JPS5835090Y2 - シ−トリクライナ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等のシートリクライナーに関するもので
ある。

本考案の目的は、背もたれ角度が無段調整可能なものに
おいて、微細調整の他に早送りで角度調整を可能とした
ことである。

従来、ベースアームと背もたれアームとに内歯ギヤーを
設け、この内歯ギヤーに偏心軸上に支持された歯数差を
有する外歯ギヤーを噛合し、偏心軸をハンドルによって
回転させることにより背もたれ角度を無段調整するシー
トリクライナーが知られている。

この場合、背もたれの角度は微細にしかも無段階に得ら
れる利点があるが、背もたれ角度を大きく調整しようと
するときにはハンドルを何回も回転しなければならず、
迅速な角度調整と操作性とに難点があった。

本考案は上記従来の不具合を解消するために改良された
シートリクライナーを提供するものである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

先ず第１図によって本考案の主要構成部品を説明すると
、１はベースアーム、２は背もたれアームであり、何れ
にも内歯ギヤー３，４が設けられている。

５は中間ギヤ一部材であり、その１側面にはベースアー
ム１の内歯ギヤー３と同歯数の内歯ギヤー５ａと、他側
面には背もたれアーム２の内歯ギヤー４よりも歯数の少
い外歯ギヤー５ｂ（第２図、第３図に図示）とが設けら
れている。

６はロックギヤーであり、前記中間ギヤ一部材５の内歯
ギヤー５ａとベースアーム１の内歯ギヤー３と全周噛合
する歯数を有している。

７は枢軸であり偏心カム軸８を有し、該偏心カム軸８は
背もたれアーム２の穴９に嵌合される。

１０はガイドプレートでありベースアーム１の外側面に
固着される。

１１は微調整ハンドルであり枢軸７端に固着される。

１２は早送りレバーでありカム１３を有し、枢軸７上に
回動自在に支持される。

１４は早送りレバー１２と係合するレリーズシャフトで
あって前記ロックギヤー６の面に固着されている。

上記各部品による組立構造を第２図によって説明する。

中間ギヤ一部材５は、ベースアーム１と背もたれアーム
２との間に介在され、外歯ギヤー５ｂは背もたれアーム
２の内歯ギヤー４に偏心関係で噛合している。

また、ロックギヤー６は中間ギヤ一部材５の内歯ギヤー
５ａ並びにベースアーム１の内歯ギヤー３に同時に噛合
及び噛合解除自在に全周噛合している。

そして中間ギヤ一部材５並びにロックギヤー６は枢軸７
上に支持され、殊にロックギヤー６は枢軸７上を軸線方
向に摺動可能に支持されている。

また枢軸７はベースアーム１の外側面に固定されている
ガイドプレート１０に回転自在に軸承され、偏心カム軸
８は背もたれアーム２に開設された穴９に嵌合されてい
る。

さらに、枢軸７端には微細調整用ハンドル１１が固着さ
れている。

一方、ロックギヤー６の面には枢軸７の軸線と平行に一
対のレリーズシャフト１４が固着されていて、前記ガイ
ドプレート１０に摺動自在に支持されて外側に突出して
いる。

このレリーズシャフト１４は、前記微細調整用ハンドル
１１の近傍の枢軸７に回動可能に支持した早送りレバー
１２と係合している。

そして、該早送りレバー１２の基部に形成されているカ
ム１３によって前記ロックギヤー６を軸方向に左右移動
するように構成されている。

次に上記構造による本考案の作用を説明する。

第２図は無段調整可能な状態であり、ロックギヤー６は
中間ギヤ一部材５の内歯ギヤー５ａとベースアーム１の
内歯ギヤー３とに同時に全周噛合し、従って中間ギヤ一
部材５の外歯ギヤー５ｂと背もたれアーム２の内歯ギヤ
ー５の常時噛合とによって背もたれアーム２は所要角度
で前後傾動を規制されている。

しかし、微調整用ハンドル１１を前後方向に任意に回転
すると、枢軸７が回転し、偏心カム軸８を介して背もた
れアーム２は偏心揺動し、中間ギヤ一部材５の外歯ギヤ
ー５ｂと背もたれアーム２の内歯ギヤー４との歯数差に
よって背もたれアーム２は微細角度で傾斜角が調整され
る。

また、背もたれアーム２を前後に早送りによって角度調
整する場合は、早送りレバー１２を引き上げ゛ることに
より、カム１３がレリーズシャフト１４を外側方に引き
動かす。

よって、第３図に示すようにレリーズシャフト１４はロ
ックギヤー６を図において左方に摺動し、中間ギヤ一部
材５の内歯ギヤー５ａとの噛合を解除する。

これによって背もたれアーム２は枢軸７を旋回中心とし
て前後方向に自由旋回し、任意の傾斜角度に早送りで調
整され、早送りレバー１４の引き上げを解放することに
よりリターンスプリングの引張で早送りレバー１２を元
位置に自動的に戻し、ロックギヤー６を再ひ゛中間ギヤ
一部材５の内歯ギヤー５ａとベースアーム１の内歯ギヤ
ー３とに同時噛合し、背もたれアーム２をロックするの
である。

以上のように本考案は、内歯ギヤーと外歯ギヤーとによ
る従来の無段階微細調整の背もたれ角度の調整操作の他
に、ロックギヤーに枢軸と平行な軸線でレリーズシャフ
トを固設し、該レリーズシャフトに係合するカムを有す
る早送りレバーの操作によるロックギヤーの噛合解除に
より自由な角度で早送りの調整が得られ、特に大きな角
度調整を行う場合にワンタッチによって迅速に傾斜角度
が求められる利点を有しているものである。

また、構造も簡単であり安価に提供し得ると共に、作動
の確実性と操作力の軽減性及び安全性を有する効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の主要構成部品を示す分解斜視図、第２
図は本考案の無段調整可能状態の断面図、第３図は早送
り調整可能状態の断面図である。 １・・・・・・ベースアーム、２・・・・・・背もたれ
アーム、３゜４・・・・・・内歯ギヤー、５・・・・・
・中間ギヤ一部材、５ａ・・・・・・内歯ギヤー、５ｂ
・・・・・・外歯ギヤー、６・・・・・・ロックギヤー
、７・・・・・・枢軸、８・・・・・・偏心カム軸、１
１・・・・・・微細調整用ハンドル、１２・・・・・・
早送りレバー、１３・・・・・・カム、１４・・・・・
・レリーズシャフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースアームと背もたれアームとのそれぞれに内歯ギヤ
   ーを設け、該ベースアームと背もたれアームとの間に１
   側面には前記ベースアームの内歯ギヤーと同歯数の内歯
   ギヤーを、また他側面には前記背もたれアームの内歯ギ
   ヤーと歯数差を有して噛合する外歯ギヤーを設けた中間
   ギヤ一部材を介在し、該中間ギヤ一部材の内歯ギヤーと
   前記ベースアームの内歯ギヤーと全周噛合するロックギ
   ヤーを設け、前記中間ギヤ一部材とロックギヤーを枢軸
   で支持すると共に、背もたれアームは該枢軸上に形成し
   た偏心カム軸で支持し、枢軸端には微細調整用ハンドル
   を設けたものにおいて、前記ロックギヤーを枢軸線方向
   に摺動して中間ギヤ一部材とベースアームとの内歯ギヤ
   ーに同時噛合並びに噛合解除させるために、前記ロック
   ギヤーに枢軸と平行な軸線でレリーズシャフトを固設し
   、該レリーズシャフトに軸線に対し直交する方向に突出
   したガイド部に係合するカムを有する早送りレバーを枢
   軸に回動可能に支持したことを特徴とするシートリクラ
   イナー