JPS5947745B2 - ジエツトル−ムにおける緯糸ガイド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はジェットルームにおける緯糸ガイド装置に関す
るものである。

従来、ジェットルームの経糸開口内に円滑に緯糸を通す
ために、筬近傍に、緯入れ方向に整列した多数の緯糸ガ
イド部材を配置し、各ガイド部材に側面を大きく開口し
た凹部（オープンタイプ）あるいは緯糸の抜は出しが可
能な程度に小さく開口した凹部（クローズドタイプ）を
形成して、これらの凹部（こよって緯糸案内通路を作る
とともに、この緯糸案内通路に沿って適所に複数の補助
ノズルをその空気噴射口が前記緯糸案内通路内に向くよ
うに配置させた緯糸ガイド装置が提案されている。

そして、この緯糸ガイド装置においては、緯入れの際、
主ノズルからの噴射空気によって緯糸を緯糸案内通路内
に送り込むとともに、主ノズルのみによる緯糸の飛走距
離の不足を補うために補助ノズルからの噴射空気の助け
を借りて、緯糸を経糸開口に通すようにしている。

しかしながら、前記のオープンタイプの緯糸ガイド装置
においては、各ガイド部材に形成した四部の開口が大き
いために空気が開口から流出し、空気消費量が非常に大
きくなるばかりか、この空気流に乗って緯糸が開口から
出てしまうという欠点があった。

又、クローズドタイプの緯糸ガイド装置においては、緯
糸案内通路が緯入れ方向においてほぼトンネル状となる
ので、前記オープンタイプのガイド装置に比して空気の
利用効率が良好になるものと考えられる。

しかし、この緯糸ガイド装置においても主ノズルからの
空気噴射のみに頼ることに限界を生じ、緯入れ途中で補
助空気流を作用させる必要があった。

そして、この補助空気流を使用する装置としては、所定
位置のガイド部材を中空状に形成するとともに緯糸案内
通路内に指向する噴射口を開口することをこよって、ガ
イド部材の中空内に供給された圧力空気が噴射口から緯
糸案内通路内に補助空気流として噴射されるように構成
していた。

ところが、この中空状ガイド部材は外形を他のガイド部
材と同一形態に構成しながら、その内部に空気供給用の
中空通路を形成するとともに緯糸案内通路に指向する噴
射口を形成しなければならないため、出来上がった中空
状ガイド部材が他のガイド部材と外形上異なったものと
なり易くなったり、あるいは緯糸の脱出用開口位置が他
のガイド部材の開口位置と一致しないために緯入れミス
を発生したり、さらに噴射口が補助空気流の目的を達成
し得るような方向に正確に開口しない等の緯入れ機能に
直接影響を及ぼす重大な欠陥を生じ易く、製作上きわめ
て高度な技術を要するものとならざるを得ない欠点があ
った。

このため従来においても特開昭５５−１２８０４７号公
報に示されるように、前記オープンタイプ及びクローズ
ドタイプの緯糸ガイド装置の長所のみを積極的に利用す
べく、第１図に示すように側面が大きく開口した凹部１
を有するガイド部材２と、小さく開口した凹部３を有す
るガイド部材４とを併用した緯糸ガイド装置が提案され
た。

すなわち、この装置では筬保持体上の多数の緯糸ガイド
部材２，４のうち、所定間隔で配置した緯糸ガイド部材
２（第１図ｂ）の緯糸脱出用開口５を筬側に向けて比較
的大きく形成するとともに、同緯糸脱出用開口５位置に
補助空気流噴射用の補助ノズルを配設し、他の緯糸ガイ
ド部材４（第１図ａ）の緯糸脱出用開口６を前記緯糸案
内通路の筬側上部に比較的小さく形成しているのである
。

従って、この従来例に−おいては空気消費量の大きな損
失とそれにともなう緯入れミスをある程度防止すること
ができ、しかもガイド部材内部に中空通路を形成する必
要をなくしてガイド部材製作上の困難性を取除くことが
可能となった。

ところが、この従来例においては第１図に示すように、
筬打が終了してガイド部材２，４が垂立状となった状態
においてそれぞれの凹部１，３の奥の内壁面１ａ、３ａ
も垂直状態となるように形成されている。

このため、緯入れ時において空気流の充分な収束効果を
得ることができず、その結果、緯糸案内通路内の空気流
の一部が緯糸脱出用開口５，６から流出し易く、空気消
費量の増加を招くばかりか同開口からの流出全気流に乗
って緯糸までがガイド部材２，４から脱出してしまう２
それがあり、これが緯入れミス（こつながるという問題
点があった。

すなわちこの実施例では、緯入れ時においてガイド部材
２，４の凹部１，３の内壁面ｌａ、３ａに向けて噴射さ
れた補助空気流は、これらの垂直状の内壁面１ａ、３ａ
に衝突したとき、その一部が直接開口５，６側へ向かい
、これが開口５，６から流出して緯入れミスを惹起する
原因となっていたのである。

本発明は前記した従来装置の欠点を解消したもので、緯
入れ時における主空気流及び補助空気流の利用効率をさ
らに良くして動力消費を減少させ、ガイド部材の製造を
容易に行うことができるのはもちろん、緯糸を案定した
状態で飛走させて緯入れ速度のより高速化を可能とする
とともに、上記の緯入れ機能を維持したままより長い距
離の緯入れを可能とし、高速織機における広幅化をも実
現し得るようにしたものである。

以下、本発明を具体化したｍ−実施例を第２，３図につ
いて説明すると、１１は筬保持体、１２は筬である。

１３ａ、１３ｂは筬保持体１１上において前記筬１２と
平行に並べて等間隔で取付けた多数の緯糸ガイド部材で
あって、それぞれ緯糸案内用の凹部１４，１５を有し、
これらの四部１４゜１５により緯糸案内通路１６を形成
している。

前記の緯糸ガイド部材１３ａｔ１３ｂのうち１３ａは第
３図ｂ１図に示すようにその腕部１７のみによって筬１
２側へ大きく開口した凹部１４を形成し、その開口１８
から緯入れされた緯糸が脱出できるようになっている。

この凹部１４はほぼ直線状をなし後述の補助ノズル１９
と反対側に位置している前部、上部及び下部の三つの内
壁面１４ａ。

１４ｂ、１４ｃによって区画形成されている。

１９は前記の開口１８位置に対応して筬保持体１１上に
配置した補助ノズルであって２個の噴射孔２３を有して
いる。

他の緯糸ガイド部材１３ｂは第３図ａに示すように前記
緯糸ガイド部材１３ａが腕部１７に一致する第一腕部２
０と前記補助ノズル１９に並ぶように延出した第二腕部
２１とによって凹部１５を形成するとともに、両腕部２
０．２１の先端を接近させて上下方向へ延びる比較的小
さな開口を形成し、緯入れ後に続く緯糸の脱出用開口２
２としている。

この開口２２の前後幅は狭くしかも上下方向全体にわた
って同じとなるように形成されている。

又、ガイド部材１３ｂの凹部１５はほぼ直線状をなし補
助ノズル１９と反対側に位置している前部、上部、下部
及び補助ノズル１９１！Ｉに位置している後部の四つの
内壁面ｉ５ａ、１５ｂ、１５ｃ＋１５ｄで限定され、こ
の実施例では側面はぼ四角形状をなしている。

又、ガイド部材１３ｂの後部内壁面１５ｄ上端部１５ｄ
’は前方（内壁面１５ｂ側）へ曲折されて前記の開口２
２につながっている。

前記両凹部１４．ｉｓの各内壁面のうち奥の前部内壁面
１４ａ、１５ａは、いずれもガイド部材１３ａ、１３ｂ
の垂立状態において下部が前側（補助ノズル１９とは反
対側）へ引込むよう若干傾斜している。

次に、前記のように構成した緯糸ガイド装置についてそ
の作用を説明する。

第２図実線は緯糸ガイド部材１３ａ、１３ｂ及び補助ノ
ズル１９が経糸Ｙの開口部から出て筬による筬打が終了
した状態を示すものである。

この位置から筬保持体１１が後方へ移動するとともに、
綜絖が上下動して経糸Ｙが開口運動し緯糸ガイド部材１
３ ａ 、１３ ｂ及び補助ノズル１９が第２図工点鎖
線で示すように経糸Ｙの開口部に進入すると、空気流と
ともに緯糸が緯糸ガイド部材１３ａ。

１３ｂの案内通路１６内に飛走され緯入れが行われる。

又、補助ノズル１９からも空気流が噴射され、緯糸の移
送が促進される。

さて、前記実施例による緯糸ガイド装置においては、緯
糸は緯入れされた後、補助ノズル１９から噴射される補
助空気流によって緯入れ方向に推進される。

この補助空気流は緯糸案内通路１６の下流に位置する緯
糸ガイド部材１３ｂの前部内壁面１５ａに向けて斜状に
噴射さ１Ｌるため、同補助空気流の噴射位置に達した空
気流及び緯糸は緯入れ方向に向かう推進力とともに緯糸
案内通路１６の前部内壁面１５ａ１ｊｌ！ｌへ積極的０
こ押し込まａるような力を受けることになり、緯糸案内
通路１６内の空気流全体が内壁面１５ａ側、すなわち緯
糸脱出用開口２２から遠ざかる方向に指向する。

又、前部内壁面１５ａ側に指向した空気流は同内壁面１
５ａに衝突する。

この前部内壁面１５ａは補助ノズル１９の噴射方向に対
して第３図ａ・に示すように、前部がりの斜状となって
いるので、衝突後の空気流は下部内壁面１５ｃに向かう
図中下方向の成分を多く有する。

そのため、この下方向成分となる多量の空気流によって
緯糸は緯糸脱出用開口２２から一層離れた前部内壁面１
５ａと下部内壁面１５ｃとが交差する角部付近へ押しや
られ、開口２２からはより遠ざけられる。

更に、傾斜内壁面１５ａに沿う旋回成分をもった空気流
は交差する下部内壁面１５ｃに衝突して、その旋回成分
が激減される。

又、前記角部付近ではガイドの厚さおよび幅が第１図の
ように小にしであると、ガイド間の少量の洩れ空気流が
生じ、緯糸を角部に吸引する作用を発揮するので、緯糸
を角部に安定させる機能がより強く発揮され、好ましい
ものである。

なお、この後空気流は下部内壁面１５ｃ上を経て後部内
壁面１５ｄに沿って上昇し、緯糸脱出用開口２２側に向
かって流れることになるが、この流れは下流側に設置さ
れた次の補助ノズル１９から噴射される補助空気流によ
っても積極的に前部内壁面１５ａ下部に指向させられる
。

このようをこして、織幅中、所定箇所に設置された補助
ノズル１９から噴射される補助空気流が緯糸案内通路１
６内の空気流に対して次々に作用するため、空気流は同
案内通路１６内ｔこおいて、前部内壁面１４ａ。

’１５ａ側と開口１８．２２側との間で多少の蛇行を繰
り返しながらも全体として内壁面１４ａ。

１５ａ下部に沿うような状態で流れることになる。

従って、緯糸脱出用開口１８．２２からの空気流出が極
力防止されるため、緯糸ガイド装置として空気利用効率
を高め、動力消費を大幅に減少することができるととも
に、緯糸案内通路１６内の空気流が安定した位置で緯入
れ方向に有効に流れるため、緯糸の飛走を安定化し、か
つ緯入れ速度のより高速化を図ることができる。

又、前記実施例においては、ガイド部材１３ｂの凹部１
５の内壁面のうち後部内壁面１５ｄの上端１１Ｊ１５ｄ
’を前方へ曲折したので、前記のように空気流が凹部１
５の前部内壁面１５ａに衝突して下方へ流れた後後部内
壁面１５ｄに沿って上昇したとき、この空気流を後部内
壁面１５ｄの上端部１５ｄ′によって内壁面１５ｂ側へ
スムーズに案内することができる。

従って、開口２２からの空気流出をより一層確実に防止
して空気流出にともなう緯入れミスを確実に防止し得る
ものとなっている。

さらに、この実施例においては緯糸脱出用開口２２の前
後幅を狭くし、しかもその幅が上下方向全体にわたって
同じになるようにしたので、同開口２２からの空気流出
及び糸抜けをより確実に防止することができる。

なお、前記実施例では補助ノズルの配設位置には流側を
大きく開口した別の形態を有するガイド部材が配設され
ているが、このガイド部材は必ずしも必要なく、補助ノ
ズルを単にガイド部材間に配設しただけの構成でもよい
。

この場合、ガイド部材はすべて同一形態となり製造上大
きな利益がある。

以上のように本発明の緯糸ガイド装置は、緯糸案内通路
の前部内壁面を前玉がりの斜状に形成したことにより、
緯入れ時における開口からの空気流出を極力防止でき、
これにより緯糸ガイド装置としての空気の利用効率を高
め、動力消費を大幅に減少するとともに空気の利用効率
が向上した結果、緯糸飛走の安定化と高速化という緯入
れ機能上きわめて重要な両要素を飛躍的に高めることが
できる。

又、ガイド部材の製作を容易化できるのはもちろんであ
る。

さらに、ジェットルームにおいては緯糸が空気流のみに
よって搬送され、緯糸の拘束性に乏しいため、広幅化の
実施が困難であったが、上記のように動力消費の減少と
緯入れ機能の大幅な向上により、広幅化の実現をも可能
としたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｂｌは従来のガイド部材の側面図、第２図は
本発明に係る緯糸ガイド装置を備えた筬打ち装置の一実
施例を示す側面図、第３図ａ、ｂは緯糸ガイド部材の一
部拡大側面図、第４図は第３図ａ、ｂのｘ−ｘ’線断面
図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ジェットルームにおいて、筬保持体上に、緯入れさ
   れた緯糸の脱出用開口を有する四部によって緯糸案内通
   路を形成するようにした多数の緯糸ガイド部材を筬と平
   行に並べて配設し、前記緯糸ガイド部材の緯糸脱出用開
   口を、前記凹部の上部に比較的小さく形成するとともに
   同緯糸ガイド部材に沿って所定の間隔を有するように同
   緯糸ガイド部材の緯糸脱出用開口位置側に補助空気流噴
   射用の補助ノズルを配設し、さらにすべての緯糸ガイド
   部材の凹部の前記補助ノズルと反対側に位置する内壁面
   を下部はど補助ノズルから離れる方向へ傾斜する斜状に
   形成したことを特徴とする緯糸ガイド装置。 ２ 小さな緯糸脱出用開口を有するガイド部材の凹部内
   壁のうち補助ノズル側に位置する内壁面の上端を、凹部
   内の空気流を上部内壁面側へ案内するよう補助ノズルと
   反対側に位置する内壁面に向けて曲折したことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の緯糸ガイド装置。 ３ はぼ四角形状の凹部を有する緯糸ガイド部材の緯糸
   脱出用開口を上下方向に延びるように形成するとともに
   、同開口の幅が狭くしかも上下方向全体にわたって同じ
   になるように形成したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の緯糸ガイド装置。