JPS5931456B2 - 彎曲した板状部材の成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のような車両の成形天井部材等に用いら
れる彎曲した板状部材の成形方法に関する。

従来車両用天井部分は内張シシートをワイヤーで吊つた
所謂吊天井とするのが一般的であつたが、近時成形天井
が見つけられるようになつた。

これらの成形天井部材の基材としては、ガラス繊維を熱
硬化性樹脂で固めて成形したもの、合成樹脂含浸フェル
ト材をプレス加工したものなどがある。第一のものはガ
ラス単繊維を使用しているため成形加工や取付け作業時
にガラス繊維が作業者の皮膚を刺げきし労働安全衛生上
好ましくない。又車両ボデイヘの取付け用穴の穿孔時に
クラックを生じたク、取付け作業時に折損したわするの
を防ぐに必要な剛性を確保するため、材料目付け緻の増
大が必要となつて非常にコスト高になる。第二のものは
材料そのものは第一のものに比較して安価であるが、成
形天井部材としての剛性を確保するためには重くなる欠
点があり、剛性、断熱性、耐水性、吸音性、衝撃吸収性
、軽量性、取付け加工性、成形自由度等の諸特性を同時
に満足させることはできなかつた。本発明はこの問題に
対処するもので、波型芯紙１の片側に熱可塑性樹脂フィ
ルム２を介してライナー紙３を接着してなる片面ライナ
ーダンボール板４の波型側に熱可塑性樹脂フィルム５を
介在させてライナー紙６を重ね合わせ、これを加熱圧縮
成形型間で、波型芯紙１が空所を残して圧縮変形される
まで挟圧すると同時に熱可塑性樹脂フィルム２、５が溶
断しないように加熱して、片面ライナーダンボール板４
の波型側にライナー紙６を接着することを特徴とする。

以下本発明を自動車の天井部材に適用した図示実施例に
ついて説明する。

先ずシュート紙或いはクラ７卜紙などの紙材料よりなる
波型芯紙１の片側に該波型芯紙と同様な紙材料よりなる
ライナー紙３を、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共
重合体、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂フィルム２を介
して接着した片面ライナーダンボール板４を作る。ライ
ナー紙３は予めメラミン樹脂、尿素樹脂、ワックス、ロ
ジンなどの薬剤により防水処理を施すことが好ましい。
次で第１図のように片面ライナーダンボール板４の波型
面上にポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポ
リアミドなどの熱可塑性樹脂フィルム５を介在させてラ
イナー紙６を重ね合わせ、これをフイルム２，５を形成
する熱可塑性樹脂の成形温度近くに加熱した所要の形状
の加熱圧縮成形型７，８間で、片面ライナーダンボール
板４の波型芯紙１の山の高さ以下に加熱圧縮成形すれば
、該波形芯紙、ライナー紙による挟圧部分の熱可塑性樹
脂フイルム２，５が軟化して変形した波形芯紙１′とラ
イナー紙３，６を一体に接着し、第２図に示すような中
空の室をもつた板状部材ができる。

向ライナー紙６の紙材料は片面ライナーダンボール板４
に使われているライナー紙と同じものでよい〜 本発明において波型芯紙１，熱可塑性樹脂フイルム２，
ライナー紙３を予め接着したのは、加熱圧縮成形時に波
型芯紙１が拡がつて成形不能となるのを防ぐためである
。

又熱可塑性樹脂フイルム５，ライナー紙６は予め仮止め
してもよいし、単に重ね合わせただけでもよい。向第１
図は片面ライナーダンボール板４とライナー紙６等とが
単に重ね合わせたものであることを示すため両者を分離
して図示している。本発明の成形方法の最大の特徴とす
るところは力Ｕ熱圧縮成形する際に片面ライナーダンボ
ール板４の波型側に熱可塑性樹脂フイルム５を介在させ
てライナー紙６をセツトすることによジ、曲面絞９加工
を行なう際に片面ライナーダンボール板４の波型芯紙の
動きに制約されることなしにライナー紙６が目由に動く
ようにして、ライナー紙６にしわやき裂などを生ぜず、
外観状態の良好なものが得られるようにしたことである
。

このようにして作られた板状部材Ａに真空成形や圧縮成
形などにより接着剤を介し表皮材９をライナー紙外面に
貼り合わせれば、第３図に示すような成形天井部材１０
を得ることができる。

表皮材９としては不織布、トリコツト、塩化ビニールや
ポリエチレンなどからなるプラスチツクJャCルムの単層
品、或いは該ブラスチツクフイルム単層品にポリウレタ
ンフオームやポリエテレンJャIームなどのプラスチツク
フオームをラミネートした複層品などが使用できる。向
第３図中、１１は自動車のループパネル、１２は該ルー
プパネル１１，成形天井部材１０にウエザーストリツプ
１３を介して取ジ付けられた自動車前面の窓ガラスを示
す。

実施例 ＳＫ−３００ライナー紙にポリエチレンフイルム３５ミ
クロンで波型芯紙ＳＫ−１８０を接着してなる片面ライ
ナーダンボール板の波型側にポリエチレンフイルム５０
ミクロンを介してＳＫ−３０００ライナー紙をセツトし
、これを温度１７０度Ｃに調整した加熱圧縮成形型によ
り加圧力３ａｔｍで１０〜１５秒間圧縮成形した所、ポ
リエチレンフイルムが醇断しないで完全接着された板状
部材を得た。

本発明によれは次のような効果がある。

（１）片面ライナーダンボール板４とライナー紙６が成
形型７，８内で互いに独立して自由に動くことができる
ため、該片面ライナーダンボール板４は波型芯紙の波に
直交する垂直平面内では目由に屈曲し得るから、自動車
の成形天井部材のように自動車の前後方向垂直平面内で
は複雑且つ急激に大きく屈曲させ、しかも他部材への取
付部分の強度を増すなどのために板状部材の厚さを目由
に変えることができ、該目動車の横方向垂直平面内でも
ライナー紙６が片面ライナーダンボール板４の動きに制
約されることなく自由に動くため深絞９成形を行つても
しわやき裂を生ずる恐れがなく、表面が平滑に仕上り、
表皮材を貼着した外観状態も非常に良好となる。

（２）熱可塑性樹脂フイルム２，５が軟化し変形した波
型芯紙１′とライナー紙３，６が一体に接着するから、
板状部材の横方向垂直平面内での曲げ剛性が片面ライナ
ーダンボール板４に比較して著しく増し互いに剥離する
ことがない。（３）内装用板状部材内に多数の中空の室
が形成されるから、軽惜で且つ断熱性、吸音性、衝撃吸
収性が良い。

（４） ライナー紙３，６の背面に熱可塑性樹脂フイル
ムが介在するため耐湿性に富む。

（５）内装用板状部材の自動車等への装備工数を節減し
得る。

（６）材料や製造工数を節減して安価に製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は成形方法を示す要部の縦断側面図、第２図は完
成した成形天井部材要部の縦断側面図、第３図は成形天
井部材の取付け状態を示す自動車前方上部の縦断側面図
である。 ７，８・・・・・・加熱圧縮成形型、９・・・・・・表
皮材、１０・・・・・・成形天井部材、Ａ・・・・・・
板状部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 波型芯紙１の片側に熱可塑性樹脂フィルム２を介し
   てライナー紙３を接着してなる片面ライナーダンボール
   板４の波型側に熱可塑性樹脂フィルム５を介在させてラ
   イナー紙６を重ね合わせ、これを加熱圧縮成形型間で、
   波型芯紙１が空所を残して圧縮変形されるまで挟圧する
   と同時に熱可塑性樹脂フィルム２、５が溶断しないよう
   に加熱して、片面ライナーダンボール板４の波形側にラ
   イナー紙６を接着することを特徴とする彎曲した板状部
   材の成形方法。