JPH054149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、磁気テープ等を収納するテープカセ
ツトの内部にテープの弛みや緩みを防止するため
に装着されるテープカセツト用ガイドシートに関
する。

背景技術とその問題点 テープカセツトにおいては、収納しているテー
プが内部で弛んだり、緩んだりしてテープが絡ま
つたりテープカセツトの前面開口部からはみ出す
のを防止するために何らかの措置をこうずるのが
普通である。例えば第１図に示す一般のビデオテ
ープレコーダ（VTR）用のテープカセツト１に
あつては、第１図で右下角部にあたるテープカセ
ツトの前面開口部２の一部を破断して内部を示す
ように、テープの弛みを防止するためのガイドシ
ート３が装着してある。

公知ではないが従来のガイドシート３は第２
図、第３図及び第４図に示すように、ガイドシー
ト本体４とテープとの接触部５とより成る。ガイ
ドシート本体４は弾力性に富んだ素材例えばポリ
エチレンテレフタレートシートを中央に矩形穴を
設けた矩形シートに形成して成る。そして、この
ガイドシート本体４の自由端部には、低摩擦層を
形成する材料、例えばテトラ、フリオロ、エチレ
ンの上皮シート６を接着剤若しくは粘着剤、又は
両面接着テープ等の貼着体７を用いて貼着し、テ
ープとの接触部５を設ける。

この自由端部に接触部５を設けたガイドシート
本体４は、その接着端部８に第３図及び第５図に
示すように矩形状に切起し装着端部８から斜状に
突出する係着片９を設けておき、第２図に示すよ
うにこの装着端部８をテープカセツトの下ハーフ
１０に立設した支持柱１１の奥部に矩形の空間を
形成したスリツト１２に嵌挿して装着する。

そして、第１図に示すテープカセツト１に収納
されたテープ１５はテープ供給リール１６から引
き出され、第２図によつて説明したテープガイド
ピン１３とガイドシートの接触部５との間を通
り、ガイドローラ部１４を回つて前面開口部２を
通り、巻き取りリール１７に巻取られるというテ
ープパスを通る。このようなテープパスを通りテ
ープ１５は、ガイドシート３がテープ走行時の摩
擦力にも十分耐えて、テープ１５を常時テープガ
イドピン１３に軽く弾性的に挟むように押しつけ
て支持するので、弛緩することはない。

しかしながら、上述のように用いられるガイド
シート３はスリツト１２内に差込むときに、係着
片９の矩形状の角部（第４図のＥ）が支持柱１１
の上面に衝突することがあり、作業効率が悪いと
共にガイドシート３の係着片９が破損するおそれ
がある不都合があつた。これは特にテープカセツ
トの組立を自動化する上で問題となつていた。

そのため、第３図例の如き差込構造の代わり
に、第５図に示す公知の粘着構造を採用すること
も検討された。第５図において、１８は貼着剤、
１９は保護シートであり、ガイドシート３を下ハ
ーフに固定するにはその保護シート１９を剥がし
てその貼着剤１８が形成された部分を支持柱１１
に押圧する。しかしながら、第５図例の如き貼着
構造はガイドシートが高価格になる不都合があ
る。

考案の目的 本考案は斯かる点に鑑み、貼着部分をなくすと
共に、下ハーフへの組込みが迅速にかつ容易に行
なえるテープカセツト用ガイドシートを提供する
ことを目的とする。

考案の概要 本考案のテープカセツト用ガイドシートは、例
えば第６図、第７図、第８図及び第１１図に示す
如く、接触部５とこの接触部５に対して反対側に
位置する終端部８ａとを有し、接触部５とテープ
ガイドピン１３との間に支持されたテープ状体１
５の弛みや緩みを防止するテープカセツト用ガイ
ドシート３にして、 終端部８ａの近傍にてこの終端部８ａ側に折り
曲げ部を有し下側の斜辺９ａとこの斜辺に接続す
る底辺を有する台形状部分を切り起こし底辺によ
り構成される自由端がガイドシートの装着方向と
整合するように係着片９を形成し、テープカセツ
トの下ハーフ１０に形成された支持柱１１のスリ
ツト１２に装着する際に、ガイドシートをスリツ
ト１２の側面に係合せしめ台形状に切り起こされ
た係着片９の斜辺９ａによつてスリツト内へ案内
されるようにしたものである。

実施例 以下、本考案のテープカセツト用ガイドシート
の第１実施例を第６図乃至第８図に従つて説明す
る。なお、この第６図乃至第８図において、第１
図乃至第５図に対応する部分には同一符号を付し
その詳細な説明は省略する。

第６図乃至第８図の例は従前のVTRのテープ
カセツトについて実施したものであつて、ガイド
シートを平板状一部材で形成しその先端部を丸く
構成したものである。すなわち、本実施例のガイ
ドシートは高密度ポリエチレン（高分子ポリエチ
レン）又はフツ素化合物（本例ではエチレン−４
−フツ化エチレン共重合体）、パーフルオロアル
キルビニルエーテル、ポリエチレンテレフタレー
ト（PBC）等の適当な摩擦係数の低い弾性のあ
る帯電性、耐摩耗性等を考慮した素材で形成した
シートを第８図に示す平面形状に打抜加工しガイ
ドシート本体４と同一平板部材で接触部５を形成
する。そして、接触部５の先端縁２０を第７図に
示すように断面半円形状に形成してなる。さら
に、ガイドシート本体４の中央部はくびれるよう
に幅狭にし、柔軟性を増すように形成してある。
また、装着端部８には第８図に示すような一方に
斜辺をもつ台形状に切起し、第７図に示すように
装着端部８から斜状に突出せしめた係着片９を設
ける。

このように構成したガイドシート３は、第６図
にテープカセツトに装着した要部を平面で示すよ
うに、テープカセツトの下ハーフに立設された支
持柱１１に、穿設されたスリツト１２に嵌挿して
装着するもので係着片９に設けられた斜辺９ａ
は、ガイドシートの装着端部８をスリツト１２に
嵌挿し易くするものである。支持柱のスリツト１
２に装着されたガイドシート３は、係着片９の自
由端部９ａが、スリツト１２の溝段部１２ａに当
たり装着端部８の終端部８ａがスリツト１２の終
端壁１２ｅに突当る如くなると共に、装着端部８
の終端部８ａと中側部８ｂとをそれぞれスリツト
内側の基準面１２ｂ，１２ｃに押し当てるように
して支持される。そして、ガイドシート３におけ
る中側部８ｂが軽く折り曲がるようにして、その
接触部５がテープ１５を常時テープガイドピン１
３に軽く弾性的に挟むように押しつけて支持する
ようにする。このように矢印Ａ方向に進入して来
たテープ１５を適当な摩擦抵抗値をもつ素材で形
成したガイドシートによりテープガイドピン１３
と相俟つて適当な摺接抵抗を与えながら送り出す
ようにしてあるので、ガイドローラ部１４を回つ
て、前面開口部方向に出るテープが弛緩すること
はない。またガイドシートの接触部先端縁２０を
丸く形成してあるので、この部分がテープ１５に
当たつて傷つけるという心配もない。

次に本第１実施例のガイドシートの量産に向く
製造方法を説明すると、まず、前述した高密度ポ
リエチレン等の素材のシートを所定厚みに形成
し、プレス工程に必要な幅にスリツトする。次に
このスリツトした部材の片側に当る接触部先端縁
を構成する部分を治具にて丸みを付ける加工を施
し、プレス装置にて第８図に示す形状に連続して
打抜く。なお、ガイドシート３は連続打抜き加工
時に各ガイドシート３がバラバラにならないよう
にするため、側条体２１に小片２２でつなぎ留め
ておき、カセツトケースにガイドシートを挿入す
る作業時にこの小片２２部分から切り離して使用
するものである。また、スリツトした部材からガ
イドシート３を単品として打抜き加工することも
可能である。

次に本考案の第２実施例を第９図によつて説明
する。

この第２実施例は、ガイドシートの接触部先端
縁をさらに大きく丸く構成し、テープとの接触を
滑らかにするものである。すなわち、テープとの
接触部５の先端縁２０部分を図示するように断面
Ｕ字状に折り返し先端縁２０が大きく丸くなるよ
うにするものでありその平面形状は第８図に示す
第１実施例のものと同等である。なお、上述以外
の構成、作用及び効果は第１実施例と同等である
のでその説明を省略する。

次に本第２実施例のガイドシートの量産に適し
た製造方法を説明すると、素材シートをプレス工
程に必要な幅にスリツトした部材を、第８図に示
す打抜形状に対して接触部５を自由端方向に長め
にした形状に打抜加工したものを、先端縁２０の
部分から折曲げて、その自由端部近傍２３をガイ
ドシート３の側面に熱融着して一体的に形成す
る。または、スリツトした部材の片側を折曲げそ
の自由端部近傍をスリツトした部材の側部に熱融
着してテープとの接触部をあらかじめ形成したも
のを第８図に示す形状に打抜加工してもよい。

次に第１０図及び第１１図に示す本考案の第３
実施例について説明する。

本実施例は、ガイドシートのテープとの接触部
先端縁の部分から折曲げて２重に重ねた構成のも
のであり、先端縁部分が大きく丸くなるようにし
てテープと滑らかに接触するようにするとともに
ガイドシート本体を補強し、その弾力を強めテー
プをテープガイドピンに押し付け支持する力を増
し摩擦抵抗を増加させることができるものであ
る。すなわち、第１１図に示す対象的な平面形状
のシートをその接触部先端縁２０の部分から第１
０図に示すように折曲げて形成するもので、テー
プとの接触部先端縁の部分は大きく丸くなるよう
にする。また、ガイドシートの装着端部８におい
ては、折曲げて重ねられたそれぞれの部分から各
自外方に一対の係着片９，９を突設する。そし
て、第６図に示すように一方の係着片９が支持柱
のスリツト１２内の溝段部１２ａに当たり、他の
係着片９が一点鎖線で示すように支持側１２ｄに
当接してガイドシート３全体をより強固に支持で
きるようにするものである。なお、以上説明した
以外の本実施例の構成、作用及び効果は前述した
第１実施例と同様であるので、その説明を省略す
る。

次に、本第３実施例のガイドシートの量産に適
した製造法及び使用法を説明すると、素材シート
をプレス工程に必要な幅にスリツトした部材を第
１１図に示すような先端縁を形成する部分を軸と
して左右対象な形状にプレス打抜き加工をし、カ
セツトに装着時に小片２２部分から切断して第１
０図に示すように折曲げて使用するものである。

尚本考案は上述実施例に限らず本考案の要旨を
逸脱することなくその他種々の構成が取り得るこ
とは勿論である。

以上、詳述したように上述の実施例のテープカ
セツト用ガイドシートは、テープを常時テープガ
イドピンに軽く弾性的に挟むように押しつけて支
持するから、テープの弛みや緩みを防止する効果
をもつとともにガイドシート全体を同部材で一体
的に構成してあるので、製造、加工が容易で量産
に適し、廉価な製品を提供できるという利益があ
る。さらに、従来のガイドシートのように貼着体
を使用していないので、この貼着体が原因となる
事故を起こす心配もないという利益がある。

考案の効果 本考案のテープカセツト用ガイドシートは、上
述のように終端部近傍の所定部分を一方に斜辺を
持つ台形状に切起して係着片となし、この係着片
の斜辺の部分によつてスリツトの溝段部へ案内す
るようにしているので、ガイドシートは下ハーフ
に組込む際に係着片の先端が支持柱に衝突するこ
とがなく迅速かつ容易に組込みを行なうことがで
きる利益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のVTR用テープカセツトの一例
の部分断面平面図、第２図はそのガイドシートを
装着した部分を示す斜視図、第３図は従来のガイ
ドシートの第１図例を示す拡大平面図、第４図は
従来のガイドシートの第１図例における量産時の
状態を示す正面図、第５図は従来のガイドシート
の公知例を示す拡大平面図、第６図は本考案のテ
ープカセツト用ガイドシートの第１実施例のテー
プカセツトへの装着状態の要部を示す拡大平面
図、第７図はガイドシートの第１実施例の拡大平
面図、第８図はその量産時の一工程の例を示す正
面図、第９図は本考案のガイドシートの第２実施
例を示す拡大平面図、第１０図は本考案のガイド
シートの第３実施例を示す拡大平面図、第１１図
はその量産時の一工程の例を示す正面図である。 １はテープカセツト、３はガイドシート、４は
ガイドシート本体、５は接触部、８は装着端部で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 接触部５と該接触部５に対して反対側に位置す
   る終端部８ａとを有し、上記接触部５とテープガ
   イドピン１３との間に支持されたテープ状体１５
   の弛みや緩みを防止するテープカセツト用ガイド
   シート３にして、 上記終端部８ａの近傍にて上記終端部８ａ側に
   折り曲げ部を有し下側の斜辺９ａと該斜辺に接続
   する底辺を有する台形状部分を切り起こし上記底
   辺により構成される自由端が上記ガイドシートの
   装着方向と整合するように係着片９を形成し、テ
   ープカセツトの下ハーフ１０に形成された支持柱
   １１のスリツト１２に装着する際に、上記ガイド
   シートを上記スリツト１２の側面に係合せしめ上
   記台形状に切り起こされた係着片９の斜辺９ａに
   よつて上記スリツト内へ案内されるようにしたこ
   とを特徴とするテープカセツト用ガイドシート。