JPH1193738A - 内燃機関システム - Google Patents

内燃機関システム

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JPH1193738A
JPH1193738A JP10112422A JP11242298A JPH1193738A JP H1193738 A JPH1193738 A JP H1193738A JP 10112422 A JP10112422 A JP 10112422A JP 11242298 A JP11242298 A JP 11242298A JP H1193738 A JPH1193738 A JP H1193738A
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Takeshi Imai
岳史 今井
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啓輔 真鍋
Masaaki Yamaguchi
正晃 山口
Kimito Hattori
公人 服部
Shigenobu Suenaga
重信 末永
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料供給量の高度補償機能を備えた内燃機関
システムにおいて、急加速のアクセル操作をしたときに
車両に加わる加速ショックを緩和する。 【解決手段】 ECUは、EGR判定がオフからオンに
なると、EGR弁を開弁し、この開弁に伴って高度補償
装置(BACS)の作動を停止(オフ)させる。高度補
償装置の作動停止状態では、アクセルペダルを一杯に踏
込んだときのエンジンに対する燃料噴射量がその作動時
の最大噴射量Smaxより小さな最大噴射量Slimitに制限
される。アクセルペダルが急加速操作されてEGR判定
がオンからオフに切換わったときには、EGR弁を閉弁
するための閉弁指令をし((2)の状態)、この閉弁指令
から所定時間T(例えば0.5秒)が経過してから、高
度補償装置を作動(オン)させる((4)の状態)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料供給量を高度
に応じて補償する高度補償装置を備えた内燃機関システ
ムにおいて、アクセルペダルを急加速操作したときに車
両に加わる加速ショックの低減を図る技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼルエンジンを搭載する車
両においては、山岳地などの高地を走行することを考慮
し、高度の違いからくる空気密度の変化に応じて燃料噴
射量を補正する高度補償装置を備える燃料噴射ポンプが
採用されている。高度補償装置には、例えば高度噴射量
補償装置(ACS)と高地過給圧補償装置(BACS)
が知られている。高度噴射量補償装置(ACS)は、ベ
ローズ等を利用して、大気圧が低くなるに連れてスピル
リングを燃料噴射量の減る方向に変位させるものであ
る。また、高地過給圧補償装置(BACS)は、過給圧
と一定負圧との差圧によって作動するダイヤフラム等を
利用し、大気圧の低下により過給圧が低くなるに連れて
スピルリングを燃料噴射量の減る方向に変位させるもの
である。
【0003】図12は、高度補償装置を備えたエンジン
において、エンジン回転数と燃料噴射量との関係を示す
グラフである。高度補償装置が作動されているときはア
クセルペダルを一杯に踏込んだときの最大燃料噴射量
が、高度の違いからくる大気圧の変化に応じて補正され
る。このため、高地では、アクセルペダルを一杯に踏み
込んだときの最大燃料噴射量が平地の場合に比べて小さ
く制限され、高度に応じた空気密度(吸入酸素量)に見
合うように燃料噴射量が調整される。このため、高地走
行時に排気ガスに黒煙が発することが回避される。
【0004】また、自動車用エンジンには、排気ガスの
浄化を目的として排気ガスを吸気系へ再循環させるEG
R装置が備えられている。EGR装置は、排気マニホー
ルドと吸気マニホールドとを繋ぐEGR通路を通して排
気ガスの一部を吸気系へ再循環させるものである。EG
R通路を開閉させるために設けられているEGR弁に
は、例えばダイヤフラム式など、負圧を利用して開閉作
動させる負圧作動式のものが使用される場合がある。負
圧作動式のEGR弁は、電子制御装置(ECU)により
バキューム・スイッチング・バルブ(VSV)が切換制
御されることにより開閉制御され、EGR弁の負圧室に
負圧が導入されることにより開弁され、その負圧室が大
気圧に開放されることにより閉弁される。
【0005】EGR弁は、車両に設けられた各種センサ
により検出される各種パラメータから、エンジンの運転
状態が予め定められたEGRオン領域にあると判断され
たときに開弁される。通常、エンジン回転数やアクセル
開度等のパラメータがエンジンの低中負荷時の運転状態
を示すときを、EGRオン領域とするように設定されて
いる。このため、アクセルペダルを一杯に踏込んだとき
はアクセル開度のパラメータが高負荷時の運転状態を示
すことになるので、EGR作動条件が成立しなくなって
EGR弁が閉弁される。つまり、排気ガス再循環が行わ
れなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両運転中
は高度補償装置が作動されるが、平地を走行していると
きは、スピルリングが最大燃料噴射量を制限しない位置
にある。平地走行時に、急加速させるためにアクセルペ
ダルを一杯まで強く踏込むと、図12に示すように燃料
噴射量は例えば(a)点から最大噴射量の(b)点まで急激に
増える。そして、アクセルペダルが一杯に踏込まれてい
る間は、(c)点のようにエンジン回転数に応じて変化す
る最大噴射量のラインに沿って移動する。
【0007】図13に示すように、アクセルペダルが急
加速操作のために一杯まで踏込まれたときは、アクセル
開度が急に開くために燃料噴射量が急激に増加する。そ
の結果、車両に急加速のための大きな加速ショックが発
生し、これが原因で車両には、図13に示すような比較
的大きな振幅の前後Gが発生する。この前後Gによる車
体の前後の揺れによって、急加速時の乗り心地を悪化さ
せるという問題があった。
【0008】また、アクセルペダルを急加速操作する際
は、その途中でアクセル開度がEGRオン領域から外
れ、ECUによるEGRオン−オフ判定がオンからオフ
に切換わった時点で、ECUからVSVに対してEGR
弁を閉弁させる閉弁指令がなされる。しかしながら、E
GR弁が負圧作動弁であると、閉弁指令がなされてEG
R弁の負圧室に大気圧が導入されても、それが完全に閉
じるまでにある程度の時間tを要する応答遅れがある。
このため、急加速操作時は、EGR弁が完全に閉じる前
で排気ガスの一部がまだ再循環されている状況下で燃料
噴射量だけが増大され、燃料が吸気中の酸素量に対して
過剰に供給されることになるため、図13に示すように
排気ガスにスモーク(黒煙)が発生するという問題もあ
った。
【0009】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その第1の目的は、燃料供給量の高
度補償機能を備えた内燃機関システムにおいて、急加速
のアクセル操作をしたときに車両に加わる加速ショック
を緩和することができる内燃機関システムを提供するこ
とにある。第2の目的は、加速ショックの緩和制御を安
定に行なうことにある。第3の目的は、EGR装置を備
えた内燃機関システムにおいて、EGR弁が負圧作動弁
であっても、急加速時にEGR弁の閉弁時の応答遅れに
起因して発生する黒煙を低減させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1に記載の発明では、エンジンに供給す
る燃料供給量を大気圧に応じて高度補償する第1の作動
状態と、前記燃料供給量を第1の作動状態にあるときよ
り小さく制限する第2の作動状態とに切換え可能に設け
られた高度補償装置と、急加速の少なくとも可能性があ
るアクセル操作を検出する検出手段と、アクセル操作量
が相対的に小さい所定領域内にあるときに前記高度補償
装置を第2の作動状態にするとともに、前記検出手段に
より前記アクセル操作が検出されると、アクセル操作を
一杯に操作し切る急加速操作の過程で燃料供給量を二段
階で段階的に増大させ得るタイミングで、前記高度補償
装置を第2の作動状態から第1の作動状態に切換える制
御手段とを備えている。
【0011】第2の目的を達成するために請求項2に記
載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記検
出手段は、アクセル操作量がしきい値を超えたことをも
って急加速の可能性がある加速操作を検出する加速検出
手段を備え、前記制御手段は、前記加速検出手段により
アクセル操作量が前記しきい値を超えた時から所定時間
経過後に、前記高度補償装置を第2の作動状態から第1
の作動状態に切換えることをその要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記検出手段は、アク
セル操作量が前記しきい値を超えたときの前記加速操作
が急加速操作によるものであることを検出する急加速検
出手段を備え、前記制御手段は、該急加速検出手段によ
り前記急加速操作が検出されたときに限り、その検出時
から前記所定時間経過後に、前記高度補償装置を第2の
作動状態から第1の作動状態に切換えることをその要旨
とする。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、エンジンの排気通路と
吸気通路とを繋ぐEGR通路を開閉するためのEGR弁
を有するEGR装置を備え、前記加速検出手段は、前記
EGR弁を開弁させるEGR作動条件を満たした状態か
ら満たさなくなったことをもってアクセル操作量が前記
しきい値を超えたことを検出し、前記制御手段は、前記
EGR作動条件を満たすアクセル操作量のときに前記高
度補償装置を第2の作動状態にすることをその要旨とす
る。
【0014】第3の目的を達成するために請求項5に記
載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記E
GR弁は負圧作動弁であって、前記所定時間は、前記E
GR弁がその閉弁指令から完全に閉弁するまでに要する
所要時間以上に設定されている。
【0015】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記高度
補償装置が第2の作動状態にあるときの最大燃料供給量
は、急加速時の加速ショックが許容量を超えて発生する
ことがない限界値以下に適合されている。
【0016】請求項7に記載の発明では、請求項4〜請
求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記高度
補償装置が第2の作動状態にあるときの最大燃料供給量
は、平地走行時において前記EGR弁の開弁時の吸気中
の酸素量に対して黒煙を許容量を超えて発生させるほど
過剰とならない限界値以下に適合されている。
【0017】請求項8に記載の発明では、請求項1〜請
求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記所定
時間は、1秒以内に設定されている。 (作用)請求項1に記載の発明によれば、アクセル操作
量が相対的に小さい所定領域内にあるときは、高度補償
装置が第2の作動状態とされ、燃料供給量が相対的に小
さく制限される。この状態において、急加速のアクセル
操作をすると、そのアクセル操作は急加速の少なくとも
可能性があるアクセル操作として検出手段により検出さ
れる。すると、制御手段により、アクセル操作を一杯に
操作し切る急加速操作の過程で燃料供給量を二段階で段
階的に増大させ得るタイミングで、高度補償装置が第2
の作動状態から第1の作動状態に切換えられる。その結
果、一杯に操作し切るアクセル操作でもって急加速操作
がなされたとき、高度補償装置が第2の状態にあるため
に燃料供給量がまずはじめに制限された最大供給量に保
持されてから、高度補償装置が第2の作動状態から第1
位の作動状態に切換わることでその制限が解除された最
大供給量に増える。つまり、燃料供給量が二段階で段階
的に増大する。従って、急加速操作の際に車両に加わる
加速ショックが燃料供給量がいきなり増大する場合に比
べて緩和される。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、アクセル
操作量がしきい値を超えたことをもって、加速検出手段
により、急加速の可能性があるアクセル操作(加速操
作)が検出される。アクセル操作量がしきい値を超えた
時点が所定時間を計時する基準とされるため、急加速操
作がどのアクセル操作量でなされたかにかかわらず、急
加速操作の過程で燃料供給量が制限された状態に保持さ
れる時間にばらつきが発生し難くなる。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、アクセル
操作量がしきい値を超えたときのアクセル操作が急加速
操作によるものであることが急加速検出手段により検出
されたときに限り、その検出時から所定時間経過後に、
制御手段により高度補償装置が第2の作動状態から第1
の作動状態に切換えられる。つまり、実際に急加速のア
クセル操作がなされたときにだけ、燃料供給量が二段階
で段階的に増大することになる。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、EGR弁
が開弁状態とされるEGR作動条件を満たすアクセル操
作量のときに高度補償装置が第2の作動状態とされる。
急加速のアクセル操作がなされたときにEGR作動条件
が満たされた状態から満たされなくなったことをもっ
て、アクセル操作量がしきい値を超えたものとして、急
加速の可能性があるアクセル操作が検出される。従っ
て、EGR弁の開閉制御のために行われるEGR作動条
件を満たすか否かの判定を利用し、急加速の可能性があ
るアクセル操作を検出することが可能になる。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、EGR作
動条件が満たされた状態から満たされなくなってから、
所定時間経過後に、高度補償装置が第2の作動状態から
第1の作動状態に切換えられる。負圧作動弁であるEG
R弁の閉弁時の応答遅れがあっても、EGR弁が完全に
閉弁するまでは燃料供給量が制限され、それが少なくと
も完全に閉弁した後に燃料供給量の制限が解除される。
その結果、急加速操作がなされても、許容量を超える黒
煙が発生することは回避される。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、高度補償
装置が第2の作動状態にあるときの最大燃料供給量が、
急加速時の加速ショックが許容量を超えて発生すること
がない限界値以下に適合されているので、急加速時に許
容量を超える加速ショックが発生することが回避され
る。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、高度補償
装置が第2の作動状態にあるときの最大燃料供給量が、
平地走行時においてEGR弁の開弁時の吸気中の酸素量
に対して黒煙を許容量を超えて発生させるほど過剰とな
らない限界値以下に適合されているので、急加速時に許
容量を超える黒煙が発生することが回避される。
【0024】請求項8に記載の発明によれば、所定時間
が1秒以内に設定されているので、車両の加速性能を落
とさず加速ショックを緩和することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明をディーゼルエンジンシ
ステムに具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って
説明する。
【0026】図5は、自動車に搭載された内燃機関シス
テムとしてのディーゼルエンジンシステム1を示す。こ
のディーゼルエンジンシステム1は、ディーゼルエンジ
ン2と、同エンジン2へ燃料を圧送する分配型の燃料噴
射ポンプ3とを備えている。
【0027】ディーゼルエンジン2を構成するエンジン
本体4には、その気筒数に応じた数の燃料噴射ノズル
(図示せず)が設けられている。エンジン本体4には、
吸気通路としての吸気マニホールド5と、排気通路とし
ての排気マニホールド6とがそれぞれ接続されている。
エンジン2にはターボチャージャ7が装備されている。
ターボチャージャ7は、排気マニホールド6からの排気
ガスによって回転されるタービン8と、タービン8の回
転力により回転されるコンプレッサ9とを備える。コン
プレッサ9の回転により吸気通路10および吸気マニホ
ールド5を通じてエンジン本体4の各燃焼室に取り込ま
れる吸気が過圧される。
【0028】エンジン本体4から排出される排気ガスの
一部を吸気系へ再循環させる排気ガス再循環(EGR)
を行うために、排気マニホールド6と吸気マニホールド
5との間には両者を接続するEGR通路11が設けられ
ている。EGR通路11の途中には同通路11を開閉す
るEGR弁12が設けられている。本実施形態では、E
GR弁12はダイヤフラム式の負圧作動弁である。
【0029】EGR弁12はEGR通路11を開閉する
弁体12aと、弁体12aに連結されたダイヤフラム1
2bと、ダイヤフラム12bで区画された負圧室12c
と、負圧室12cに配置されてダイヤフラム12bを付
勢するバネ12d等により構成されている。EGR弁1
2は負圧室12cに負圧が導入されない状態で閉弁し、
負圧室12cに負圧が導入された状態で開弁するように
なっている。なお、EGR通路11とEGR弁12とに
よりEGR装置が構成されている。
【0030】EGR弁12の負圧室12cは、負圧通路
13を通じて第1のバキューム・スイッチング・バルブ
(以下、第1のVSVという)14に接続されている。
この負圧通路13の途中にはバキュームダンパ15が設
けられている。第1のVSV14は入力ポート、出力ポ
ート及び大気ポートを備えた三方式の電磁弁であり、そ
の出力ポートに負圧通路13の一端が接続されている。
第1のVSV14の入力ポートは、負圧通路16を通じ
て、エレクトリック・バキューム・レギュレーティング
・バルブ(以下、EVRVという)17の出力ポートに
接続されている。
【0031】EVRV17は、デューティ制御によって
開度が調節される電磁弁であり、その入力ポートは、負
圧通路18を通じて負圧源であるバキュームポンプ19
に接続されている。バキュームポンプ19はエンジン本
体4のクランクシャフト(図示せず)から伝達される回
転力により駆動される。EVRV17の出力ポートに接
続された負圧通路20は圧力センサ21の入力ポートに
接続されている。EVRV17は圧力センサ21が検出
した検出値に基づいてその出力ポートの負圧が予め設定
された一定負圧となるようにデューティ制御される。
【0032】第1のVSV14がオンされると、EGR
弁12の負圧室12cに負圧が導入され、第1のVSV
14がオフされると、EGR弁12の負圧室12cが大
気圧に開放されるようになっている。
【0033】燃料噴射ポンプ3はエンジン2の出力軸に
連結されており、エンジン2の出力軸から入力した伝達
力により、その内蔵するベーンポンプ(図示せず)が駆
動されるとともに、プランジャ(図示せず)が往復動
し、エンジン2の出力軸の回転に同期して燃料を吐出す
るようになっている。
【0034】燃料噴射ポンプ3には、燃料の最大噴射量
を過給圧に応じて調節する高度補償装置としての高地過
給圧補償装置(ブースト・アルティチュード・コンベン
セーショナル・ストッパ)( 以下、単にBACSとい
う)22が設けられている。BACS22には、吸気通
路10に通じて過給圧を導入するための圧力通路23
と、第2のバキューム・スイッチング・バルブ(以下、
第2のVSVという)24の出力ポートに通じる負圧通
路25とが接続されている。第2のVSV24は入力ポ
ート、出力ポート及び大気ポートを備えた三方式の電磁
弁であり、その入力ポートが負圧通路26を通じてEV
RV17の出力ポートに接続されている。
【0035】図4に示すように、BACS22はガバナ
上部に取付けられ、ダイヤフラム22aにより上下に区
画された過給圧室22bと負圧室22cとを備える。過
給圧室22bには圧力通路23を通じて過給圧が導入さ
れる。第2のVSV24がオンまたはオフに切換えられ
ることにより、負圧室22cには負圧通路25を通じて
負圧または大気圧が導入される。ダイヤフラム22aは
負圧室22cに配設されたバネ22dにより上方へ付勢
された状態にあり、その中央にはプッシュロッド27が
下方に延びる状態に固定されている。プッシュロッド2
7は過給圧室22bと負圧室22cとの圧力差に応じて
上下に動くようになっている。
【0036】プッシュロッド27の下部にはテーパ部2
7aが形成されており、このテーパ部27aにコネクテ
ィングピン28の先端が当接している。プッシュロッド
27が上下に動くことにより、コネクティングピン28
が同図における左右に変位するようになっており、コネ
クティングピン28の変位に応じてコントロールアーム
29が支軸29aを中心に回動する。そして、コントロ
ールアーム29の回動に伴ってテンションレバー30が
支軸30aを中心に回動し、スピルリング31が左右に
変位するようになっている。
【0037】BACS22は、第2のVSV24がオン
されることにより作動し、オフされることにより作動が
停止される。BACS22の作動状態では、負圧室22
cに一定負圧が導入される。このため、過給圧が高いほ
どプッシュロッド27が下降変位し、スピルリング31
が同図における右方向、すなわち噴射量増加側に変位す
る。一方、高度が高くなるほど大気圧が低下して過給圧
が下がるため、プッシュロッド27が上昇変位し、スピ
ルリング31が同図における左方向、すなわち噴射量減
少側に変位するようになっている。よって、BACS2
2の作動状態では、燃料噴射量について過給圧補償特性
と高度補償特性が同時に得られる。
【0038】また、BACS22の作動停止状態では、
負圧室22cが大気圧になるので、過給圧に対するプッ
シュロッド27の下降変位量がその作動時に比べて小さ
くなり、スピルリング31が相対的に噴射量減少側に変
位する。このため、BACS22の作動停止状態では、
アクセルペダルを一杯に踏込んだときの最大燃料噴射量
が作動時のそれに比べて小さく制限される。なお、本実
施形態では、燃料噴射量が高度補償されるBACS22
の作動状態が第1の作動状態に相当し、燃料噴射量が小
さく制限されるBACS22の作動停止状態が第2の作
動状態に相当する。
【0039】燃料噴射ポンプ3にはエンジン回転数を検
出する回転数センサ32と、アクセルレバー33の開度
を検出するためのロータリポジションセンサ34が設け
られている。ロータリポジションセンサ34は可変抵抗
からなり、アクセルレバー33の開度、すなわちアクセ
ルペダルの踏込量に応じた検出電圧を出力する。また、
エンジン本体4には冷却水温を検出するための水温セン
サ35が設けられている。また、自動変速機(図示せ
ず)にはギヤの回転から車速を検出する車速センサ36
が設けられている。
【0040】圧力センサ21,回転数センサ32,ロー
タリポジションセンサ34,水温センサ35,車速セン
サ36は、制御手段としての電子制御装置(ECU)3
7に電気的に接続されており、各センサ21,32,3
4〜36の検出信号はECU37に入力されるようにな
っている。また、第1のVSV14,EVRV17,第
2のVSV24はECU37に電気的に接続されてお
り、ECU37からの指令信号に基づいてそれぞれ制御
される。
【0041】ECU37に内蔵されたマイクロコンピュ
ータ40には、中央処理装置(以下、CPUという)4
1、読取り専用メモリ(ROM)42、読取り書込み可
能メモリ(RAM)43及びカウンタ44を備えてい
る。なお、ロータリポジションセンサ34及びマイクロ
コンピュータ40により、検出手段、加速検出手段及び
急加速検出手段が構成される。
【0042】ROM42には、各種センサ32,34等
から検出された各種パラメータから決まる運転状態が予
め定められた排気ガス再循環を行うべき「EGRオン領
域」に属するか否かを判断するためのマップが記憶され
ている。例えば「EGRオン領域」はエンジンの低中速
運転状態のときに設定され、高速運転時(例えばアクセ
ル開度の大きいとき)は「EGRオン領域」から外れる
ことになる。従って、EGRオン領域内の運転状態から
アクセルペダルを一杯に踏込む急加速時には、アクセル
開度がある値を超えたところでEGRオン領域から外れ
ることになる。
【0043】CPU41は、各種センサ32,34等に
より検出された各種パラメータに基づいてエンジンの運
転状態がEGRオン領域にあるか否かを判断するEGR
オン−オフ判定(以下,EGR判定という)を行う。C
PU41は、EGR判定が「オン」のときに第1のVS
V14をオンさせてEGR弁12を開弁させ、EGR判
定が「オフ」のときに第1のVSV14をオフさせてE
GR弁12を閉弁させる。
【0044】BACS22は、エンジン始動時、第2の
VSV24がCPU41によりオンされることにより作
動される。本実施形態では、急加速時の加速ショック低
減と黒煙低減を図る制御のために、エンジンの運転状態
がEGRオン領域にあるときに、BACS22の作動を
停止させるようにしている。ROM42には図2に示す
急加速時対策のためのプログラムデータが記憶されてい
る。
【0045】図3は、平地(低い高度)において、エン
ジン回転数と燃料噴射量との関係を示すものである。高
度補償装置(BACS)22が作動状態(第1の作動状
態)にあるときは、平地であるために燃料噴射量の高度
補償による減量分がほとんどないため、アクセルペダル
を一杯に踏込んだときの最大噴射量Smaxは、ほぼ上限
値である図3に実線で示すライン上の値をとる。これに
対し、高度補償装置(BACS)22が作動停止状態
(第2の作動状態)にあるときは、最大噴射量Slimit
は、最大噴射量Smaxに対して小さく制限された図3に
鎖線で示すライン上の値をとる。
【0046】BACS22の作動停止時における最大噴
射量Slimitは、平地走行時でのEGR弁12の開弁時
における吸気中の酸素量に対して黒煙を許容量を超えて
発生させるほど過剰とならず、かつ急加速時に加速ショ
ックを許容量を超えて発生させることがない限界値以下
に適合されている。最大噴射量Slimitの適合は、例え
ばバネ22dの弾性力の設定を調整することにより行わ
れる。
【0047】また、カウンタ44は時間の計時に使用さ
れるものである。本実施形態では、EGR判定が「オ
ン」から「オフ」に切換わったときに、CPU41がE
GR弁12の閉弁指令(つまり第1のVSV14のオフ
指令)をする。このとき、アクセルペダルを勢いよく踏
込んで急加速させようとしたためにEGR判定が「オ
ン」から「オフ」になったときには、EGR弁12の閉
弁指令から所定時間T(本実施形態では例えば0.5
秒)経過後にBACS22の作動指令(つまり第2のV
SV24のオン指令)をするようにしている。カウンタ
44はこのときの所定時間Tを計時するために使用され
る。
【0048】急加速のときにBACS22の作動指令が
所定時間Tだけ遅れることにより、その急加速の過程で
最大燃料噴射量がSlimitからSmaxに二段階で切換わる
ことになる。このため、アクセルペダルが急加速のため
に一杯に踏込まれたときは、燃料噴射量は、最大噴射量
Slimitに制限された状態に一時留まってから最大噴射
量Smaxに至る二段階の段階的な増え方をする。本実施
形態では、急加速時の燃料噴射量を二段階で段階的に増
やすことで、加速ショックの緩和と、負圧作動弁である
EGR弁12の閉弁時の応答遅れ(動作遅れ)に起因し
て発生する黒煙の低減とをねらいとしている。
【0049】所定時間Tを0.5秒としたのは、負圧作
動弁であるEGR弁12がその閉弁指令から約0.2〜
0.3秒程度の所要時間を要して完全に閉弁した後、さ
らに吸気中における排気ガスがある程度薄まってその酸
素濃度がほぼ安定してから、BACS22を作動状態に
切換えるためである。また、急加速時の加速ショックを
緩和するためには、二つの指令がなされる時間差に約
0.2〜0.3秒程度確保されればよく、所定時間Tを
0.5秒に設定しておくことは、加速ショックの緩和の
点からも十分な値である。所定時間Tは0.5秒に限定
されるものではなく、そのねらいや車両とのマッチング
によって適宜な時間を設定できる。所定時間Tをあまり
長くすると加速性能を落とすことになるので、ある程度
の加速性能を確保するためには所定時間Tを1秒以内に
することが好ましい。なお、EGR判定が急加速以外の
理由で「オン」から「オフ」に切換わるときは、EGR
弁12の開弁指令と、BACS22の作動指令は同時に
行われる。
【0050】また、アクセルペダルの踏込みが「急加
速」であることの判断は、ロータリポジションセンサ3
4から入力される検出電圧の時間変化をみることで行っ
ている。すなわち、ロータリポジションセンサ34によ
り検出されたアクセル開度ACCPをRAM43に毎回
記憶し、アクセル開度ACCPについて前回と今回の値
の差を求め、この差が設定値以上のときに「急加速」と
判断するようにしている。
【0051】次に急加速時対策のためのプログラムデー
タについて、図2に示すフローチャートを用いて説明す
る。このプログラムはエンジン始動時に高度補償装置
(BACS)22の作動が開始された後に実行開始さ
れ、エンジン運転中において例えば数10ミリ秒毎に実
行される。
【0052】まずステップ10において、各センサ3
2,34等の検出信号に基づき、エンジン回転数NE,
アクセル開度ACCP等を読込む。ステップ20におい
ては、読込んだパラメータNE,ACCP等からマップ
を使ってそのときの運転状態がEGRオン領域にあるか
否かを判断する。ステップ30においては、EGR判定
が「オフ」から「オン」への切換わりであるか否かを判
断する。CPU41は前回のEGR判定がオン・オフの
どちらであるかを覚えておくためにEGRフラグを備え
ており、EGRフラグのフラグ値と、今回各種パラメー
タからマップを用いて得られたEGR判定結果とを比較
することにより、この判断は行われる。
【0053】ステップ40においては、EGR判定が
「オフ」から「オン」への切換わりであれば、EGR弁
12を開弁させるための開弁指令をする。つまり、第1
のVSV14をオンさせる指令をする。次のステップ5
0においては、高度補償装置(BACS)22の作動を
停止させるための停止指令をする。つまり、第2のVS
V24をオフさせる指令をする。このため、運転状態が
EGRオン領域に切換わったときは、EGR弁12が開
弁されるとほぼ同時にBACS22の作動が停止され
る。従って、EGR弁12が開弁されて排気ガス再循環
(EGR)が実行されているときは、燃料噴射量が高度
補償装置(BACS)22の作動停止によりその作動時
に比べて小さく制限されることになる。また、ステップ
30におけるEGR判定で「オフ」から「オン」への切
換わりでないときは(つまり前回のEGR判定も「オ
ン」であれば)、既にEGR弁12が開弁状態にある
か、開弁指令が既になされているので、当該ルーチンを
終了する。
【0054】一方、ステップ20において運転状態がE
GRオン領域になければ、ステップ60において、EG
R判定が「オン」から「オフ」への切換わりであるか否
かを判断する。つまり、CPU41はEGRフラグのフ
ラグ値と、今回のEGR判定結果とを比較してこの判断
をする。EGR判定が「オン」から「オフ」への切換わ
りのときは、ステップ70において、EGR弁12の閉
弁指令をする。つまり、第1のVSV14をオフさせる
指令をする。
【0055】そして、ステップ80において、EGR判
定の「オン」から「オフ」への切換わりが、「急加速」
によるものか否かを判断する。すなわち、ロータリポジ
ションセンサ34により検出されたアクセル開度ACC
Pの前回と今回の値の差をみてその差が予め定めた設定
値以上であるときに「急加速」と判断する。前回のアク
セル開度ACCPはRAM43の所定記憶領域に記憶し
ておいたものをCPU41が読出して使用する。
【0056】「急加速」であるときは、ステップ90に
おいて、カウンタ44をリセットして計時を開始させ
る。このため、カウンタ44にはEGR弁12の閉弁指
令がなされた後の経過時間に相当する計数値が計数され
る。また、カウンタT44の計時開始時には、計時中で
ある旨を覚えておくために計時フラグがセットされる。
【0057】ステップ60におけるEGR判定が「オ
ン」から「オフ」への切換わりでなければ(前回のEG
R判定も「オフ」であれば)、ステップ100におい
て、カウンタ44が計時中であるか否かを計時フラグの
フラグ値から判断する。計時フラグがセットされていて
計時中であれば、ステップ110において、カウンタ4
4をインクリメントする。また、計時フラグがリセット
されていて計時中でなければ、既にEGR弁12が閉弁
状態にあるか、EGR弁12の閉弁指令が既になされて
いるので、当該ルーチンを終了する。
【0058】ステップ120においては、EGR弁12
の閉弁指令から所定時間T(本実施形態では0.5秒)
が経過したか否かを判断する。つまり、カウンタ44の
計数値が所定時間Tに相当する計数値に達したか否かを
判断する。所定時間Tの経過前であれば、当該ルーチン
を終了する。そして、カウンタ44の計数値が所定時間
Tに相当する計数値に達したならば、ステップ130に
おいて、カウンタ44による計時を停止するとともに、
計時フラグをリセットする。そして、ステップ140に
おいて、高度補償装置(BACS)22を作動させる作
動指令をする。すなわち、第2のVSV24をオンさせ
る指令をする。このため、EGR判定の「オン」から
「オフ」への切換わりが「急加速」によるものである場
合は、EGR弁12の閉弁指令から所定時間T(0.5
秒)経過後にBACS22が作動されることになる。
【0059】次に、このエンジンシステム1の作用を説
明する。エンジン運転中は、原則として高度補償装置
(BACS)22が作動される。このため、高度が高く
なってアクセルペダルの踏込量の割りに過給圧が小さく
なれば、スピルリング31が噴射量減少側に変位するこ
とになるので、高度が高くなるほど最大燃料噴射量が小
さく抑えられる。但し、本実施形態ではエンジンの運転
状態がEGRオン領域にあるときに、BACS22の作
動が一時停止される。このため、EGR弁12の開弁に
より排気ガス再循環(EGR)が実行されているとき
は、BACS22の作動停止によってその負圧室22c
が大気圧に開放されてスピルリング31が噴射量減少側
に変位する。よって、平地(低い高度)であっても、E
GR実行中は、図3における鎖線のラインで示される最
大噴射量Slimitに小さく制限される。
【0060】そして、図1,図3に示すように、EGR
実行中にアクセルペダルを一杯に踏込んで急加速させた
とき((1) 〜(3) の状態)は、アクセル開度ACCPが
急激に増大することになるが、アクセルペダルを一杯ま
で踏込んでも、噴射量はSlimit に制限される。このア
クセルペダルの踏込過程の途中でアクセル開度ACCP
がEGRオン領域から外れ、EGR判定が「オン」から
「オフ」に切換わったとき((2) の状態)、EGR弁1
2の閉弁指令、すなわち第1のVSV14のオフ指令が
なされる。そして、その閉弁指令から所定時間T(0.
5秒)が経過すると、高度補償装置(BACS)22が
作動される。すなわち、BACS22がその作動停止状
態である第2の作動状態から、その作動状態である第1
の作動状態に切換わる((4) の状態)。
【0061】所定時間T(0.5秒)が経過する前に燃
料噴射量が最大噴射量Slimitに制限されてその状態に
一時留まっており、BACS22が作動状態(第1の作
動状態)に切換わることにより、燃料噴射量が最大噴射
量Slimitから最大噴射量Smaxまで増大する((5) の状
態)。つまり、急加速時には燃料噴射量が二段階で増大
する。そして、アクセルペダルが一杯に踏込まれている
間は図3に示す実線に沿ってエンジン回転数の増加とと
もに最大噴射量Smaxが変化する((6)の状態)。
【0062】このようにEGR実行中に急加速のためア
クセルペダルを一杯に踏込んでも、図1に示すように燃
料噴射量が最大噴射量Slimitに一時留まってから最大
噴射量Smax に達するように二段階で増えることにな
る。このため、車両に働く加速ショックが小さく抑えら
れる。その結果、図1に示すように、最初の加速衝撃が
小さく抑えられるので、その揺れ返しとしてその後しば
らく車両に加わる前後G(前後方向の揺れ加速度)が小
さく抑えられる。
【0063】また、EGR弁12が負圧作動弁であるた
めに完全に閉弁するまでにある程度の時間(例えば約
0.2〜0.3秒)を要しても、EGR弁12の閉弁後
に吸気中の酸素濃度がある程度安定するまでは噴射燃料
が最大噴射量Slimit に制限される。従って、吸気中の
酸素量に対して燃料供給過剰状態となることが回避され
るため、図1に示すようにEGR実行中の運転状態から
急加速しても黒煙(スモーク)の発生量は許容量以内に
抑えられる。なお、急加速でなければEGR弁12の開
弁指令と、ほぼ同時にBACS22の作動が停止される
ことになるが、燃料過剰供給状態とはならないので、黒
煙が発生することはない。以上詳述したようにこの実施
形態によれば、次の効果が得られる。
【0064】(1)BACS22をEGR実行中に作動
停止させておき、急加速されたときに、EGR弁12の
閉弁指令から所定時間T(0.5秒)経過後にBACS
22を作動させることによって、急加速時の燃料噴射量
の増大が二段階で段階的に行われるようにした。よっ
て、急加速時の加速ショックを緩和して車両の乗り心地
をよくすることができ、しかもEGR弁12が閉弁時に
応答遅れのある負圧作動弁であっても、急加速時の黒煙
(スモーク)の発生量を許容量以内に抑えることができ
る。
【0065】(2)EGR判定がオンからオフに切換わ
ったことをもって、急加速の可能性があるアクセル操作
であるとみなし、その時にのみ急加速判定をするように
したので、急加速判定処理の処理回数を比較的少なくす
ることができる。
【0066】(3)EGR判定がオンからオフに切換わ
ってEGR弁12の閉弁指令がなされた時点を所定時間
の計時を開始する基準としたので、急加速操作がどんな
アクセル開度で開始されたかにかかわらず、燃料噴射量
が最大噴射量Slimitに制限される時間をばらつきの少
ないほぼ一定とすることができる。また、EGR弁12
の閉弁指令がなされた時点を所定時間の計時を開始する
基準としたことから、EGR弁12が閉弁するのに要す
る所要時間に合わせて所定時間を設定することにより、
必要最小限の所定時間でもって急加速操作時の黒煙を確
実に許容量以内に抑えることができる。
【0067】(4)所定時間Tを、EGR弁12が完全
に閉じ、さらに吸気中の酸素濃度がある程度安定するま
でに要する時間(0.5秒)に設定したので、黒煙の発
生量をより効果的に低減できる。また、所定時間Tが1
秒以内と極めて短いので、加速性能を損ねる心配がさほ
どない。
【0068】(5)BACS22は作動を停止させれば
負圧室22cが大気圧に開放され、最大噴射量がもとも
と小さく制限されるような構成であり、このようなBA
CS22を利用したので、BACS22を制御するため
のプログラムデータの変更だけで対応できる。つまり、
BACSの構造的な改良や、それを制御するためのVS
V等の新たな部品を設ける必要がない。
【0069】(6)燃料噴射量が二段階で増大すること
から、急加速時に無駄に燃料が使われることが避けら
れ、燃費の向上にも寄与する。 (第2実施形態)次に本発明を具体化した第2実施形態
を図6〜図8に従って説明する。
【0070】この実施形態は、エンジン2がターボチャ
ージャを備えず、燃料噴射ポンプ3には高度噴射量補償
装置(ACS)が備えられた例である。なお、EGR装
置等のディーゼルエンジンシステム1に設けられたその
他の構成については前記第1実施形態と同様である。よ
って、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を
付してその説明を省略し、特に異なる部分についてのみ
説明する。
【0071】図6に示すように、高度補償装置としての
高度噴射量補償装置(ACS)50は燃料噴射ポンプ3
のガバナ上部に設けられ、ACS50には第2のVSV
51の出力ポートに接続された負圧通路52が接続され
ている。第2のVSV51は、入力ポート,出力ポー
ト,大気圧ポートを備える三方式の電磁弁であり、その
入力ポートは負圧通路53を通じてEVRV17の出力
ポートに接続されている。つまり、ACS50に負圧を
導入できるようにした点が、従来のACSと異なってい
る。
【0072】図8に示すように、ACS50は大気室5
0aにべローズ50bを備え、ベローズ50bにはプッ
シュロッド54が下方に延びる状態に固定されている。
大気室50aには第2のVSV51がオンまたはオフに
切換えられることにより圧力通路52を通じて負圧また
は大気圧が導入されるようになっている。プッシュロッ
ド54は大気室50aに設けられたバネ50cにより上
方へ付勢された状態にある。
【0073】プッシュロッド54の下部にはテーパ部5
4aが形成されており、このテーパ部54aにコネクテ
ィングピン28の先端が当接している。プッシュロッド
54が上下に動くことにより、コネクティングピン28
が図8における左右に変位するようになっており、コネ
クティングピン28の変位に応じてコントロールアーム
29が支軸29aを中心に回動をする。そして、コント
ロールアーム29の回動に伴ってテンションレバー30
が支軸30aを中心に回動し、スピルリング31が左右
に変位するようになっている。
【0074】ACS50は、第2のVSV51がオフさ
れることで燃料噴射量が高度補償される作動状態にな
り、第2のVSV51がオンされることで作動停止状態
となる。ACS50の作動状態では、大気室50aが大
気圧に開放される。高度が高くなって大気圧が低くなる
ほどプッシュロッド54が下降変位し、スピルリング3
1が図8における左方向、すなわち噴射量減少側に変位
する。一方、平地では大気圧が高地に比べ高いので、プ
ッシュロッド54が上昇変位しており、スピルリング3
1が図8における右方向、すなわち噴射量増加側に位置
している。よって、ACS50の作動状態では、燃料噴
射量について高度補償特性が得られる。
【0075】また、ACS50の作動停止状態では、大
気室50aに一定負圧が強制的に導入される。このた
め、高度に関係なくプッシュロッド54が下降変位し、
スピルリング31が同図における左方向、すなわち噴射
量減少側に変位する。ACS50はその作動停止時にお
ける最大噴射量Slimitが、EGR弁12の開弁時にお
ける平地走行時の吸気中の酸素量に対して黒煙を許容量
を超えて発生させるほど過剰とならず、かつ急加速時に
加速ショックを許容量を超えて発生させるほど過剰とな
らない限界値以下に適合されている。最大噴射量Slimi
tの適合は、例えばバネ50cの弾性力の設定を調整す
ることや、一定負圧の設定値を調整することにより行わ
れる。なお、ACS50の作動状態が第1の作動状態に
相当し、ACS50の作動停止状態が第2の作動状態に
相当する。
【0076】このディーゼルエンジンシステム1におけ
る電気的構成については、前記第1実施形態におけるB
ACS22がACS50に置き換わったことに伴い、こ
のACS50の作動を制御するための第2のVSV51
がECU37に接続されていること以外は、第1実施形
態と特に違いはない。但し、BACSは第2のVSV2
4をオンさせたときに作動したが、ACS50は第2の
VSV51をオンさせたときに作動する。
【0077】ACS50は、エンジン始動時に、ECU
37により第2のVSV51がオフされることにより作
動される。但し、エンジン運転中において各センサ3
2,34等により検出された各種パラメータNE,AC
CP等に基づいてそのときの運転状態がEGRオン領域
にあるときは、第2のVSV51をオフしてACS50
の作動を停止させるようにしている。
【0078】そして、前記第1実施形態と同様に、RO
M42に記憶された図2に示す急加速時対策のためのプ
ログラムデータに基づいてEGR弁12とACS50が
作動制御される。図7のタイミングチャートに示すよう
に、EGR実行中にアクセルペダルを例えば一杯に踏込
んで急加速したときは、アクセル開度ACCPの増大に
伴なってEGR判定が「オン」から「オフ」に切換わ
り、しかも急加速判定において急加速と判定される。そ
のため、まずEGR弁12の閉弁指令がなされ、この閉
弁指令時から所定時間T(本実施形態では0.5秒)経
過後に第2のVSV51がオンからオフに切換わって高
度補償装置(ACS)50が作動される。
【0079】よって、この実施形態によっても、図3,
図7に示すように、EGR実行中に急加速させようとア
クセルペダルを一杯に踏込むと、燃料噴射量は、まず最
大噴射量Slimitに制限される((1)〜(3)の状態)。そ
して、燃料噴射量は、最大噴射量Slimitに留まり、所
定時間T(0.5秒)経過時点に高度補償装置(AC
S)50が作動されると、最大噴射量Slimitから最大
噴射量Smaxに増大する((4),(5)の状態)。このよう
に急加速時に燃料噴射量は二段階で段階的に増えるの
で、車両に働く加速ショックが小さく抑えられる。その
結果、図7に示すように、最初の加速衝撃が小さく抑え
られるので、その揺れ返しとしてその後しばらく車両に
加わる前後G(前後方向の揺れ加速度)が小さく抑えら
れる。
【0080】また、EGR弁12が負圧作動弁であるた
めに完全に閉弁するまでにある程度の時間(例えば約
0.2〜0.3秒)を要しても、EGR弁12の閉弁後
に吸気中の酸素濃度がある程度安定するまでは噴射燃料
が最大噴射量Slimit に制限される。従って、図7に示
すようにEGR実行中の運転状態から急加速しても黒煙
(スモーク)の発生量は許容量以内に抑えられる。従っ
て、高度補償装置としてACS50を装備したこの実施
形態によっても、第1実施形態で述べた(1)〜
(4),(6)と同様の効果を得ることができる。
【0081】(第3実施形態)次に本発明を具体化した
第3実施形態を図9〜図11に従って説明する。この実
施形態は、急加速時対策のための制御にEGR判定を採
用していない例である。前記第1実施形態のBACS2
2を備えるディーゼルエンジンシステム1と、前記第2
実施形態のACS50を備えるディーゼルエンジンシス
テム1とのどちらの構成においても適用できる。以下、
本実施形態を前記各実施形態と構成の異なるプログラム
データ内容を中心に説明する。なお、説明の便宜上、高
度補償装置としてBACS22を備えた第1実施形態の
エンジンシステム1を例にして説明する。
【0082】図9は、ROM42に記憶された急加速時
対策のためのプログラムデータを示す。このプログラム
はエンジン運転中に例えば数10ミリ秒毎に実行され
る。本実施形態では、前記第1及び第2実施形態と同様
の方法により急加速の状態を検出するようにしている。
アクセル開度ACCPが設定値K未満のときに、高度補
償装置としての高地過給圧補償装置(BACS)22の
作動を停止させておき、急加速が検出されたときに、そ
の検出時から所定時間T経過後にBACS22を作動さ
せるようにしている。所定時間Tの計時にはカウンタ4
4を使用しており、カウンタ44が計時中であること
は、CPU41が備える計時フラグのフラグ値から判断
する。
【0083】まずステップ210において、各センサ3
2の検出信号に基づきアクセル開度ACCPを読込む。
ステップ220においては、カウンタ44が計時中であ
るか否かを判断する。計時フラグがリセットされている
計時中でないときは、次のステップ230に進む。ま
た、計時フラグがセットされている計時中のときは、ス
テップ260に進む。
【0084】ステップ230においては、急加速である
か否かを判断する。すなわち、アクセルペダルが急加速
操作されているか否かが判断される。アクセル開度AC
CPの前回と今回の検出値の差が予め定めた設定値以上
であるときに「急加速」と判断する。例えば0.5秒内
にアクセル開度が20%以上増したときを急加速とする
ように設定値を設定しておく。
【0085】「急加速」が検出されたときは、ステップ
240において、カウンタ44をリセットして計時を開
始させる。このため、カウンタ44には急加速が検出さ
れた後の経過時間に相当する計数値が計数される。カウ
ンタ44の計時開始時には、計時中である旨を覚えてお
くために計時フラグがセットされる。
【0086】ステップ250においては、所定時間Tが
経過したか否かを判断する。つまり、カウンタ44の計
数値が所定時間Tに相当する計数値に達したか否かを判
断する。所定時間Tの経過前であれば、当該ルーチンを
終了する。この場合、次回の処理においてステップ22
0で計時中であると判断されるため、ステップ260に
おいてカウンタ44をインクリメントする処理が行われ
る。そして、カウンタ44の計数値が所定時間Tに相当
する計数値に達し、ステップ250において所定時間T
が経過したと判断されれば、ステップ270に進んで、
カウンタ44による計時を停止するとともに、計時フラ
グをリセットする。
【0087】ステップ280においては、高度補償装置
(BACS)22を作動させる作動指令をする。すなわ
ち、第2のVSV24をオンさせる指令をする。このた
め、「急加速」が検出された場合は、その検出時点から
所定時間T経過後にBACS22が作動されることにな
る。なお、所定時間Tは、アクセル開度ACCPが設定
値K未満のどこにある状態で急加速が検出されようと
も、アクセルペダルを一杯まで踏込む急加速操作時に
は、燃料噴射量が図10に示すように二段階で段階的に
増大することができるような値(例えば0.5秒)に設
定されている。本実施形態では、負圧作動弁であるEG
R弁12が完全に閉弁した後、さらに吸気中における排
気ガスがある程度薄まってその酸素濃度がほぼ安定して
から、BACS22が作動停止状態から作動状態に切換
わるように所定時間Tを設定している。また、このよう
に設定した所定時間Tは、加速ショックの緩和の点から
も十分な時間である。
【0088】一方、ステップ230において急加速が検
出されなかったときは、ステップ290において、アク
セル開度ACCPが設定値K未満であるか否かを判断す
る。アクセル開度ACCPが設定値K未満であるときは
ステップ300に進み、アクセル開度ACCPが設定値
K以上のときは、ステップ280に進む。そのため、ア
クセル開度ACCPが設定値K以上のときは、高度補償
装置(BACS)22が作動状態とされる。ここで、設
定値Kは、急加速をしたときに燃料噴射量が一度で最大
噴射量Smaxに達するときに、黒煙が許容量を超えて発
生するとか、あるいは車両に加速ショックが発生するこ
とになるアクセル開度の限界値よりも少し余裕をみて高
めに設定された値である。このため、アクセル開度が設
定値K以上のときは仮に急加速されたとしても黒煙が許
容量を超えて発生することがなければ、加速ショックが
許容値を超えて発生することもない。
【0089】ステップ300においては、高度補償装置
(BACS)22の作動を停止させるための停止指令を
する。つまり、第2のVSV24をオフさせる指令をす
る。このため、アクセル開度ACCPが設定値K未満に
あるときは、BACS22の作動が停止される。従っ
て、アクセル開度ACCPが設定値K未満にあるとき
は、最大燃料噴射量が最大噴射量Slimitに制限され
る。
【0090】このように本実施形態によれば、急加速さ
れると黒煙および加速ショックの発生の恐れのある設定
値K未満の領域内にアクセル開度ACCPがある状態に
おいては、BACS22の作動が停止される。
【0091】図10,図11に示すように、アクセル開
度ACCPが設定値K未満である状態で、アクセルペダ
ルを一杯に踏込んで急加速させても((1) 〜(2) の状
態)、燃料噴射量はまずは最大噴射量Slimit に制限さ
れる。そして、急加速が検出されてから、所定時間T
(例えば0.5秒)の経過後に高度補償装置(BAC
S)22が作動される((3) の状態)。BACS22が
作動停止状態(第2の作動状態)から作動状態(第1の
作動状態)に切換わることにより、燃料噴射量が最大噴
射量Slimitに制限されていた制限が解除され、燃料噴
射量が最大噴射量Slimitから最大噴射量Smaxまで増大
する((3),(4) の状態)。そして、アクセルペダルが
一杯に踏込まれている間は、燃料噴射量はエンジン回転
数の増加とともに図3に示すように変化する実線上の値
Smaxをとる((5)の状態)。
【0092】このように急加速時には燃料噴射量が二段
階で段階的に増大するため、車両に加わる加速ショック
が小さく抑えられ、図10に示すように、このとき車両
に加わる前後G(前後方向の揺れ加速度)が小さく抑え
られる。また、EGR弁12が負圧作動弁であるために
完全に閉弁するまでに応答遅れがあっても、所定時間T
の設定により、EGR弁12の閉弁後に吸気中の酸素濃
度がある程度安定し終わるまでは、少なくとも燃料噴射
量が最大噴射量Slimit に制限される。従って、図10
に示すように急加速時でも黒煙(スモーク)の発生量が
許容量以内に抑えられる。
【0093】従って、本実施形態によっても、前記第1
実施形態で述べた (1), (4), (5), (6)の効果が同
様に得られる。また、前記第2実施形態におけるエンジ
ンシステム1に適用したときには、前記第2実施形態で
述べた (1), (4), (6)の効果が同様に得られる。
【0094】なお、実施形態は、上記に限定されず以下
のように変更してもよい。 ○ 前記第1及び第2実施形態において、急加速判定
(S80)を無くしてもよい。つまり、EGR判定がオ
ンからオフに切換わることをもって、アクセル開度がし
きい値を超える、急加速の可能性のあるアクセル操作が
なされたことを検出するようにしてもよい。この構成に
よれば、アクセル開度以外の要因でEGR作動条件が満
たされなくなった場合も、所定時間Tだけ遅れて高度補
償装置22(50)が第2の作動状態から第1の作動状
態に切換えられることにはなるが、急加速操作がなされ
たときに少なくとも燃料噴射量を二段階で段階的に増大
させることができる。従って、前記第1及び第2実施形
態と同様の効果が得られ、しかも急加速判定を省いて制
御内容を簡素化できる。
【0095】○ 高度補償装置を第2の作動状態にする
ときのアクセル開度の所定領域の上限値と、急加速の可
能性のあるアクセル操作であることを検出するためのア
クセル開度のしきい値は必ずしも同じ値である必要はな
い。例えば、アクセル開度が低下する過程においてしき
い値よりも高い段階で高度補償装置を第1の作動状態か
ら第2の作動状態に切換えるようにしてもよい。
【0096】○ 第2実施形態において、アクセル開度
のしきい値を設定し、アクセル開度がしきい値を超えた
ときに急加速判定をするようにし、しきい値を超えた時
点から所定時間経過後に高度補償装置を第2の作動状態
から第1の作動状態に切換えるようにしてもよい。この
構成によれば、急加速操作が開始されたときのアクセル
開度がどこであっても燃料噴射量がSlimitに制限され
る時間のばらつきをで難くすることができ、急加速操作
時の加速ショックの緩和制御を安定に行なうことができ
る。
【0097】○ EGR弁が負圧作動弁であることに限
定はされない。例えばECUからの指令信号に基づいて
励消磁されることにより開閉制御される電磁弁からなる
EGR弁や、ECUからの指令信号に基づいて回転制御
されるモータによって開閉駆動されるEGR弁である構
成において、閉弁指令から所定時間遅らせて高度補償装
置を作動させるようにしてもよい。これらの構成におい
ても、平地走行での急加速時にEGR弁の閉弁時の応答
遅れが問題にならない場合でも、急加速時の加速ショッ
クを小さく抑えて、乗り心地をよくすることはできる。
【0098】○ 第3実施形態において、設定値Kをし
きい値とし、アクセル開度ACCPが設定値Kを超えた
ときを、急加速の可能性のあるアクセル操作として検出
するようにし、アクセル開度ACCPが設定値Kを通り
過ぎた時点から所定時間T経過後に高度補償装置を第2
の作動状態から第1の作動状態に切換える構成とするこ
ともできる。
【0099】○ 第3実施形態において、設定値Kをし
きい値とし、アクセル開度ACCPが設定値Kを超えた
ときにそれが急加速操作によるもかどうかを急加速判定
し、急加速操作によるものであると判定されたときに限
り、アクセル開度ACCPが設定値Kを超えた時点から
所定時間T経過後に高度補償装置を第2の作動状態から
第1の作動状態に切換える構成とすることもできる。
【0100】○ 第3実施形態において、急加速検出時
から高度補償装置22(50)を第2の作動状態から第
1の作動状態に切換えるタイミングを図るために待つ所
定時間Tを、急加速検出時のアクセル開度の値に応じて
算出する構成としてもよい。この構成によれば、どのア
クセル開度で急加速検出がなされようと、急加速操作の
ときに最大燃料供給量を制限する保持時間をほぼ一定に
することができる。もちろん、急加速検出されたとき
に、EGR判定がオンからオフに切換わる時を所定時間
Tの計時の基準とすることもできる。この場合は、EG
R弁12が負圧作動弁である構成において、閉弁時の応
答遅れに起因する黒煙の発生量をより効果的に低減でき
る。
【0101】○ EGR弁12の開度を検出できるセン
サを設け、EGR弁12が閉弁されたことをセンサの検
出信号から確認してから、高度補償装置22(50)の
作動を停止させるようにしてもよい。この場合、センサ
の検出信号に基づいてEGR弁12が閉弁されたことが
確認された時点が所定時間の経過時となる。もちろん、
EGR弁12の閉弁後、吸気中の酸素濃度が安定するま
でに必要な時間を待った後に高度補償装置22(50)
を作動させるようにすることもできる。この構成によれ
ば、EGR弁12が完全に閉弁するまで応答遅れにばら
つきがあっても、EGR弁12が確実に閉じて常に吸気
が安定してから燃料を最大噴射量Smaxに増やすことが
できる。よって、黒煙の低減効果を一層高めることがで
きる。
【0102】○ 高度補償装置22(50)を第1の作
動状態から第2の作動状態に切換えるタイミングは、E
GR判定が「オフ」から「オン」に切換わったときに限
定されない。EGR弁12を閉じるときまでに高度補償
装置22(50)が少なくとも第2の作動状態に切換わ
っていれば足りる。
【0103】○ EGR弁12の閉弁指令から、高度補
償装置22(50)を第2の作動状態から第1の作動状
態に切換えるまでの所定時間は、適宜変更できる。例え
ばEGR弁12が完全に閉弁するとほぼ同時に高度補償
装置22(50)が第2の作動状態から第1の作動状態
に切換わるように所定時間を設定することもできる。ま
た、黒煙の発生量を許容量以下に抑えられるのであれ
ば、EGR弁12が完全に閉じる前の半開状態にある段
階で、高度補償装置22(50)が第2の作動状態から
第1の作動状態に切換わるように所定時間を設定するこ
ともできる。
【0104】○ 所定時間Tを急加速時の加速ショック
を緩和するだけの目的で設定することもできる。例えば
閉弁遅れによる黒煙の発生が問題にならない電磁弁をE
GR弁に使用する構成において、加速ショックを緩和で
きる範囲のできるだけ短い時間を所定時間T(例えば
0.2〜0.3秒)に設定することができる。この構成
によれば、急加速時に加速性能をさほど損ねることなく
加速ショックを緩和して乗り心地をよくすることができ
る。
【0105】○ 分配型の燃料噴射ポンプに限定され
ず、機械式で燃料噴射量を調整する燃料噴射装置を備え
た内燃機関システムにおいて実施することができる。前
記各実施形態から把握され、特許請求の範囲に記載され
ていない技術的思想(発明)を、その効果とともに以下
に記載する。
【0106】(1)請求項1〜請求項8のいずれか一項
において、前記所定時間は、少なくともアクセル操作を
一杯に操作し切る急加速操作の過程で燃料供給量を二段
階で段階的に増大させ得るように設定されている。この
構成によれば、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記
載の発明と同様の効果が得られる。
【0107】(2)請求項1において、前記制御手段
は、前記検出手段により急加速の少なくとも可能性があ
る前記アクセル操作が検出されると、その検出時から所
定時間経過後に前記高度補償装置を第2の作動状態から
第1の作動状態に切換える。この構成によっても、請求
項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0108】(3)請求項2〜請求項8のいずれか一項
において、急加速の可能性があるアクセル操作とは、加
速操作である。この構成によれば、請求項2〜請求項8
のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0109】(4)請求項3〜請求項8のいずれか一項
において、前記急加速検出手段は、アクセル開度の時間
変化が設定値を超えることをもって急加速を検出する。
この構成によれば、アクセル開度の検出値から比較的簡
単に急加速操作を検出でき、請求項3〜請求項8のいず
れか一項と同様の効果が得られる。
【0110】(5)請求項5において、前記所定時間
は、前記EGR弁の閉弁後に排気ガスが減って吸気中の
酸素濃度が安定するまでにかかる安定化時間を前記所要
時間に加えた長さである。この構成によれば、吸気中の
酸素量が十分増えてある程度安定してから燃料供給量が
増えることになるので、黒煙の抑制効果を一層高めるこ
とができる。
【0111】(6)請求項1〜請求項8のいずれか一項
において、前記EGR弁が閉弁したことを検出する検出
手段を備え、前記制御手段は、該検出手段が前記EGR
弁の閉弁を検出したときを前記所定時間の経過時として
前記高度補償装置を第1の作動状態に切換える。この構
成によれば、EGR弁が閉弁するときの応答遅れ時間に
ばらつきがあっても、EGR弁が確実に閉まってから高
度補償装置を第1の作動状態に切換えることができる。
このため、燃料過剰状態となることを確実に防ぐことが
でき、黒煙の発生量が許容量を超えることを確実に防止
できる。
【0112】(7)請求項1〜請求項8のいずれか一項
において、前記高度補償装置は高地過給圧補償装置(B
ACS)である。この構成によれば、高地過給圧補償装
置の構造的な改良をほとんど必要とせず、その作動制御
をするためのプログラムデータを変更するだけで対応で
きる。
【0113】(8)請求項1〜請求項8のいずれか一項
において、前記高度補償装置は高度噴射量補償装置(A
CS)である。この構成によれば、請求項1〜請求項8
のいずれか一項に記載の発明と同様の効果を得ることが
でき、しかもターボチャージャを備えない内燃機関シス
テムにおいて対応できる。
【0114】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、アクセル操作量が相対的に小さい所定領域
内で高度補償装置を第2の作動状態にして燃料噴射量を
制限しておき、急加速の少なくとも可能性のあるアクセ
ル操作が検出されたときに、高度補償装置を第2の作動
状態から第1の作動状態に切換えるタイミングを図るこ
とにより、アクセル操作を一杯に操作し切る急加速操作
の過程で燃料供給量が二段階で段階的に増大するように
したので、急加速操作時の加速ショックを緩和すること
ができる。
【0115】請求項2に記載の発明によれば、急加速操
作がどのアクセル操作量でなされてもアクセル操作量が
しきい値を超えた時点が所定時間の計時の基準とされる
ので、燃料供給量が制限されている保持時間のばらつき
を緩和して、加速ショックの緩和制御を安定に行なうこ
とができる。
【0116】請求項3に記載の発明によれば、アクセル
操作量がしきい値を超えたときのアクセル操作が急加速
操作によるものであるときに限り、その検出時から所定
時間経過後に高度補償装置を第2の作動状態から第1の
作動状態に切換えるので、急加速操作がなされたときに
限り、燃料供給量を二段階で段階的に増大させる制御を
することができる。
【0117】請求項4に記載の発明によれば、EGR作
動条件が満たされた状態から満たされなくなったことを
もってアクセル操作量がしきい値を超えたものとするの
で、急加速操作を検出するのにEGR判定を利用するこ
とができる。
【0118】請求項5に記載の発明によれば、EGR弁
が閉弁指令から完全に閉弁するまでに要する所要時間以
上に所定時間を設定したので、EGR弁が負圧作動弁で
あっても、急加速時にEGR弁の閉弁時の応答遅れに起
因する黒煙の発生量を低減することができる。
【0119】請求項6に記載の発明によれば、高度補償
装置が第2の作動状態にあるときの最大燃料供給量を、
急加速時の加速ショックが許容量を超えて発生すること
がない限界値以下に適合されているので、急加速時に許
容量を超える加速ショックが発生することを回避でき
る。
【0120】請求項7に記載の発明によれば、高度補償
装置が第2の作動状態にあるときの最大燃料供給量を、
平地走行時においてEGR弁の開弁時の吸気中の酸素量
に対して黒煙を許容量を超えて発生させるほど過剰とな
らない限界値以下に適合されているので、急加速時に許
容量を超える黒煙が発生することを回避できる。
【0121】請求項8に記載の発明によれば、所定時間
が1秒以内に設定されているので、車両の加速性能を落
とさず、加速ショックや黒煙の発生量を緩和することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態において急加速時対策のための制
御におけるタイミングチャート。
【図2】急加速時対策のためのプログラムを示すフロー
チャート。
【図3】エンジン回転数と燃料噴射量との関係を示すマ
ップ。
【図4】BACSの摸式側断面図。
【図5】第1実施形態におけるディーゼルエンジンシス
テムの摸式図。
【図6】第2実施形態におけるディーゼルエンジンシス
テムの摸式図。
【図7】同じく急加速時対策のための制御におけるタイ
ミングチャート。
【図8】ACSの摸式側断面図。
【図9】第3実施形態における急加速時対策のためのプ
ログラムを示すフローチャート。
【図10】同じく急加速時対策のための制御におけるタ
イミングチャート。
【図11】エンジン回転数と燃料噴射量との関係を示す
マップ。
【図12】従来技術におけるエンジン回転数と燃料噴射
量との関係を示すマップ。
【図13】同じくEGR制御におけるタイミングチャー
ト。
【符号の説明】 1…内燃機関システムとしてのディーゼルエンジンシス
テム、2…エンジンとしてのディーゼルエンジン、3…
燃料噴射ポンプ、5…吸気通路としての吸気マニホール
ド、6…排気通路としての排気マニホールド、11…E
GR通路、12…EGR弁、22…高度補償装置として
の高地過給圧補償装置(BACS)、34…検出手段、
加速検出手段及び急加速検出手段を構成するロータリポ
ジションセンサ、37…制御手段としてのECU、40
…検出手段、加速検出手段及び急加速検出手段を構成す
るマイクロコンピュータ、50…高度補償装置としての
高度噴射量補償装置(ACS)、T…所定時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/38 F02D 41/38 C 43/00 301 43/00 301H 301N F02M 25/07 550 F02M 25/07 550A 570 570J 570F (72)発明者 服部 公人 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 末永 重信 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに供給する燃料供給量を大気圧
    に応じて高度補償する第1の作動状態と、前記燃料供給
    量を第1の作動状態にあるときより小さく制限する第2
    の作動状態とに切換え可能に設けられた高度補償装置
    と、 急加速の少なくとも可能性があるアクセル操作を検出す
    る検出手段と、 アクセル操作量が相対的に小さい所定領域内にあるとき
    に前記高度補償装置を第2の作動状態にするとともに、
    前記検出手段により前記アクセル操作が検出されると、
    アクセル操作を一杯に操作し切る急加速操作の過程で燃
    料供給量を二段階で段階的に増大させ得るタイミング
    で、前記高度補償装置を第2の作動状態から第1の作動
    状態に切換える制御手段とを備えている内燃機関システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、アクセル操作量がしき
    い値を超えたことをもって急加速の可能性がある加速操
    作を検出する加速検出手段を備え、前記制御手段は、前
    記加速検出手段によりアクセル操作量が前記しきい値を
    超えた時から所定時間経過後に、前記高度補償装置を第
    2の作動状態から第1の作動状態に切換える請求項1に
    記載の内燃機関システム。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、アクセル操作量が前記
    しきい値を超えたときの前記加速操作が急加速操作によ
    るものであることを検出する急加速検出手段を備え、前
    記制御手段は、該急加速検出手段により前記急加速操作
    が検出されたときに限り、その検出時から前記所定時間
    経過後に、前記高度補償装置を第2の作動状態から第1
    の作動状態に切換える請求項2に記載の内燃機関システ
    ム。
  4. 【請求項4】 エンジンの排気通路と吸気通路とを繋ぐ
    EGR通路を開閉するためのEGR弁を有するEGR装
    置を備え、 前記加速検出手段は、前記EGR弁を開弁させるEGR
    作動条件を満たした状態から満たさなくなったことをも
    ってアクセル操作量が前記しきい値を超えたことを検出
    し、 前記制御手段は、前記EGR作動条件を満たすアクセル
    操作量のときに前記高度補償装置を第2の作動状態にす
    る請求項2又は請求項3に記載の内燃機関システム。
  5. 【請求項5】 前記EGR弁は負圧作動弁であって、前
    記所定時間は、前記EGR弁がその閉弁指令から完全に
    閉弁するまでに要する所要時間以上に設定されている請
    求項4に記載の内燃機関システム。
  6. 【請求項6】 前記高度補償装置が第2の作動状態にあ
    るときの最大燃料供給量は、急加速時の加速ショックが
    許容量を超えて発生することがない限界値以下に適合さ
    れている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内
    燃機関システム。
  7. 【請求項7】 前記高度補償装置が第2の作動状態にあ
    るときの最大燃料供給量は、平地走行時において前記E
    GR弁の開弁時の吸気中の酸素量に対して黒煙を許容量
    を超えて発生させるほど過剰とならない限界値以下に適
    合されている請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載
    の内燃機関システム。
  8. 【請求項8】 前記所定時間は、1秒以内に設定されて
    いる請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の内燃機
    関システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008045503A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
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