JPS593603Y2 - ミユ−テイング回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は特に音響機器に好適するミューティング回路
の改良に関する。

周知のように、ミューティング回路は例えばスイッチの
切換に伴なう過渡的な現象によって生じる雑音等の不必
要な信号を消去するものであるが、特に音響機器の場合
には上述の如き雑音がいわゆるボッ音となってスピーカ
から放音されるのでミューティング効果を可及的に向上
させてやる必要がある。

第１図はこのようなミューティング回路としてテープレ
コーダの録音再生切換回路部に適用された従来のものを
示すものである。

すなわちこれは録音および再生に共用される図示しない
ヘッド回路を再生状態から録音状態に切換える際に生じ
るボッ音をミューティングしようとするものであって、
図示しないヘッド回路切換用の録音再生切換スイッチに
連動されるスイッチＳＷによりミューティング信号を生
成してミューティングトランジスタＱを駆動せしめるも
のである。

ところで、この場合の録音再生切換スイッチおよびそれ
に連動されるスイッチＳＷは各接点が短絡状態をとりな
がら切換えられる如くしたいわゆるショーテイング形の
ものを使用している。

而して、今、スイッチＳＷが再生Ｐ、 Ｂ側から録音Ｒ
ＥＣ側に切換えられる状態を想定すると、当該スイッチ
ＳＷは上述したようにショーテイング形のものであるの
で、Ｐ、Ｂ接点側の十Ｂ電圧がＲＦＣ接点に伝達される
ようになる。

すると、その時点でコンデンサＣは抵抗ｒを通してｒ、
Ｃなる時定数でもって充電されると共に、その後抵抗
Ｒを通してＲ，Ｃなる時定数でもって放電されることに
なる。

ここでｒ＜＜Ｒなる関係に選定しておけば、第２図に示
すように急速に充電された後、かなりゆるやかに放電さ
れる如くした充放電特性を有したミューティングを生成
することができる。

そして、このようなミューティング信号がダイオードＤ
を介してそのベースに供給されるミューティングトラン
ジスタＱはスイッチＳＷの切換えの直後にオン状態とさ
れ、その後一定のオン状態を維持してカットオフ状態と
される。

すると、このオン状態の期間中、前置増幅器Ａ１と主増
幅器Ａ２が結合された信号線路をトランジスタＱのコレ
クターエミッタを介して接地に短絡し、以ってスピーカ
ＳＰからボッ音が生じるのをミューティングすることが
できるようになるものである。

しかしながら、以上のような従来のミューティング回路
はミューティング信号の立上りがスイッチＳＷの切換え
の直後といっても実際にはｒ、 Ｃなる時定数で定まる
遅延時間を有しているために、この遅延期間にはミュー
ティングすることができないので必ずしも高品位のミュ
ーティング効果を期待し得ないという欠点を有していた
。

特に、近時の音響機器はこういった面で高品位にするこ
とが要望されていることもあって早急に解決しなければ
ならない問題である。

そこで、この考案は以上のような点に鑑みてなされたも
ので、可及的に簡易な構成でしかも速やかにして確実に
ミューティングし得、以って高品位のミューティング効
果を奏し得るように改良した極めて良好なるミューティ
ング回路を提供することを目的としている。

すなわち、この考案によるミューティング回路は第１図
で示したようなミューティング回路によってなされるミ
ューティングを主ミューティングとした場合、かかる主
ミューティングがなされる以前に予備的なミューティン
グをかけようとするもので゛、そのためにスピードアッ
プ用のコンデンサを付加し得るようにした点に特徴を有
しているものである。

この場合、単にスピードアップすなわち主ミューティン
グ信号の立上りを早めるようにするだけでは一定期間を
必要とする主ミューティングをなし得ないので、かかる
主ミューティングとそれ以前の予備的なミューティング
とを有機的に組合せてやる必要があり、この考案は将に
そのような点にも着目しているものである。

以下図面を参照してこの考案の一実施例につき詳細に説
明する。

すなわち、第３図においてＩＮは例えばテープレコーダ
におけるヘッドからの信号が供給される入力端であって
、この入力端ＩＮは前置増幅器Ａ１、結合コンデンサＣ
１，Ｃ２、トーンコントロール回路Ｔ、 Ｃ、ボリュ
ームＶＲおよび主増幅器Ａ２を介してスピーカＳＰに至
る信号線路ＳＬに接続されている。

また、ＳＷは前述のヘッドを録音と再生とで切換える録
音再生切換スイッチ（図示せず）に連動されるショーテ
イング形のスイッチであって、その再生側接点Ｐ、 Ｂ
が電源子Ｂに接続されると共に、その録音側接点ＲＦＣ
がコンデンサＣ８と抵抗ｒとの各一端に共通に接続され
、且つその共通接点が遊び接点となされている。

さらに、Ｑはそのコレクタが前記信号線路ＳＬにおける
コンデンサＣ１，Ｃ２との接続中点にラインアウト端子
と共に接続され、且つそのエミッタが接地されたトラン
ジスタである。

そして、このトランジスタＱのベースは図示極性のダイ
オードＤ、抵抗ＲおよびコンデンサＣを直列に介して接
地される。

また、このコンデンサＣと抵抗Ｒとの接続点に前記抵抗
ｒの他端が接続され、且つ抵抗ＲとダイオードＤとの接
続点に前記コンデンサｃｏの他端が接続される。

なお、以上においてスイッチＳＷの録音側接点ＲＥＣか
らトランジスタＱのベースに至る部品がミューティング
信号生成部であって、ミューティング用のトランジスタ
Ｑと共にミューティング回路を構成する。

このうち、コンテ゛ンサＣ８が予備的なミューティング
を得るためのスピードアップ用コンデンサであり、抵抗
ｒ、 ＲおよびコンデンサＣが主ミューティングを得る
ための充放電用抵抗とコンデンサである。

そして、これらの各素子はｒ＜Ｒ，Ｃｏ＜：Ｃなる関係
に選定されているものとする。

次に、以上のように構成されるミューティング回路にお
いて、スイッチＳＷを再生側接点Ｐ、Ｂから録音側接点
ＲＦＣに切換えることによってなされる信号線路ＳＬに
対するミューティング作用について説明する。

すなわち、この場合当該スイッチＳＷがショーテイング
形であると共に、Ｃｏ＜Ｃなる関係にあることによって
、スイッチＳＷの切換えと略同時にスピードアップ用の
コンデンサＣ６を介してミューティング用のトランジス
タＱにおけるベースに予備的なミューティング信号が供
給される。

これによってトランジスタＱは瞬時にオン状態となされ
、そのコレクターエミッタ通路を介して信号線路ＳＬを
して接地短絡せしめスピーカＳＰからボッ音を生じない
ようにした予備的なミューティングをかけることができ
る。

そして、かかる予備的なミューティングがかけられた直
後にｒ、Ｃなる充電時定数およびＲ，Ｃなる放電時定数
で定まる急速充電にして且つかなりゆるやかな放電特性
を有した主ミューティング信号が生成される。

これによって、トランジスタＱは上述の予備的なミュー
ティングに続いて、一定時間継続した主ミューティング
信号により信号線路ＳＬを一定時間接地短絡するので、
その後もスピーカＳＰからボッ音が生じないようにした
主ミューティングをかけることができるようになる。

第４図は、このような予備的ミューティング信号と主ミ
ューティング信号との関係を示すものであって、前者の
予備的なミューティング信号（イ曲線）はダイオードＤ
等の微小抵抗ｒ。

とスピードアップ用コンデンサＣ８とによって定まるｒ
。

、ｑなる微小時定数で立ち上るものである。

また、主ミューティング信号（口開線）は前述した第２
図のそれと同様にｒ、 Ｃなる時定数で立ち上るもので
ある。

この場合少なくともイ９０両曲線の交点における電位が
ミューティング用トランジスタＱのスレショルド電位■
ＢＥ以上にあるようになされていれば、スイッチの切換
と略同時の予備的なミューティングとその後の主ミュー
ティングとの間に途切れなく継続したミューティングを
かけることができるものである。

なお、この考案は上記し且つ図示した実施例にのみ限定
されることなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変形や適用が可能であることは言う迄もない。

例えば、ミューティング用のトランジスタＱはバイポー
ラ形のみならず電界効果形であってもよく、あるいはト
ランジスタ以外の他のスイッチング素子であってもよい
。

また、この考案によるミューティング回路はテープレコ
ーダの如き音響機器に好適するものであるが、これに限
らずスイッチ切換に伴なって生じる雑音が信号線路から
導出されないように信号線路を実質的に断路状態とする
他の電子機器一般に広く適用し得るものである。

従って、以上詳述したようにこの考案によれば、スイッ
チ接点を通した充電回路で生成されるミューティング信
号をスイッチング素子に供給して信号線路をミューティ
ングするようにしたミューティング回路において、スイ
ッチ接点とスイッチング素子との間にスピードアップ用
のコンデンサを挿入するだけで、主ミューティングがか
かる以前に予備的なミューティングをかけることができ
、以って可及的に簡易な構成でしかも速やかにして確実
な高品位のミューティング効果を奏し得るようにした極
めて良好なるミューティング回路を提供することが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のミューティング回路を示す結線
図とそれによるミューティング信号特性を示す曲線図、
第３図、第４図はこの考案に係るミューティング回路の
一実施例を示す結線図とそれによるミューティング信号
特性を示す曲線図である。 ＳＬ・・・・・・信号線路、ＳＷ・・・・・・スイッチ
、Ｑ・・・・・・トランジスタ、ｒ、 Ｒ・・・・・・
抵抗、ｃｏ、Ｃ・・・・・・コンデンサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 信号路線に接続されるミューティング素子と、一方の固
   定接点が電源に接続されるもので、モード切換スイッチ
   に連動されるショーテイング形のスイッチと、このショ
   ーテイング形のスイッチの他方の固定接点と基準電位点
   間に直列に接続される第１の抵抗および第１のコンデン
   サと、これら第１の抵抗および第１のコンデンサの接続
   中点と前記ミューティング素子のミューティング信号入
   力電極間に直列に接続される第２の抵抗およびダイオー
   ドと、これら第２の抵抗およびダイオードの接続中点と
   前記ショーテイング形のスイッチの他方の接点間に接続
   される第２のコンデンサとを具備し、前記第１および第
   ２の抵抗の値をそれぞれｒ、 Ｒとし、且つ第１およ
   び第２のコンデンサの値をそれぞれＣ９ｃｏとするとき
   、ｒ＜＜Ｒ。 ｃｏ〈〈Ｃなる関係を満足するように設定したことを特
   徴とするミューティング回路。