JPS5838757Y2 - ガス絶縁機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 管路気中ケーブルや遮断器と断路器等のような密閉した
機器間接続母線においては、高圧電の課電に対して絶縁
抵抗を増加させるようＳＦ６ガス等が圧入されている。

このようなガス絶縁機器においては製作時、現場での布
設時の十分な注意にもか・わらず、ごくわずかではある
が、金属などの微粒子が内部に残存することがあり、ま
た高電圧を使用中に新たに導電性や半導電性の微粒子が
生ずることがある。

このような微粒子を課電中できるだけ除去する目的で粒
子捕捉器がガス空間内に設けられる。

この粒子捕捉器はその電気的構成上管路気中ケーブルに
おいてはシースまた接続母線においては導体を取囲む筐
体やシースと同電位をとる必要があり、且つ機械的にも
いずれかの個所に支持されなければならない。

第１図には管路気中ケーブルの従来の例が示される。

同図中、ＡおよびＢはそれぞれ異った例である。

Ａ図、Ｂ図ともアルミニウムパイプ等よりなる中心導体
１とアルミニウムまたはステンレスまたは鋼板よりなる
管状シース２とアルミニウムまたはステンレスまたは鋼
の薄い板に穴４をあけ、円筒状に形成した粒子捕捉電極
とよりなる点においては同様であり、粒子は送電時粒子
捕捉電極３の穴４を経て同電極３とシース２とで形成さ
れる捕捉器空間にとどまることになる。

さて、Ａ図においては円筒状粒子捕捉電極３は導体１に
固着されたエポキシ注型品よりなる柱状絶縁スペーサ５
の他端によって機械的に固定支持され、粒子捕捉電極３
はシース２と同電位をとるようにその外側に導電接触子
６が取付けられ、接触子６の先端はシースの内面と摺動
可能に接触する。

Ｂ図に示されるものはスペーサ７が円板状または放射状
をなし、円筒状をなす粒子捕捉電極３は導体１に固着さ
れたスペーサ７の周縁によって機械的に固定支持される
。

接触子６とシース２との接触関係はＡ図のものと同様で
゛ある。

以上のような構成を有する管路気中ケーブルにより送電
が行われるときは導体１は若干熱伸縮を起すが、この熱
伸縮にともなって粒子捕捉電極３も変位するので、この
場合接触子６の先端はシース２の内面を摺動する。

このような構成は熱伸縮を考慮しての管路気中ケーブル
の構造ではあるが、粒子の発生を極度に嫌うガス絶縁機
器において上述のような摺動構造を有することは、金属
粒子発生の余地を残し、接触不良を起こす因ともなるの
で好ましいものということはできない。

さらに以上の説明から理解されるようにＡ図およびＢ図
における各絶縁スペーサは導体を固定支持点として粒子
捕捉電極を支持するような構成となっており、これを補
うため他に別個に設けられる導体支持用のスペーサにつ
いて機械的強度を考慮する必要が生じてくる。

そこで本考案では導電性の摺動接触部を有することなく
粒子捕捉器を構成し、限られた空間内、特に事故の発生
が多いと考えられる導体支持絶縁スペーサ近傍を囲んで
粒子捕捉器を設けた新しい型のガス絶縁機器を提供する
ものである。

第２図は本考案の一例を管路気中ケーブルにとったもの
であるが、中心導体１、金属シース２の配置については
第１図のものと同じであるが、金属スリーブ１０を一体
にモールドした柱状絶縁スペーサ５の脚部８の端がシー
ス２に固定され、固定された柱状スペーサ５によりスリ
ーブ１０を介して導体１が支持され、そのため粒子捕捉
電極３に穴を設は前記の脚部８を貫通させる構成として
いるところが相違する。

前記の構成により導体１に熱伸縮が起った際は、導体１
は柱状絶縁スペーサ５と一体にモールドされたスリーブ
１０の内面を摺動するが、このスリーブには図示のよう
に内周面に溝１１および溝１２が設けられ、溝１１には
四弗化樹脂のような絶縁性あるいは潤滑性ある樹脂製の
リング１３が挿入され、導体１はスリーブ１０内におい
て前記リング１３のみを介して支持される。

そして溝１２の内側においてスプリング１４によってス
リーブ１０と導体１とは電気的に接続される。

一方筒状に形成された穴あきの粒子捕捉電極３の材質は
シース２がアルミニウムの場合はステンレスまたは銅の
ようにシースより高融点の材料を使用することが地絡が
生じた場合極めて都合がよいが、この粒子捕捉電極３に
は前述のように柱状スペーサ５の脚部８に対向する部分
に穴があけられ、シース２に固定後、脚部８との間にわ
ずかの間隙Ｇが作られるように配置される。

粒子捕捉電極３とシース２とにより粒子捕捉の空隙が形
成されるが、固定部９を除いて空隙が全周に存在するこ
とが耐アーク性向上のためによい。

固定部９により粒子捕捉電極３は機械的に固定され、且
つシース２と同電位とされる。

固定個所についてはできるだけ単一個所が好ましいが二
個所以上となることも差支えない。

この種の機器においては導体を支持するスペーサの近傍
で事故が発生しやすいので、スペーサを囲んで粒子捕捉
器を形成することは重要である。

熱伸縮の起った際、導体１はスリーブ１０の内面の溝に
挿入されている四弗化樹脂よりなるリング１３上を摺動
するが、四弗化樹脂は潤滑性があり、摺動摩擦によって
金属微粒子や四弗化微粒子の生ずることも極めてすくな
い。

またたとえ微粒子が発生するようなことがあっても近傍
に粒子捕捉器が存在することは好都合というべきである
。

実施例においては単心の管路気中ケーブルについて説明
したが、多心管路気中ケーブルあるいは密閉母線等ガス
絶縁機器においても柱状絶縁スペーサおよび粒子捕捉電
極の形状を変更することによって、本考案を実施するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢは従来の例を示す。 第２図は本考案の一実施例の断面図を示し、１は導体、
２はシース、５は柱状絶縁スペーサ、８は柱状絶縁スペ
ーサの脚部、９は粒子捕捉電極固定部、１０はスリーブ
、１１．１２はスリーブ内周面に設けられた溝、１３は
樹脂製リングを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導体とこれを支持する柱状絶縁スペーサと粒子捕捉器と
   をシース中に設けてなるガス絶縁機器において、前記柱
   状絶縁スペーサはその脚部先端が粒子捕捉器を形成する
   粒子捕捉電極の穴部を突出させてシースに固定され、導
   体に対しては摺動できる状態で支持し、また前記粒子捕
   捉電極はシースに固定されてなるガス絶縁機器。