JPS59100251A

JPS59100251A - ろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金

Info

Publication number: JPS59100251A
Application number: JP57210508A
Authority: JP
Inventors: Shoji Umibe; 海部　昌治; Atsushi Takigawa; 淳瀧川; Hideo Fujimoto; 日出男藤本; Tomohiro Nishimura; 友宏西村; Masao Takemoto; 竹本　政男
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1982-11-30
Filing date: 1982-11-30
Publication date: 1984-06-09
Also published as: JPS6055586B2; US4788037A

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】本発明はろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金に関し、
さらに詳しくは、ろう付後においても高強度を保持し、
かつ、耐食性に優れたろう付用高強度耐蝕アルミニウム
合金に関するものである。

アルミニウムまたはアルミニウム合金のろう付は、自動
車用熱交換器を主な対象として広く行なわれており、そ
の材料として、カーエアコン、コンデンサー、エバポレ
ーターおよびエンジン用オイルクーラーに、１０００系
、３０００系のアルミニウム材料が使用されている。

しかし、最近になって、ラジエータへのアルミニウム合
金の使用が増大してきており、そして、高強度が要求さ
れるため、３０００系においてもＡｌ−Ｍｕ−Ｍｇ系合
金か或いは６０００系の合金が使用されている。

特に６０００系合金は時効性のアルミニウム合金であり
、高強度ろう付用合金として６９５１合金はＪＩＳ規格
にブレージングシート用芯材として規格化されていて、
主としてラジエーター用ヘッダー材料として使用されて
いる。

しかしながら、この６９５１合金は、ろう材の浸食を受
け易く、また、耐食性においても同程度の強度レベルの
合金中においては比較的良好ではあるか、未だ充分満足
できる性能にはほど遠いのである。

さらに、自動車熱交換器等においては、軽量化、コンパ
クト化を図るために材料を薄肉化する要請が強く、ろう
付用材料として、高強度、かつ、優れた耐食性を有する
アルミニウム合金が切に要望されているのである。

本発明は上記に説明した現在ろう付用アルミニウム合金
として使用されている６９５１合金の種々の問題点に鑑
み、この６９５１合金より強度が高く、かつ、耐蝕性を
大幅に改善したろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金を
を提供するものである。

本発明に係るろう付用高強度アルミニウム合金は、（１
）Ｃｕ０．３〜２．０重量％、Ｍｇ０．１〜０．４重量
％、Ｓｉ０．１〜１．０重量％を含有し、、残部Ａｌお
よび不純物からなり、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が１以上で
あることを特徴とするろう付用品強度耐蝕アルミニウム
合金を第１の発明とし、（２）Ｃｕ０．３〜２．０重量
％、Ｍｇ０．１〜０．４重量％、Ｓｉ０．１〜１．０重
量％を含有し、さらに、Ｚｒ０．０５〜０．５重量％、
Ｃｒ０．０５〜０．５重量％、Ｍｕ０．０５〜０．５重
量％の内から選んだ１種または２種を含有し、残部Ａｌ
および不純物からなり、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が１以上
であることを特徴とするろう付用高強度耐蝕アルミニウ
ム合金を第２の発明とし、（３）Ｃｕ０．３〜２．０重
量％、Ｍｇ０．１〜０．４重量％、Ｓｉ０．１〜１．０
重量％、Ｎｉ０．０５〜０．５重量％を含有し、残部Ａ
ｌおよび不純物からなり、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が１以
上であることを特徴とするろう付用高強度耐蝕アルミニ
ウム合金を第３の発明とし、（４）Ｃｕ０．３〜２．０
重量％、Ｍｇ０．１〜０．４重量％、Ｓｉ０．１〜１．
０重量％、Ｎｉ０．０５〜０．５重量％を含有し、さら
に、Ｚｒ０．０５〜０．５重量％、Ｃｒ０．０５〜０．
５重量％、Ｍｎ０．０５〜０．５重量％の内から選んだ
１種または２種を含有し、残部Ａｌおよび不純物からな
り、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が１以上であることを特徴と
するろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金を第４の発明
とする４つの発明よりなるものである。

本発明に係るろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金の、
含有成分と成分割合について説明する。

Ｃｕはアルミニウム合金の強度を向上させる元素である
ことはよく知られているが、耐食性を著しく阻害すると
考えられていた。しかし、本発明者の実験の結果によれ
ばろう付時の加熱により耐蝕性劣化を抑制できることが
わかり、さらに、Ｃｕは電位を貴に移行させ通常のアル
ミニウム合金と組合せて用いると陰極防食効果が得られ
る。従って、ＣｕがＭｇ、Ｓｉと共存含有されている場
合にはＣｕ含有量が２．０重量％を越えるとろう付時の
加熱による耐食性の劣化を防止できず、また、含有量が
０．３重量％未満では電位を貴に移行させることができ
ず、かつ、強度向上に寄与しなくなる。

よって、Ｃｕ含有量は０．３〜２．０重量％とする。

例えば、ラジエーターにおいて、チューブ、ヘッダブレ
ート、タンク等のクーラント通路の主部材にＣｕ含有ア
ルミニウム合金を用い、フィン等の副部材に純アルミニ
ウム、３０００系、６０００系等の通常のアルミニウム
合金を用いた組合せでは、Ｃｕ含有アルミニウム合金の
電位が貴となるので、フィン等か犠牲陽極となり、Ｃｕ
含有アルミニウム合金の腐蝕が抑制されるのである。

ＭｇはＳｉと金属間化合物ＭｇＳｉを生成して時効効果
性を付与する元素であり、６０００系合金の主成分とし
て知られているが、多量に含有されるとろう付時のろう
付性が悪く、ろう材の侵蝕を受け易く、さらに耐食性が
低下するので、含有量は０．４重量％を越えて含有させ
ず、また、０．１重量％未満では時効効果による強度向
上が得られない。

よって、Ｍｇ含有量は０．１〜０．４重量％とする。望
ましくはＭｇ０．４〜０．３５重量％である。

ＳｉはＭｇと金属管化合物Ｍｇ２Ｓｉを生成して時効効
果性を付与する元素であり、Ｍｇと同様に６０００系合
金の主成分として知られているが、このＳｉはＭｇとは
異なりろう付時のろう付性、ろう材の侵蝕、耐食性の低
下の度合いは非常に小さく、かつ、Ｍｇ２Ｓｉの金属管
化合物を形成するＭｇとＳｉとの重量比よりＳｉを過剰
とすることにより時効の際の強度を向上させることがで
きるが、含有量が１．０重量％を越えるような多量とな
るとろう付時のろう材の侵蝕、ろう付性、耐食性が低下
するのを抑制することができず、また、耐食性が低下す
０．１重量％未満では時効効果による強度向上が得られ
ない。よって、Ｓｉ含有量は０．１〜１．０重量％とす
る。

Ｓｉ／Ｍｇの重量％を１以上とするのは、Ｍｇが過剰と
なるとろう付時のろう材の侵蝕、ろう付性、耐食性を著
しく低下させるので、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比をＭｇ２Ｓ
ｉ金属間化合物組成より高くし（通常はＭｇ２ＳｉのＳ
ｉ／Ｍｇは０．５８である。）、即ち、１以上として上
記の種々の問題点を除くもので、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比
は望ましくは１．２５以上、より好ましくは１．３以上
にＳｉを過剰に含有させることはより耐食性が向上する
のである。

Ｚｒはアルミニウムと金属間化合物ＺｒＡｌ３を形成し
て微細に分布しサブグレインを強化して再結晶を抑制す
る作用があり、圧延、押出等の加工により繊維状組織と
なり、ろう付時の加熱を受けても結晶粒は等軸品となら
ず加工方向に伸びた扁平粒となって、ろう材の侵食が抑
制され、かつ、粒界腐蝕感受性が改善されるが、含有量
が０．０５重量％未満では、このような効果は期待でき
す、また、０．５重量％を越えて含有されると巨大晶出
物を生成して加工性を低下させる。よって、Ｚｒ含有量
は０．０５〜０．５重量％とする。

Ｃｒ、ＭｎはＺｒと同様にサブグレインを強化し再結晶
を抑制する作用があり、さらに、絞り加工性を高める効
果があるが、含有量が０．０５重量％未満ではこのよう
な効果が期待できず、また、０．５重量％を越えて含有
されると粗大な金属間化合物を生じて加工性が低下し、
かつ、粒界腐蝕感受性が逆に低下するようになる。よっ
て、Ｃｒ、Ｍｎ含有量はそれぞれ０．０５〜０．５重量
％とする。

Ｎｉは強度向上に寄与する元素であり、さらに、電位を
貴な方向に移行させる作用があるが、含有量が０．０５
重量％未満ではこの効果が少なく、また、０．５重量％
を越えて含有されるとろう付時におけるろう材の侵食が
増大するようになる。よって、Ｎｉ含有量は０．０５〜
０．５重量％とする。

本発明に係るろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金は上
記の含有成分および成分割合であり、このアルミニウム
合金に適用するろう材（ブレージングシートの皮材等）
として、Ｓｉを含むアルミニウム合金が使用できる。即
ち、１）真空ろう付法Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ系合金、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｂｉ系合
金２）フラックスろう付法Ａｌ−Ｓｉ系合金３）雰囲気ろう付法Ａｌ−Ｓｉ−Ｂｉ系合金等があり、使用するろう付法によりろう材を選択すれば
よく、Ｓｉ含有量も対象合金、用途により主に７〜１２
重量％のものが使用される。

従って、本発明に係るろう付用高強度耐蝕アルミニウム
合金において使用するろう材は、Ｓｉを含むアルミニウ
ム合金とするのがよい。そしてこのろう材は皮材として
アルミニウム合金の両面或いは片面にクラッドされて使
用される。

本発明に係るろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金はア
ルミニウム合金ブレージングシートの芯材として、また
、単体として何れにも充分使用することができるもので
ある。

次に本発明に係るろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金
の実施例を比較例と共に説明する。

実施例第１表に示す含有成分と成分割合のアルミニウム合金を
通常の溶整法により作って試料を作成した。Ｎｏ．１〜
９は本発明に係るろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金
（単に本発明合金ということがある。）Ｎｏ．１０〜１
４は比較合金、Ｎｏ．１５はＪＩＳ６９５１合金、Ｎｏ
．１６はＪＩＳ３００３合金である。

この第１表の各合金を使用し、合金単体およびＡｌ−１
０Ｓｉ−１．５Ｍｇ合金よりなるろう材を片面に１０％
クラッドしたブレージングシートの夫々１．２ｍｍ厚の
材料を作成した。

１）、ろう付加熱後の機械的性質上記の単体材料を、５×１０−５Ｔｏｒｒ真空中、５９
５℃×２分間加熱後、２７℃／分の冷却速度で室温まで
冷却した。次にこの供試料よりＪＩＳ５号試験片を作成
して引張試験を行なった。その結果を第２表に示す。

２）、ろう付時のろう材の芯材への侵蝕量上記のブレー
ジングシート１およびＡ３００３−２１材２を第１図（
ａ）のように、逆Ｔ字型に組合わせ、５×１０−５Ｔｏ
ｒｒ真空中、５９５℃×２分間のろう付を行なった後、
第１図（ｂ）（ｃ）に示すようにろう材３の芯材４への
浸蝕量を金属顕微鏡により測定し、その結果を第３表に
示す。

３）、１）項で得た材料を供試材とし、０．５ＮＮａＣ
ｌ、２０℃、待機開放の液中で飽和カロメル電極を照合
極として自然電位の測定を行なった、その結束を第１表
に示す（ＭＶｖｓＳＣＥ）。

４）、２）項で得た材料を供試材とし、ＪＩＳ　Ｈ８６
８１に準ずるＣＡＳＳ試験を行ない１０００時間後の最
大浸蝕深さを測定した。その結果を第５表に示す。

この実施例から明らかであるが、本発明に係るろう付用
高強度耐蝕アルミニウム合金は、１）ＪＩＳ６９５１合
金より優れたろう付後強度を有する。

２）ろう付時のろう材の芯材への侵蝕が小さくろう付特
性に優れる。

３）耐食性はＪＩＳ６９５１合金に較べて大幅に改善さ
れる。

というろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金として優れ
た性能を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はろう付時のろう材の芯材への侵食量を測るため
の材料の組合せた側面図と一部拡大図である。Ｉ・・・供試材、２・・・組合せ材、３・・・ろう材、
４・・・芯材、１・・・侵蝕深さ。、？　Ｉ　　Ｈ

Claims

【特許請求の範囲】

（１）Ｃｕ０．３〜２．０重量％、Ｍｇ０．１〜０．４
重量％、Ｓｉ０．１〜１．０重量％を含有し、残部Ａｌ
および不純物からなり、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が１以上
であることを特徴とするろう付用高強度耐蝕アルミニウ
ム合金。
（２）Ｃｕ０．３〜２．０重量％、Ｍｇ０．１〜０．４
重量％、Ｓｉ０．１〜１．０重量％を含有し、さらに、
Ｚｒ０．０５〜０．５重量％、Ｃｒ０．０５〜０．５重
量％、Ｍｎ０．０５〜０．５重量％の内から選んだ１種
または２種を含有し、残部Ａｌおよび不純物からなり、
Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が１以上であることを特徴とする
ろう付用高強度耐蝕アルミニウム合金。
（３）Ｃｕ０．３〜２．０重量％、Ｍｇ０．１〜０．４
重量％Ｓｉ０．１〜１．０重量％、Ｎｉ０．０５〜０．
５重量％を含有し、残部Ａｌおよび不純物からなり、Ｓ
ｉ／Ｍｇの重量％比が１以上であることを特徴とするろ
う付用高強度耐蝕アルミニウム合金。
（４）Ｃｕ０．３〜２．０重量％、Ｍｇ０．１〜０．４
重量％、Ｓｉ０．１〜１．０重量％、Ｎｉ０．０５〜０
．５重量％を含有し、さらに、Ｚｒ０．０５〜０．５重
量％、Ｃｒ０．０５〜０．５重量％、Ｍｎ０．０５−０
．５重量％の内から選んだ１種または２種を含有し、残
部Ａｌおよび不純物からなり、Ｓｉ／Ｍｇの重量％比が
１以上であることを特徴とするろう付用高強度耐蝕アル
ミニウム合金。