JPS5817681Y2 - 工具保持チヤツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＮＣ工作機械などに使用する工具保持チャック
に関するものである。

従来の工具保持チャックは、テーパシャンクを有するチ
ャック本体のチャック筒内周面にテーパを形成し、この
チャック筒内周面にコレットの外周面に形成したテーパ
を密接させて、コレットを軸方向の摺動可能にチャック
筒内に嵌合させている。

このため、コレットに切削工具などの工具のシャンクを
嵌挿して、これをクランプする際に、工具のシャンク太
さの寸法差によってコレットおよびシャンクが軸方向に
動き、チャック筒に対するシャンクの嵌合深さが異なる
。

従って、テーパシャンクが嵌装された工作機械の主軸先
端から工具の先端までの長さ寸法を正確にすることが難
かしく、またこの寸法が工具交換ごとに変動するという
問題があった。

とくに、最近のＮＣ工作機械に使用する工具保持チャッ
クでは、工具の先端の動きをＮＣテープの指令によって
予めプログラムしてしまうため、使用工具の前記長さ寸
法を正確にしてチャックに工具を保持する必要があり、
前述した問題の解決が強く要望されている。

本考案は、このような要望に応えるためになされたもの
で、工具のシャンクに太さの寸法差があっても、常に所
望の嵌合深さを保って確実に工具のシャンクをクランプ
することができ、しかもコレットによるシャンクの締付
けと同時にクランプ用駒によるシャンクの押付けができ
るようにしてクランプ操作が簡易にできる工具保持チャ
ックを提供することにより、このチャックが装着された
工作機械の主軸先端から工具先端までの長さ寸法を正確
かつ容易に所要寸法に保ち得るようにすることを目的と
するもので゛ある。

以下本考案の一実施例につき図を参照して説明する。

チャック本体１は、末端側に工作機械の主軸２に嵌装さ
れるテーパジャンク３が設けられ、先端側にチャック筒
４が設けられ、このチャック筒４の内周面５末端部には
環状凹溝６が形成されている。

コレット７は、外周面にテーパが形成され、かつ円周方
向の複数個所に軸方向に沿う割り溝８が形成され、弾性
変形による径の縮小が可能にされており、末端部外周面
には係止突起９が形成されている。

チャック筒４の環状凹溝６に、コレット７を縮径した後
これを元の形状にしてその係止突起９を係合させること
により、コレット７はその軸方向移動が阻止されてチャ
ック筒４内に嵌合されている。

チャック筒４の内周面５とコレット７の外周面との間に
スリーブ１０が軸方向の摺動可能に介挿され、スリーブ
１０の内周面にはコレット７外周面のテーパと密接する
これと逆向きのテーパが形成されている。

前記チャック筒４の先端部外周面にはほぼ袋ナツト状の
締付は筒体１１が螺装され、この筒体１１のチャック筒
４先端面から突出した先端部内周面とスリーブ１０のチ
ャック筒４およびコレット７先端面から突出した先端部
外周面との間に鋼球１２がほぼ半分ずつ転勤自在に嵌合
されていることにより鋼球１２を介してスリーブ１０に
対し締付は筒体１１が回転自在にかつ軸方向移動が阻止
されて係合されている。

クランプ用駒１３が、チャック筒４の外側からこのチャ
ック筒４に形成した孔１４に密接してこれを摺動自在に
貫通し、かつスリーブ１０に形成した軸方向に長い切欠
き１５およびコレット１７に形成した孔１６を遊貫して
コレット７の内面側から内端部が突出されるようになっ
ている。

また、クランプ用駒１３の内端部には半球状の押付は体
１７が嵌合され、クランプ用駒１３のチャック筒４外周
面から突出した外端面１８には、その末端側の突出長さ
が長くなるように傾斜が形成され、この外端面１８の傾
斜と底面が平行な傾斜溝１９が形成されている。

前記クランプ用駒１３の外側に位置してチャック筒４の
外周側にクランプ筒２０が嵌合され、このクランプ筒２
０の先端突出部２１内局面に設は環状凹溝２２に締付は
筒体１１の末端部外周面に嵌着したスナップリングから
なる連結部材２３が回転および軸方向移動可能に連結さ
れ、クランプ筒２０の先端面と締付は筒体１１の内周部
末端面との間には皿ばねなどのばね２４が介在されてい
る。

前記クランプ筒２０の内周面には、末端側が大内径とな
るようにテーパ面が形成され、かつ連係ピン２５が突出
され、この連係ピン２５の先端面がクランプ用駒１３の
傾斜溝１９の底に摺動自在に係合されている。

なお、図中２６は鋼球１２の支持用ねし栓、２７は切削
工具、２８は切削工具２７のシャンク、２９はシャンク
２７に設けた回り止め用切欠き面、３０はスリーブ１０
の先端部内周面に設けられて切削工具２７の外周面に接
する切削屑などのシール部材、３１はチャック筒の末端
内面である。

次に以上のように構成された工具保持チャックの動作に
ついて説明する。

切削工具２７のシャンク２８を所望の深さにコレット７
に嵌挿し、締付は筒体１１を回転させると、鋼球１２を
介しテスリーブ１０がチャック筒４の末端側に摺動する
。

このスリーブ１０の摺動によってこれと密接するコレッ
ト７が、スリーブ１０とコレット７の両テーパにより弾
性変形して縮径すると共に、コレット７の係止突起９と
チャック筒４の環状凹溝６との間に軸方向の若干の隙間
があっても、コレット７の末端面がチャック筒４の末端
内面３１に当接すると、コレット７がチャック筒４の末
端側へ移動しなくなり、この状態でコレット７によって
前記工具２７のシャンク２８が緩く締付けられる。

従って、コレット７の末端面がチャック筒４の末端内面
３１に当接した状態で、工作機械の主軸２の先端と工具
２７の先端との長さ寸法りを所要長さにしておけば、コ
レット７と工具２７のシャンク２８との間に径方向の緩
みがあっても、締付は筒体１１をチャック筒４末端側に
さらに螺進させ、これに伴うスリーブ１０の移動によっ
て前記緩みを吸収し、コレット７および工具２７のシャ
ンク２８を軸方向に変位させることなく、シャンク２８
をチャック本体１に掴持することができる。

また、前述した締付は筒体１１の螺進によって、これに
連結されたクランプ筒２０がばね２４を介してチャック
筒４の末端側に移動し、クランプ筒２０の内周面に設け
たテーパー面がクランプ用駒１３の外端面１８を摺動し
つつクランプ用駒１３を内方に押圧する。

このためごクランプ用駒１３の内端部に取り付けた半球
状の押付は体１７で工具２７のシャンク２８に設けた回
り止め切欠き面２９を押付ける。

従って、工具２７のシャンク２８とコレット７、コレッ
ト７とスリーブ１０およびスリーブ１０とチャック筒４
の内、外周面（またはコレット７とチャック筒４の末端
面）の接触面間の摩擦抵抗だけでは、工作機械の主軸２
から工具２７のシャンク２８側へのトルクの伝達が十分
でないのを、前記クランプ用駒１３によるシャンク２８
の押付けによって補い、前記主軸２から所要のトルクを
工具２７のシヤングに伝達することができる。

前述した工具２７のシャンク２８がチャック本体１に装
着された状態から工具２７を取外すには、締付は筒体１
１を締付は時と反対方向に回転させて後退させると、鋼
球１２を介してスリーブ１０がチャック筒４の先端方向
に戻され、これに伴ってコレット７の締付けが緩められ
、このためコレット７がその弾性復元力で拡径する。

これと同時に、締付は筒体１１の後退に伴って、連結部
材２３及び連係ピン２５を介してクランプ筒２０がチャ
ック筒４の先端側に戻されクランプ筒２０の締め付が緩
められてこれに伴いクランプ用駒１３を介しての工具２
７のシャンク２８への押付けが解除される。

従って、工具２７のシャンク２８をコレット７がら引抜
いて工具２７を取外すものである。

なお、本考案において、コレットは軸方向移動が阻止さ
れた後にも縮径が行なわれるものであれば、前述の実施
例のような係止突起をチャック筒の環状凹溝に係止する
構成に限られることなく、適宜の構成にすることができ
る。

以上説明したように本考案は、コレット７の外周面に形
成したテーパと、スリーブ１０の内周面に形成したテー
パとを密接させ、チャック本体１のチャック筒４に螺合
した締付は筒体１１を回転させることにより、スリーブ
１０を介してコレット７を軸方向への移動が阻止された
状態で縮径させて工具２７のシャンク２８を締付けるこ
とができるので、前記シャンク２８に太さの寸法差があ
っても、チャック筒４に対するコレット７およびシャン
ク２８の嵌合深さを常に所望寸法に保ってシャンク２８
をクランプすることができる。

また、前記締付は筒体１１の軸方向への移動によって連
係ピン２５によりスムーズにクランプ筒２０を移動させ
、このクランプ筒２０の内周面に設けたテーパ面の移動
によリフランプ角駒１３の工具２７のシャンク２８への
押付けが解除できるので、クランプ用駒１３とコレット
７とを同時に操作することができ、クランプ操作および
その解除が容易である。

従って、工作機械の主軸２先端から工具２７先端までの
長さ寸法りを正確に所要寸法に保つことが、簡単な操作
で容易にでき、とくにＮＣＣ工作後口好適する工具保持
チャックを提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す一部を縦断した側面図であ
る。 １・・・・・・チャック本体、２・・・・・・工作機械
の主軸、３・・・・・・テーパシャンク、４・・・・・
・チャック筒、５・・・・・・チャック筒の内周面、７
・・・・・・コレット、１０・・・・・・スリーブ、１
１・・・・・・締付は筒体、１３・・・・・・クランプ
用駒、２０・・・・・・クランプ筒、２５・・・・・・
連係ピン、２７・・・・・・工具、２８・・・・・・工
具のシャンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テーパシャンク３およびチャック筒４を有するチャック
   本体１と、前記チャック筒４に軸方向移動が阻止される
   ように嵌合されかつ外周面にテーパが形成された径方向
   に伸縮可能なコレット７と、チャック筒４の内周面と前
   記コレット７の外周面との間に軸方向の摺動可能に介挿
   されかつコレット７のテーパと密接するこれと逆向きの
   テーパが内周面に形成されたスリーブ１０と、チャック
   筒４の外周面に螺合されかつ前記スリーブ１０に対し回
   転自在で軸方向移動が阻止されて係合されたスリーブ１
   ０移動用の締付は筒体１１と、チャック筒４、スリーブ
   １０およびコレット７を貫通して工具２７のシャンク２
   ８に当接されるクランプ用駒１３と、前記締付は筒体１
   １の末端側に連結されかつ内周面にクランプ用駒１３の
   外端傾斜部に摺動可能に係合してクランプ駒１３を内方
   に押圧するクランプ筒２０とを備えたことを特徴とする
   工具保持チャック。