JPS5855242Y2 - 高周波焼入コイル基体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はシャフト類焼入やインボードジヨイント溝焼
入に用いる高周波焼入コイルが２次導体に接続されるに
補強体を有して該２次導体とのオフセット量を短かくす
る様にした基体構造に関するものであり、特に、上記補
強体を絶縁体とし、焼入コイル、２次導体の少くとも一
方にインロー合せ接合することにより剛性を強め、該焼
入コイルと２次導体とを接合する様にした高周波焼入コ
イル基体構造に係るものである。

周知の如く、従来よりシャフト、インボードジヨイント
溝焼入等各種方面に高周波焼入が利用されている。

而して、該高周波焼入に用いられる焼入装置は発振器に
接続されたカレン））ランスより２次導体を介して焼入
コイルに接続させて加熱誘導子により加熱焼入を行って
いる。

そして、その一般的焼入コイルの基体構造を第１図で示
すと、図示しない上記カレントトランスに接続される２
次導体１は銅製であってフランジ２．２及び該フランジ
２，２に対するボルト３，３結合を介し同じく銅製リー
ド板４に接続され該リード板４に加熱誘導子の焼入コイ
ル５が結合される様にされていた。

従って、図示する如く第１に焼入コイル５の２次導体１
に対するオフセット量が大きく、そのため、熱歪や経年
使用による不可避的変化により主要寸法が狂う様になり
焼入製品の品質精度が次第に劣化するという欠点があっ
た。

加えて、一般に焼入コイル５の基部に於ける剛性は該焼
入コイル５自体の剛性に依存する度合が大きく、オフセ
ット量が大きいため剛性に限度があり、該焼入コイルの
剛性を高めるためにその形状が複雑でろう付点数が多く
コスト高になる不利点があり、又、低融点のろう材を用
いるために高熱輻射による熱変形が歪を生じ上記変化を
生ずることになり、リード板を介して交換するためその
作業が極めて煩瑣である難点もあった。

この考案の目的は上記従来技術に基づく焼入コイル基体
の問題点に鑑み、焼入コイルを直接２次導体に接合し、
該２次導体と焼入コイルとの結合は両者に対する絶縁材
のいづれか一方のインロー係合を介して行うことにより
リード板を無くしオフセット量を少く剛性を高める様に
した優れた高周波焼入コイル基体構造を提供せんとする
ものである。

上記目的に沿うこの考案の構成は焼入コイルを直接２次
導体に接合組付することにより組付精度を向上させオフ
セット量を無くし、コイル交換部の部品点数を下げて低
コスト化を企り、又、絶縁体を該焼入コイルと該２次導
体との結合体とし、両者の少くともいづれかにインロー
合せ接合して組付精度を上げ、結合剛性を高めて経年変
化や熱歪を可及的に少くする様にしたことを要旨とする
ものである。

次にこの考案の実施例を第２図以下の図面に基づいて説
明すれば以下の通りである。

第２．３．４図に示す実施例に於て、６はシャフト類高
周波焼入用焼入コイルの周知の加熱誘導子であり、７は
その冷却水用環設腔で、中央に焼入ワークセット穴８が
設けられている。

又、９，９は図示しないカレントＩ・ランスに接続され
る銅製２次導体であり、該２次導体９，９の各々と上記
焼入コイル６とは第３図に示す如くインロ一部１０を介
して直接４合される様にされている。

１１はベークライト製の絶縁体であり、該２次導体９，
９に対しては段差部１２、焼入コイルに対してはフラン
ジ１３を介して当接され両者に対し２次導体９、焼入コ
イル６から絶縁体１１を貫通して突出するボルト１４に
ナラＨ４１，ロツク用ナツト１４２を螺合させることに
より一体結合されている。

従って、組付に際しては焼入コイル６と２次導体９，９
を凹凸掛合させ、絶縁体１１を段差部１２、フランジ部
１３を介して両者に嵌着センタリングさせボルト締めを
することにより、スムースに一体化され、芯ずれもなく
、焼入コイル６の２次導体９．９に対するオフセットを
無くすことが出来る。

尚、１５は絶縁体１１に穿設された焼入ワーク挿入セッ
ト穴であり前記焼入コイル６のセット穴８にセンタリン
グする。

上記構成に於て、図示しない所定シャフト等のワークを
セット穴８，１５に挿入して高周波を発振させると所定
の焼入操作が行われる。

而して、この場合、焼入コイル６が２次導体９，９にイ
ンロー合せ１０を介して正確に芯合せされて結合されて
いるため焼入れ精度は正確に得られ、又、ろう付部等が
ないため熱歪もないため経時的変化もなく、更にオフセ
ット量がないことによっても正確に精度が保てる。

そして、絶縁体１１が両者を強固にクランプしているた
め経年変化が生じない。

従って、経年使用による品質は精度不良になることはな
い。

而して、経年使用による焼入コイル６の交換点検に際し
ては上記組付とは逆プロセスにより解離すれは゛良い。

尚、焼入コイル６と絶縁体１１の段差部１２及びフラン
ジオーバーハング部１３は一種のインロー合せ部とみな
すことが出来るが、当該実施例に於ては焼入コイル６の
絶縁体１１，２次導体９，９のいづれか一方にインロー
合せする様に設計すること１も可能である。

又、第５，６図に示す実施例に於てはインボードジヨイ
ント溝部焼入コイルの態様であり、焼入コイル６′は２
次導体９′に対してオフセット量なしで接合されベーク
ライト製絶縁体１１′にインロー合せ部１６を介して接
合されポル） １４’、１４’・・・・・・にて３者緊
締結合されており、その基部及び焼入誘導子１７．１７
．１７の剛性を高め焼入コイル６′の熱歪を抑制する様
にして品質精度を良好に保つ様にすると共に耐久性を強
化する様にしたものであり、基本的作用効果は上記実施
例と変るものではない。

尚、この考案の実施例は上記２実施例に限るものではな
く他の態様、設計変更が可能であることは勿論である。

上記の様にこの考案によれば、高周波焼入コイル基体構
造に於て、焼入コイルが直接２次導体に当接４合される
様にされ、両者にオーバーハングして絶縁体が一体接合
される様にした・めに基本的にリード板が省略されるた
めオフセット量が無くなり、それだけセットが正確にな
り焼入製品精度が向上するという極めて優れた効果があ
る。

又、該リード板がなくなるため剛性が高まりその点から
も歪が生ぜず精度が良好に保てる効果がある。

更に、該絶縁体が焼入コイルと２次導体の少くとも一方
にインロー合せ結合される様にした・めに基部が常に一
定精度で結合され、しかもろう付等がないためにセット
量が正確に維持されると共に熱歪や経年変化の影響を受
けることがほとんどなく、加えて検査、交換時の作業が
迅速に行える等の利点もある。

更に又、上記の様にリード板を無くす様にすることが出
来るため焼入コイル基部の部品点数が少くなり、装置の
コンバク１〜化、軽量化、低コスト化が企れるメリット
もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に基づく焼入コイル基体構造説明図、
第２図以下はこの考案の実施例を示すものであり、第２
図は１実施例の平面説明図、第３図は第２図ＩＩＩ−Ｉ
Ｖ断面相当説明図、第４図は第２図ＩＶ−Ｖ断面相当説
明図、第５図は別の実施例の側面説明図であり、第６図
は同裏面説明図である。 ９．９・・・・・・２次導体、６，６′・・・・・・焼
入コイル、１１゜１１′・・・・・・補強体（絶縁体）
、１２．１６・・・・・・インロー合せ（部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２次導体に接続支持される焼入コイルが補強体を有して
   該２次導体に直接々続されている焼入コイル基体構造に
   おいて、該焼入コイルが直接２次導体に当接々合され、
   又該焼入コイルと２次導体との双方に張り出して両者を
   一体に結合する絶縁体が設けられ、而して絶縁体と２次
   導体の少くとも一方が上記焼入コイルとの間に凹凸掛合
   されていることを特徴とする高周波焼入コイル基体構造
   。