JPS5920330Y2 - フイルタプレスにおける圧搾用「ろ」板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、フィルタプレスの炉板の改良に関し、特に
、この考案では、高圧搾に耐えて、その濾過媒体である
炉布を破損せしめることのない圧搾用炉板を提供せんと
するものである。

すなわち、濾過機における脱液度は、一般に濾過圧と時
間との積に関連して上下し、濾過圧を高めても、また、
濾過時間を長くしても脱液度を高めることができる。

この考案は上記両者のうち、濾過圧を高めること、すな
わち、被濾過物質を高圧搾することによつ七、脱液度を
高めて、事後の処理を安価で且つ容易にできる炉板を提
案するものであり、例えば、下水の汚泥であれば、これ
を高圧搾することによって、その脱水ケーキの水分を下
げることによって、事後の運搬経費や焼却のための燃料
費の大巾な削減を図ったものである。

以下、添付の図面に基づいて、この考案を詳述すれば、
先ず、その構成は、濾過面１に凹凸を設けて該凹凸によ
り形成される溝を酒液の取出通路とした形式のフィルタ
プレスの戸板において、上記濾過面１を保護ネット２で
被覆したものである。

更に、この考案に係る圧搾用炉板の各部の詳細について
述べれば、図例の炉板は、濾過面が炉板の両面に形成し
てあり、この濾過面を被覆する保護ネット２は樹脂材で
以て、第２図に示すように形成してあり、これを上記炉
板に取付けるには、これを戸板の下方から当てがって、
その表裏の濾過面１，１を被覆したのち、その側縁部お
よび上縁部を互に結束バンド３で係止している。

尚、第１図において、符号４は原液の供給口、符号５は
酒液の集液部、符号６はろ液の取出口を示し、また、第
２図において附号７は上記酒液の集液部分に当接する保
護ネット２を補強するために貼着した補強布であり、粗
目の２戸布を使用している。

尚、濾過面部分に溜ったケーキを圧搾するには、上記戸
板と交互にダイアフラムを用いるのであるが、その概要
を第３図に示している。

すなわち、第３図において８・・・は炉板、９・・・は
ダイアフラムであり、ケーキを圧搾する場合には、ダイ
アフラム９・・・に注液してこれを膨張させることで、
炉室１０・・・に形成されたケーキを圧搾することがで
き、その酒液は、炉布１１・・・を通して炉板８の濾過
面１に形成された溝およびダイアフラム表面に形成され
た溝を伝って集液部に集まり、前述取出口６から機外に
排出されるようにしである。

尚、第３図において、符号１２は汚泥供給用の給液板で
あり、左右一対の炉布１１に挟持されている。

また、炉布１１．１１は、開板時には上下に走行するよ
うに構成してあり、このとき、給液板１２も炉布と共に
上下動し、その下端部では、左右の炉布１１．１１が炉
板９・・・の下部に設けたローラーに案内されて、左右
に開くように構成しである。

この考案に係る圧搾用済板は上述のように構成してあり
、従って、これを用いて、例えば、下水汚泥を圧搾濾過
するには、供給口４から一対の炉布１１．１１間に汚泥
を圧入沢遇すると共に、次に、ダイアフラム９，９に高
圧水を注入して、これを膨張させれば、汚泥は圧搾され
、その炉液は炉板およびダイアフラム９，９の表面に形
成された溝を流れて、集液部５に集り、取出口６がら機
外に取出される。

そして、濾過圧搾した結果、生じたケーキは、炉室１０
を開いて炉布１１．１１を下方に走行させることで、左
右の炉布１１．１１に挾持された状態で下方に運ばれ、
炉板の下部で左右の炉布１１、１１がローラーの回りを
Ｕターンすることで゛、炉布１１．１１から剥離して落
下し、機外に取出される。

以上の濾過圧搾操作において、この考案に係る圧搾用炉
板では、濾過面を保護ネット２で被覆しであるので、ケ
ーキを高圧で圧搾しても、ｉ炉布１１、１１を損傷させ
ることがなく、含水率を大巾に下げることができる。

すなわち、従来、この種の炉板では、含水率を大巾に下
げんとして高圧で圧搾すると、炉布１１が濾過面１の凹
凸部に押しつけられ、炉布１１が屈曲してしわが生ずる
と共に、炉布１１か凹凸面上を擦り動くことによって損
傷し、早期に使用不能になっていたのであるが、この考
案に係る戸板８によれば、上述のようにダイアフラム９
で以て高搾した場合に、先ず、保護ネット２が濾過面の
凹凸部内に押し込まれ、その溝を塞ぐので、炉布１１が
極端に折り曲ることかなく、また、沢布１１は、硬い凹
凸部に直接触れることなく、軟質の保護ネット２に押し
つけられるもので、擦り傷等を生ずるおそれもなく、高
圧搾に耐えることができるのである。

以上の説明で明らかなように、この考案に係る保護ネッ
ト２は、軟質の炉布１１と硬質の炉板８との間にあって
、緩衝材の役割を果すものであり、濾過性には影響をお
よぼすことはなく、従って、例えば、炉液の多い場合に
は、薄手のものを用いて濾過面における炉液溝を閉塞し
ないようにすればよく、また、ろ液の出が少なく高圧搾
を要する場合には、厚手の強力な保護ネット２を用いれ
ばよく、濾過するものによって、適宜に選択できるもの
である。

尚、前述の実施例において集液部分に、保護ネット２の
他に補強沢布７を用いているが、該集液部分では集液の
ために大きな凹部が形成され、その凹部に炉布１１が押
し込まれて破損するのを防止するためである。

このように、この考案に係る圧搾用済板に依れば、ケー
キに対して高圧搾（一般に、１５ ｋｇ／ｃｍ２以上）
をしても、炉布を損傷させることがなく、高圧脱水が可
能であり、ケーキの含水率を大巾に下げ得るので、投棄
処分や焼却処理等ケーキの事後の処分も極めて借料であ
る。

また、保護ネットも構造簡単で安価である上、容易に取
り換えが可能である等、実用上、得られる利益は著大な
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る圧搾用炉板の斜面図、第２図は
その保護ネットの展開図、第３図は同じく上記炉板の配
列状態を説明するための縦断側面図である。 符号の説明、１・・・・・・沖過面、２・・・・・・保
護ネット、７・・・・・・補強布、８・・・・・・戸板
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 濾過面１に、凹凸を設けて該凹凸により形成される溝を
   、ろ液の取出通路とした型式のフィルタプレスの炉板８
   において、該炉板８の両面にそれぞれ濾過床を形成する
   と共に、この炉板８に合成樹脂材で構成した２つの折状
   の保護ネット２を下方から当てがって、その表裏の濾過
   床を被覆し、その表裏の保護ネット２の上縁部および側
   縁部を炉板８の上部および側部で、互いに連結してなる
   フィルタプレスにおける圧搾用炉板。