JPS593428Y2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープ巻き取り用のローラをカセット筐体内に
回転自在に収納して成るエンドレスカセットやテープ巻
回用のリールを例えば一対カセット筐体内に回転自在に
収納して成る２リールカセツトの如き、例えばＶＴＲや
テープレコーダのような記録再生装置に使用されるテー
プカセットであって、特に上記ローラ又はリールがカセ
ット筐体内でガタつかないよう、或いは自由回転しない
ように、これらローラ又はリールをカセット筐体内で板
バネを用いて押えつける為の構造に関するものである。

こ・で先ず従来のテープカセットの一例として、従来の
ＶＴＲ用のエンドレスカセットを第１図及び第２図によ
って説明すると、合成樹脂にて成形されたカセット筐体
１の前面に開口２が設けられ、その間口２を開閉する前
蓋３が回転自在に取り付けられている。

そしてカセット筐体１内の一側に偏倚した位置に合成樹
脂にて成形された巻取ローラ４が回転自在に収納されて
いる。

またカセット筐体１内の他側に偏倚した位置には仕切壁
５が一体的に設けられていて、巻取ローラ４と仕切壁５
との間がテープ蓄積部６に構成されている。

一方エンドレステープ７はジグザグ状に折り畳やれるよ
うにしてテープ蓄積部６内に多量収納されている。

そしてこのエンドレステープ７の一部が仕切壁５に設け
られたスリット８からカセット筐体１の他側前端側に引
き出され、開口２の両端に設けられた一対のテープガイ
ド９ａ、９ｂ間をパスされてカセット筐体１の一側前端
側に迂回された後、巻取ローラ４の周面に巻きつけられ
るようにパスされている。

また巻取ローラ４の周面４ａにはゴム輪１０が巻きつけ
られている。

そしてエンドレステープ７の一部が圧着板１１によって
そのゴム輪１０の周面１０ａに圧着されている。

またその圧着板１１に対する巻取ローラ４の回転方向（
矢印ａ方向）下手側の位置にはゴム輪１０の周面１０ａ
に分離板１２が圧着されている。

またエンドレステープ７の他の一部が圧着板１３によっ
てテープガイド９ａの周面に圧着されている。

なお圧着板１１、１３及び分離板１２はマイラーフィル
ム等の如き合成樹脂フィルムにて構成され、それぞれ適
度な弾性を有している。

そしてこれら圧着板１１．１３及び分離板１２はこれら
の一端１１ ａ、１３ ａ及び１２ａ側においてカセッ
ト筐体１に適宜機械的に固定或いは接着にて固定されて
いる。

そして巻取ローラ４の矢印ａ方向への回転により、ゴム
輪１０の摩擦駆動力によってエンドレステープ７が矢印
す方向からカセット筐体１内に引き込まれる一方、この
引き込まれたエンドレステープ７が分離板１２によって
巻取ローラ４のゴム輪１０の周面１０ ａから分離され
て矢印Ｃ方向に送り出され、テープ蓄積部６内に供給さ
れて蓄積されるように構成されている。

ところで従来のエンドレスカセットでは、は）゛Ｔ字状
をなす板バネ１４を用い、その一方の腕部１４ａの両端
をカセット筐体１を構成する合成樹脂にて成形された上
下一対のカセットハーフ１５゜１６のうち、上側のカセ
ットハーフ１５の下面１５ ａに溶着にて固定し、他方
の疎部１４ｂの先端を巻取ローラ４あ上面中央部に設け
られた球面状の突部１７に弾性的に押圧させて、巻取ロ
ーラ４を下側のカセットハーフ１６の上面１６ ａ上に
附勢させていた。

なお上記溶着は、カセットハーフ１５の下面１５ａに一
体的に成形された一対のタボ１８の先端を溶着するもの
である。

しかしながらこのような従来構造では次のような欠陥が
あった。

（Ａ） 板イくネ１４が占るカセット筐体内のスペー
スが大きく、テープ蓄積部６内に蓄積されるエンドレス
テープ７がこの板バネ１４に引っ掛かり易い等、特にエ
ンドレスカセットでは不利である。

（Ｂ） 板バネ１４の大きさが大きく、形状が複雑で
あるから、その外形の抜き加工時の歩留りが悪く、材料
費が高くつく。

しかも板バネ１４の加工には、外形の抜き加工後に更に
曲げ加工を行わなければならない等、加工も面倒で、部
品コストが高くつく。

（０板バネ１４の組み立てに一対のダボ１８の溶着が必
要で、組み立てが面倒であり、生産性が低い。

（Ｄ） 板バネ１４の支持が片持ちである関係で、そ
の固定部である一対のダボ１８部分に板バネ１４による
こじれ力が常に作用し、これらダボ１８の先端が容易に
切損し、板バネ１４が早期に脱落し易い。

本考案は上述の如き欠陥を是正すべく考案されたもので
あって、カセット筐体内のスペースの節約、板バネのコ
ストダウン、カセット組立工数の節減等を可能にしたも
のを提供しようとするものである。

以下本考案をＶＴＲ用のエンドレスカセットに適用した
実施例を第３図〜第５Ｅ図に基づき説明する。

なお第１図の従来例と同一の構造部分には同一の符号を
付してその説明を省略する。

先ず第３図及び第４図に示した板ガネ２０は例えばりん
青銅板の如き適度な弾性を有する金属板にて形成された
ものであり、曲げ加工が何等なされておらず、偏平状を
なしている。

そしてこの板バネ２０の長さＡは前記巻取ローラ４のハ
ブ２１の直径Ｂより小さく構成され、面積的にそのハブ
２１の直径内に収まるように構成されている。

なお板バネ２０の両端面は円形状に形成されている。

ところでハブ２１の上面２１ ａにはその中央部に板バ
ネ２０が自由に撓み得るように円形の凹部２２が設けら
れ、またこの凹部２２の外周壁を構成するリブ２３の内
縁には板バネ２０の両端２０ ａを支持する支持段部２
４が一体的に成形されている。

そして板バネ２０は円環状のリブ２３の内側に水平状に
挿入されて、その両端２０ ａが円環状の支持段部２４
にて支持される。

一方前記上側のカセットハーフ１５の下面１５ ａには
板バネ２０の中央部２０ ｂとほぼ対向する位置に突部
２６が一体的に成形されている。

なおその突部２６の下端である先端面２６ ａは球面に
形成されている。

そしてこのエンドレスカセットによれば、両刃セットハ
ーフ１５．１６を複数本の止ネジ２０によって互に一体
に結合させると、第４図の如く突部２６が板バネ２０の
中央部２０ ｂ上に弾性に抗して押圧される。

その結果板バネ２６が弓なりに撓み、その反撥力によっ
て巻取ローラ４が下方に附勢され、その下端のフランジ
部２７によって下側のカセットハーフ１６の上面１６
ｂ上に押しつけられる。

なお従来公知の如くこのエンドレスカセットがＶＴＲ本
体に接着された際には、リール台によって巻取ローラ４
がカセット筐体１内で若干押し上げられ、そのフランジ
部２７が下側のカセットハーフ１６の上面１６ ａから
少し浮いた状態で回転される。

そしてこの実施例では巻取ローラ４の回転時に板バネ２
０が巻取ローラ４と一緒に回転されるようになる。

しかしその際突部２６の先端面２６ ａが球面に形成さ
れていることで、板バネ２０の回転抵抗は微少である。

なお第５Ａ図〜第５Ｅ図は板バネ２０の形状例を示した
ものであり、このような各種の形状を適用出来、またそ
の他にも各種有効な形状を適用出来る。

また以上述べた実施例では、エンドレスカセットにおけ
る巻取ローラの押え構造のみに付き説明したが、その他
にも例えば２リールカセツトの如き各種のテープカセッ
トの各種リールの押え構造にも全く同様に適用出来るこ
とは言う迄もない。

以上実施例で述べた如く本考案によれば、テープ巻き取
り用のローラ又はテープ巻回用のリールのバブの上面中
央部に板バネ逃し用の凹部を設け、かつこの四部の外周
壁の内縁に板バネの両端を支持する支持段部を設けると
共に、上記バブの上面中央部とはパ対向する上側カセッ
トハーフの下面に突部を設けて、上記支持段部で平面状
の板バネの両端を支持させた状態で、上記突部を上記板
バネにその弾性に抗して押圧させ、その板バネの反撥力
にて上記ローラ又はリールを下側カセットハーフ側に附
勢させるように構成したものであり、次のような利点が
得られる。

（４）板バネは撓むとその長さが縮小し、従来の曲げ加
工を施した板バネのように伸長しないから、非常に小さ
なものにしてバブ内に納めてしまうことができる。

しかも上記板バネは、バブ上面に設けた凹部内で自由に
撓むことができるから、カセット筐体内に占める板バネ
のスペースは、非常に小さなものとすることが出来る。

また上記板バネは、上記凹部に完全に収納されているの
で、特にエンドレスカセットで゛はテープが板バネに不
測に引っ掛かるような事故を未然に防止出来て非常に有
利である。

（Ｂ） 板バネの大きさが非常に小さく、形状平板状
で簡単であるから、その抜き加工時の歩留りが良く、材
料費が安くつく。

しがも板バネには特に曲げ加工を施こす必要がないがら
、加工も外形の抜き加工だけで済み、加工も簡単で、部
品コストが安くつく。

（０板バネの組み立てに従来のような板バネの溶着工程
は一切不要となり、板バネは単に支持段部に挿入するだ
けでよい。

またこのように板バネを挿入した後は、直ちに上下のカ
セットハーフを組み合わせて、カセットを組み立てれば
よい。

したがってカセットの組み立ては非常に簡単となり、生
産の作業性が大幅アップする。

さらにカセット組め立て後の板バネは、支持段部の壁に
よってその長手方向の移動を抑止されるから、ふのよう
な簡単な手段であっても、板バネを常に正しい位置に保
持させることができる。

（Ｄ） 従来の溶着にて板バネを固定するもの・よう
に、溶着のダボ先端が切損した為に、板バネが脱落して
しまうような不都合が全くなく、信頼性が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＶＴＲ用のエンドレスカセットを示した
一部切欠き平面図、第２図は第１図ＩＩ−ＩＩ線での拡
大断面図である。 第３図は本考案をＶＴＲ用のエンドレスカセットに適用
した第１実施例を示す一部切欠き平面図、第４図は第３
図ＩＶ−ＩＶ線での拡大断面図、第５Ａ図〜第５Ｅ図は
板バネの形状例を示した平面図である。 また図面に用いられた符号において、１・・・・・・カ
セット筐体、４・・・・・・巻取ローラ、７・・・エン
ドレステープ、２０・・・・・・板バネ、２１・・・・
・・バブ、２２・・・・・・凹部、２３・・・・・・円
環状リブ、２４・・・・・・支持段部、２６・・・・・
・突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープ巻き取り用のローラ又はテープ巻回用のリールを
   カセット筐体内に回転自在に収納して成るテープカセッ
   トにおいて、上記ローラ又はリールのハブの上面中央部
   に板バネ逃がし用の凹部を設けかつこの凹部の外周壁の
   内縁に板バネの両端を支持する支持段部を設けると共に
   、上記パブの上面中央部とはパ対向する上側カセットハ
   ーフの下面に突部を設けて、上記支持段部で平面状の板
   バネの両端を支持させた状態で、上記突部を上記板バネ
   にその弾性を抗して押圧させ、その板バネの反撥力にて
   上記ローラ又はリールを下側カセットハーフ側に附勢さ
   せたことを特徴とするテープカセット。