JPS5933861B2 - 保持装置を有する時計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、文字盤平面における断面が正方形であるケー
シングと該ケーシングを着脱自在に取り付けるための保
持装置とを有する時計に関する。

このような時計では、時計のケーシングの背部が球形に
形成されていて、半円球状の受容部を有する保持装置に
よって保持されるものが公知である（ドイツ連邦共和国
実用新案第７４３９４２８号明細書）。

この公知の時計では、保持装置と時計のケーシングとが
ねじによって互いに結合されており、該ねじは受容部内
に形成されている長孔を貫通してケーシング内の相応す
るねじ孔で終わる。

ねじをゆるめれば、時計はほば４５°の角度の平面をめ
ぐって旋回され、またねじを締めれば、時計はそれぞれ
の角度位置で保持される。

このような時計において、保持装置内でのケーシングの
支承位置の変更は、工具すなわちねじ回しの助けを借り
なければ不可能であるという欠点を有している。

さらに保持装置内でのケーシングの変更は長孔の延長上
で行なわれるので、単一の運動平面に限定されてしまう
。

その他の公知の時計（ドイツ連邦共和国特許出願公開第
２５３１７４７号明細書）においては、時計は共通の軸
を中心に互いに相対的に旋回可能な２つの部分から成る
保持装置内で保持されている。

このような公知の時計においては、保持装置はざらにケ
ーシングとしての機能も有している。

またこのような時計においては、文字盤の傾斜角が設置
平面に対して変化せしめられる一方、時計は保持兼ケー
シングユニットの覗きガラスを取りはずしてから、文字
盤平面で９００の旋回角度で回転して配置される。

これによって時計の美的なみかけの印象が変えられる。

しかしながらこの時計は設置面に対する文字盤の大きな
位置変化を生せしめるにもかかわらず、この位置変化も
また制限される。

さらにケーシングに対する文字盤の一定の位置変化の際
に時計は部分的に分解され、再び組み立てられなければ
ならず、取り扱いがめんどうになる。

本発明の課題は、これらの欠点を取り除いて、時計を保
持装置のそれぞれの考えられる限りの位置で見やすい使
用位置に設置されるような形式で保持装置と時計とを互
いに種種の相関位置に持たらすことができるような保持
装置を有する時計を提供することである。

その上この課題を実現するために必要な処置は可能な限
り安価であって、その結果保持装置と時計の簡単で、か
つ製造に有利な構造が生じる。

この課題は本発明によれば、保持装置の少なくとも一部
が、前記ケーシングを挾持する２らのばね脚を有する弓
形わん曲部材の形状に形成されており、該ケーシングの
少なくとも側面と前記膜の少なくとも自由端部とに、保
持装置とケニシングとを係止結合せしめるために互いに
係合する成形部を有していることによって解決された。

ケーシングにも弓形わん曲部材のばね脚にも成形部を形
成することによって、ケーシングと弓形わん曲部材のば
ね脚は、互いに種種の相関位置にもたらされる。

それ故、時計ケーシングの断面が正方形であることに基
づいて、時計ケーシングを弓形わん曲部材に対して文字
盤平面内で９００の旋回角度で回転せしめ、時計ケーシ
ングを設置面に対して種種の傾剥位置で、あるいは設置
面に対して同一の傾斜位置において弓形わん曲部材で種
種の旋回位置に配置することができる。

弓形わん曲部材の形態をＵ字形、■字形、７字形、ある
いはＳ字形などにすることによって、設置面若しくは保
持装置の所定の位置に関連するケーシングの位置決めの
ためのさらに別の可能性が生じる。

本発明の特別な利点は、本発明を実現するために必要な
部材が特別に製造費用をかける必要なしに製造可能であ
るということである。

本発明の有利な実施態様によれば、ケーシングの少なく
とも側面に、また弓形わん曲部材のすくなくともばね脚
の自由端部にそれぞれ縦方向及び横方向に延びるリブが
備えられている。

このような成形部は製造技術的に特に簡単である。

本発明の別の有利な実施態様によれば、成形部は半円球
状に形成されている。

半円球状の成形部は、縦方向及び横方向に延びるリブに
よる成形部に対して、ケーシングと保持機構若しくは弓
形わん曲部材との間で特に多くの種種の相関位置の調節
が可能であるという利点を有している。

ケーシングの少なくとも側面に半円球状のおう部を形成
し、また弓形わん曲部材のばね脚の少なくとも自由端部
にとつ部を形成すると特に有利である。

原理上ケーシングの側面に半円球状のとつ部を形成し、
また弓形わん曲部材のはね脚の自由端部に半円球状のお
う部を形成しても良いが、前述の場合の方が時計を保持
装置なしで使用する時に、時計ケーシングをより良くつ
かむことができる。

時計を保持装置なしで使用することは原則として可能で
ある。

さらにケーシングに半円球状のおう部が形成されていれ
ばケーシングのみかけの印象は美的にも有利である。

同様の理由からケーシングの側面だけではなくケーシン
グの裏面にも半円球状のおう部を形成すると良い。

さらに本発明の別な考えによれば、ケーシングの少なく
とも下方側面に、前方角縁の範囲に配置された少なくと
も１つのとつ部が設けられており、該とつ部は弓形わん
曲部材の相応の切欠き、例えば孔内に係合する。

この場合このとつ部は前記半円球状のとつ部あるいは縦
方向及び横方向のリブと同じ大きさに形成されているの
で、時計が保持装置なしで使用され設置面に設置される
とき、ケーシングの傾斜はこのとつ部によって生じ、こ
の形式によって時間をたやすく読み取ることかできる。

良好な安定性を得る目的でケーシング側面の前方角縁範
囲にそれぞれ配置されている２つのとつ部が設けられて
おり、また弓形わん曲部材の各ばね脚には少なくとも２
つの相応の切欠き、有利にはそれぞれ２つの切欠きが形
成されている。

特に美的な理由から、弓形わん曲部材を互いに平行に延
びるばね脚端部を有するＶ字形に形成すると有利である
。

原則的には、前述したような弓形わん曲部材の他の形態
もまた可能であるが、Ｖ字形の弓形わん曲部材は美的に
有利なみかけの印象と共に、弓形わん曲部材とケーシン
グとの特に多くの相関位置を実現可能であるという利点
を有している。

弓形わん曲部材でケーシングを揺れないように取り付け
るために、互いに平行なばね脚端部の幅をケーシングの
奥行きとほぼ同一の大きさに形成すると良い。

さらに同様な理由から、弓形わん曲部材の肌面を設置面
として形成すると良Ｇ）。

本発明の別の考えによれば、保持装置の一部が互いに相
対的に動く２つのクリップ半部を有するクリップの形態
で形成されており、該クリップに弓形わん曲部材が設置
されている。

このような形式によって、時計の使用価値はかなり高め
られる。

つまり、このようにクリップを有する保持装置によれば
、時計は平面的な設置面に関連して使用されるだけでな
く、いづれかの縁部、枠部、棒、柱及びその他の対象物
と連絡して、保持装置、またそれによって時計はこのよ
うな対象物にクリップ止めされる。

時計をこのように使用する場合、もっばら弓形わん曲部
材による美的な組み合わせの印象をクリップの存在によ
って妨げないようにするために、弓形わん曲部材とクリ
ップを着脱自在に互いに結合するようにすると良い、そ
うすることによって、時計は希望に応じて弓形わん曲部
材のみ、あるいは弓形わん曲部材とクリップとの組み合
わせによって使用することができる。

本発明の別の有利な実施態様によれば、クリップは互い
にほぼ軸平行に延びる２つのばね弾は的なりリップ半部
を有している。

このような実施態様は製造技術的に特に簡単でしかも安
価に製造可能である。

しかしながら、クリップの使用範囲は、２つのクリップ
半部の開拡度か比較的小さいために、クリップ止めする
対象物の一定の厚さ内に限られてしまう欠点を有してい
る。

この欠点は本発明のさらに別の実施態様では見られない
。

つまりこの場合、クリップは共通の軸を中心にして旋回
可能、かっばね弾性的な２つのクリップ半部を有してお
り、この２つのクリップ半部のそれぞれ一方の端部はグ
リップに移行している。

この実施形態は、その前に記載した実施形態に比較して
製造が多少有利である構造を有している。

それというのはこの実施形態が一緒に組み立てられる３
つの単一部材から成っているからである。

次に図面に示した実施例について本発明の構成を具体的
に説明する。

時計１はケーシング２より成っており、このケーシング
２内には時計の機械機構及び文字盤機構が取り付けられ
ていて、文字盤機構の範囲はガラス板によって閉鎖され
ている。

ケーシング２は、文字盤平面で正方形な断面を有してお
り、またケーシング２の４つの側面及び図示していない
裏面には半円球状のおう部３が形成されていて、このお
う部３は側方で互いに平行に２列に配置されている。

ケーシング２の下方側面の角縁範囲には、おう部のかわ
りに２つのとつ部４及び５が位置しているので、時計１
をそのままの状態で設置すると、時計１の文字盤６ばや
や上方に向けられる。

時計１のケーシング２は、クリップ８及び弓形わん曲部
材９より成る保持装置７で保持されている。

クリップ８及び弓形わん曲部材９は着脱自在に互いに結
合されている。

この目的で、合成樹脂より成る弓形わん曲部材９にはア
ンダーカット１１を有する環状の附加部１０が成形され
ており、この附加部１０は突出した角縁１３を有する円
形の附加部１２に係止状態で取り付は可能である。

７字形に形成された弓形わん曲部材９の各２つのばね脚
１４，１５は、その自由端部で折り曲げられて、互いに
平行な２つのばね脚端部１６及び１Ｔを形成する。

ケーシング２はこの２つのばね脚端部１６と１１との間
で挾持される。

２つのげね脚端部１６及び１γのケーシング２に隣接す
る側には、それぞれ半円球状のとつ部１８が備えられて
おり、このとつ部１８はケーシング２の側壁の相応に半
円球状のおう部３内に係合する。

ケーシング２に成形されたとつ部４及び５のために、２
つのばね脚端部１６及び１１にそれぞれ２つの孔１９及
び２０が形成されている。

特に第１図で解るように、互いに平行なばね脚端部１６
及び１７の幅は、時計１のケーシング２の奥行きとほぼ
同一の大きさに形成されている。

クリップ８は共通の軸２１を中心にして回転可能な２つ
のクリップ半部２２及び２３から成っており、この２つ
のクリップ半部２２及び２３の一方の端部はそれぞれグ
リップ２４に移行している。

２つのクリップ半部２２及び２３のグリップ２４とは反
対側の端部には、ゴム製突起２５が備えられている。

このゴム製突起２５によってクリップ８のより効果的な
停止が対象物において得られる。

２つのクリップ半部２２及び２３は、クリップ半部２２
及び２３のゴム製突起２５が備えられている部分がばね
力によって互いにぶつかり合うようにコイルげね２６に
よってばね力がかけられている。

このコイルげね２６の２つの端部は、２つのクリップ半
部２２及び２３のそれぞれ一方に固定されている。

２つのクリップ半部２２及び２３は、該クリップ半部に
形成された附加部２７及び２８を用いてコイルはね２６
で支えられている。

クリップ８をこのように構成することによって、２つの
クリップ半部２２及び２３を結合するための附加的な軸
は必要ではないという利点が生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は弓形わん曲部材及びクリップより成る保持装置
を有する時計の側面図、第２図は時計力）らはずされた
弓形わん曲部材と時計の斜視図、第３図は弓形わん曲部
材と時計との種種の相対位置を示した斜視図である。 １・・・・・・時計、２・・・・・・ケーシング、３・
・・・・・おう部、４．５・・・・・・とつ部、６・・
・・・・文字盤、γ・・・・・・保持装置、８・・・・
・・クリップ、９・・・・・・弓形わん曲部材、１０・
・・・・・附加部、１１・・・・・・アンダーカット、
１２・・・・・・附加部、１３・・・・・・角縁、１４
，１５・・・・・・ばね脚、１６，１７・・・・・・ば
ね脚端部、１８・・・・・・とつ部、１９．２０・・・
・・・孔、２１・・・・・・軸、２２ 、２３・・・・
・・クリップ半部、２４・・・・・・グリップ、２５・
・・・・・ゴム製突起、２６・・・・・・コイルばね、
２γ、２８・・・・・・附加部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 文字盤平面における断面が正方形であるケーシング
   と該ケーシングを着脱自在に取り付けるための保持装置
   とを有する時計において、保持装置γの少なくとも一部
   が、前記ケーシング２を挾持する２つのばね脚１４．１
   ５を有する弓形わん曲部材９の形状に形成されており、
   前記ケーシング２の少なくとも側面と前記ばね脚１４，
   １５の少なくとも自由端部１６，１７とが、保持装置γ
   とケーシング２とを係止結合せしめるために互いに係合
   する成形部３，１８を有していることを特徴とする保持
   装置を有する時計。 ２ 成形部３，１８が半円球状に形成されている特許請
   求の範囲第１項記載の時計。 ３ ケーシング２の少なくとも側面に半円球状のおう部
   ３が形成されており、またばね脚１４゜１５の少なくと
   も自由端部１６，１γに半円球状のとつ部１８が形成さ
   れている特許請求の範囲第２項記載の時計。 ４ ケーシング２の少なくとも側面及びばね脚１４．１
   ５の少なくとも自由端部１６，１γにそれぞれ縦方向及
   び横方向に延びるリブが形成されている特許請求の範囲
   第１項記載の時計。 ５ ケーシング２の少なくとも下方側面に、該下方側面
   の前方角縁の範囲に配置された少な（とも１つのとつ部
   ４，５が設けられており、該とつ部４．５は弓形わん曲
   部材９の相応の切欠き１９内に係合する特許請求の範囲
   第１項記載の時計。 ６ それぞれ２つの角縁範囲に配置された２つのとつ部
   ４，５がケーシング２に設けられており、弓形わん曲部
   材９が前記とつ部４，５に相応する２つの切欠き１９．
   ２０を有している特許請求の範囲第５項記載の時計。 ７ ケーシング２の側面及び裏面に成形部３が形成され
   ている特許請求の範囲第１項記載の時計。 ８ 弓形わん曲部材９が互いに平行なばね脚端部１６．
   １７を有する７字形に形成されている特許請求の範囲第
   １項記載の時計。 ９ 弓形わん曲部材９の互いに平行なばね脚端部１６．
   １７の幅がケーシング２の奥行きとほぼ同じ大きさであ
   る特許請求の範囲第８項記載の時計。 １０弓形わん曲部材９のばね脚１４０面が設置面として
   形成されている特許請求の範囲第１項記載の時計。 １１ 保持装置γの一部が、互いに相対的に可動な２つ
   のクリップ半部２２，２３を有するクリップ８の形状に
   形成されており、該クリップ８に弓形わん曲部材９が設
   置される特許請求の範囲第１項記載の時計。 １２弓形わん曲部材９とクリップ８とが着脱自在に互い
   に結合されている特許請求の範囲第１１項記載の時計。 １３ クリップ８が互いにほぼ軸平行に延びるはね弾性
   的な２つのクリップ半部を有している特許請求の範囲第
   １１項記載の時計。 １４ クリップ８が共通の軸２１を中心にして旋回可能
   な、かっばね弾性的な２つのクリップ半部２２．２３を
   有していて、該クリップ半部の一方の端部がクリップ２
   ４に移行している特許請求の範囲第１１項記載の時計。