JPS58808Y2 - 電磁流量計検出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁流量計検出器に係り、特に非磁性導管を磁
性体外筐に鋳込んで一体に形成する電磁流量計検出器に
関する。

非磁性金製パイプを使用する電磁流量計検出器では、金
属パイプの面端にフランジを溶接し、金属パイプにルー
プ状巻線を装着し、その外側から縦割りの２つの外筐を
かぶせる形式のものが知られている。

このような検出器は、部品点数が多く組立に多くの労力
を要する欠点がある。

これに対し、本願出願人は励磁コイルおよび電極等の装
着並びに保守点検等が容易で、かつ全体を小形化しうる
電極流量計検出器を先に提案した。

すなわちそれは、一対の電極が対向設置され、被測定流
体を流通する非磁性金属管体と、この金属管体の外周上
に両端部で密接して設け、かつ前記管体の軸線方向およ
び前記電極を結ぶ線に直角な方向にコイル収納開口部を
有し、この収納開口部を閉塞する蓋体を有する磁性体外
筐と、前記コイル収納開口部より装着し前記外筐とで磁
束発性装置を構成する励磁コイルとを備えた電磁流量計
検出器である。

かかる電磁流量計検出器において、磁性体外筐に対し導
管すなわち非磁性金属パイプを鋳込んで一体に形成する
ことができれば、組立工数はさらに軽減できる。

しかるに、磁性体外筐と金属パイプとを気密に強固に結
合することは容易ではなく、熱膨張や応力によって両者
の相対位置が変化するなどのおそれがあった。

また両者を強固に結合できても、金属パイプの熱膨張な
どの応力を十分に吸収することは容易ではなく、使用中
のパイプの変形または損傷を生ずるおそれがあった。

本考案は上記欠点を除去し、非磁性導管を磁性体外筐に
鋳込むことにより、両者を堅固に結合するとともに、前
記導管の端部または導管と磁性体外筐の境界部に円周溝
を設け、この溝内に緩衝体を充填することにより応力の
逃げを形成した電磁流量計検出器を提供するものである
。

以下、本考案の一実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図において１０は非磁性の金属パイプであり、これ
を鉄心を兼ねる磁性の外筐１１の内部に鋳込んでいる。

この外筐１１は励磁コイル１２の収納部１１ ａを除い
て金属パイプ１０に密接し、かつ両端部に例えば外筐１
１と同材質のフランジ１１ ｂ、１１ ｂを一体に形成
している。

しかも、外筐１１自身で形成した励磁コイル収納部１１
ａは励磁コイル１２を外筐１１外側より装着できるよ
うに該収納部１１ ａ上側に開口部１１ Ｃを設け、こ
の開口部１１ Ｃは帰還磁路部を構成する磁性の蓋体１
１ ｄにより閉塞されるようになっている。

従って、励磁コイル１２は外筐１１外側より励磁コイル
収納部１１ ａに収納し、しかる後、その収納部１１
ａの開口部１１ Ｃを蓋体１１ ｄで閉塞すれば、流量
計検出器本体への励磁コイル１２の取り付けを終了する
ことになる。

なお、蓋体１１ ｄの閉蓋時、励磁コイル収納部１１
Ｃと気密を保つため、両者間にＯリングパツキン１３を
介在している。

一方、金属パイプ１０の内側に電気絶縁物によりライニ
ング１４を施し、さらに金属パイプ１０とライニング１
４とを挿通しライニング１４内側に電極頭部を露出する
ように一対の電極１５．１５を対向設置している。

これにより、励磁コイル１２によって発生した磁束が被
測定流体に直角に作用して得られる誘起起電力を一対の
電極１５．１５で被測定流体の流量信号として取り出す
ことができる。

また、外筐１１の両端部、つまり一対の電極軸線上に位
置する外筐１１側部に開口部１１ ｅ、１１ ｅを設け
、電極１５．１５の装着並びに保守点検等のために便利
ならしめる。

この開口部１１ ｅ、１１ ｅは電極部蓋体１１ ｆに
より閉蓋される。

この場合もＯリングパツキン１６により気密に保持され
る。

なお、蓋体１１ｄ、ｌｌｆの閉塞後は外筐１１に溶接し
てもよく、あるいはねし止めしてもよい。

さらに蓋体に励磁電源線、信号出力線の導入、引出孔を
設けてもよい。

また、励磁コイル１２は直接収納部１１ ａに収納して
もよく、又は蓋体１１ ｄに固定して蓋体１１ ｄ閉塞
時に収納部１１ ａに収納することも可能である。

第２図は磁性体外筐１１内に非磁性金属パイプ１０を鋳
込んだ状態を部分的に拡大して示したものである。

鋳込んだ後非磁性金属パイプ１０と磁性体外筐１１との
境界部に円周溝１１ ｇを形成し、その内部にゴム、可
撓性樹脂、アスベスト、或は緩衝性セメントなどのいず
れかによる緩衝体１６を充填する。

第３図は磁性体外筐１１内に非磁性金属パイプ１０を鋳
込んだ状態を示す他の実施例である。

金属パイプ１０の端部で、磁性体外筐１１と接する側に
は予め３条の円周溝１１ｇ１が形成され、その内部にセ
ラミック繊維或はセラミックセメント等の弾力性耐火物
１６ ａが充填されており、また金属パイプ１０の端部
内面の円周溝１１ｇ２にはライニング１４と同材質の緩
衝体１６ｂが充填される。

このように導管を形成する非磁性金属パイプ１０の端部
またはこのパイプと磁性体外筐の境界部に円周溝を設け
、この溝内に緩衝体を充填したので、金属パイプ１０の
機械的、熱的応力をこの緩衝体で十分に吸収することが
でき、磁性体外筐と導管とを堅固に結合しうると共に、
導管の変形を防止しうる効果がある。

上記において緩衝体１６を充填せずに空間にした場合、
ゴム等のライニング１４を施す場合、ライニング部材が
その加硫時に溝内に陥没したり、その部分の空気がライ
ニングの弱い部分に集中していわゆるふくれが発生する
おそれがある。

またライニング材としてポリテトラフロロエチレンを用
いる場合は、鋳込みパイプとの接着性がないので溝内空
気はライニングの剥れを生ずる原因になる。

しかし本考案によれば、円周溝内には緩衝体を充填する
ことにより、緊密なライニングを可能にする。

本考案は上記実施例のみに限定されることなく、非磁性
金属パイプをセラミック等のパイプで形成してもよい。

この場合も本考案によればパイプの損傷を防止する上で
有力である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｌ）は本考案による電磁流量計検出器の一部
断面側面図および一部断面正面図、第２図および第３図
はそれぞれ外筐および金属パイプの一部を拡大して示す
断面図である。 １０・・・・・・非磁性金属パイプ、１１・・・・・・
磁性体外筐、１２・・・・・・励磁コイル、１５・・・
・・・電極、１１ ｇ、１１ ｇｌ、１１ｇ２・・・・
・・円周溝、１６，１６ ａ 、１６ ｂ・・・・・・
緩衝体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非磁性導管に対向して取付けたｌ対の電極と前記１対の
   電極を結ぶ線および前記導管の軸線に対して直角に磁界
   を作用する励磁装置とを有し、前記導管をその両端で磁
   性体外筐に鋳込んでなる電磁流量計検出器において、前
   記導管の端部または導管と磁性体外筐の境界部に円周溝
   を設け、この溝内に緩衝体を充填するとともに導管内面
   にライニングを施してなる電磁流量計検出器。