JPS5916092B2 - 内燃機関用のピストン組立体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関用のピストン組立体、詳しくは別体の
頭部および裾部な有するビス、トン組立体に関する。

ピストン裾部が頭部と別体で構成されていてかつ該裾部
が該頭部に揺動可能とされた内燃機関用ピストン組立体
は公知である。

連結棒は公知の態様でピストン内のりストビンに取付け
られる。

ピストン頭部を連結棒両側でリストピンに取付けて、連
結棒とピストン頭部間で揺動運動できるようにする。

リストピンの両端は裾部上のブツシュもしくは支承面に
係合して、裾部と頭部と連結棒との間で回転運動が許容
−されている。

この種の型式のピストンは一体的な頭部および裾部より
成るピストンに勝る種々の利点を有している。

連結棒によリピストン上に加わる側方スラスト力は裾部
のみに加れるにすぎない。

ピストン頭部への側方スラスト力が生じないようになっ
ているから核力に基づく頭部のロッキング作用は減ぜら
れる。

このことは潤滑油消費量、騒音、および摩耗の減少を意
味する。

ピストン頭部は裾部と別体にされてりるから１頭部から
裾部に向い熱が伝導により伝わることはない。

それ故、別体裾部はピストン頭部と一体の裾部に比し低
温度で作動することになる。

このように裾部の温度が低温となると、ピストン裾部と
機関シリンダ間の公差をより精密化できそれ故騒音が減
ぜられるのである。

別体の頭部および裾部な有した上記構造のピストンは高
出力のディーゼル機関に時々使用される。

ディーゼル機関の出力はスーパチャージャの使用により
極めて増加せしめられる。

しかし、スーパチャージャ式のディーゼル機関は、燃焼
ガス圧力が増大す金ことおよびその必然の結果としての
ピストン内に熱が形成されることに基づき、通常のピス
トンに設計上の極限にまで達する応力を及ぼす。

かかる条件下では、リストピンは偏倚し曲ら。んとし、
極端な場合にはリストピンの偏倚はピストン特にその裾
部に鍵割れを生じせしめる。

本発明の目的は、別体の頭部および裾部より成るピスト
ン内のりストビンの偏倚を生じせしめないようにするこ
とにある。

本発明によれば、連結棒と、該連結棒により担持される
リストピンと、該リストピンに係合する支承表面を有す
るピストン頭部と、上記リストピンに係合する支承表面
を有するピストン裾部とを有して成り、これらピストン
頭部と裾部とが上記リストピンの軸線の廻りで相互に揺
動できるようにし、更に上記ピストン頭部の支承部材を
連結棒の直径上対立位置で前記リストピンに係合、させ
るとともに、裾部の支承表面をピストン頭部支承部材の
外部に形成した支承表面と係合させるようにしたピスト
ン組立体が提供される。

本発明の他の目的および利点は、以下の添附図面を参照
とした説明から明らかとなるであろう。

第１〜４図を参照すると、ピストン組立体１０が本発明
の第一の実施例に従って図示される。

このピストン組立体１０はピストン頭部１１と；別体の
ピストン裾部１２と；リストピン１３と；連結棒１４と
より成るものである。

ピストン頭部およびピストン裾部１２は本発明に係る新
規な態様で、即ち頭部１１と裾部１２問および頭部１１
と連結棒１４間で揺動可能にリストピン１３に連結され
る。

ピストン頭部１１、ピストン裾部１２およびリストピン
１３は、ピストン組立体１０がスーパーチャージ式の内
燃機関に使用されたときにも極端な負荷に基づきリスト
ピン１３が少しも撓まないように、相互に連結される。

ピストン頭部１１は適切な金属もしくは合金を単一鋳造
して作る。

ピストン頭部１１のクラウン部１５は内燃機関の燃焼室
等の膨張室の−の壁を形成するよう形づくられていて、
これにより必要な作動特性を得るようにしている。

頭部１１の周囲１６には三個の円周方向溝１７，１８．
１９が穿設されていてここに公知のピストンリンク密封
部材（図示せず）を収容する。

即ち上部の二つの溝１７ 、１８にはコンプレッション
リングを、一方溝１９にはオイルリングを収容する。

ウェブ状支持部２０は内部ピストンクラウン２１の中心
部を横切るようにピストン頭部１１の下方を延びている
。

全体として筒状の軸受部材２２は上記のウェブ状支持部
２０の下方に成形されている。

第２図から明らかなように、ウェブ状支持部２０および
筒状軸受部材２２はピストン頭部１１のほぼ全幅にわた
って延びていて、軸受部材２２の上方にピストン裾部１
２−この外径はピストン頭部１１と同一の外径であるー
のみを収容する室が残されている。

筒状軸受部材２２は内部の支承面２３およびこれと同芯
の外部の支承面２４を有している。

軸受部材２２の下部中心近くにはここを貫通して孔２５
が設けられており、ここを連結棒１４が頭部１１に対し
回動運動可能に通過する。

リストピン１３は全体として筒状であって内部孔２６お
よび外部支承面２７を有している。

リストピン１３の直径は、外部支承面２７が筒状軸受部
材２２の内部支承面２３と協働してリストピン１３が筒
状軸受部材２２内で揺動できるように選ばれる。

連結棒１４は上部フランジ端２８を有しており、かつこ
のフランジ端は軸受部材孔２５内に位置するとともに一
組のポルト２９によりリストピン１３に取付けられる。

リストピン１３の寸法は筒状軸受部材２２より僅か短く
すると好ましく、このようにすると連結棒フランジ２８
と孔２５との間に成る程度の隙間ができ、筒状軸受部材
２２内でリストピン１３の僅かな軸方向移動が可能とな
って、その結果このピストン組立体を使用すべき内燃機
関内でクランク軸して連結棒１４の位置決めを行うこと
が可能とされるようになる。

裾部１２は外部表面３０を有した筒状をなしている。

この面３０は、内燃機関内でシリンダの壁と密に接触す
るよう仕上げられる。

環状の段部３１が裾部１２の内部に形成されていて、こ
こに裾部１２をピストン頭部１１に取付けるべき一組の
スラスト軸受インサート３２を収容する。

環状溝３３が段部３１内に形成されており、この溝３３
に、スラスト受インサート３２をピストン裾部１２内に
保持すべき保持リング３４を収容せしめる。

第３，４図に良く示されるように、スラスト受インサー
ト３２は、裾部１２の内壁内に形成した段部３１に密に
接触するよう湾曲成形した外面３５を有している。

このスラスト軸受インサート３２は、更に、筒状軸受部
材２２の外部支承面２４と協働するよう成形した内部支
持面３６を有しており、これによりピストン裾部１２と
ピストン頭部１１間での揺動運動が許されることになる
。

各スラスト受インサート３２は二個の軸方向の孔３７を
有していて、かつこれらの孔は面３５と３６間で強化ウ
ェブ３８により隔てられており、これによりその重量を
減するとともに冷却油の通過する通路が形成される。

保持リング３４は割りリングの形状をなしていて正常時
ピストン裾部１２内の溝３１の直径より大きな直径を有
している。

保持リングは一組の離れた端部３９を有していて、その
各々は孔４０を有し、ここに、組立時リング３４を圧縮
するための工具を挿入する。

スラスト受インサート３２がスカート溝部３１内に位置
したとき保持リング３４を溝３３内に当てると、スラス
ト軸受インサート３２は筒状裾部１２内で不動となる。

このピストン組立体１０は、先ずピストン頭部１１を上
下逆にして作業面上に置き筒状軸受部材を上に向けて組
立を行う。

次いでリストピン１３を筒状軸受部材２２内に軸方向に
滑べり込ませ、ボルト２９を受けるためのねじ付札４１
を孔２５に整列させる。

そして裾部保持リング３４を筒状部材２２の廻りのピス
トン上に置く。

この後スラスト受インサート３２を、その内部支承面３
６を筒状軸受部材２２の外部支承面２４の対向側に対立
させて位置せしめる。

このとき裾部１２を、スラスト受インサート３２が段部
３１内に入るようにして、組立体内に滑り込ませる。

それから工具を、スラスト受インサート３２．内の孔３
７に挿入して保持リング端３９内の孔４０に係合せる。

このとき、例えばニードルノーズプライヤ等の該工具に
より保持リングを圧縮して該リング３４を溝３３内に滑
り込ませる。

最後に、ボルト２９をフランジ２Ｂを通しかつこれをね
じ切りしたリストビン孔４１にねじ込むことにより連結
棒１４をリストピン１３に取付ける。

これによりピストン組立体１０の組付作業が完了する。

作動時エンジンクランク軸が連結棒１４をＰリストピン
１３の中心線の廻りで揺動せしめると、ピストン組立体
１０はシリンダ内で上下運動する。

圧縮および燃焼サイクルにおける垂直力はピストン頭部
１１に加わり、一方この力の側方スラスト成分はスラス
ト受インサート３２を経てピストン裾部１２に加わる。

というのはピストン頭部１１およびピストン裾部１２は
相互に揺動できるよう自由となっているからである。

上記の側方スラスト成分はピストン頭部に加わらないか
ら、ピストン頭部１１は直線方向に動きロッキングしよ
うとしない。

それ故、潤滑油の消費および騒音は減するのである。

ピストン頭部の支承面は、連結棒に直径的に向い合う位
置でリストピンに全長にわたって係合するから、ピスト
ン頭部によりリストピン上に加わる力はリストピンを可
撓的に曲げようとする如何なる力をも実質的に除くこと
に対する圧縮力として、連結棒に直接伝達される。

ピストン組立体１０に潤滑、冷却油を供給するための手
段が設けられる。

即ち圧力下の油はエンジンクランクを経て連結棒１４の
上に延びる通路４２に供給される。

この通路４２はリストピン１３内の半径方向通路４３を
経てリストビン孔２゛６の内部に結合される。

リストビン孔２６の端は蓋４４により閉じられている。

内部リストピン孔２６から、潤滑油はリストピン１３の
一組の半径方向通路４５を介して上方にピストン頭部１
１内の通路４６に向う。

゛この通路４６はピストン頭部１１内の通路４７に結合
していてリストピン１３の潤滑を行うとともに、一組の
通路４８に結合されてピストンの内部クラウン２１内に
潤滑油を飛散せしめる。

通路４６および４７は内部支承面２３上に形成した円周
方向部分溝４６ａおよび４６ｂで終端していて、これに
よりリストピン１３が頭部１１に対し回転するときこれ
らの部品１１と１３内の通路間の連通を保障している。

通路４８から飛散された潤滑油の一部は、ピストン頭部
１１を介しリング溝１９内のオイルリングに半径方向に
導びかれる通路４９に入って、エンジンのシリンダ壁を
油滑する。

残った潤滑油は内部ピストンクラウン２１上に流れピス
トン頭部１１を冷却する。

内部ピストンクラウン２１から潤滑油はスラスト受イン
サート３２内の孔３７、および該インサート３２の端部
５０の廻りを下方に流れ、エンジンの潤滑油溜めに戻る
。

該潤滑油溜めから、エンジンは潤滑油をクーラーを経て
押出しピストン組立体１１内の各通路およびエンジン内
の他の潤滑領域に戻す。

ピストン頭部の冷却は、筒状軸受部材２２とリストピン
１３との間の接触が良好とされているためピストン頭部
１１からクーラ一連結棒１４への熱の伝導が容易化され
ていることに基づいても向上されている。

次に第５，６図を参照すると、ここには本発明の変形例
に係るピストン組立体６０が示される。

このピストン組立体６０はピストン頭部６１、ピストン
裾部６２および連結棒６３を有する。

ピストン頭部６１は第１〜３図に係るピストン頭部と類
似している。

ピストン頭部６１は、エンジン内の燃焼室の一部を形成
するクラウン６４、エンジン内のシリンダ壁と係合する
外周６５、およびウェブ状支持部６Ｔを介し内部ピスト
ンクラウン６８に取付けられる筒状軸受部材６６とを有
す。

筒状軸受部材６６は、連結棒６３と係合するための内部
支承表面６９および裾部６２係合するための外部支承表
面７０を有している。

これら内部および外部の表面６９．７０は、支承部材６
６の全長を延びるスロットを限定する下縁部７１で終端
している。

最初の実施例と異り連結棒６３は単体金属から一体式の
りストピン型軸受７２として鋳造される。

軸受７２は水平軸線を備えた全体として筒状をなし、か
つ連結棒６３の重量を減するため内部量ロア３を有して
いる。

軸受７２は、ピストン頭部軸受部材６６の内部支承表面
６９内で回転する軸受を構成する。

スカート６２は外部表面７４および内部軸受表面７５を
有した単体金属から作られる。

表面７４はエンジン内のシリンダの側壁と密に接するよ
うになっており、一方表面Ｔ５はピストン頭部軸受部材
６６の外部支承表面７０と接触するようになっている。

支承表面７５は裾部６２のほぼ全幅を横切ってかつ孔７
６を介して内部表面７４まで延びるようになっている。

孔７６の寸法および形状はピストン頭部６１の軸受部材
６６およびウェブ支持体６１が通過できるようなものと
する。

強化ウェブ７７が、前記の支承面７５を形成するピスト
ン裾部６２の内壁部７８と、前記の外表面７４を形成す
る外壁部７９との間に設けられる。

ウェブＴ７は、極端な側方スラスト力の基で内壁部７８
が撓むのを防ぐ。

ピストン頭部６１の冷却のためピストン組立体６０内に
潤滑油通路を設ける。

潤滑油は通路８０を介し連結棒６３内に、管８１を介し
通路８２および一組の通路８３内に押出され、ここで内
部ピストンクラウン６Ｂおよびウェブ６７により限定さ
れる領域に飛散される。

通路８３から撒き散らされた潤滑油の一部は通路８４を
介し溝８５−ここにオイルリング（図示せず）が収容さ
れる−に入って、ピストン組立体が動くシリンダの側壁
を潤滑する。

潤滑油の残りはピストン裾部６２を介して流下しエンジ
ン内の油溜めに戻る。

このピストン組立体は、はじめ、管８１を連結棒軸受７
２内の孔８６に置くことによって組立てられる。

このとき連結棒７２は裾部６２の底に挿入され内部裾部
支承表面７５間で芯出しされる。

最後に、ピストン頭部６１上の筒状軸受部材６６が裾部
の孔７６を介して内部裾部支承表面Ｔ５と連結棒軸受７
２との間の空間内に軸方向において滑べり込まされる。

これにより組付けが完了である。

以上本発明の二つの特定の実施例について説明したが他
の多くの変形が可能である。

これらの変形により、ピストン頭部とりストピンとの間
（もしくは軸受が連結棒の一体部として作られていると
きは連結棒の一端との間）に大きなかつ均一な支承表面
を提供することができるし、ピストン頭部と、別のピス
トン裾部との間に強くかつ均一な支承面を形成してリス
トピンもしくは連結棒を曲げることなく側方スラスト力
を分布させることができる。

ピストン頭部と、リストピンおよびピストン裾部との間
の支承表面を大きく形成したので。

これらの表面の摩耗を最小限に抑えることができる。

上記ピストン組立体は内燃機関に応用された場合を説明
したが、これに限らず例えば高圧コンプレッサ等の他の
膨張室にも使用しえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第一実施例に従って構成されたピス
トン、リストピン、および連結棒の垂直断面図；第２図
は第１図から９０度回転して示す垂直断面図；第３図は
第１図の各構成部品を分解して示す側面図（一部は断面
で示す）；第４図はスラスト受インサートを備えた第１
図のピストン裾部を示す上面図（一部は破断して示す）
；第５図は本発明の第二の実施例に係るピストン、連結
棒の垂直断面図；第６図は第５図から９０度回転した位
置での垂直断面図。 １０・・・ピストン組立体、１１・・・ピストン頭部、
１２・・・ピストン裾部、１４・・・連結棒、２２．６
６・・・ピストン頭部支承部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連結棒と、該連結棒により担持されるとともに両端
   に向って横に延びるリストピンと、該リストピンに係合
   する支承表面を有するピストン頭部とを備えた内燃機関
   のピストン組立体において；上記ピストン頭部の支承部
   材を連結棒に対する直径上対立位置で全長にわたって前
   記リストピンに係合させるとともに、ピストン裾部な上
   記ピストン頭部の支承部材のみによって支持させ、かつ
   該裾部の支承表面を、上記ピストン頭部支承部材の外部
   に形成した支承表面と係合させる之ともに上記リストピ
   ンの長さと実質的に同一長きに形成したことを特徴とす
   るピストン組立体。