JPS5935631B2 - 体液「ろ」過装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ■ 発明の背景 技術分野 本発明は、血液等の体液を沢過膜に通して、血奨等のｆ
液を分離する体液沢過装置に関する。

先行技術 従来この種の体液濾過装置として、例えば第１図に示す
ものがある。

この装置は、体液流入口部１、体液流出口部２を有する
側板３と、沢液流出口部４を有する側板５との間に、四
角枠状のバッキング部６ｂの内部を空隙６ａとした流路
形成板６と、沢過膜７と、網目状ｆ液流路部８ａの周囲
にバッキング部８ｂを設けたＰ液流路形成板８とを重ね
合せて、これらを液密に押圧固定したものである。

この装置は、体液流入口部１から入った血液等が空隙６
ａを通って沢過膜７により沢過され、血球成分は体液流
出口部２から、又Ｐ液は沢液流通部８ａを通って沢液流
出口部４からそれぞれ排出される−ものである。

しかし沢過特性のうえで次のような問題があった。

従来技術の問題点 すなわちこの種の体液沢過装置においては、体液の流路
厚を薄くすればするほど、沢過特性が優れていることが
知られており、第１図の装置においては流路形成板６の
膜厚を薄くすることにより体液の流通する空隙６ａの流
路厚を薄くすることが可能である。

しかしｆ過膜７は、変形しやすいため空隙６ａで形成さ
れた体液の流路が流路形成板６の膜厚で設定した流路厚
を確保できず、大きなばらつきを生じる。

例えば流路厚を３００μに設定しても±１００μ程度の
誤差が生じる。

従ってこの装置で流路形成板６をごく薄く形成しても所
望のｒ過量を確保することが難かしいとともにばらつき
が著しい。

■ 発明の目的 このことから本発明者が鋭意研究をおこなった結果、所
望の流路厚を確保するために濾過膜を多数の凸部で支持
することにより、濾過膜の変形を防止し、しかも凸部と
凸部との間隔において血液流路を確保できることを見出
した。

更に研究の結果、凸部を弾性体とすることにより流路厚
をｆ過器圧力損失を指標として調節できることが判明し
た。

本発明は、このような知見にもとづいてなされたもので
、その目的とするところは、極度にばらつきを小さくシ
、所望のｆ過量を得ることができる体液濾過装置を得ん
とするものである。

即ち本発明は、体液の濾過膜と、そのいづれかの片面に
設けられて表面に一定の間隙で凸部を形成した柔軟性で
かつ弾性を有する体液流路規制板と、他面に設けられて
ｆ液通路を形成するｒ液流路形成板とを体液とｆ液との
混合を回避するためのシール材を介して一体に重ね合わ
せ、これを体液の流入口と流出口及びｒ液の流出口を有
しかつ上下２枚の板状体の少なくとも一方を摺動自在と
した沢液装置内に収納し、さらにこれを上下から調節自
在に押圧する加圧装置に装着し、体液流入口から注入さ
れる体液が濾過膜と流路規制板との間隙を通ってＰ液を
分離したのち体液流出口に至る液径路と、沢過膜でｒ液
分離した沢液がｒ液流路形成板を通ってｆ液流出口に至
る液径路とをそれぞれ形成するようにしたことを特徴と
する体液ｒ過装置である。

又本発明は、凸部のヤング率力月、０Ｘ１０６〜２、
ＯＸ １０１０ｄｙｎ／ｉの弾性体で、流路規制板の片
面又は両面に設け、高さが５０μ〜５００μである体液
ｒ過装置である。

■ 発明の詳細な説明 以下本発明を図面を参照して説明する。

第２図は体液濾過装置の分解斜視図で、この装置は１組
の側板１１，１１間に体液分配板１２を配設し、これら
側板ＩＬ１１と体液分配板１２との間にＰ液流路形成板
１３、沢過膜１４及び体液流路規制板１５とを順に重ね
合せている。

上記側板ＩＬ１１は、それぞれ硬質プラスチイックの材
質で矩形状に形成され、その側面にＰ液流出口部１６を
設けている。

この沢液流出口部１６は、側板ＩＬ１１のうち体液分配
板１２と対向する面の中央から側面にかけてＬ字状に形
成されている。

上記体液分配板１２は、硬質プラスティックの材質で形
成され、側板１１，１１と縦、横を同寸法としている。

この体液分配板１２は、一側に体液流入口部１７を他側
に体液流出口部１８を設け、これら体液流入出口部１７
，１８は上下に開口する透孔１９，２０にそれぞれ連通
している。

上記沢液流路形成板１３は、矩形状をなし、網目状ｒ液
流通部１３ａの周囲にバッキング部１３ｂを設けている
。

Ｐ液流退部１３ａはスクリーンメツシュ等で形成され、
又バッキング部１３ｂはシリコーンゴム等の弾性材で形
成され、その膜厚を８０〜１２００μとしている。

上記濾過膜１４は、セルロースブチレート、酢酸セルロ
ース等の有機酸エステル及び、ニトロセルロース等のセ
ルロースエステル、ポリカーボネート、等の合成樹脂薄
膜（膜厚３０〜２００）を相分離法、抽出法、延伸法、
荷電粒子照射法等、公知方法で製膜したもので、その平
均孔径が０．１μ〜１μ程度のものである。

上記体液流路規制板１５は、沢過膜１４との間で体液の
流路を形成するもので矩形状をなし、多数の凸部２１を
有する体液流通部１５ａの周囲にバッキング１５ｂを設
けている。

体液流通部１５ａは、そのヤング率力月、ＯＸ １０’
ｄｙｎ／ＣＩＩＬ〜２．０×１０１０ｄｙｎ／ｃ１１
Ｌの材質のものが好適である。

この理由は、デ過器を押圧し体液流路厚を狭めやすく、
かつ弛緩させたとき、流路が可逆的に自己復元し、所望
のｒ過量を得やすくするためである。

この範囲のヤング率を有する材質として、例えば低密度
ポリエチレン、シリコーンゴム、インブレンゴム、ブチ
ルゴム、スチレン−ブタジェンゴム（ＳＢＲ）、ポリテ
トラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、エチレン酢酸ビニ
ル共重合樹脂（ＥＶＡ）等があげられる。

体液流通部１５ａの凸部２１は、ここで沢過膜１４を支
えて変形を防止し、凸部２１間の間隙において体液の流
通路を確保するものである。

凸部２１は第４図に示すように、頂部がバッキング部１
５ｂと略同一平面状となるように形成され、その高さが
５０〜５００μのものが好ましい。

この理由は、低くすぎると流路厚の調節が難かしく又高
すぎると変形が大きく、誤差を生じやすい。

またバッキング部１５ｂはシリコーンゴム等で形成され
、バッキング部１５ｂと体液流路規制部１５ａとの間に
体液分配板１２の透孔１９ 、２０に対応した体液流入
口２２及び体液流出口２３を形成している。

この装置は、例えば第５図に示すように両側板ＩＬ１１
を圧縮コイルばね２４又は、万力、ボルト等で押圧して
涙液流路形成板１３、沢過膜１４及び体液流路規制板１
５を側板ＩＬ１１と体液分配板１２との間に押圧固定し
、バッキング部１３ｂ 、１５ｂの作用により液密構造
とすることにより組立てられる。

なお本発明の流路規制板は、第３図に示すものに限らず
、第６図に示すように体液流通部１５ａの両面に凸部２
Ｌ２１を設けたものでもよい。

この場合流路規制板１５の凸部２１，２１は両面対称の
位置に設けて、変形し難いようにするか、凸部の巾を凸
部間の巾より大きくした方が良い。

また第７図に示すように両面に凸部２１を設ける場合そ
の内部に硬質板２５を設けて流路規制板１５を補強する
ようにしてもよい。

第８図および第９図はこの発明の他の実施例を示すもの
である。

同図において３０は体液流入口３１および体液流出口３
２を有する円筒体で、これにＰ液流出口３３．３３を設
けた押子３４を０リング３５を介して挿入し沢過装置と
なし、この中に第２図で説明したと略同様の沢過膜、体
液流路規制板および涙液流路形成板を一体にして収納す
るものである。

即ち、スクリーンメツシュよりなるｒ液流路形成板３６
を挟装して上下２枚の沢過膜３７１，３７□を配し、そ
の周縁および中央開口部の周縁をシールするとともに、
Ｐ液通過孔３８の外周にシール材３９を貼着しておく、
そしてこの沢過膜３７の下側には体液流路規制板４０が
配設され、シール材３９で沢過膜３７と体液流路規制板
４０とが一体に接合されている。

これらの沢過膜、体液流路形成板、体液流路規制板は複
数段重ね合わせて組立られた体液沢過装置の全体は、第
９図に示されている。

■ 発明の具体的作用 この体液沢過装置は、第２図及び第５図に示すように人
体からポンプ２６の作用で血液を体液流入口部１７、透
孔１９及び体液流入口２２を通り、凸部２１の間隔を流
通する。

この流通過程で血液は沢過膜１４によりデ過され、ｒ液
は涙液流通部１３ａを通って涙液流出口部１６から排出
される。

一方ｒ過した血液は、体液流出口２３透孔２０を経て、
体液流出口部１８から排出される。

この血液は補液２７とともに人体に戻される。

なお図中２８はエアートラップ、２９は圧力計である。

しかしてｒ過膜１４による涙液量の調節は、圧縮コイル
ばね２４の押圧力を調節することによりおこなう。

押圧力により涙液量を調節できるのは次の理由による。

すなわち体液流量の増減に応じて押圧力を変化させると
、凸部２１の弾性変形量が変わって流路厚が変化し、ｆ
過量を高めることができるためである。

この場合凸部２１は多数設けられているので、押圧力に
対応して的確に変形し、又その変形量も均一となる。

しかも押圧力を加えても凸部２１の間隙は確保されてい
るので、体液は安定してここを流通することができる。

■ 発明の具体的効果 本発明によれば、濾過膜１４と多数の凸部２１を有する
流路規制板１５とを重ね合せたことによりｆ過膜１４が
凸部２１で支持されて変形が防止され、凸部２１の間隙
において体液の均一な流路を確保でき、しかも凸部２１
は弾性力を有するためその流路の厚みを、押圧力を変え
ることにより沢過器圧力損失を指標に数１０ミクロンの
オーダーで容易に制御できる。

従って体液の流量に応じて流路厚を随意に変えることが
でき、又体液流路が狭くなりすぎても体液による沢過器
内圧によらず流路規制板の弾性力によって均一に自己復
元するため血液等の体液に悪影響を与えない。

またこの装置によれば、体液の流量を制御することなく
圧力損失を制御して沢過量を調節できるので、制御シス
テムを廉価かつ単純化できる。

また実施例によれば装置を圧縮コイルばねで弾性的押圧
しているので、血液の脈動等に応じて流路厚力相動的に
変化し、血液に悪影響を及ぼさない。

上述した本発明の効果は、とくに流路規制板１５として
、ヤング率１．０Ｘ１０６〜２．ＯＸ １０１０ｄｙｎ
／ｃｎｌＬのものを用い、凸部の高さ５０〜５００μの
ものが著しい。

このことは以下の実験で認められた。

（実験例） 第２図に示す如き装置を用い、第１表に示す実験条件で
血液を流し、そのデ過量を測定した。

その結果を第１表に示す。

これら比較するために体液流路規制板のヤング率が本発
明による範囲以外のものを使用したものを比較例とし、
凸部を設けた体液流通部の代りにここを空隙とした面角
枠状の流路規制板を用いたものを参考例として第１図に
示す如き装置を組立て、同様の実験をおこなった。

それらの結果を第１表に併記する。なお第１表中流路厚
は、圧力損失等の測定値から得られた計算値であり、ば
らつきは涙液量の平均値に対する標準偏差の百分率であ
る。

また膜材質として酢酸セルロースを用いた。

上表から本発明によれば押圧力を変えることにより、流
路厚を的確に制御して、所望の沢過量を得ることができ
るとともにかつばらつきを小さくできることが認められ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の体液濾過装置の分解斜視図、第２図は本
発明の一実施例を示す体液濾過装置の分解斜視図、第３
図は第２図の流路規制板の平面図、第４図は第３図の■
−ＩＶ線に沿う断面図、第５図は第２図の装置を組込ん
だシステムを示す回路図、第６図及び第７図は本発明の
他の実施例を示す流路規制板の断面図である。 第８図はこの発明の他の実施例を示す体液沢過装置の分
解斜視図、第９図はその組立装置の側断面図である。 １１・・・・・・側板、１２・・・・・・体液分配板、
１３・・・・・・涙液流路形成板、１４・・・・・・濾
過膜、１５・・・・・・体液流路規制板、１６・・・・
・・涙液流出口部、１７・・・・・・体液流入口部、１
８・・・・・・体液流出口部、１９，２０・・・・・・
透孔、１３ａ・・・・・・Ｐ液流通部、１３ｂ・・・・
・・バッキング部、２１・・・・・・凸部、１５ａ・・
・・・・体液流通部、１５ｂ・・・・・・バッキング部
、２２・川・・体液流入口、２３・・・・・・体液流出
口、２４・・・・・・圧縮コイルばね、２５・・・・・
・硬質板、２６・・・・・・ポンプ、２７・・・・・・
補液、２８・・・・・・エアートラップ、２９・・・・
・・圧力計、３０・・・・・・円筒体、３１・・・・・
・体液流入口、３２・・・・・・体液流出口、３３・・
・・・・涙液流出口、３４・・・・・・押子、３５・・
・・・・０リング、３６・・・・・・ｒ液流路形成板、
３７１．３７２・・・・・・沢過膜、３８・・・・・・
涙液通過孔、３９・・・・・・シール材、４０・・・・
・・体液流路規制板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 体液の沢過膜と、そのいづれかの片面に設けられて
   表面に一定の間隙で凸部を形成した柔軟性でかつ弾性を
   有する体液流路規制板と、他面に設けられて沢液通路を
   形成する沢液流路形成板とを体液とｒ液との混合を回避
   するためのシール材を介して一体に重ね合わせ、これを
   体液の流入口と流出口及びｆ液の流出口を有しかつ上下
   ２枚の板状体の少なくとも一方を摺動自在とした沢液装
   置内に収納し、さらにこれを上下から調節自在に押圧す
   る加圧装置に装着し、体液流入口から注入される体液が
   沢過膜と流路規制板との間隙を通って沢液を分離したの
   ち体液流出口に至る液径路と、ｒ液膜でＰ液分離した沢
   液がＰ液流路形成板を通って沢液流出口に至る液径路と
   をそれぞれ形成するようにしたことを特徴とする体液濾
   過装置。 ２ 流路規制板の凸部がヤング率１．０Ｘ１０６〜２Ｘ
   １０”ｄｙｎ／ｆｆｌであることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の体液沢過装置。 ３ 流路規制板の凸部が片面または両面に設けてなるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の体液ｒ過装
   置。 ４ 流路規制板の凸部がその高さで５０〜５００μであ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第３項記
   載の体液濾過装置。