JPS589526Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンパクト容器の改良に係り、更に詳しくは蝶
番によって蓋体を容器に開閉自在に結合し、蓋体を閉じ
た時に蓋体の第１突片と容器の第２突片との保合によっ
て蓋体が容器に対して閉止位置を占める合成樹脂製コン
パクト容器の開閉機構の改良に関するものである。

従来提供されている上記のタイプのコンパクト容器では
、蓋体のフック状第１突片と容器の第２突片の形状及び
突出量が正確に所定のものに設定されなければならず、
もしもそうでない場合には両者の保合が弱くコンパクト
容器が不必要なときに開いてしまうとか或いはまた両者
の保合が強く開放のために大きな力を要し使用者にとっ
て不便なものとなる。

このためコンパクト容器の成形に当ってはこの保合部に
最大級の注意が払われているが、これにもかかわらずこ
の保合不良のため返品となるものが多く大きな問題とな
っていた。

また、上記のような問題を解決するために、実開昭５５
−１５３００５公報に示されているように、上面にテー
パーを有するスライド部材を容器のスライド孔内に摺動
自在に嵌挿し、スライド部材を内方に押圧するとこのテ
ーパー面が蓋体を上方に押圧して前記の第１突片と第２
突片との保合を解除するようにしたものが、本願出願人
によって既に提供されている。

しかしながら、このスライド部材を用いたものは蓋体及
び容器を成形するのとは別にスライド部材の成形及び組
立を要し、未だ製造コストの面から改良の余地が残され
ていたのである。

本願考案は上記のような従来の問題点に着目してなされ
たもので、その目的はスライド部材等を容器または蓋体
と別個に形成したりまた組立てる作業を不要とし、蓋体
または容器の成形と同時に開閉機構が成形され、極めて
製造容易にして低コストでしかもワンタッチ操作で蓋体
を容器から確実に開放することのできるコンパクト容器
を提供するにある。

以下に本考案の好適な実施例に係るコンパクト容器につ
いて添附図面を参照にして説明する。

第１図乃至第４図に示された本考案の第１実施例に係る
コンパクト容器において、符号１は合成樹脂製の容器を
示し、これはその後端縁において蝶番２によって合成樹
脂製の蓋体３と開閉自在に連結されている。

蓋体３の前端縁の中央部には爪片４が下方に突出して一
体的に形成され、この爪片４の内壁面にフック状の第１
の突片５が一体的に形成されている。

この爪片４の位置に対応して容器１の前端縁に凹所６が
形成され、凹所６の奥面には第２の突片７が一体的に設
けられており、蓋体３を閉しると第１の突片５が第２の
突片７とパチンという音とともに係合して閉止位置を占
める。

また、容器１の両側中央部には各々その外周端部から内
方に向は平行に延長する一対のスリット８−８が設けら
れ、このスリット間には下端９が容器と一体的に結合さ
れ上端１０が自由端となり、またこの上下端の中間部１
１が容器の側部凹所面１２から空間１３を介して分離し
た弾性部片１４が容器と一体的に形成されてなる。

この各弾性部片１４は下端９を支点として内方へ可撓性
を有しており、その外面を内方へ向けて押圧されるとそ
の上方自由端１０が円弧を描きながら内方へ移動するの
である。

好ましくは、この弾性部片１４の上端１０を外側から内
側へ向けて下方へ傾斜させることである。

上記の弾性部片１４−１４の位置に対応して、蓋体３の
両側中央部下面にはテーパー面１５−１５が形成されて
いる。

この各テーパー面１５は閉止位置において外側から内側
に向けて下方に傾斜し、弾性部片１４の上端傾斜面と当
接するような位置関係となっている。

尚、図中符号１６は鏡また１７は化粧料収納用凹所を示
すものである。

上記のような構成に係るコンパクト容器の閉止位置にお
いて、この蓋体３を開けるには、このコンパクト容器を
片方の手の掌に載せて例えば親指を一方の弾性部片１４
の外面に当て中指を他方の弾性部片１４の外面に当てて
これらの指で両弾性部片１４−１４を内方へ向けて押圧
してやればよい。

即ち、このような押圧によって各弾性部片１４の上端１
０はその下方支点９を中心として内方に円弧を描くよう
に移動するので、蓋体３のテーパー面１５によってこの
蓋体３を押し上げるような力が働いて前記蓋体３の第１
突片５と容器１の第２突片７との保合が解除され、蓋体
３が一部開くのである。

その後は、自由に蓋体を開けて所望の角度にセットする
ことができる。

上記の本考案に係るコンパクト容器の第１実施例では、
弾性片１４−１４を容器１の両側中央部に設けたが、本
考案はこれに限られるものでなく、例えば第５図及び第
６図に示す第２実施例のように、弾性部片１４ ａを容
器の前端縁中央部にただ１個設けるようにしても良い。

この第２実施例においては、弾性部片１４ ａを区画す
るスリツ）８ａ−８ａ間の凹所の奥面に突片７が形成さ
れ、閉止位置において蓋体３の爪片４がこの奥面と弾性
部片１４ａとの間に挿入され爪片４の突片５が前記突片
７と係合するようになっている。

この弾性部片１４ ａの構成自体は第１実施例の場合と
同様で、この弾性部片を内方へ押圧するとその上端が内
方へ移動し、蓋体３の爪片４の外１則チー六−面４ａに
作用してこれを押し上げ、上記両突片５，７の係合を解
除して蓋体を一部開けるのである。

また、図示するを省略したが、上記の実施例以外に上記
実施例における容器と蓋体との位置関係を逆転し、蓋体
に前記実施例同様の弾性部片を一体的に形成することも
できる。

以上のように本考案のコンパクト容器では蓋体または容
器の成形特にこれと一体的に弾性部片を形成することが
できるので、従来のスライド部材のように特別の部品を
別個に成形する必要がなく、製造簡単にしてまた組立等
の作業が不要となり、大幅にコストダウンを計ることが
できる。

更に、この弾性部片はこれに加えられていた押圧力を解
除するともとの位置に自動的に復帰するため、使用上都
合が良いものである。

また、特に弾性部片を容器の両側部にそれぞれ形成した
場合には、コンパクト容器を通常の使用状態で掌に載せ
たまた片手操作で蓋体の開放を行うことができ、極めて
便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の第１実施例に係るコンパクト
容器を示し、第１図は開放位置における斜視図、第２図
は閉止位置における中央横断面図、第３図は第２図のＩ
ＩＩ−ＩＩＩ線における部分断面図、第４図は弾性部材
を内方に押圧して蓋体を一部開放した状態を示す第２図
同様の断面図、第５図及び第６図は本考案の第２実施例
に係るコンパクト容器を示し、第５図はその開放位置に
おける斜視図、第６図はその閉止位置における要部断面
図である。 １・・・・・・容器、３・・・・・・蓋体、５・・・・
・・第１の突片、７・・・・・・第２の突片、８・・・
・・・スリブｈ、１４，１４ ａ・・・・・・弾性部片
。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）蝶番によって蓋体を容器に開閉自在に結合し、該
   蓋体を閉じた時に該蓋体の第１突片と該容器の第２突片
   との保合によって蓋体が容器に対して閉止位置を占める
   合成樹脂製コンパクト容器において、該容器と該蓋体の
   何れか一方にその周縁部から内方に向けてほぼ平行に延
   長する一対のスリットを設けて、該スリット間に内端が
   一体に固着されてその外方部が垂直方向に延長して自由
   端となる弾性部片を形成し、該閉止位置において該弾性
   部片の該自由端が該容器と該蓋体の何れか他方の周縁部
   に近接し、該弾性部片を内方に押圧した時に該弾性部片
   の自由端がその固定された内端を支点として移動し該容
   器と該蓋体とを分離させる方向へ力を加え、該第１突片
   と該第２突片との係合を解除してなることを特徴とする
   コンパクト容器。
2. （２）前記弾性部片を前記容器の両側部に一体形成して
   なることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のコンパクト容器。
3. （３）前記弾性部片の前記自由端を外側から内側へ向け
   て下方へ傾斜させ、この傾斜自由端で前記蓋体の周縁下
   端に形成したテーパー面を上方へ押圧するようにしてな
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項記載
   のコンパクト容器。