JPS5847591Y2 - 磁気テ−プカ−トリツジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気テープカートリッジに係り、磁気テープ
端をリールに連結固着する手段に改良を加えたものであ
る。

磁気テープ端とリールとを連結する代表的な手段として
第５図に示すものがよく知られている。

これは、リール１０の外周面に内拡がり状の切欠き凹部
１１をリール全幅に亘って形成し、この凹部１１に弾性
的に押込み嵌着した係止具１２で、磁気テープ１３の端
部（一般にはリーダーテープ部分）を挟持固定する構造
になっている。

この構造では、凹部１１の開口縁と係止具１２との間に
どうしても図に示すような間隙１４が生じる。

そのため、リール１０に磁気テープ１３を巻回したとき
、磁気テープ１３が巻き始めにその全幅（上下方向）に
亘って間隙１４に入込んで皺付きを生じ、これが波及し
てテープ層間に巻き不整が起こる一つの原因となってい
た。

また、この構造では磁気テープ幅とリール幅とを正しく
合致させながら係止具１２をリール１０に嵌着しなけれ
ばならず、このテープ連結作業が困難で作業能率が悪い
ところにも問題があった。

この考案は、かかる事実に着目してリールへのテープ連
結箇所における巻き不整を確実に防止するとともに、テ
ープ連結作業を正確に能率よく行なえるようにしようと
するものであって、その特徴とするところは、磁気テー
プの端部に透設した／Ｊ−ｆＬに大径頭部付きのリベッ
ト状係止具を挿通して、これをリールの外周面に形成し
た係止穴に嵌着保持することにより、磁気テープの端部
をリールに連結固着するようにしたことにある。

以下、この考案の詳細を図面に基づき説明する。

第１図は、標準仕様のフィリップス型磁気テープカート
リッジを例示しており、プラスチック製の本体ケース１
内に左右一対のプラスチック製リール２・２を可回転に
装着し、磁気テープ３の両端を両リール２・２に連結固
着して巻回し、磁気テープ３を一方の供給リール２から
繰出して本体ケース１の前面に形成せる消去ヘッド挿入
口４、録音再生用磁気ヘッド挿入口５ついでピンチロー
ラ挿入口６に順に通し他方の巻取リール２に巻取るよう
になっている。

第２図は、リール２と磁気テープ３の端部との連結手段
を示している。

その概略は、磁気テープ３の端部（より詳しくはリーダ
ーテープの端部又は磁気テープ本体の端部）にｌＪ寸Ｌ
７を透設し、この小孔７にリベット状の係止具８を挿通
し、この係止具８をリール２の外周面に形成せる係止穴
９に嵌入止着してテープ端部を挾持固定するようになっ
ている。

第３図及び第４図において、係止具８は、磁気テープ３
の小孔７より大径でテープ幅より大きくない径とした円
形の大径頭部８ａと、小孔７を通る小径軸部８ｂとから
なるプラスチック成形品であり、大径頭部８ａの外周面
をリール２の外周面と同一曲率の円筒面となし、小径軸
部８ｂの中間には周回突条８ｃを一体に突出形成しであ
る。

また、前記係止穴９は、受皿状の円形凹曲部９ａと該凹
曲部９ａの中央からリール２の中心に向けて穿設した丸
穴部９ｂとからなり、前記係止具８の大径頭部８ａが凹
曲部９ａに、小径軸部８ｂの丸穴部９ｂにそれぞれ嵌入
する。

丸孔部９ｂの内径は、前記周回突条８ｃの外径よりも僅
かに小さく設定してあり、係止具８の小径軸部８ｂを丸
穴部９ｂへ強制的に押込み嵌入すれば、周回突条８ｃが
弾性変形して係止具８が係止穴９に抜止め状に嵌着する
。

そして、この嵌着状態において、凹曲部９ａに嵌入した
前記大径頭部８ａの外周面がリール２の外周面と段差の
無い而−状となり、凹曲部９ａと大径頭部８ａとの間に
テープ端部が確りと挟着保持できるに至ったものである
。

なお、図の例では係止具８の大径頭部８ａの径をテープ
幅より小さくしたが、テープ幅と同一にして該大径頭部
８ａで磁気テープ３の全幅を保持するようにしてもよい
。

以上説明したように、この考案ではリール２の外周面一
部に形成される係止穴９が受皿状の凹部９ａと該凹部９
ａの中央にリール中心に向けて形成した穴部９ｂとを有
する形状にし、リベット状係止具８の小径軸部８ｂを磁
気テープ端部の小孔７に挿通して係止穴９の穴部９ｂに
径方向から抜止め状に圧入嵌着すれば、係止具８の大径
頭部８ａが係止穴９の凹部９ａに納まって両者８ａ・９
ａ間で磁気テープ３の端部を挟着し、また該大径頭部８
ａの外周面がリール外周面と而−状に連続するものとし
た。

したがって、かかる構成からなる本考案によれば、係止
具８の小径軸部８ｂをテープ端の小孔７に挿通したいち
係止穴９の凹部９ａに径方向から案内するだけで、該凹
部９ａの中央の穴部９ｂに係止具８の小径軸部８ｂを容
易確実に圧入嵌合でき、しかも該小径軸部８ｂと穴部９
ｂとの嵌め合い状態を確固たるものにできるから、係止
具８の装着の自動機械化に有利であり、かつ係止具８の
抜止め、つまり係止具８の大径頭部８ａと前記凹部９ａ
との間におけるテープ３の挟着力を十二分に確保できる
。

小径軸部８ｂと穴部９ｂとの抜止め嵌合で該嵌合部に変
形が生じても、この変形が大径頭部８ａや凹部９ａそれ
にリール外周にまで及ぶことは可及的に防止できること
になり、この点からも前述のテープ挾着力を確実なもの
にでき、かつ係止具８の大径頭部８ａを係止穴９の凹部
９ａに空隙や段差を生じることなく密接させることがで
きる。

しかも、係止具８の小径軸部８ｂを磁気テープ３の小孔
７に挿通したのち係止穴９に嵌入するものとしたので、
テープ幅とリール幅とを慎重に合致させる面倒な手間と
規制手段とが不要であり、テープ連結の作業性の向上お
よび自動機械化にも極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る磁気テープカートリッジの一部
を切欠いた全体斜視図、第２図は磁気テープ連結部分の
分解斜視図、第３図は磁気テープ連結部分の横断平面図
、第４図は第３図におけるＡ−Ａ線断面図、第５図は従
来構造例の部分平面図である。 ３・・・・・・磁気テープ１，７・・・・・・小孔、８
・・・・・・係止具、８ａ・・・・・・８の大径頭部、
８ｂ・・・・・・８の小径軸部、８Ｃ・・・・・・周回
突条、９・・・・・・係止穴、９ａ・・・・・・９の凹
曲部、９ｂ・・・・・・９の丸穴部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープ３の端部に小孔７を透設し、該小孔７よりも
   大径の大径頭部８ａと小径軸部８ｂとを有するリベット
   状係止具８を備えており、リール２の外周面一部に、受
   皿状の凹部９ａと該凹９ａの中央にリール中心に向けて
   形成した穴部９ｂとを有する係止穴９を形成してあり、
   係止具８の小径軸部８ｂが磁気テープ３の小孔７に挿通
   して係止穴９の穴部９ｂに径方向から抜止め状に圧入嵌
   着し、この係止具８の嵌着状態において係止穴９の凹部
   ９ａと該凹部９ａに嵌入する係止具８の大径頭部８ａと
   の間で磁気テープ３の端部を挟着するとともに、該大径
   頭部８ａの外周面とり−ル２の外周面とが面一状に連続
   するようにしたことを特徴とする磁気テープカートリッ
   ジ。