JPS5917398B2 - 中性子線遮蔽材料とその製造方法 - Google Patents

中性子線遮蔽材料とその製造方法

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JPS5917398B2
JPS5917398B2 JP5303279A JP5303279A JPS5917398B2 JP S5917398 B2 JPS5917398 B2 JP S5917398B2 JP 5303279 A JP5303279 A JP 5303279A JP 5303279 A JP5303279 A JP 5303279A JP S5917398 B2 JPS5917398 B2 JP S5917398B2
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acid ester
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neutron beam
methacrylate
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慎一 田所
博三 瀬川
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Kyowa Gas Chemical Industry Co Ltd
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Kyowa Gas Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、光学的透明性および機械的強度の優れた中性
子線遮蔽材料およびその製造方法に関するものである。
近年、合成樹脂の用途拡大に伴ない、それらに要請され
る性能に関しても多様化の傾向を強めている。
例えば、透明性の優れた合成樹脂として広い用途を有し
てそるポリメチルメタクリレートを改質する試みとして
、メチルメタクリレートと鉛アクリレートまたはメタク
リレートとをカルボン酸鉛の存在下に特定の割合で共重
合することにより、前記ポリメチルメタクリし一トの透
明性および機械的強度を保持したままで放射線遮蔽性能
を付与することが提案されている(特開昭53−999
6号他)。
しかしながら、この放射線遮蔽材料は、X−線、γ一線
、β一線、α−線等の放射線に対しては充分な遮蔽効果
を示すが、中性子線に対してはその遮蔽効果が十分では
ない。
硼素が中性子線遮蔽能を有することはよく知られており
、従来から、硼素入りガラス、硼素入りポリエチレン等
のような硼素を使用した中性子線遮蔽材料が種々提案さ
れている。
しかしながら、透明性および機械的強度の双方に優れ、
かつ加工が容易な中性子線遮蔽材料は未だ提案されてい
ない〇 一方、硼素化合物を配合してなるポリメチルメタクリレ
ート組成物は公知である(特公昭46−31.847号
および特開昭52−102,362号)。
しかしながら、これらの組成物は、ポリマーに改質剤と
して単に硼素化合物を加えたものであり、その目的とす
るところはポリマーの帯電防止等にあるため、ポリマー
中の硼素含有量は0.05〜0.67重量%であり、か
かる組成物は中性子線を遮蔽する能力をほとんど有して
いない。
硼素化合物を透明樹脂に練込むことにより、あるいは硼
素化合物を含有するモノマーを重合させることにより、
硼素含有合成樹脂を製造することは可能であるが、ポリ
アルキルメタクリレートまたはポリスチレンの特徴であ
る優れた透明性を失うことなく、満足すべき機械的強度
を保ちながら中性子線遮蔽能を付与するためには、添加
する硼素化合物の種類は制約され、添加量には限界があ
る。
また、硼酸エステル類を使用する場合、該エステル類は
水で容易に加水分解されるため、製造時点において透明
性良好な樹脂成形品であっても、空気中の水分によって
徐々に白色半透明、ないし不透明になることが多い。
したがって、本発明の目的は、優れた光学的透明性と機
械的強度を共に備え、かつ高濃度に硼素を含有した中性
子線遮蔽能を有する新規な材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、新規な中性子線遮蔽材料の製造方
法を提供することにある。
これらの目的は、アルキル炭素数1〜4のアルキルメタ
クリレートおよびスチレンよりなる群から選ばれた少な
くとも1種のモノマーを必須成分として含む基体上ツマ
−および分子内に少なくとも2個のアルコール性水酸基
を有する炭素原子数3〜16のポリオールの少なくとも
1種を必須の構成4分として含みかつ該ポリオールによ
り形成される硼酸エステル中の硼素原子に対んる該ポリ
オールのモル比Aが0.6<A<4である硼酸エステル
とを、全モノマー混合物中の硼素含有量B(重量%)を
1≦B<6の範囲内で混合してなるモノマー混合物の重
合生成物よりなる中性子線遮蔽材料により達成される。
本発明において、前記のような特定の硼酸エステルを前
記基体モノマー中において、前記特定範囲内で使用して
得られるモノマー混合物を重合してなる高濃度に硼素を
含有する材料が充分な機械的強度を保持しつつ高度の透
明性を維持し得ることは予期され得なかったことであり
、これにより機械的性質および透明性が共に優れかつ満
足すべき中性子線遮蔽能を有する材料が得られることは
工業的にもまた医学的にも極めて有意義である。
第2図に示されるように、ポリメチルメタクリレート板
は、速中性子を減速することはできるが、その結果生成
する熱中性子の吸収能をほとんど有していない。
このため中性子線遮蔽材料としては十分ではない。
しかし、第1図により、硼素を含有せしめた本発明の材
料は熱中性子線に対しても十分な遮蔽性能を有している
ことがわかる。
本発明において使用されるアルキルメタクリレートとし
ては、炭素数1〜4のアルキル基を有するもので、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロビ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、5ec−ブチルメタクリレート
、tert−ブチルメタクリレート等があるが、メチル
メタクリレートが特に好ましい。
しかして、アルキルメタクリレートおよびスチレンは、
単独または2種以上を混合して基体上ツマ−として使用
される。
硼酸エステルは、分子内に少なくとも2個のアルコール
性水酸基を有する炭素数3〜16のポリオールの硼酸ま
たはメタ硼酸エステル(以下、両者を総称して硼酸エス
テルという。
)であり、該硼酸エステルは前記ポリオールと硼酸また
はメタ硼酸とのテステル化反応、または、前記ポリオー
ルと硼酸の低級アルキルエステルとのエステル交換反応
によって得られる。
該硼酸エステルをエステル化反応によって合成する場合
、反応は、通常のエステル化反応と同様にして行なわれ
、エステル化反応により生成する水を除去して好適に反
応を進行させるために、水と共沸し得る溶媒、例えばト
ルエン中で、常圧又は減圧下に、その溶媒と水との共沸
温度で、共沸脱水しながらエステル化反応を行ない、反
応終了後、前記溶媒を除去分離する。
この場合、メチルメタクリレートのようなアルキルメタ
クリレートを共沸溶媒として使用すれば、エステル化反
応終了後は、アルキルメタクリレートの一部を除去して
濃度調整を行なうだけで、重合に供し得るモノマー混合
物が得られる。
ポリオール分子を構成する原子団としては、少なくとも
2個、好ましくは2〜3個のアルコール性水酸基を有し
、炭素数が3〜16、好ましくは3〜13の脂肪族また
は芳香族炭化水素残基とを必須構成要件とするが、その
他にエーテル基、エステル基、二重結合等を有するポリ
オールも使用できる。
硼酸は、通常3個の水酸基と反応してトリエステルを形
成するが、2個の水酸基との間でジエステルを、また過
剰の水酸基によってたとえば下式で表わされる錯化合物
型のテトラエステル塩を形成することができ、本発明の
硼酸エステルにはもちろんこれらの化合物も包含される
さらに、ポリオールの少なくとも2個の水酸基は、同一
硼酸分子との間でエステル結合を形成する以外に、異な
った硼酸分子との間でもエステル結合を形成することが
可能であり、本発明の硼酸エステルはでれらを区別する
ものではない。
さらにまた、本発明の硼酸エステルには、硼酸のエステ
ル形成能を有する3個の酸基のうちの一部を、モノアル
コールとの間でエステル結合を形成させて得られる部分
エステルの残りの酸基を上記ポリオール分子との間でエ
ステル結合を形成させた硼酸エステル類も含まれる。
この場合、モノアルコールとして、ヒドロキシアルキル
アクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート等の
ごとき二重結合を有するモノアルコールを使用すれば該
二重結合がアルキルアクリレートまたはスチレンとの共
重合に関与するので、硼酸エステルを構成々分として含
有する共重合体が得られる。
本発明で使用される硼酸エステルを構成するポリオール
の炭素数が2の場合は、得られる中性子線遮蔽材料は耐
水性が悪く、白化するために透明性の良好な材料は得ら
れない。
一方、該ポリオールの炭素数が17以上になると硼素原
子の含有量が低下して中性子線遮蔽能が劣り、本発明の
目的を十分に達成することが困難となり、さらには材料
の機械的強度を低下させる原因となる。
また、得られる材料の透明性と機械的強度とを実用的な
範囲内に保つには、硼酸エステル中の硼素原子に対する
ポリオールのモル比Aが0.6<A<4、好ましくは0
.6<A≦2の条件を満すことが必要である。
一方、硼酸エステルの使用量も材料の性質に及ぼす影響
は大きく、全モノマー混合物中の硼素含有量B(重量%
)を1≦B<6とすることが必要であり、好ましくは1
≦B≦4である。
伺故ならば、硼素含有量Bが1重量%未満では中性子線
遮蔽能が十分でなく、6重量%以上では硼酸エステルに
よる可塑化のためにポリマー材料の柔軟性が増大し、つ
いには形態安定性を失う結果になるからである。
代表的なポリオールは、■、2−プロパンジオール、■
、3−プロパンジオール、グリセリン、2〜メチル−1
,2−プ0)々ンジオール、2−メチル−1,3−7’
ロパンジオール、2−メチレン−1,3−プロパンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1.4−ブタンジオール、■−ブテンー3,4−ジ
オール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−
2゜4−ブタンジオール、3−メチル−13−ブタンジ
オール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−メ
チル−1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,4−
ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール
、2−メチル−1−ブテン−3,4−ジオール、2−メ
チル−2−ブテン−1,4−ジオール、1.3−ベンタ
ンジオール、2.2−ジメチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−2−エチル−1,3−7’ロパンジ
オール、3−メチル−1,5−ベンタンジオール、3−
メチル−1,3,5−ペンタントリオール、2.2−ジ
エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−
プロピル−13−プロパンジオール、2−メチル−2,
4−ベンタンジオール、2.4−ジメチル−2,4−ベ
ンタンジオール、2−エチル−1−93−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−2−ブチル−I、3−プロパンジオ
ール、2−エチル−2−プロピル−13−プロパンジオ
ール、2,2.4−トリメチル−1,3−ペンクンジオ
ール、2,4−ジメチル−2,4−ヘキサンジオール、
3−エチル−2−インブチル−1゜3−プロパンジオー
ル、2−エチル−2−(1−ブテニル)−1,3−フロ
パンジオール、2−プロピル−2−ブチル−L、3−フ
ロパンジオール、2.4−ジメチル−2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−ペンチル−2−(1−へブテニル
)−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ドデ
シル−1,3−プロパンジオール、■。
2−ベンタンジオール、■、2−ヘキサンジオール、■
、2−ヘプタンジオール、】、2−オクタンジオール、
1.2−ドデカンジオール、1,2−セタンジオール、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエ
チレンクリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、グリセリンモノアセテート、グリセ
リンモノプロピオネート、グリセリンモノブチレート、
グリセリンモノイソブチレート、グリセリン七ツバレー
ト、グリセリンモノイソバレート、グリセリンモノカプ
リレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモ
ノメタクリレート、グリセリンモノベンゾエート、グリ
セリンモノシンナメート、トリメチロールプロパンモノ
アセテート、トリメチロールプロパンモノプロピオネー
ト、トリメチロールプロパンモノブチレート、トリメチ
ロールプロパンモノイソブチレート、トリメチロールプ
ロパンモノアクリレート、トリメチルプロパンモノメタ
クリレート、トリメチロールプロパンモノベンゾエート
、トリメチロールプロパンモノシンナメート、3−メチ
ル−1,3,5−ペンタントリオールモノアクリレート
、3−メチル−1,3゜5−ベンタンジオールモノメタ
クリレート、3−メチル−135−ペンタントリオール
モノシンナメート、ペンタエリスリトールモノアセテー
ト、ペンタエリスリトールジアセテート、ペンタエリス
リトールモノプロピオネート、ペンタエリスリトールジ
プロピオネート、ペンタエリスリトールモノブチレート
、ペンタエリスリトールジアセテート、ペンタエリスリ
トールモノイソブチレート、ペンタエリスリトールジイ
ソブチレート、ペンタエリスリトールモノバレート、ペ
ンタエリスリトールモノイソバレート、ペンタエリスリ
トールモノカプリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、ペンタエリスリトールジアセテ−ト、ペン
タエリスリトールモノメタクリレート、ペンタエリスリ
トールジメタクリレート、ペンタエリスリトールモノシ
ンナメート、ペンタエリスリトールモノベンゾエート、
■−フェニルエタンー12−ジオール、エチレンクリコ
ールモノグリコレート、エチレングリコールジグリコレ
ート、■、2−プD/々ンジオールモノグリコレート、
■、2−プロパンジオールジグリコレート、1.3−プ
ロパンジオールモノグリコレート、■。
3−プロパンジオールジグリコレート、1,2−プロパ
ンジオールモノラクテート、■ 2−プロパンジオール
ジラクテート、■、3−プロパンジオールモノラクテー
ト、■、3−プO/々ンジオールジラクテート等がある
上記ポリオールのうち、つぎの一般式■ (ただし、式中R1,R2,R3,R6およびR6はそ
れぞれHまたは炭素原子数1〜lOのアルキル基、R4
はHまたは炭素原子数1〜IOのアルキル基またはアル
ケニル基であって、R3とR4は一体となってメチレン
基を表わしていてもよく、かつ全体の炭素原子数は3〜
■3である。
)を有するl 3−グリコールが特に好ましい結果を与
える。
このl 3−グリコールが優れた結果を与える理由は正
確には不明であるが、これは上記l。
3−グリコールが硼酸またはメタ硼酸と反応してポリマ
ー中で安定な硼酸エステルを形成するためと思われる。
また上記式において、R1,R2およびR6がCH3,
R3およびR4がHであり、また、R6がHまたはCH
3である1、3−ジオール、即ち、2−メチル−2,4
−ベンタンジオール及び24−ジメチル−24−ベンタ
ンジオールが最も好ましい。
また硼酸の部分エステルを形成させるために硼酸または
メタ硼酸と反応させるモノアルコールとしては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパツール、イソプロパツー
ル、n−ブタノール、5eC−ブタノール、tert−
ブタノール、■−ペンタノール、■−ヘキサノール、■
−オクタツール、2−エチルヘキサノール、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエ
チレングリコールモノメタクリレート、トリエチレング
リコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリ
レート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、
アリルアルコール、メタアリルアルコール等がある。
本発明における基体上ツマ−としては、前記必須モノマ
ーの他に、本発明により奏される効果に悪影響を及ぼさ
ない範囲で他の重合可能なモノマーを使用することも本
発明の実施態様に含まれる。
か5る重合可能なモノマーとして、ポリマーに固さと形
態安定性を付与するために、エチレングリコール、プロ
ピレングリコールまたは平均重合度が2〜23のポリエ
チレングリコールまたはポリプロピレングリコール、炭
素原子数が3〜32の直鎖状または分岐状ポリメチレン
グリコール等のごときジオールのジアクリレートまたは
ジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン等の架橋
性モノマーを併用することもできる。
本発明による中性子線遮蔽材料は、結果的に前記必須モ
ノマーまたは前記基体モノマーを含有するポリマーない
しコポリマーと硼酸エステルからなるポリマー組成物ま
たは前記必須または基体モノマーと共重合性硼酸エステ
ルとの共重合体が得られる限り、どのような方法で製造
してもよいが、例えば前記モノマー混合物をラジカル重
合開始剤の存在下に鋳型中あるいは押出機中で重合を行
なうのが便利である。
反応は、通常O〜200℃、好ましくは20〜180℃
の温度で行なわれる。
注型板を製造する場合に通常行われるように、20〜1
00℃で前重合を行ない、大部分の七ツマ−をポリマー
に転換させた後、100〜180°Cに温度を上げて、
残存モノマーを更にポリマーに転化させる如くの多段重
合を行なうことも本発明の好ましい実施態様に含まれる
ラジカル重合開始剤は、通常全単量体当り0.001〜
5重量%、好ましくは0.01〜1重量%使用される。
その代表的なものとしては、ラウロイルパーオキサイド
、tere−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ペンゾイルパーオキザイド、ジクミルパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert
−ブチルパーオキシベンゾエート、ジーtert−ブチ
ルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等があ
る。
このようにして生成する中性子線遮蔽材料は、硼酸エス
テルが二重結合を有していない場合には、重合時にこれ
が基体モノマー溶液として存在しているので、生成する
重合体ないし共重合体に前記硼酸エステルが均一に分散
したポリマー組成物であり、一方、硼酸エステルが二重
結合を有している場合には、基体モノマーと共重合性硼
酸エステルとの共重合体である。
以下の実施例におけるすべての部およびパーセンテージ
は、特にことわらない限り重量による。
実施例 1〜22 (硼酸エステル溶液の合成) 61.8部の硼酸、第1表に示す量のポリオールおよび
250部のメチルメタクリレートを反応蒸留装置に供給
し、減圧下に60℃で反応させ、生成した水をメチルメ
タクリレートとともに連続的に共沸除去した。
所定の水が生成した時点で反応を中止し、ついでメチル
メタクリレートを留去する事により硼素含有量を所望の
濃度に調整し、硼素含有量が約2〜6%の硼酸エステル
のメチルメタクリレート溶液(高濃度の場合、冷却時に
結晶の析出が起ることがある。
)を調製した。その結果を第1表に示した。
なお、実施例18〜22は比較のための例である。
実施例 23 (硼酸エステル溶液の調製) 61.8部の硼酸、118部の2−メチル−2゜4−ベ
ンタンジオールおよび250部のメチルメタクリレート
を反応蒸留装置に供給し、減圧下に60’Cで反応させ
、生成した35部の水をメチルメタクリレートとともに
連続的に共沸除去した。
この反応混合物に130部の2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートを加え、さらに生成した18部の水を連続的
に共沸除去したのち、メチルメタクリレートを除去して
硼素含有量が3.0%の硼酸エステル溶液を調製した。
実施例 24 (硼酸エステル溶液の調製) 実施例23において2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トの代りに144部の2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レートを用いた以外は、実施例23と同様の方法を行な
って硼素含有量2.0%の硼酸エステル溶液を調製した
実施例 25 (硼酸エステル溶液の調製) 実施例18において、2−ヒドロキシエチルメタフリレ
ートの代りに58部のアリルアルコールを用いた以外は
、実施例18と同様の方法を行なって硼素含有量3.0
%の硼酸エステル溶液を調製した。
実施例 26〜52 (注型板の製造) 実施例1〜25で合成した硼酸エステルのメチルメタク
リレート溶液に、第2表に示す量の各種ビニルモノマー
を混合したモノマー混合物に、ラジカル重合開始剤とし
てこの混合物100部に対して0.015部のアゾビス
イソブチロニトリルを添加溶解した。
この溶液を2枚のガラス板と塩化ビニル樹脂製ガスケッ
トを用いて20mmの厚みに組んだセル中に注入し、窒
素雰囲気下に80℃で4時間、ついで120℃で2時間
重合を行なった。
このようにして得られた注型板材料の物性を第2表に示
した。
第2表に見るように、本発明による材料は透明性、機械
的強度および中性子線遮蔽能に優れた硼素含有合成樹脂
であることがわかる。
なお、実施例48〜52は比較のための例である。
実施例 53 1C1の252Cfからの核***中性子を線源から16
3mの距離に置いた実施例36と同一の組成を有し且つ
厚さの異なる注型板に垂直に照射し、透過してくる中性
子線を該注形板の後方で線源から239crrLの距離
に置いたBF3カウンターで検出した。
該BF3カウンターは厚さ0,1.4,3および5cr
Ilのポリエチレンで被覆し、それぞれ熱中性子線、1
00〜1.000 eVの中性子線および100KeV
以上の中性子線に感度が最大になるようにした。
該注型板の厚さと透過中性子線量との関係を第1図に示
す。
なお、比較のために、実施例36の注型板の代りにポリ
メチルメタクリレート板を置いた以外は上記と同様の測
定を行ない、第2図の結果を得た。
第1図と第2図とを比較すると、ポリメチルメタクリレ
ート板に比し、実施例36の注型板は中性子線の減衰能
において著しく優れていることが理解される。
なお、第1〜2図において、曲線AおよびEはポリエチ
レン厚み5crrL1曲線BおよびFはポリエチレン厚
み3(11771,曲線CおよびGはポリエチレン厚み
1.4crrL、曲線りおよびHはポリエチレン厚み0
のである。
実施例 54 実施例53と同様の線源からの中性子線を、実施例53
と同様の位置においた25cfrL厚のポリメチルメタ
クリレート板と10crrL厚の実施例36と同一組成
の注型板とを積層した板に垂直に照射した。
この積層板は、線源側にアクリル板がくるような向きに
設置され、該注型板には照射中性子線ビームの軸上でポ
リメチルメタクリレート板との境界面から0crrL1
5CrrLおよび10crIlの位置に6Li Fを素
子とする熱螢光線量計(TLD)が設置されている。
72時間照射後、該TLDを取出して熱中性子線の線量
を測定したところ、ポリメチルメタクリレート板との境
界面から0crrL15CrrLおよび10温に設置さ
れた各TLDが検出した熱中性子線の相対線量は、それ
ぞれ1.9.0XlO”および2.8XIO”であった
この結果より熱中性子線が本発明の注型板中で非常に強
い吸収を受けることが理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による中性子線遮幣材料の厚さと中性
子線減衰との関係を示すグラフであり、第2図は、ポリ
メチルメタクリレート板の厚さと中性子線減衰との関係
を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルキル炭素数1〜4のアルキルメタクリレートお
    よびスチレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    モノマーを必須成分として含む基体上ツマ−および分子
    内に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有する炭素
    原子数3〜16のポリオールの少なくとも1種を必須の
    構成4分として含みかつ該ポリオールにより形成される
    硼酸エステル中の硼酸原子に対する該ポリオールのモル
    比Aが0.6<A<4である硼酸エステルとを、全モノ
    マー混合物中の硼素含有量B(重量%)をl≦B<6の
    範囲内で混合してなるモノマー混合物の重合生成物より
    なる中性子線遮蔽材料。 2 アルキル炭素数1〜4のアルキルメタクリレートお
    よびスチレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    モノマーを必須成分として含む基体モノマーおよび分子
    内に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有する炭素
    原子数3〜16のポリオールの少なくとも1種を必須の
    構成4分とじて含みかつ該ポリオールにより形成される
    硼酸エステル中の硼素原子に対する該ポリオールのモル
    比Aが0.6 <A< 4である硼酸エステルとを、全
    モノマー混合物中の硼素含有量B(重量%)をl≦B<
    6の範囲内で混合してなるモノマー混合物を重合するこ
    とよりなる中性子線遮蔽材料の製造方法。
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