JPS5843106Y2 - 磁気テ−プカ−トリッジ用リ−ルハブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は磁気テープカートリッジにおけるリールハブの改
良に関するものであり、特にテープエンドをリールハブ
の外周面に設けた凹所に鞍形のテープ係止片を嵌着する
ことにより係虚するリールハブにおいて、テーパ係止片
の表面に生ずる凹凸面を無くし、バブ表面と同様な適切
な巻取面が得られるよ５にしたことを目的とするもので
ある。

磁気テープを巻付けるためのリールハブは、局長方向に
は真円であると共に、幅方向に対してどの部分もフラッ
トであることが理想的である。

しかるに従来におけるリールハブのうち、第１図に示す
如くバブ１の外周面に凹所２を設けて、この凹所２に鞍
形のテープ係止片３を嵌着することによりテープエンド
４を係止する形式のものにおいては、バブ外周面の一部
がテープ係止片３の表面によって形成されるため、バブ
１自体の表面を適正に仕上げても、テープ係止片３の表
面が凹凸を有する場合には全体として適正な巻取面を得
ることができないという結果になる。

即ち従来において、この種のリールハブにおけるテープ
係止片は、リールハブ１とは別個に射出成形されたもの
であり、成形のｍで表面３′を長さ方向はバブ１の曲率
と同じ曲率の弧面とし、幅方向はフラットな面となるよ
うな形で成形するにも拘らず、成形後金型から取外され
た時点では樹脂の収縮による所謂ヒケが発生して、第２
図及び第、３図に示す如（、幅方向にフラットでなく凹
んだ形となり、リールハブ１はテープ係止片３の表面３
′部分が適正な巻取面でない状態となる。

しかも従来においてこのようなテープ係止片３は、テー
プエンド４を挟着するに際して、両端の係止脚５が夫々
内側方向に押圧された形でリールハブ１の凹所２内に嵌
着され、従ってテープエンド４を挾んだ係止片３の係止
脚５は凹所２内に対して、第３図において矢印にて示す
係止脚５の内側に向う反発力を受けることになる。

このため第３図に示す如くテープ係止片の表面３′には
、矢印の如く引張り力Ｔが作用することとなり、該係止
片表面３′における前記の射出成形後のヒケによる凹み
現象が更に助成されて、凹みが更に大きくなるという問
題がある。

このようにテープ係止片表面３′が凹んだ状態となって
いると、磁気テープをリールハブ１に巻き込んだ際、最
近のテープは厚さが薄くなっているために、前記係止片
表面３′の凹みがテープにヒズ□を与えることとなる。

この場合そのヒズミはバブ１の表面から第１周回目、第
２周回目のみにとどまらず、上方のかなりの周域にまで
伝播し、第４図の如くリールにはそのヒズミの影響を受
ける部分が放射状に表われることとなる。

このような磁気テープをテープデツキにかんで再生した
場合には、ヒズミの影響を受ける部分が再生ヘッドの部
分に来ると、テープのヘッドに対する接触状態が適切に
行われないために、その部分に出力低下現象を生ずると
いう問題がある。

本案はこのような従来のリールハブの問題点を解消し、
テープ係止片の表面を幅方向にフラットな状態とし、従
って磁気テープにヒズミを与えることのない適正な巻取
面を得られるようなリールハブの提供を目的としたもの
である。

このようなリールハブを得るために、本案においては、
リールハブの外周に設けるテープ係止片嵌着用Ｏ凹所中
炎に定着片を突設すると共に、鞍形のテープ係止片の両
端係止脚が、この定着片の両側面に対して夫々内側に向
うような係止応力が与えられるようにしたことを特徴と
するものである。

次に本案を第５図以下に示す実施例に基いて詳記すれば
、第５図は本案に係るテープ係止片１３の構成を示す側
面図であり、第６図はリールバフ１１の凹所１２内にテ
ープ係止片１３が嵌着された状態の側面図である。

テープ係止片１３の射出成形に際しては、表面１３′の
長さ方向の曲率がリールハブ１１０曲率よりもやや小さ
くなるような形で幅方向にはフラットな形となると共に
、両端の係止脚１５は先端の鉤部１６が夫々内側方向に
向い合うような形で成形される。

このように成形されたテープ係止片１３はこれを金型よ
り抜出した後においては、表面１３′が弧状に形成され
ていることにより、第１図に示す如く、従来のテープ係
止片と同様に樹脂の収縮により表面１３′が幅方向に僅
かに凹むことになる。

一方このテープ係止片１３を嵌め込むためのり−ルハブ
１の凹所１２内には、バブ１の成形の段階でテープ係止
片１３の両係止脚１５，１５の間に嵌着される定着片１
γが突設されるようになっている。

この定着片１γの両側には夫々前記テープ係止片１３の
係止脚先端における鉤部１６が嵌り込む雌形の凹欠部１
８が設けられると共に、該定着片１７は両雄形凹欠部１
８，１８間の距離Ｗ１が成形された前記テープ係止片１
３の両係止脚先端における鉤部ｔ６．ｉ６間の距離Ｗ２
よりも若干大きくなるように形成されている。

更にリールハブ１の凹所１２は、第６図に示すようにテ
ープ係止片１３の両係止脚ｉｓ、ｉｓを押し拡げた形で
凹所１２に対し側面から嵌め込む際に便利なように、両
側端１９を定着片１７の両雄形凹欠部１８から大きく離
した形として、係止脚１５の可動スペース２０が設けら
れるようになっている。

チー７”１％止片１３によるテープエンド４のＩＬＬは
、第６図に示す如くまずテープエンド４を凹所１２の定
着片１γ上に配置した状態で、テープ係止片１３の両係
止脚１５，１５を夫々外側方向に押し拡げた形で両係止
脚１５．１５が定着片１１を抱きかかえる形となるよう
に凹所１２内に嵌着する。

これにより両係止脚１５，１５は先端の鉤部１６が夫々
テープエンド４を挟着する形で定着片１１の雌形凹欠部
１８，１８に嵌合するが、定着片１γの幅Ｗｌは、両係
止脚ｔ５．ｉＳ間の距離Ｗ２よりも若干大きいので、両
係止脚１５．１５には夫々内側に向けてテープエンドの
係止応力が作用し、テープエンド４を定着片１１０両側
面に圧接挟着することとなる。

このようにテープ係止片１３の両係止脚１５゜１５が、
定着片１７を両側から挾み付けるような形で凹所１２内
に嵌着された状態においては、常に両係止脚１５．１５
には内側に向く係止応力が与えられ第８図に示す如く外
側に向う反撥力を受けることになり、従って係止片１３
の表面１３′には常に圧縮力Ｃが作用することとなる。

その結果係止片表面１３′は***する形となり、射出成
形後に生じた表面１３′のヒケによる凹みは前記の圧縮
力Ｃに基く***作用により打消され、表面１３′は第９
図に示す如く幅方向に対して平坦な面を形成することと
なる。

以上の如く本案によるリールハブは、テープ係止片１３
の係止脚１５が凹所１２内に嵌着された状態で、該係止
脚１５によるテープエンド係止応力が内側に向くように
したので、外側に向う反撥力を受は係止片表面１３′は
***して成形後の樹脂の収縮によって生ずる凹みが打消
されて輻方向に平坦な面とすることができ、従ってリー
ルハブの全周にわたって適正な巻取面を得ることができ
るので従来品の如くテープ係止片部分に接する磁気テー
プに対してヒズミを与えることを防ぎ、出力低下の生じ
ない良好な磁気テープカートリッジが得られるという実
益を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリールハブにおけるテープ係止片の構成
を示すハブ側面図、第２図は第１図の■−■線における
断面図、第３図はリールハブ凹所に嵌着された状態のテ
ープ係止片の斜視図、第４図はテープに生じたヒズミの
伝播状態を示すテープリールの側面図、第５図は本案に
係るテープ係止片の構成を示す側面図、第６図は係止片
の係合状態を示す側面図、第１図は第５図の■−■線に
おける断面図、第８図は本案に係るテープ係止片のリー
ルハブ凹所に対する係合状態時の斜視図、第９図は第６
図におけるＩＸ−ＩＸ線における断面図である。 図において、１，１１・・・・・・リールハブ、２，１
２・・・・・・凹所、３，１３・・・・・・テープ係止
片、３’、１３’・・・・・・係止片表面、４・・・・
・・テープエンド、５，１５・・・・・・係止脚、１６
・・・・・・鉤部、１γ・・・・・・定着片、１８・・
・・・・雌形凹欠部、１９・・・・・・凹所両側端、２
０・・・・・・可動スペース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面の一部に設けられる凹所に鞍形のテープ係止片を
   嵌着してテープエンドを挟着固定するリールハブにおい
   て、テープ係止片１３が嵌着される凹所１２には、両側
   面下部に夫々テープ係止片両端の係止脚１５における内
   向きの鉤部１６が嵌り込む凹欠部１８を設けた中央部の
   定着片１１と、該凹欠部１８の対向側に凹所両端面１９
   を凹欠部１８から大きく離すようにした可動スペース２
   ０とを設け、テープ係止片１３を両鉤部１６間の距離Ｗ
   ２が定着片１７の凹欠部１８間の距離Ｗ１よりも若干小
   さくなるように成形することにより、係止脚１５が定着
   片１７の両側から外側に向けて反撥力を受げることによ
   り係止片表面１３′に圧縮力を作用させて係止片表面１
   ３′の歪みを矯正させた磁気テープカートリッジ用リー
   ルハブ。