JPS6040844Y2 - 防振カバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンにおけるタイミングチェーンカバー
、シリンダへラドカバーをはじめとする各種のカバーに
関する。

エンジン等に装着されるカバー類はその機能が単なるカ
バーであったり、また風路を形成するための手段であっ
たり、あるいはオイルの漏れを防止するなどという点か
ら、カバー自体が薄肉に形成され、又は板金などの成製
品に形成されていた。

さらに最近では省エネルギーが叫ばれるようになって車
両の軽量化が進み、金属性カバーから樹脂性カバーに移
りつつある。

この結果、取付基体となるエンジン自体が、その機能上
、大きな振動源となっているために、エンジンからの振
動によってカバーが振動しやすく、さらに場合によって
は共振現象も生じることがあった。

そこで、従来ではこのような事態を解消するために、（
ａ）カバーの取付部となるフランジ部分に防振ゴムなど
を当接させる、（ｂ）カバーの内面に弾性体を貼付して
カバーを多重構造とする、（Ｃ）カバーの基本振動モー
ドの腹の部分に錘を装着する、（ｄ）カバーに孔やスリ
ットを穿設する、などさまざまな振動対策が講じられ実
用化されているが、（ａ）。

（ｂ）の場合には、その振動の源となるカバー自体を依
然として従来のものと同様なものを使用しているため充
分な防振、防音効果が得られないし、（Ｃ）の場合には
、共振点をずらすためであり防振、防音効果が充分得ら
れず、（ｄ）の場合には、カバーとしての本来の機能を
失うとともに遮音効果を低下させるという欠点があった
。

本考案は、上記の欠点に鑑みて提案されたものでその目
的とするところは簡単な構造で、かつ騒音防止効果の高
い防振カバーを提供することにある。

本考案は、エンジンなどの振動体に取り付けられるタイ
ミングチェーンカバーなどのカバーに孔、スリットなど
の開口部をカバーの基本振動モードの腹部に相当する箇
所に穿設し、この開口部に弾性体からなり、カバー外面
に接触するフランジ部とカバー内面に突出する段付部と
その間に設けられてカバーの開口部と接触する装着溝と
が形成され、カバーの内側に開口し弾性体の中央部に筒
状溝が設けられたプラグを装着することにより、カバー
から発生する騒音を低減するようにしたものである。

次に、本考案の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明す
る。

第１図、第２図は本考案の一実施例を示し、１は、図示
しないシリンダブロックに固定されるべくその周囲にボ
ルト穴２が穿設されたタイミングチェーンカバ一本体で
あり、このタイミングチェーンカバー１の基本振動モー
ドの腹部に相当する箇所に適当な大きさを有する開口部
３を穿設しである。

４は開口部３に装着された弾性体としてのゴム製プラグ
であり、その中央部でカバーの内側に開口する筒状溝５
が形成されるとともに、筒状溝５の外周にはカバー内面
に突出する段付部６が設けられ、カバーの開口部と接触
する部位には装着溝が設けられ、カバー外部にはカバー
外面と接触するフランジ部が設けられてタイミングチェ
ーンカバー１に嵌着され、タイミングチェーンカバー１
内のガス、オイルをシールするとともに、ゴム製プラグ
４をタイミングチェーンカバー１に固定している。

本考案は以上のように構成されているので、タイミング
チェーンカバー１の振動による振幅が最も大きい基本振
動モードの腹部に開口部３が設けられているので、従来
のものと比較して、エンジンかりの振動によりタイミン
グチェーンカバー１が振動しにくくなり、輻射音が大幅
に低減できるとともに、開口部３にゴム製プラグ４が装
着されているので、タイミングチェーンカバー１とゴム
製プラグ４のフランジ部７、装着溝８及び段付部６との
摩擦と、ゴム製プラグ４の内部減衰により、タイミング
チェーンカバー１の有する振動エネルギーが吸収される
。

さらにゴム製プラグ４には段付部６とフランジ部７とが
設けられ接触して、タイミングチェーンカバー１に嵌着
されていルノで、カバー自体の本来有しているシール機
能が損われることはない。

また段付部６が設けられているがゴム製プラグの中央部
でカバーの内側に開口している筒状溝が設けられ段付部
が薄肉となっており、ゴム製プラグ４自体が弾性体で形
成されているので、開口部３への嵌着も容易で、組付性
も高い。

本実施例では開口部３の形状を円形としたが、タイミン
グチェーンカバー１の大きさ、形状が変わればおのずと
振動モードも変わるため、開口部３の形状、大きさはそ
のつと適宜決定すればよく、本実施例のような円形に限
らず、だ円形、スリットなどでもかまわないのはいうま
でもない。

また先に述べたように、各種カバーは金属性のほかに最
近、車輌の軽量化に伴ない樹脂性のものが幅広く使用さ
れてきつつあるが、これらについても、適用できるのは
もちろんであり、この場合にはカバ一本体とゴム製プラ
グの材質が同一になることもありうる。

以上のように、本考案によれば、簡単な構造でエンジン
振動に伴なう各種カバーからの騒音を大幅に低減できる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係わるタイミングチェーンカバーの
斜視図、第２図は、第１図の■−■線に沿う要部断面図
である。 １・・・・・・タイミングチェーンカバー、３・・・・
・・開口部、４・・・・・・ゴム製プラグ、５・・・・
・・筒状溝、６・・・・・・段付部、７・・・・・・フ
ランジ部、８・・・・・・装着溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 振動体にボルト等により固定されるカバーにおいて、該
   カバーの基本振動モードの腹部に相当する箇所に開口部
   を穿設するとともに、前記カバー外面に接触するフラン
   ジ部と、前記カバー内面に突出する段付部と、該フラン
   ジ部及び段付部の間に前記開口部と接触する装着溝とが
   形成され、前記カバーの内側に開口する筒状溝を中央部
   に設けた弾性片を前記開口部に装着させたことを特徴と
   する防振カバー。