JPH1043855A - ろう付け方法 - Google Patents

ろう付け方法

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JPH1043855A
JPH1043855A JP20672296A JP20672296A JPH1043855A JP H1043855 A JPH1043855 A JP H1043855A JP 20672296 A JP20672296 A JP 20672296A JP 20672296 A JP20672296 A JP 20672296A JP H1043855 A JPH1043855 A JP H1043855A
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JP
Japan
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brazing
blades
casing
metal coating
connection ring
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Application number
JP20672296A
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English (en)
Inventor
Isao Matsumoto
勲 松本
Hiroshi Sone
寛 曽根
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DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシングと複数の羽根との間の第1の継手
部及び複数の羽根と連結リングとの間の第2の継手部を
高周波誘導加熱により欠陥なく確実にろう付けすること
ができ、特に、複雑形状部材を銅ろう付けするのに用い
て有益な高周波誘導加熱によるろう付け方法を提供す
る。 【解決手段】 ケーシング5,羽根6及び連結リング7
のうちの少なくとも2部材の表面上にめっき法或いは溶
射法にてろう材金属から成るろう材金属被膜(例えば、
銅銅材金属被膜14)を形成し、このろう材金属被膜1
4をケーシング5,羽根6及び連結リング7と共に高周
波誘導加熱することによりろう材金属被膜14を溶融さ
せ、この溶融されたろう材を第1及び第2の継手部A,
Bの空隙に流れ込ませて第1及び第2の継手部A,Bの
ろう付けを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機用トル
クコンバータの主要構成部材であるポンプインペラー機
構部の椀状のケーシング内に複数の羽根及び連結リング
を組付けて高周波誘導加熱によりろう付け(高周波雰囲
気ろう付け或いは高周波真空ろう付け)する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高周波誘導加熱コイルにてろう材を加熱
溶融させて部材間の継手部分のろう付けを行なうように
した従来の高周波ろう付け方法にあっては、線材,板
材,或いは粉末材等から成るろう材を被ろう付け部材の
継手部分の形状に合わせて予め成型しておき、ろう付け
継手部に嵌め込むか或いはこの上に載置した状態で加熱
溶融させる、いわゆる置きろう方式を採用することが多
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来の置きろう方式では、次のような問題点があ
る。すなわち、特に被ろう付け部材が複雑形状の部材で
ある場合には被ろう付け部材の継手部分にろう材を嵌め
込むことが困難であったり、或いはその作業が極めて面
倒である等の問題点がある。
【0004】また、ろう材を単に被ろう付け部材上に載
せて被ろう付け部材を高周波誘導加熱する場合には、ろ
う材が高周波誘導加熱による電磁力の作用により所定位
置(所定の載置位置)から移動されて位置ずれを生じ、
継手部分に対するろう材の相対位置が変化してしまう不
具合がある。このような事態を生じると、高周波誘導加
熱コイルとろう材の各部との間隔が一定(均一)ではな
くなり、高周波誘導加熱コイルに近接したろう材部分と
これから離れたろう材部分とが生じる。そのため、高周
波誘導加熱時には高周波誘導加熱コイルに近接している
ろう材部分が所定のろう付け温度に達する前に加熱溶融
状態となる。この際、ろう付けすべき部材間の継手部分
の温度が低い状態なので、加熱溶融されたろう材の一部
分は球形状を呈することとなり、前記継手部分の温度が
所定のろう付け温度に達した時には球形状を呈していた
ろう材がオーバヒートにより細かく飛散し、その結果、
前記継手部分の空隙に溶融状態のろう材が流れ込まずに
ろう付け欠陥となるおそれがある。
【0005】一方、上述した高周波誘導加熱コイルから
離れたろう材部分は、継手部分が所定のろう付け温度に
到達しても温度不足により溶融状態とならない。このた
め、このろう材部分に対応する継手部分の空隙にろう材
が流れ込まず、この部分にもろう付け欠陥を生じるおそ
れがある。
【0006】このような現象は、ろう付け温度が高くか
つ流動性の悪い銅ろう付けにおいて顕著に発生しやす
い。その一方で、銅ろう付けはろう材のコストが低くし
かもろう付け強度が強いので、銅ろう付けを多用したい
ところである。しかし、複雑な形状を有しかつろう付け
箇所の多い部材、例えば自動車用自動変速機の構成部品
であるトルクコンバータの羽根を銅ろう付けする場合等
においては、30枚余の羽根全数を完全に欠陥なくろう
付けすることは難しく、部分的にろう付け欠陥を生じる
箇所もあるのが実状である。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、ケーシングと複数の羽根
との間の第1の継手部及び複数の羽根と連結リングとの
間の第2の継手部を高周波誘導加熱により欠陥なく確実
にろう付けすることができ、特に、複雑形状部材を銅ろ
う付けするのに用いて有益な高周波誘導加熱によるろう
付け方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス
雰囲気、又は真空に保持された気密容器内に、自動変速
機用トルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成
する椀状のケーシングを被ろう付け部材として収納配置
し、ろう材を高周波誘導加熱により加熱溶融させること
により、前記ケーシングとこのケーシング内の円環状領
域において等角度間隔をもって配置された複数の羽根と
の間の第1の継手部、及び、前記複数の羽根とこれらの
羽根を互いに位置決めして連結する連結リングとの間の
第2の継手部にそれぞれ流し込んでろう付けを行なう方
法において、前記ケーシング,羽根及び連結リングのう
ちの少なくとも2部材の表面上にめっき法或いは溶射法
にてろう材金属から成るろう材金属被膜を形成し、前記
ろう材金属被膜を前記ケーシング,羽根及び連結リング
と共に高周波誘導加熱することにより前記ろう材金属被
膜を溶融させ、この溶融されたろう材を前記第1及び第
2の継手部の空隙に流れ込ませて前記第1及び第2の継
手部のろう付けを行なうようにしている。
【0009】また、本発明では、前記ろう材金属被膜
を、前記複数の羽根が組付けられる前記ケーシングの内
側円環状領域面と、前記複数の羽根の表面と、前記複数
の羽根に対向する前記連結リングの羽根接合面とにそれ
ぞれ形成するようにしている。
【0010】また、本発明では、前記ろう材金属被膜
を、前記複数の羽根が組付けられる前記ケーシングの内
側円環状領域面と、前記複数の羽根に対向する前記連結
リングの羽根接合面とにのみ形成するようにしている。
【0011】また、本発明では、前記ろう材金属被膜
を、前記複数の羽根の表面と、前記複数の羽根に対向す
る前記連結リングの羽根接合面とにのみ形成するように
している。
【0012】また、本発明では、前記ろう材金属被膜
を、前記複数の羽根が組付けられる前記ケーシングの内
側円環状領域面と、前記複数の羽根の表面とにのみ形成
するようにしている。
【0013】また、本発明では、前記複数の羽根に形成
された突起を前記連結リングの開孔に係合させた状態で
これらの部材の組付けを行なうように構成すると共に、
前記ろう材金属被膜を、連結リングの羽根接合面及びこ
の羽根接合面とは反対側の面の両面に形成するようにし
ている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。なお、本実施例においては、本
発明に係るろう付け方法を使用することにより、自動車
用自動変速機用のトルクコンバータ1の主要構成部材で
あるポンプインペラー機構部2の製造(銅ろう付け)を
行なうようにしている。
【0015】図1〜図3はポンプインペラー機構部(羽
根車)2の組立完成品を示すものであって、このポンプ
インペラー機構部2は、一端側に開放口3を有しかつ他
端側の中心部に開孔4を有する椀状のケーシング5と、
このケーシング5の内部の円環状領域において等角度間
隔をもって配設された軟鋼製の複数枚(例えば,32
枚)の羽根6と、これらの羽根6の上部を互いに連結す
る位置決め兼補強用の連結リング7とから構成されるも
のである。上述の羽根6には図2に示すように3つの突
起8,9及び10が一体成形されており、これらのうち
の片側の一対の突起8,9がケーシング5の径方向の2
箇所に形成された凹部11,12にそれぞれ係合された
状態で、各羽根6の一端面6aがケーシング5に当接配
置されている。そして、羽根6の他端面の中間箇所に一
体成形された突起10が、前記連結リング7の孔部13
にそれぞれ挿入配置された状態となされている。これに
より、複数枚の羽根6は、ケーシング5の所定位置に位
置決めされてこのケーシング5と連結リング7との間に
一体に組付けられると共に(図2及び図3参照)、ケー
シング5の径方向に対して所定の角度に傾斜された状態
で配設されてろう付けされるようになっている(図1参
照)。
【0016】なお、図2及び図3において、Aは羽根6
とケーシング5とが互いに銅ろう付けにて結合される第
1の継手部であり、Bは羽根6と連結リング7とが互い
に銅ろう付けにて結合される第2の継手部である。ま
た、図示を省略したが、前記ケーシング5に中央箇所に
は開孔4を閉塞した状態で駆動軸が一体に結合されるよ
うになっている。
【0017】本発明の第1実施例においては、ポンプイ
ンペラ機構部2を構成するケーシング5,複数の羽根6
及び連結リング7の全ての部材の表面上に所要膜厚の銅
材金属被膜(ろう材金属被膜)がそれぞれ形成されてい
る。具体的には、複数の羽根6が組付けられる椀状のケ
ーシング5の内側円環状領域面α、前記複数の羽根6の
表面β、前記複数の羽根6に対向する前記連結リング7
の羽根接合面(第2の継手部Bの側の面)γ1 は、めっ
き法又は溶射法によりろう材金属である銅材にて予め被
覆されており、図4,図5及び図6にそれぞれ示すよう
に、所要膜厚の銅材金属被膜14を予め形成するように
している。なお、この銅材金属被膜14の形成方法は、
通常の電気めっき法,溶融めっき法,機械めっき法等の
各種のめっき法であってよく、また還元材と共に銅材を
溶射するような一般的な溶射法であってもよい。
【0018】また、本発明の第2実施例においては、ケ
ーシング5の内側円環状領域面αと、連結リング7の羽
根接合面γ1 とにのみ同上の銅材金属被膜14を形成す
るようにし、羽根6には銅材金属被膜を形成しないよう
にしている。
【0019】また、本発明の第3実施例においては、複
数の羽根6の表面βと、連結リング7の羽根接合面γ1
とにのみ同上の銅材金属被膜14を形成するようにし、
ケーシング5の内側円環状領域面αには銅材金属被膜を
形成しないようにしている。
【0020】また、本発明の第4実施例においては、ケ
ーシング5の内側円環状領域面αと複数の羽根6の表面
βとにのみ同上の銅材金属被膜14を形成するように
し、連結リング7には銅材金属被膜を形成しないように
している。
【0021】また、本発明の第5実施例においては、複
数の羽根6にそれぞれ形成された突起10を連結リング
7の開孔13に係合させた状態でこれらの部材6,7の
組付けを行なうように構成すると共に、連結リング7に
銅材金属被膜14をろう材金属被膜として形成する場合
(上述の第1,第2及び第3実施例のような場合)に、
連結リング7の羽根接合面γ1 及びこの羽根接合面γ1
とは反対側の面γ2 の両面に同上の銅材金属被膜14を
形成するようにしている(図7参照)。
【0022】図8は、ポンプインペラー機構部2のケー
シング5内に複数の羽根6及び連結リング7を組込んで
ろう付けを行なうために用いられるろう付け装置20を
示すものである。このろう付け装置20は、図8に示す
ように、ポンプインペラー機構部2を構成する椀状のケ
ーシング5を載置して保持するワーク受け治具21と、
内部が不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は
真空に保持され、ポンプインペラー機構部2の椀状のケ
ーシング5がワーク受け治具21の上部に位置決めされ
て載置された状態でその内部に収容配置される気密容器
22と、ケーシング5の内部に組付けられた複数の羽根
6に対応するようにケーシング5の外側下面5aに対向
配置される渦巻形の下部加熱コイル23と、複数の羽根
6及びこれらの羽根6の上部を互いに連結する連結リン
グ7の上方位置においてケーシング5の内側上面5bに
対向して配置される渦巻形の上部加熱コイル24と、互
いに並列に接続された下部加熱コイル23及び上部加熱
コイル24から成る並列回路25に高周波電流を供給す
る高周波電源26とをそれぞれ具備している。
【0023】次に、ポンプインペラー機構部2の組立作
業及びその際のろう付け作業の手順について説明する。
【0024】(1) まず、トルクコンバータ1のポン
プインペラー機構部2の構成部材であるケーシング5上
に、複数の羽根6を所定位置に載置してケーシング5の
凹部11,12内に各羽根6の突起8,9をそれぞれ係
合させた状態で組付け、これにより組立体S(図2参
照)を得る。しかる後に、連結リング7の孔部13に各
羽根6の突起10を嵌着させた状態でこの連結リング7
を複数の羽根6の上部箇所に配置する。これにより、複
数の羽根6をケーシング5と連結リング7との間に位置
決めした状態で組付けて組立体S(図2参照)を得る。
なお、既述の第1〜第5実施例の各場合においては、ケ
ーシング5,羽根6及び連結リング7のうちの少なくと
も2部材の表面上に所要膜厚の銅材金属被膜14が予め
形成された構成部材を用いて組付ける。
【0025】(2) 次に、上述の組立体S(ワーク)
を密閉容器22内(例えば、10-3Torr以上の還元
性ガス雰囲気中)に収容して図8に示すようにワーク受
け治具21上に載置し、下部加熱用の高周波誘導加熱コ
イル23をケーシング5の下部に僅かな間隔を隔てて配
置すると共に、上部加熱用の高周波誘導加熱コイル24
を連結リング7の上部に僅かな所定間隔を隔てて配置
し、これによりこれら両コイル23,24間にケーシン
グ5,羽根6及び連結リング7から成る組立体を配置す
る。
【0026】(3) 次いで、密閉容器22の蓋体を閉
じ、真空ポンプにより密閉容器22内を所定圧力に真空
引きした後、窒素及び水素の混合ガスにより密閉容器内
を置換し、所要圧力とする。
【0027】(4) この後、高周波電源26より前記
両コイル23,24に所要周波数の高周波電流を流し、
これに応じてケーシング5,羽根6及び連結リング7を
所定のろう付け温度まで同時に誘導加熱する。これによ
り、ケーシング5、羽根6及び連結リング7のうちの少
なくとも2つの部材の表面(具体的には、ケーシング
5、羽根6及び連結リング7の全ての3部材の表面,ケ
ーシング5及び羽根6の2部材の表面,ケーシング5及
び連結リング7の2部材の表面,或いは羽根6及び連結
リング7の2部材の表面)に予め形成されている銅材金
属被膜14をケーシング5,羽根6及び連結リング7と
一緒に誘導加熱することにより加熱溶融せしめる。これ
に伴い、加熱溶融された銅ろう材が第1及び第2の継手
部A,Bの空隙の毛管作用及びその自重による重力にて
これらの第1及び第2の継手部A,Bに集まる。かくし
て、図9に示すように、羽根6とケーシング5との間の
第1の継手部Aの空隙内に溶融状態の銅材がろう材とし
て流れ込むと共に、羽根6とケーシング5とによって形
成された角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛
り上がり部14aが形成される。一方、羽根6と連結リ
ング7との継手部Bの空隙に溶融状態の銅材がろう材と
して流れ込むと共に、羽根6と連結リング7とによって
形成された角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて
盛り上がり部14bが形成される。これらの盛り上がり
部14a,14bは余盛(補強)としての機能を果たす
こととなる。
【0028】(5) 所定のろう付け温度状態を所要時
間にわたって保持した後、前記両コイル23,24への
通電を停止し、誘導加熱を終了する。
【0029】(6) 誘導加熱の終了後、ワークSを所
要温度まで冷却し、所要圧力の窒素ガスを密閉容器内に
注入して所要温度(例えば、ワークを大気に晒しても殆
ど変色しない200℃以下の温度)まで冷却する。
【0030】(7) この後、真空ポンプを停止し、組
立の完了したポンプインペラー機構部2を密閉容器内か
ら取出す。
【0031】このような本例のろう付け方法を使用した
場合には、ケーシング5,羽根6及び連結リング7のう
ちの少なくとも2部材の表面上にろう材金属から成る堅
固に密着した銅材金属被膜14を形成するようにしてい
るので、高周波誘導加熱時に電磁力の作用にて銅材金属
被膜14が動いてしまうようなことがなく、また銅材金
属被膜14がケーシング5,羽根6及び連結リング7に
先駆けて誘導加熱されてしまうことなくこれらの部材と
共にほぼ同じ昇温速度で加熱されることとなる。従っ
て、銅材金属被膜14は各部において均一に加熱溶融さ
れて第1及び第2の継手部A,Bの空隙内にそれぞれ確
実に流れ込み、かつ、これらの継手部A,Bの付近にろ
う材の盛り上がり部14a,14bを形成することとな
るため、良好なろう付けを行なうことができる。
【0032】また、図7に示すように連結リング7の両
面のうち羽根接合面γ1 とは反対側の面γ2 にも銅材金
属被膜14を形成するようにした場合には、この面γ2
の銅材金属被膜14が加熱溶融されて羽根6の突起10
と連結リング7の孔部13との係合箇所にろう材が流れ
込むこととなるため、より堅固なろう付けを行なうこと
ができる。
【0033】以下に、上記実施例の具体的な加工条件を
述べる。加工条件の具体例 (2) 羽根の被膜形成条件 〈ア〉 被膜形成方法(被覆方法) : 銅めっき法 〈イ〉 被膜の厚さ(膜厚) : 100μm (3) 高周波誘導加熱条件 〈ア〉 周波数 : 7KHz 〈イ〉 出力 : 160KW 〈ウ〉 加熱時間 : 30秒 〈エ〉 保持時間 : 10秒 〈オ〉 放冷時間 : 10秒 〈カ〉 加熱温度 : 1200℃ (4) 気密容器内の雰囲気条件 〈ア〉 加熱時の置換ガス : 窒素+水素(10%) 又は、 窒素+一酸化炭素(10%)) 〈イ〉 加熱時の圧力 : 10Torr 〈ウ〉 冷却時の加圧ガス : 窒素 〈エ〉 冷却時の加圧ガス噴射圧力 : 6Kg/mm2
【0034】以上、本発明の実施例につき述べたが、本
発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の
技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、既述の第1〜第5の実施例では、ケーシン
グ5の内側円環状領域面α、複数の羽根6の表面β、連
結リング7の面γ1 ,γ2 の全面に銅材金属被膜14を
均一に形成するようにしたが、その領域面α,β,
γ1 ,γ2 のうちの一部分にのみ銅材金属被膜14を形
成するようにしてもよい。また、本発明は銅ろう付けに
限らず、銅以外の材質のろう材金属被膜を前記領域面に
形成してろう付けする場合にも適用できることは言う迄
もない。
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、ケーシング,羽
根及び連結リングのうちの少なくとも2部材の表面上に
めっき法或いは溶射法にてろう材金属から成るろう材金
属被膜を形成し、前記ろう材金属被膜を前記ケーシン
グ,羽根及び連結リングと共に高周波誘導加熱すること
により前記ろう材金属被膜を溶融させ、この溶融された
ろう材を所要の継手部分の空隙に流れ込ませて継手部の
ろう付けを行なうようにしたものである。従って、本発
明に係るろう付け方法によれば、ろう材は所要部材の表
面上にめっき法又は溶射法にて予め堅固に密着形成され
ているので、高周波誘導加熱に際してろう材が電磁力の
作用にて位置ずれを生じることがなく、しかも、ろう材
金属被膜が表面上に形成された部材及びこの表面上のろ
う材金属被膜は同時に同じ昇温速度で高周波誘導加熱さ
れることとなる。このため、ろう材がひろう付け部材に
先駆けて加熱されてしまうようなことがなく、所要のろ
う付け温度に達した時点ではろう材が溶融されて継手部
間の空隙に良好に入り込むと共に継手部の周囲にろう材
の盛り上がり部が形成されることとなる。その結果、理
想的なろう付けを行なうことができる。
【0036】また、一般的には良好なろう付けを行いに
くいとされている銅ろう付けに本発明を適用した場合に
も理想的なろう付けを行なうことができる。この場合に
は、安価な銅材から成るろう材を利用でき、しかも複数
の複雑形状部材であっても一度のろう付け工程により理
想的な高強度のろう付けを行なうことが可能となる。従
って、本発明に係るろう付け方法は、利用価値が高く、
産業上極めて有益なものである。さらに、本発明によれ
ば、特に複雑形状部材を銅ろう付けするのに用いて有益
な高周波誘導加熱によるろう付け方法をすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るろう付け方法にてろう付けが施さ
れるトルクコンバータのポンプインペラー機構部を示す
平面図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線拡大断面図である。
【図4】複数の羽根が組付けられる内側円環状領域面に
銅材金属被膜が形成されたケーシングの要部の断面図で
ある。
【図5】表面に銅材金属被膜が形成された羽根の断面図
である。
【図6】第2の継手部の側の面(下面)に銅材金属被膜
が形成された連結部材の要部の断面図である。
【図7】第2の継手部の側の面(下面)及びこれは反対
側の面(上面)の両面に銅材金属被膜が形成された連結
部材の要部の断面図である。
【図8】ポンプインベラー機構部の第1及び第2の継手
部を高周波誘導加熱によりろう付けする装置の断面図で
ある。
【図9】ケーシング及び連結リングに羽根をろう付けし
た状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 ポンプインペラー機構部 5 ケーシング 6 羽根 7 連結リング 8,9,10 突起 11,12 凹部 13 孔部 14 銅材金属被膜(ろう材金属被膜) 14a,14b 盛り上がり部 20 ろう付け装置 22 気密容器 23 上部加熱コイル 24 下部加熱コイル 26 高周波電源 A 第1の継手部 B 第2の継手部 S 組立体(ワーク) α ケーシングの内側円環状領域面 β 羽根の表面 γ1 連結リングの羽根接合面 γ2 連結リングの羽根接合面とは反対側の面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲
    気、又は真空に保持された気密容器内に、自動変速機用
    トルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成する
    椀状のケーシングを被ろう付け部材として収納配置し、
    ろう材を高周波誘導加熱により加熱溶融させることによ
    り、前記ケーシングとこのケーシング内の円環状領域に
    おいて等角度間隔をもって配置された複数の羽根との間
    の第1の継手部、及び、前記複数の羽根とこれらの羽根
    を互いに位置決めして連結する連結リングとの間の第2
    の継手部にそれぞれ流し込んでろう付けを行なう方法に
    おいて、前記ケーシング,羽根及び連結リングのうちの
    少なくとも2部材の表面上にめっき法或いは溶射法にて
    ろう材金属から成るろう材金属被膜を形成し、前記ろう
    材金属被膜を前記ケーシング,羽根及び連結リングと共
    に高周波誘導加熱することにより前記ろう材金属被膜を
    溶融させ、この溶融されたろう材を前記第1及び第2の
    継手部の空隙に流れ込ませて前記第1及び第2の継手部
    のろう付けを行なうようにしたことを特徴とするろう付
    け方法。
  2. 【請求項2】 前記ろう材金属被膜を、前記複数の羽根
    が組付けられる前記ケーシングの内側円環状領域面と、
    前記複数の羽根の表面と、前記複数の羽根に対向する前
    記連結リングの羽根接合面とにそれぞれ形成するように
    したことを特徴とする請求項1に記載のろう付け方法。
  3. 【請求項3】 前記ろう材金属被膜を、前記複数の羽根
    が組付けられる前記ケーシングの内側円環状領域面と、
    前記複数の羽根に対向する前記連結リングの羽根接合面
    とにのみ形成するようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載のろう付け方法。
  4. 【請求項4】 前記ろう材金属被膜を、前記複数の羽根
    の表面と、前記複数の羽根に対向する前記連結リングの
    羽根接合面とにのみ形成するようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載のろう付け方法。
  5. 【請求項5】 前記ろう材金属被膜を、前記複数の羽根
    が組付けられる前記ケーシングの内側円環状領域面と、
    前記複数の羽根の表面とにのみ形成するようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載のろう付け方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の羽根に形成された突起を前記
    連結リングの開孔に係合させた状態でこれらの部材の組
    付けを行なうように構成すると共に、前記ろう材金属被
    膜を、連結リングの羽根接合面及びこの羽根接合面とは
    反対側の面の両面に形成するようにしたことを特徴とす
    る請求項2乃至4の何れか1項に記載のろう付け方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005509525A (ja) * 2001-11-22 2005-04-14 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ろう付けされた銅製熱交換機、および溶接によるその製造方法
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