この下型４と上型３
とで形成されるキャビティ６内にアクリル樹脂等の透明
樹脂を供給してフィニッシャＦを成形すれば、文字部品
７の文字部分９がフィニッシャ本体１内に埋没されるこ
とになり、フィニッシャＦの外観装飾部Ｏが形成され
る。

従って、この実施例構造によれば、フィニッシャＦの
外観装飾部Ｏは、フィニッシャ本体１とは別部品である
文字部品７によって形成されることになり、文字部品７
の文字部分９の形状で容易に外観装飾部Ｏの立体感を得
ることができる上に入子等を使用しないため入子線等が
生じず外観性が向上する。

また、フィニッシャ本体は共通のままで、文字等のみ
を異なるフィニッシャＦにするには、文字部品７のみを
他のものに変えるだけでよいので、別の型を製作する必
要がなくなり、フィニッシャＦの多種多用化に対して低
コスト化を図ることができる。

さらに、文字部品７の文字部分９の表面にはメッキ等
の処理が施されている上に、透明樹脂が密着することに
なるので、従来のように成形後のフィニッシャＦに光輝
色塗装を施すのに比べて、安定した光輝度が得られ、外
観性が向上するのに加えて、光輝色塗装する際のマスキ
ング等の必要がなく製造工数の低減化を図ることができ
る。

そして、このフィニッシャＦにはフィニッシャ本体１
に埋没させた文字部分９に一体的に設けられたボス10
が、文字部分９の裏面側よりフィニッシャ本体１の裏面
側に突出しているが、このボス10はフィニッシャＦを車
体に対して取付ける場合のロケートピンとして利用で
き、また不用ならば第５図に示すようにカットしてもよ
い。

尚、この発明は上記実施例に限られるものではなく、
例えば文字部品の文字部分の断面形状を第６図に示すよ
うに台形状にしても良い。

発明の効果 以上説明してきたようにこの発明によれば、入子等を
不要とし、かつマスキング等の必要がなくなり、低コス
ト化及び製造工程数の削減を図ることができると共に外
観品質の高い製品を製造することができるという効果が
ある。

また、同一の上型，下型を用いて文字，マーク部品の
みが異なる成品の製造が可能となり、多車種化対策にも
スムーズに対応できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１〜６図はこの発明の実施例を示し、第１図は第15図
のＩ−Ｉ線に沿う切断部分を含む斜視図、第２図は文字
部品の斜視図、第３図は第１図の要部拡大断面図、第４
図は型締め状況を示す断面図、第５図はボスをカットし
た第１図相当斜視図、第６図は他の実施例の第３図相当
断面図、第7,8図，第9,10図，第11,12図は各々従来技術
の第15図のVIII−VIII線に沿う部分での製造状況断面
図、第13図は入子を用いた従来の型締め状況説明図、第
14図は車両後部の斜視図、第15図はフィニッシャの平面
図である。 Ｏ……外観装飾部、１……フィニッシャ本体、７……文
字部品（文様部品）、９……文字部分（文様部分）、10
……ボス。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】文字，マーク等の外観装飾部が形成された
   フィニッシャ構造において、略断面半円形状または台形
   状の文字，マーク等の形状に形成された文様部分と、こ
   の文様部分の裏面側より突出するボスとを備えた文様部
   品のうち、前記文様部分を透明樹脂製のフィニッシャ本
   体の裏面側に埋没させて、この文様部分により外観装飾
   部を形成したことを特徴とするフィニッシャ構造。