JPS5823552Y2 - クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作根株で加工するワークのクランプ装置に関
するものである。

本考案の目的は、ボス等の突起部を有するワークをクラ
ンプするクランパのアンクランプ連動を前記ワークの突
起部との干渉を避け、且つワーク着脱に支障を生じない
ようにしたことである。

ワークを治具本体の基準面に押圧クランプするにおいて
、枢支点を中心にして旋回動するクランプアームによる
場合、クランプアームの旋回軌跡は枢支点を中心とする
一定の半径円弧線を画くので、ワークにボス等の突起部
を有するときにはクランプアームのクランプ並びにアン
クランプ時に、クランプアームの先端部がワークの突起
部と干渉しワークの着脱に支障を来たす。

従来、このような不具合を解消するために、クランプア
ームの旋回運動をワークと干渉しないようにした装置が
提供されているが、何れも機構と運動が複雑であり、円
滑且つ確実な作動を長期間に亘って保持する点に問題が
あった。

本考案は上記従来の問題に鑑み、クランパのアンクラン
プ初期段階では略軸線方向に逃し、その後側方に大きく
逃してワークの突起部との干渉を回避し、ワークの着脱
に支障を生じない位置に大きく逃す段階的な旋回運動を
得る簡単且つ合理的なりランプ装置を提供するものであ
る。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図において１はベッド、２はベッド１上を進退移動
する摺動台であり、ベッド１上に固設されたパイロット
パー３に摺動自在に装架されている。

４は該摺動台２を進退駆動する送りシリンダである。

摺動台２上には主軸台５が固設されている。

６は主軸、７はタイル、８は主軸台５上に固設された主
軸駆動モータ、９は主軸駆動モータ８から主軸６への動
力伝達機構を覆うベルトカバーである。

１０は主軸６の前方部のヘッド１上に固設された治具本
体であり、第３図に示すようにワークＷの基準金１０２
を有している。

１１は本考案によるクランプ装置である。

このクランプ装置の構成について第２図以下第４図によ
って説明する。

治具本体１０の側方には後述するクランプアームの作動
シリンダ２４を固設するためのシリンダ用ブラケット１
２が固定されている。

このシリンダ用ブラケット１２の先端部にＬ形リンク１
３を、その−辺１３ａは主軸６の軸線と直交し、他辺１
３ｂは平行軸線でしかも先端の向きが主軸６の先端の向
きと同一方向となるよう直角折曲部で枢軸２６によって
旋回自在に枢着する。

そして、このＬ形リンク１３の前記他辺１３ｂの端にク
ランプアーム１４を、その略中央部で枢軸１５により旋
回自在に枢支されている。

クランプアーム１４の先端は二股のフォーク部１６を形
成し、フォーク部１６にフローチンブリング１７がＹ軸
線上で枢支ピン１８により揺動可能に枢支され、さらに
フローチンブリング１フ内にはクランパリング１９がＸ
軸線上で枢支ピン２０によって揺動可能に枢支されてい
る。

該クランパリング１９の前記基準金１０３に対面する面
には等間隔の三点位置にワークＷに当接する当て金２３
が突設している。

一方、クランプアーム１４の後端は前記り形リンク１３
の一辺１３ａの端部との間にスプリング２７が掛は止め
されている。

前記シリンダ用ブラケット１２には作動シリンダ２４が
主軸６と平行軸線で固設され、そのピストンロッド３１
は主軸台５の進退方向と同一方向に進退作動するよう向
けられている。

該ピストンロッド３１の先端には前記クランプアーム１
４の後端部近傍に当接する抑圧部材２５が結合されてい
る。

この押圧部材２５には挿通穴２９が開設されていて、こ
れにＬ形リンク１３の一辺１３ａを挿通し、挿通穴２９
の範囲内において押圧部材２２５はＬ形リンク１３と干
渉することなく進退ストロークが得られるようになって
いる。

また挿通穴２９の前端部近くには抑圧部材２５の後退時
にＬ形リンク１３の一辺と係合し、Ｌ形リンク１３を旋
回動を与える係合ピン３０が固設されている。

尚図中符号２８はＬ形リンク１３のストッパ、３２は基
準金１０８の一側部に設けられたワークの落下防止用の
ブロックを示す。

次に上記構成よりなる本考案装置の作動を説明する。

クランプ装置１１によるワークＷのクランプ状態は各図
の実線に示す通り、治具本体１０の基準金１０８に搬入
されたワークＷはクランプアーム１４の押圧によって強
固にクランプされている。

すなわち、作動シリンダ２４の作動によってピストンロ
ッド３１は前進端に伸長し、抑圧部材２５がクランプア
ーム１４の後端部を押圧する。

この押圧力はクランプアーム１４の支点である枢軸１５
から先端では逆方向に作用し、クランパリング１９に固
設されている当て金２３はワークＷを基準金１０２の方
向に押圧するのである。

この当て金２３がワークＷの面に当接したときにクラン
パリング１９の枢支ピン２０と、フローチンブリング１
７の枢支ピン１８とによるＸ、Ｙ軸方向の揺動が可能と
なっているために、当て金２３は常にワークＷの当接面
に従って直角方向に押圧力を付与する。

ワークＷのクランプ時におけるクランプアーム１４は基
準金１０ａの面と略平行な方向に位置し、Ｌ形リンク１
３はスプリング２７の張力によって引っばられ、その他
辺１３ｂはストッパ２８に当接し、−辺１３ａはクラン
プアーム１４と平行に位置している。

上記のワークハクランプ状態からアンクランプする動作
は、作動シリンダ２４によってピストンロッド３１を後
退する。

これにより押圧部材２５によるクランプアーム１４端部
の押圧力は解除される。

従ってクランプアーム１４はスプリング２Ｔによってア
ンクランプ方向のモーメントが付与されているために、
アンクランプの初期段階では、該スプリング２１による
張力でＬ形リンク１３が旋回動する以前のストッパ２８
に当接された位置における枢軸１５を支点として基準金
１０２より開離する方向に旋回動する。

このクランプアーム１４の旋回動における当て金２３の
移動軌跡は第４図に示すようにＣ−Ｂ間の略直線Ｓ２の
主軸方向のストロークでワークＷより後退移動する。

次いで、押圧部材２５の係合ピン３０がＬ形リンク１３
の一辺１３ａに当接し、Ｌ形リンク１３を第４図におい
て時計方向に枢軸２５を支点として旋回動する。

これによりＬ形リンク１３の他辺１３ａがストッパ２８
より離れる方向に旋回動し、クランプアーム１４と連結
している枢軸１５の支点はＬ形リンク１３の支点である
枢軸２６を中心とする半径の軌跡線を画いて変位する。

すなわち、Ｌ形リンク１３の旋回角はクランプアーム１
４の先端に大きく増巾して作用し、ｂ −ａ間の大きな
半径の円弧軌跡Ｓ１を画いて側方に旋回移動するのであ
る。

従って、アンクランプの初期段階のＣ−ｂ間の直線軌跡
Ｓ２の逃し移動によってワークＷのボス等の突起部との
干渉を完全に回避し、６３間の円弧軌跡Ｓ１の逃し移動
によってワークＷの着脱に支障を生じないよう大きく開
口位置する。

また治具本体１０の基準金１０２に搬入し仮受けしたワ
ークＷのクランプにおいても前記クランプアーム１４の
ａ −ｂ間の円弧軌跡Ｓ１によってワークＷのボス等の
突起部との干渉を避けて当て金２３はワークＷに近接位
置し、さらにｂ−０間の直接軌跡Ｓ２でワークＷに当接
してワークＷを基準金１０８に押圧クランプする。

当て金２３がワークＷに当接したときには、フローチン
ブリング１７とクランパリング１９との枢支ピン１８゜
２０による十字枢支点で揺動し、当て金２３はワークＷ
の面と常に直角方向に、しかも全ての当て金２３が均等
に当接して確実なりランプ状態を保持する。

以上のように本考案はクランプアームをＬ形すンクに枢
着し、該枢着点を支点にしてクランプアームの先端の当
て金を略主軸軸線方向に逃し移動させると共に、Ｌ形す
ンクの枢着点を支点にして大きな半径の円弧軌跡で旋回
動させる二段階の軌跡線によるクランプ並びにアンクラ
ンプ作動するものであるから、ワークにボス等の突出部
が存在していても、これとの干渉を確実に回避し、且つ
ワーク脱着に必要な大きな開口部を有し、ワークの搬出
搬入も容易に得られる利点がある。

さらに、主要構成はＬ形すンク、クランプアーム及び作
動シリンダによるもので構造も簡略化し、作動も確実に
得られる利点も有している。

また、クランプアームの先端の当て金は、十字枢支され
たフローチンブリングとクランパリングとによってワー
ク当接時にワークの面に対して自動的に調心し、当て金
を常に直角方向に均等に当接するものであるから、ワー
クのクランプも確実に行われるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えた工作機械の側面図、第２図
は第１図Ａ矢視拡犬図、第３図は第２図■■線断面図、
第４図は第２図Ｂ矢視図である。 １・・・・・・ベッド、２・・・・・・摺動台、５・・
・・・・主軸台、６・・・・・・主軸、１０・・・・・
・治具本体、１０ａ・・・・・・基準金、１１・・・・
・・クランプ装置、１２・・・・・・シリンダ用ブラケ
ット、１３・・・・・・Ｌ形すンク、１４・・・・・・
クランプアーム、１５・・・・・・枢軸、１６・・・・
・・フォーク部、１７・・・・・・フローチンブリング
、１８・・・・・・枢支ピン、１９・・・・・・クラン
パリング、２０・・・・・・枢支ピン、２３・・・・・
・当て金、２４・・・・・・作動シリンダ、２５・・・
・・・押圧部材、２６・・・・・・枢軸、２７・・・・
・・スプリング、２８・・・・・・ストッパ、２９・・
・・・・挿通穴、３０・・・・・・係合ピン、３１・・
・・・・ピストンロッド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一辺は主軸軸線と直角に、他辺は主軸の先端方向に向け
   て突設されたＬ形リンクの屈折点を治具本体の側方に設
   けられた第１の枢軸によって主軸軸線を通る平面内で旋
   回自在に枢支し、該り形リンクの他辺の先端に設けた第
   ２の枢軸により治具本体に装着したワーク突出部端面と
   略同一平面内に位置するクランプアームを前記り形リン
   クと同一平面内で回動可能に枢支し、該クランプアーム
   の先端にはワークに当接する当て金を突設し、またクラ
   ンプアームの後端と前記り形リンクの一辺の先端とにス
   プリングを張設し、作動シリンダの前進動によってクラ
   ンプアームをクランプ方向に押動し、後退勤でクランプ
   アームをアンクランプ方向に初期段階では前記第２の枢
   軸を支点とし、その後はＬ形リンクと係合して第１の枢
   軸を支点として回動させる押圧部材を設けたことを特徴
   とするクランプ装置。