JPS597090Y2 - 活字選択機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は活字選択機構に係り、特に、駆動軸を常時回転
継続できる活字選択機構に関する。

一般に、卓上計算機等に使用される小型のシノアルプリ
ンタの印字機構は、周囲に多数の活字を設けかつ行方向
に移動可能な活字輪と、該活字輪を回転させて所望の活
字を印字位置に位置決めする活字選択機構と、１行分の
長さを有し揺動自在に枢支された印字ハンマーと、該ハ
ンマーを駆動するプランジャ機構とを有している。

そして、まず活字輪を最下位桁に位置させ、所望の活字
が印字位置に位置決めされたとき、該印字ハンマーとイ
ンクを付着させた活字との間に挿入されている記録用紙
を活字に押し付けて最下位桁の印字を行なう。

しかる後、活字輪を次の印字桁に移動させて上述の如き
印字動作を繰返して行ない、以後同様な動作により最上
位桁迄の印字を行なって１行の印字を終了する。

か・るシリアルプリンタにおいては、ハンマーにより記
録用紙を活字に押し付けた際、活字輪は停止しているほ
うが、カスレや字並びの不揃い等がなく、印字品質を良
好にでき、又、ハンマーの駆動タイミング等の制御が簡
単になる。

ところで、従来のシリアルプリンタにおいては、活字輪
をステツピングモー夕等の軸に直結し該モータを回転さ
せて活字を選択するものであるため、１文字印刷ごとに
モータの起動、回転、停止制御を行なわなくてはならな
かった。

このため、モータの起動、停止に相当の時間を必要とし
高速印刷が困難であり、しかも、モータ制御回路が複雑
となる欠点があった。

従って、本考案は、活字輪を回転させる駆動モータを停
止させることなく、常時回転しておくことができ、しか
も簡単な構戊の活字選択機構を提供することを目白勺と
する。

以下、本考案の実施例を図面に従って詳細に説明する。

第１図は本考案に係る活字選択機構の断面正面図、第２
図は本考案に係る活字選択機構の分解斜視図、第３図は
ラチェットの停止機構説明図である。

図中、１は駆動ギアであり、モータに連結された図示し
ないギアにより常時回転し、外周に歯を有する平板部１
ａと、該平板部の中央に形或されたボス部１ｂとから戒
り、平板部１ａ及びボス部１ｂを通って貫通穴１Ｃが設
けられている。

２は活字選択用のラチェットであり、略カップ状の形状
をなし、その足部２ａには貫通穴２ｂが形威され、椀部
２Ｃの外周表面には多数の爪２ｄが形或されている。

３は公知のスプリングクラッチであり、ボス部１ｂに駆
動ギア１の回転に対し巻付く方向に巻かれ、又、スプリ
ングの一端３ａはラチェット２の椀部内周に設けられた
溝２ｅと係合している。

４は回転軸であり、駆動ギア１は該回転軸に対しフリー
に、即ち回動自在に挿入されている。

一方、ラチェット２は該回転軸４に圧入、固着されてい
る。

５は軸受けであり回転軸４に対しフリーに挿入されてい
る。

６は軸受け５の足部５ａを挿入・保持する側板（軸４の
支持枠）、７は反転防止用のスプリングクラッチであり
、そのスプリングの一端７ａは側板６の１部に設けた溝
６ａと係合する。

８は活字輪であり、回転軸４に対し一体回転自在で且つ
摺動自在であるようにスプライン結合されると共に、円
周側面に多数の活字８ ａ ，８ ｂ・・・・・・８ｌ
を担持している。

９（第３図参照）は活字選択用の電磁石で、励磁するこ
とによりレバー１０を吸引し、レバー１０の先端をラチ
ェット２の爪２ｄに係合させる。

１１はスプリングで電磁石９の励磁断で、レバー１０を
上方位置に復帰させる。

次に、本考案の活字選択機構の組立並びに活字選択動作
について説明する。

回転軸４の所定位置に、予めラチェット２を圧入、固定
しておく。

そして、まずラチェット２の足部２ａにスプリングクラ
ッチ７を嵌挿する。

次に、足部５ａに側板６を嵌挿した軸受け５を回転軸４
に挿入すると共に側板６の溝６ａにスプリング一端７ａ
を係合させる。

しかる後、予めボス部１ｂにスプリングクラッチ３を嵌
挿せられている駆動ギア１を回転軸４に挿入して、スプ
リンタ一端３ａをラチェット２の溝２ｅに係合させれば
第１図の組立状態となる。

なお、活字輪８は回転軸４に予め挿入してある。

そして、この活字選択機構による活字選択は以下の如く
行われる。

印字指令が発生すると図示しないモータに起動がか・り
、以後、印字終了信号が発生する迄、該モータは一定の
回転速度で回転する。

モータが回転すれば駆動ギア１も回転も始め、スプリン
グクラッチ３が締め付けられる。

一方、スプリングの一端３ａはラチェット２の溝２ｅと
係合しているから、スプリングクラツ・チ３が締め付け
られて回転すると、ラチェット２及び該ラチェットが固
着せられている回転軸４が一体となって回転する。

さて、回転軸４には、図示しないがスリット円板等のロ
ータリエンコーダが装着せられている。

そして、たとえば、スリット円板の外周にはホームポジ
ション用のスリットと活字位置指示用のスリットがあけ
られている。

従って、図示しないコントローラより印字すべき文字の
活字位置情報（ホームポジションから何番目の活字かを
示す情報）が指令され・ば、検出器でホームポジション
からのスリット数を検出することにより簡単に指令され
た活字を印字位置に位置決めできる。

指令された活字が印字位置に位置決めされると同時に、
電磁石９（第３図参照）が励磁され、これによりレバー
１０が吸引され、該レバー１０の先端がラチェット２の
爪２ｄと係合する。

レバー先端が爪２ｄに係合すれば、ラチェット２の回転
は阻止され、ラチェット２はその回転を停止する。

従って、回転軸４も回転を停止し、所望の活字が選択さ
れ、活字輪８は静止状態となる。

一方、ラチェット２の回転が阻止されれば、直ちに、該
スプリングクラッチのボス部１ｂへの締め付けが緩み、
ラチェット２と駆動ギア１の連結が即座に解除され、以
後、電磁石９の励磁が断となる迄、駆動ギア１の回転は
ラチェット２には伝達されたい。

この活字輪の静止状態において、印字動作（ハンマリン
グ）を行ない、しかる後電磁石９の励磁を断とする。

そして活字輪４を桁送りして、同様な動作を繰返えして
１行分の印字を完了する。

尚、スプリングクラッチ７は回転軸４の反転を防止する
如く働らく。

即ち、スプリングクラッチ７がなければ、スプリングク
ラッチ３の締め付けが緩むとき生じる反転方向の力によ
りラチェット２は逆方向に若干回転し、活字の位置決め
精度を悪化させる。

しかし、スプリングクラッチ７を、スプリング一端７ａ
が側板６の溝６ａに係合するように配設することにより
、上記反転力によるラチェット２の逆回転は阻止される
。

第４図は、本考案に係る別の活字選択機構の断面正面図
であり、回転軸４の反転をラチェット機構により防止す
る点において、前述の実施例と異なる尚、第１図に示し
た実施例と同一部分についてはその説明を省略する。

図中、１２は活字選択用のラチェットであり、略椀状の
形状をなし、底部１２ ａには回転軸４を圧入、固着す
る穴が形威され、側面にはレバー１０と係合する爪１２
ｂ、及び反転防止用レバー１３と係合する爪１２ Ｃが
それぞれ設けられている。

尚、反転防止用レバー１３は、側板６に装着されている
部材６ｂに取付けられている。

この反転防止用レバー１３はラチェット２が停止する際
、爪１２ Ｃと係合し、該ラチェット１２の反転を阻止
する。

以上、本考案によれば、駆動ギア等より或る駆動側を常
時回転させておくことができるので、１文字の印字毎に
モータの起動、停止をする必要はなく、高速の活字選択
ができ、高速印字制御が容易となる。

又、複雑なモータ制御回路は不要であり、コスト的に有
利である。

更に、駆動側と活字輪側との伝達は駆動ギアとスプリン
グクラッチとラチェットを設けるだけで行なっており、
部品点数が少なく、小型、軽量であるため、低コスト、
小型のスプリングを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る活字選択機構の断面正面図、第２
図は本考案に係る活字選択機構の分解斜視図、第３図は
ラチェットの停止機構説明図、第４図は本考案に係る別
の活字選択機構の断面正面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸と一体に回転し且つ円周側面に多数の活字を担持
   する活字輪を回転して所定の活字を選択し、印刷するプ
   リンタの活字選択機構において、モータ等の駆動源によ
   り回転されると共にそのボス部が前記回転軸に回転自在
   に挿入された駆動ギアと、前記回転軸に固着せられた略
   々カツプ状の形状のラチェットと、前記駆動ギアのボス
   部上に巻回すと共にその一端を前記ラチェットに係合せ
   しめることにより前記駆動ギアの回転を前記ラチェット
   に伝達するスプリングクラッチと、前記ラチェットの爪
   部に係合して該ラチェットの回転を停止させるレバーと
   を具備し、前記ラチェットの回転を停止させることによ
   り前記スプリングクラッチの締め付けを緩め、駆動ギア
   とラチェット間の連結を解除して所定の活字を選択する
   ことを特徴とする活字選択機構。