JPS5816889Y2 - 自動車のスライド式ドア開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の車体側部におけるドアのスライド式
開閉装置に関する。

従来の自動車におけるスライド式ドアは、車体の側部パ
ネルに突設されたガイドレールまたは側部パネルに形成
された凹溝内のガイドレールに沿って摺動するようにな
っており、このためガイドレールをかくすカバーを設け
なげればならず、このようにしても依然として外観が見
苦しくなるほか、工作が面倒になるという問題点がある
。

本考案は、このような問題点を解決しようとするもので
、車体の前端部におけるボンネットあるいは後端部にお
けるトランクリッドのごとき蓋部材の合わせ目を利用し
てドアのガイドレールを設けることにより、構造の簡素
化と美観の維持とをはかった自動車のスライド式ドア開
閉装置を提供することを目的とする。

このため本考案の自動車におけるスライド式ドア開閉装
置は、車体の端部に枢着された蓋部材の閉鎖時の側縁部
に対向する車体側部パネルの上縁に沿って、車体外面よ
りも内方にガイドレールをそなえ、車体側部開口に設け
られたドアにドアガイドヒンジレバーの基端が取付けら
れると共に、このドアガイドヒンジレバー〇内端に軸支
されたローラが上記ガイドレールに係合し、且つ、上記
車体側部開口の上縁部および下縁部に沿ってそれぞれル
ーフサイドガイドレールおよびサイドシルガイドレール
が設けられると共に、上記ドアの上下方向サツシュ部に
もサツシュレールが設はうれ、複数のローラから成るロ
ーラ集合体が上記ルーフサイドガイドレールと上記サツ
シュレールとにまたがって係合し、上記ドアの下部に側
方へ振出し可能に枢着されたアームに支持されている下
部ローラが上記サイドシルガイドレールに係合して、上
記ドアをスライド開閉させるべく構成されて、上記蓋部
材がその閉鎖時に上記ガイドレールな覆うカバーを兼ね
ていることを特徴としている。

以下、図面により本考案の自動車におけるスライド式ド
ア開閉装置の実施例について説明すると、第１図はその
スライド式前部ドアの開放状態を示す斜視図、第２図は
その前部ドアの開閉状態を示す部分横断面図、第３図は
第２図の■−■線における部分横断面図、第４図は第２
図の■部の詳細を示す部分透視図、第５図はそのルーフ
サイドガイドレールおよびサツシュレールの配置を示す
部分図、第６図は上記のルーフサイドガイドレールとサ
ツシュレールとに係合するローラ集合体を示す第５図の
■−■矢視断面図、第７図はそのドアの作用を示す説明
図である。

第１図に示すように、この自動車の前部ドア１が本考案
によるスライド式ドア開閉装置を適用されており、後部
ドア２は通常のヒンジ式ドア開閉装置をそなえている。

そして、前部ドア１を案内するガイドレール３が、車体
前端部に枢着された蓋部材としてのボンネット４の閉鎖
時にその側縁部４ａに対向すべき車体側部パネルとして
のフェンダパネル５の上縁に沿って、車体外面よりも内
方に配設されている。

これにより、この主ガイドレール３はボンネット４の閉
鎖時にこのボンネット４に覆われて外部には露呈しない
ようになっている。

すなわち、ボンネット４はその閉鎖時に主カイトレール
３を覆うカバーを兼ねていることになる。

また、第２．３図に示すように、前部ドア１の前端部に
おける内側に竪ピン６で基端を枢着されたドアガイドヒ
ンジレバー７が設けられており、このドアガイドヒンジ
レバー７の内端に竪ピン８で枢着されたローラ軸９にロ
ーラ１０が軸支され、とのローラ１０がガイドレール３
に係合して、前部ドア１をスライド開閉させうるように
なっている。

さらに、第１図に示すように、前部ドア１を案内するル
ーフサイドガイドレール１１およびサイドシルガイドレ
ール１２が、前部ドア１を有する車体開口の上縁部およ
び下縁部に沿ってそれぞれ配設されており、ルーフサイ
ドガイドレール１１に対応して、前部ドア１の上下方向
サツシュ部にもサツシュレール１３が設けられている。

そして、第５．６図に示すように、複数のローラ１４ａ
、１４ｂおよびローラ保持部材１４ｃから成るローラ
集合体１４がルーフサイドガイドレール１１とサツシュ
レール１３とにまたがって装着され、その一方のローラ
１４ａがルーフサイドガイドレール１１に係合し、他方
のローラ１４ｂがサツシュレール１３に係合している。

第６図に示すごとく、ローラ保持部材１４ｃは、一方の
ローラ１４ａの支持部と、他方のローラ１４ｂの支持部
との間に、自在継手１４ｄを有しており、第２，４図に
示すごとくサイドシルガイドレール１２に係合する下部
ローラ１５が、前部ドア１の下部に側方へ振出し可能に
枢着されたアーム１６に支持されていることと相俟って
、前部ドア１は、第７図に示すように、ドア開放の初期
またはドア閉鎖の終期において自在継手１４ｄを中心と
する傾動作用を行なうことができる。

すなわち、前部ドア１は、その傾動作用の際に、第２図
に示すごとく、ドアガイドヒンジレバー７とアーム１６
との回動により側方へ振出されるのである。

また、第２図に示すように、ガイドレール３もサイドシ
ルガイドレール１２も後端部がそれぞれ内方へ彎曲して
おり、これにより前部ドア１は車体外面から側方へ突き
出ることなく閉鎖される。

本考案の自動車におけるスライド式ドア開閉装置は上述
のごとく構成されているので、前部ドア１の開放に際し
て、前部ドア１は、ドアガイドヒンジレバー７およびア
ーム１６の側方への振出しにより自在継手１４ｄを中心
とする傾動作用を行なうと共に、ガイドレール３および
サイドシルガイドレール１２の彎曲した後端部に沿って
各ローラ１０，１５が案内され、これにより前部ドア１
は車体開口部（出入口）の前側縁やフェンダパネル等の
干渉を受けることなく円滑に開かれるのである。

第８〜１３図は本考案の第２実施例としての装置の要部
を示すもので、第８図は第６図に対応させてルーフサイ
ドガイドレールとサツシュレールとに係合するローラ集
合体を示す断面図、第９図は上記ルーフサイドガイドレ
ールの斜視図、第１０図は上記ローラ集合体の斜視図、
第１１図は上記サツシュレールの斜視図、第１２図はサ
イドシルガイドレールに係合した下部ローラを示す部分
断面図、第１３図は上記下部ローラの斜視図である。

第８〜１１図に示すように、この第２実施例ではルーフ
サイドガイドレール１１に係合するローラ１４ａとサツ
シュレール１３に係合するローラ１４ｂとから成るロー
ラ集合体１４が大幅に簡素化され、またルーフサイドガ
イドレール１１の後端部１１ａは内方へ彎曲していて、
これにより前部ドア１が開放の初期に外方へ張り出され
るように九っている。

なお第８図中、サツシュレール１３およびこれを支持す
るドアサツシュ１ａは、約９０度ひねって水平状態で示
されている。

また、この第２実施例では、第１２．１３図に示すごと
く、車体側のサイドシルガイドレール１２に係合するド
ア側の下部ローラ１５が、水平軸１５ａのまわりに回転
するように設けられている。

すなわち、前部ドア１の内側に竪ピン１６ａで枢着され
たアーム１６の先端において、下部ローラ１５は水平軸
１５ａを介し支持されている。

第１４〜１８図は本考案の第３実施例としての装置の要
部を示すもので、第１４図は第５図に対応させてルーフ
サイドガイドレールおよびサツシュレールの配置状態を
示す部分側面図、第１５図は上記ルーフサイドガイドレ
ールの斜視図、第１６図は上記サツシュレールの斜視図
、第１７図は上記のルーフサイドガイドレールとサツシ
ュレールとにまたがって装着されるローラ集合体の斜視
図、第１８図はサイドシルガイドレールとこれに係合す
べき下部ローラとを離脱させた状態で示す斜視図である
。

この第３実施例の場合は、第１４〜１７図に示すように
、車体側のルーフサイ トガイドレール１１に係合する
ローラ１４ａとサツシュレール１３に係合するローラ１
４ｂとから成るローラ集合体１４が簡素化されているほ
か、ルーフサイドガイドレール１１の後端部１１ａが十
分に彎曲して、その偏位量ｅだげ車体外方に前部ドア１
が開放時に突き出るようになっている。

また、サツシュレール１３は、第１６図に示スごとく、
ポルＮ３ａでドアサツシュに強固に固定される。

さらに、この第３実施例では、第１８図に示すように、
サイドシルガイドレール１２に係合すべき下部ローラ１
５が、リプ１５ｂを有して強固に組立てられたアーム１
６に軸支されている。

そして、上述の第２．３実施例のいずれの場合も、第１
実施例と同様に、前部ドアを案内するガイドレールが、
車体の前部におけるフェンダパネルの上縁に沿って車体
外面よりも内方に配設されて、蓋部材がその閉鎖時にガ
イドレールを覆うカバーを兼ねており、また前部ドアに
ドアガイドヒンジレバーを介して取付けられたローラが
上記ガイドレールに係合して、これにより第１実施例の
場合とほぼ同様の作用効果が得られるようになっている
。

以上詳述したように、本考案の自動車におけるスライド
式ドア開閉装置によれば、車体の端部に枢着された蓋部
材４０合わせ目としての車体側部パネル５の上縁に沿い
、カイトレール３が車体外面よりも内方に引込められる
ようにして設けられており、蓋部材４がその閉鎖時にガ
イドレール３を覆うカバーを兼ねているので、これをか
くず別のカバーを必要とせず、構造の簡素化がはかられ
ると共に、車体側部パネル５の上縁をガイドレール３で
補強する効果があり、しかも美観を損ねることがない。

また本考案の装置では、車体側部開口の上縁部および下
縁部に沿ってそれぞれルーフサイドガイドレール１１お
よびサイドシルガイドレール１２が設げられると共に、
ドアの上下方向サツシュ部にもサツシュレール１３が設
けられ、複数のローラ１４ａ、１４ｂから戊るローラ集
合体１４がルーフサイドガイドレール１１とサツシュレ
ール１３とにまたがって係合し、ドアの下部に側方へ振
出し可能に枢着されたアーム１６に支持されている下部
ローラ１５がサイドシルガイドレール１２に係合１−て
いるので、車体側部パネル５上のガイドレール３にドア
側のローラ１０が係合していることと相俟って、強固な
構造で、確実な作動によりドアのスライド開閉を行なえ
る利点があるほか、ドアのスライド開閉に伴い、フェン
ダパネル等の干渉を受けることもない。

なお前述の実施例では本考案を乗用車の前部ドア１の開
閉装置に適用した場合について説明したが、本考案は第
１９図および第２０図に示すように乗用車の後部ドア２
にも適用することが可能であり、その場合は車体後端部
におけるトランクリッド１７の合わせ目としての車体側
部パネル１８上縁に沿って、カイトレールが車体外面よ
りも内方に引込められるようにして設けられ、トランク
リッド１７がガイドレールを覆うカバーを兼ねるように
なる。

【図面の簡単な説明】

第１〜７図は、本考案の第１実施例としての自動車にお
けるスライド式ドア開閉装置を示すもので、第１図はそ
のスライド式前部ドアの開放状態を示す斜視図、第２図
はその前部ドアの開閉状態を示す部分平断面図、第３図
は第２図の■−■線における部分横断面図、第４図は第
２図の■部の詳細を示す部分透視図、第５図はそのルー
フサイドガイドレールおよびサツシュレールの配置を示
す部分図、第６図は上記のルーフサイドガイドレールと
サツシュレールとに係合するローラ集合体を示す第５図
のＶｌ−ＶＩ矢視断面図、第７図はそのドアの作用を示
す説明図であり、第８〜１３図は本考案の第２実施例と
しての装置の要部を示すもので、第８図は第６図に対応
させてルーフサイドガイドレールとサツシュレールとに
係合するローラ集合体を示す断面図、第９図は上記ルー
フサイドガイドレールの斜視図、第１０図は上記ローラ
集合体の斜視図、第１１図は上記サッシュレールノ斜視
図、第１２図はサイドシルガイドシールに係合した下部
ローラを示す部分断面図、第１３図は上記下部ローラの
斜視図であり、第１４〜１８図は本考案の第３実施例と
しての装置の要部を示スモので、第１４図は第５図に対
応させてルーフサイドガイドレールおよびサツシュレー
ルの配置状態を示す部分側面図、第１５図は上記ルーフ
サイドガイドレールの斜視図、第１６図は上記サツシュ
レールの斜視図、第１７図は上記のルーフサイドガイド
レールとサツシュレールとにまたがって装着されるロー
ラ集合体の斜視図、第１８図はサイドシルガイドレール
とこれに係合すべき下部ローラとを離脱させた状態で示
す斜視図であり、第１９図および第２０図は、いずれも
本考案の第４実施例としての装置をそなえた乗用車の側
面図である。 １・・・・・・前部ドア、１ａ・・・・・・ドアサツシ
ュ、２・・・・・・後部ドア、３・−・・・・ガイドレ
ール、４・・・・・・ボンネット、４ａ・・・・・・側
縁部、５・・・・・・車体側部パネル、６・・・・・・
竪ピン、７・・・・・・ドアガイドヒンジレバー、８・
・・・・・竪ピン、９・・・・・・ローラ軸、１０．−
・−・ローラ、１１・・・・・・ルーフサイドガイドレ
ール、１１ａ・・・・・・ルーフサイドガイドレール１
１の後端部、１２・・・・・・サイドシルガイドレール
、１３・・・・・・サツシュレール、１３ａ・・・・・
・ボルト、１４・・・・・・ローラ集合体、１４ａ、１
４ｂ・・・・・・ローラ、１４ｃ・・・・・・ローラ集
合体、１４ｄ・・・・・・自在継手、１５・・・・・・
下部ローラ、１５ａ・・・・・・水平軸、１５ｂ・・・
・・・リブ、１６・・・・・・アーム、１６ａ・・・・
・・竪ピン、１７・・・・・・トランクリッド、１８・
・・・・・車体側部パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の端部に枢着された蓋部材の閉鎖時の側縁部に対向
   する車体側部パネルの上縁に沿って、車体外面よりも内
   方にガイドレールをそなえ、車体側部開口に設けられた
   ドアにドアガイドヒンジレバー〇基端が取付けられると
   共に、このドアガイドヒンジレバー〇内端に軸支された
   ローラが上記ガイドレールに係合し、且つ、上記車体側
   部開口の上縁部および下縁部に沿ってそれぞれルーフサ
   イ トガイドレールおよびサイドシルガイドレールが設
   けられると共に、上記ドアの上下方向サツシュ部にもサ
   ツシュレールが設けられ、複数のローラから戒るローラ
   集合体が上記ルーフサイドガイドレールと上記サツシュ
   レールとにまたがって係合し、上記ドアの下部に側方へ
   振出し可能に枢着されたアームに支持されている下部ロ
   ーラが上記サイドシルカイトレールに係合して、上記ド
   アをスライド開閉させるべく構成されて、上記蓋部材が
   その閉鎖時に上記ガイドレールを覆うカバーを兼ねてい
   ることを特徴とする、自動車のスライド式ドア開閉装置
   。