JPS6116006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作物加工機の工具案内装置に関する
ものである。

本考案の目的は、工作物が搬送時にリフトされ
ても工作物と干渉しないように工具の案内部材を
可動的に支持し、加工ヘツドを単独で後退できる
ようにして加工時における加工ヘツドの移動量を
極力小さくすることによりサイクルタイムを向上
させると共に、工具交換時においては、案内部材
と加工ヘツドとの間隔を広くとり得るようにし、
工具交換を容易に行えるようにしたことである。

加工済の工作物を加工位置からリフトアンドキ
ヤリー方式のトランスフア装置で搬出する加工ラ
インで工作物の上面をドリル加工する場合には工
具を案内支持する案内部材を加工完了後において
工作物から上方に逃がし、搬出時に案内部材と工
作物が干渉することを防止する必要がある。

これを特別な駆動源を設けずに行うには、実公
昭46−9990号公報に開示されているように、工作
物に対して進退する加工ヘツドの前面に案内部材
を進退可能に案内すると共に、この案内部材をス
プリングによつて工作物加工面の側に押圧するよ
うに構成し、加工ヘツドの前進途中において案内
部材を工作物加工面に当接して位置決めを行い、
その後の加工ヘツドの前進によつて工作物の加工
を行うようにしていた。

かかる従来のものでは、工具案内部材が加工ヘ
ツドの前面に取付けられているため、案内部材を
加工ヘツドにあまり近づけて取付けると工具の取
外し時において工具刃先が案内部材に干渉し、工
具の着脱が行いにくい。この問題を解決するに
は、加工ヘツドと案内部材との間の間隔を大きく
して、案内部材と工具刃先との間の隙間を大きく
すればよいが、このようにすると、案内部材が工
作物加工面に当接してから工具刃先が案内部材に
係入するまでの加工ヘツドの前進量が大きくなる
とともに、加工完了時においては工具が工作物加
工面から離脱した後、案内部材が工作物加工面か
ら離脱するまでの加工ヘツドの後退量が増大し、
この加工ヘツドの進退量の増大により、サイクル
タイムが長くなる問題があつた。

また、実開昭55−66715号公報に記載されてい
るように、ワークランプ用パツドを取付けた治具
プレートに工具案内用のガイドブツシユを取付け
た構造のものでは、工具案内用のガイドブツシユ
が加工ヘツドと一体的に移動しないために、上述
した問題はないが、このようにワークランプ用パ
ツドを取付けた治具プレートに工具案内部材を取
付けた場合には、治具プレートを工具軸線と平行
な方向に移動させる必要があり、かかる従来のも
のでは、治具プレートを工作物の両側に配置され
た一対の案内杆で案内支持し、かつ一対のクラン
プシリンダで治具プレートを移動させるようにし
ていた。

従つて、かかる従来の方式は、クランパを旋回
させて工作物をクランプする旋回アーム式のクラ
ンプ装置に適用することが困難なだけでなく、工
作物加工面に対して工具軸線が斜交している場合
には、工作物加工面の位置変化に応じてガイドブ
ツシユの位置が工作物加工面と直交する方向に変
化することにより、工具に対するガイドブツシユ
の相対位置は工具の径方向に変化することにな
り、工具軸線が工作物加工面に対して斜交し、か
つ加工面の位置が工作物によつて変化する場合に
は対応できない問題がある。

本考案は上記従来の問題を解決した工具案内装
置を提供するもので、構成が簡単な旋回アーム式
のクランプ装置においても工具案内部材をクラン
プ装置側に配置でき、かつクランプアームの旋回
運動と連動して工具軸線と平行な方向に工具案内
部材を進退できるようにしたことを特徴とするも
のである。以下その実施例を図面によつて説明す
る。

本考案は上記従来の問題を解決した工具案内装
置を提供するものである。以下その実施例を図面
によつて説明する。

１は支持ベースで、トランスフアバー３によつ
て搬入する工作物Ｗを位置決めするノツクピン２
と、工作物Ｗのクランプ装置を有している。この
クランプ装置は、支持ベース１に枢軸５により揺
動自在に枢支したクランプアーム４と、このクラ
ンプアーム４を作動するクランプ用シリンダ７と
からなり、クランプアーム４の先端には工作物Ｗ
の上面に当接するクランパ６を有し、後端１１は
クランプ用シリンダ７のピストンロツド８と結合
されている可動ブロツク９の係合穴１０に係合し
ている。

さらに、支持ベース１の上面に、加工位置の工
作物Ｗの上方で、工作物Ｗと加工ヘツド１２との
間に延在する左右一対の支持板１４が固設されて
いる。この支持板１４の先端には支持部材１５が
突設されており、これに案内筒１６が嵌着されて
いる。

上記案内筒１６には支持軸１７が上下摺動可能
に案内され、支持軸１７の下端に中間ブロツク１
８を介して案内プレート１９が固着されており、
この案内プレート１９に加工ヘツド１２のドリル
１３を案内する案内ブツシユ２０が設けられてい
る。

さらに、前記支持板１４に連結軸２１が前記ク
ランプアーム４の枢軸５と平行な軸線で回転自在
に支持され、この連結軸２１に一対の操作レバー
２２を固着し、操作レバー２２の先端２３を前記
支持軸１７上の上端部に係合している。

一方、前記可動ブロツク９に操作軸２５を形成
し、この操作軸２５に前記連結軸２１に固着した
回動レバー２４の一端２６を係合したものであ
る。

上記本考案装置の動作について説明すると、ト
ランスフアバー３によつて工作物Ｗが加工位置に
搬入され、ノツクピン２により位置決めされた後
にクランプ用シリンダ７が作動し、ピストンロツ
ド８を上昇動する。これによつてクランプアーム
４が回動し、クランパ６は下降動して工作物Ｗの
上面を押圧しクランプする。

このクランプ動作と連動して回動レバー２４並
びに操作レバー２２を介して支持軸１７も下降動
し、工具１３を案内する案内プレート１９は工作
物Ｗの上面に対して所定量離間した位置に位置さ
れる。然る後に加工ヘツド１２を下降動しドリル
１３を案内ブツシユ２０で案内して工作物Ｗに穴
明け加工を行うものである。

次いで工作物Ｗの加工完了によつてクランプ用
シリンダ７を作動し、ピストンロツド８を下降動
してクランプアーム４を上昇回動して工作物Ｗを
アンクランプとする。このアンクランプ動作に連
動して下降していた支持軸１７は上昇動し、案内
プレート１９はトランスフアバー３で搬送時にリ
フトされる工作物Ｗと干渉しない位置に上昇する
のである。

以上述べたように本考案においては、工具の案
内部材が加工ヘツド側でなく治具側に設けられて
いるため、通常の加工完了時においては、工具刃
先が案内部材から離脱する位置よりも若干上方の
位置を後退端位置として加工のために必要な加工
ストロークを短くし、工具交換時においては、加
工ヘツドを通常の加工完了時における後退端位置
からさらに後退させて案内部材と工具刃先との間
の間隔を大きくし、工具の交換を容易にすること
ができる。

従つて、加工ヘツドの前面に工具案内部材を取
付けたもののように、工具の着脱を容易化すると
加工のサイクルタイムが長くなるという問題が生
じることなく、加工のサイクルタイムを短くし、
かつ工具の着脱も容易化できる利点がある。

また、本考案においては、治具上において案内
部材を加工ヘツドの進退方向と平行な方向に直動
可能に案内支持し、クランプアームの旋回と連動
して案内部材を工具軸線と平行な方向に移動させ
るように構成したので、クランパを保持する部材
の移動方向が工具軸線と平行でない旋回式のクラ
ンプ装置を用いたものにおいても、案内部材を治
具側に配置し、クランパの移動を利用して案内部
材の進退を行うことができる利点がある。

さらに、本考案にいては、案内部材がクランプ
アームに対して独立して支持されているため、工
作物加工面に対して工具軸線が傾いて交差してい
る場合でも、案内部材の移動方向を工具の移動方
向に合わせるだけで対応でき、かつ工作物加工面
の位置が変化しても工具案内部材の位置は工作物
加工面に対して斜交する工具の軸線からずれるこ
とがない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の側面図、第２図は平面
図、第３図は正面図である。 １……支持ベース、４……クランプアーム、７
……クランプ用シリンダ、９……可動ブロツク、
１２……加工ヘツド、１３……ドリル、１４……
支持板、１７……支持軸、１９……案内プレー
ト、２１……連結軸、２２……操作レバー、２４
……回動レバー、２５……操作軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加工位置に位置決めされた工作物の一方の側に
   枢支され工作物側の端部にクランパを取付けた回
   動式のクランプアームと、前記工作物の前記一方
   の側に配置されこのクランプアームを旋回動する
   クランプ用シリンダとを備え、前記クランプアー
   ムの旋回動によつて工作物をクランパするものに
   おいて、前記工作物の上方で、工作物と加工ヘツ
   ドとの間に延在する固定の支持板に支持軸を工具
   軸線を平行な方向に直動可能に案内すると共に、
   この支持軸の下端に工具案内部材を設け、前記工
   作物の前記一方の側に前記クランプアームの枢軸
   と平行に連結軸を軸承し、この連結軸には、前記
   クランプ用シリンダのピストンロツドと一体の操
   作部材に先端部が係合する回動レバーと、先端部
   が前記支持軸に係合し前記連結軸の回動に応じて
   前記支持軸を直動進退させる操作レバーとを取付
   けたことを特徴とする工具案内装置。