JPH06185384A - ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置

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JPH06185384A
JPH06185384A JP4339279A JP33927992A JPH06185384A JP H06185384 A JPH06185384 A JP H06185384A JP 4339279 A JP4339279 A JP 4339279A JP 33927992 A JP33927992 A JP 33927992A JP H06185384 A JPH06185384 A JP H06185384A
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fuel injection
negative pressure
control
injection amount
pressure
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JP4339279A
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English (en)
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Itsuki Fujimura
一城 藤村
Kazuya Kibe
一哉 木部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/04EGR systems specially adapted for supercharged engines with a single turbocharger
    • F02M26/05High pressure loops, i.e. wherein recirculated exhaust gas is taken out from the exhaust system upstream of the turbine and reintroduced into the intake system downstream of the compressor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
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    • F02M26/52Systems for actuating EGR valves
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    • F02M26/56Systems for actuating EGR valves using vacuum actuators having pressure modulation valves
    • F02M26/57Systems for actuating EGR valves using vacuum actuators having pressure modulation valves using electronic means, e.g. electromagnetic valves
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/52Systems for actuating EGR valves
    • F02M26/59Systems for actuating EGR valves using positive pressure actuators; Check valves therefor
    • F02M26/60Systems for actuating EGR valves using positive pressure actuators; Check valves therefor in response to air intake pressure

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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】加速時には急激なトルク変化を抑えながら充分
なエンジン出力を確保し、レーシング時には急激なトル
ク変化を抑えながら黒煙等の排出を抑える。 【構成】ブーコン22はその過給圧室23、負圧室24
に導入される過給圧、負圧に応じて燃料噴射ポンプ2か
らの最大燃料噴射量を増量補正させる。ブーコン22の
負圧室24に導入される負圧をEVRV17により制御
する。ECU47は、各種センサ42,43,45の信
号により、EGR制御領域からBACS制御領域へ移行
したと判断したとき、負圧室24に導入される制御負圧
を、一旦小さくしてから漸増させるべくEVRV17の
開度を漸増制御する。又、この移行時に、レーシング時
と判別されたときには、EVRV17の開度の単位時間
当たりの漸増分を、加速時の漸増分よりも小さく設定す
る。従って、レーシング時には、燃料噴射量の増量補正
分が加速時に漸増されるよりも緩やかに漸増される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
の燃料噴射ポンプにおける燃料噴射量調整機構を、作動
圧により作動させることにより燃料噴射量を増量補正す
るようにしたディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ターボチャージャ等の過給機を備
えたディーゼルエンジンでは、過給圧の増大に伴ってエ
ンジン出力を確実に増大させるために、ディーゼルエン
ジンに供給されるべき燃料噴射量を過給圧に応じて制御
することが一般に行われている。又、ディーゼルエンジ
ンに使用される燃料噴射ポンプとして、エンジンでの過
給圧等に応じて最大燃料噴射量を制御する燃料噴射量調
整機構としてのブースト・アンド・アルティチュード・
コンペンセーショナル・ストッパ(BACS)を備えた
ものが知られている。周知のように、このBACSに
は、ダイヤフラムにより上下に区画された過給圧室と負
圧室とが設けられている。又、ダイヤフラムはストッパ
ロッドを介してガバナ機構に連結されている。そして、
過給圧室に導入される過給圧と、負圧室に導入される圧
力との関係によりダイヤフラムが変位されてストッパロ
ッドが上下に移動されることにより、ガバナ機構が作動
して燃料噴射ポンプからの最大燃料噴射量が決定され
る。従って、燃料噴射ポンプに設けられたアクセルレバ
ーが運転者により全開に操作されたとき、即ちディーゼ
ルエンジンの全負荷時には、BACSで決定された最大
燃料噴射量に基づき燃料噴射ポンプからディーゼルエン
ジンへと燃料が圧送されて噴射される。ここで、BAC
Sの過給圧室にある程度の過給圧が導入されるのは、デ
ィーゼルエンジンの始動完了後に過給機が充分に作動し
てからである。これに対し、BACSの負圧室には、適
宜な時期に負圧を導入させることが可能である。従っ
て、負圧室に対する負圧の導入時期を適宜に制御するこ
とにより、過給圧室に導入される過給圧の大きさにかか
わらずBACSを作動させて、最大燃料噴射量を制御す
ることが可能である。
【0003】上記のようなBACSを備えた燃料噴射ポ
ンプを使用してディーゼルエンジンの燃料噴射量を制御
するものとしては、既に本願出願人により提案された特
願平4−250061号の技術(以下「従来技術」と言
う。)を挙げることができる。この従来技術では、排気
ガスの一部を吸気系へ再循環させる、つまりEGRを行
うためのEGR弁が設けられている。そして、ディーゼ
ルエンジンの運転状態がEGR制御領域にある場合に
は、EGR弁がその負圧室に導入される制御負圧により
開度調節されることにより、EGR流量が制御される。
又、ディーゼルエンジンの運転状態がBACS制御領域
にある場合には、BACSの過給圧室に導入される過給
圧と、負圧室に導入される制御負圧又は大気圧との関係
によりダイヤフラムが変位されることにより、ガバナ機
構が作動して燃料噴射ポンプからの燃料噴射量(最大燃
料噴射量)が補償(増量補正)される。ここで、EGR
弁の負圧室に導入される制御負圧と、BACSの負圧室
に導入される制御負圧とは、一つのエレクトリック・バ
キューム・レギュレーティング・バルブ(EVRV)の
開度がデューティ制御されることにより調整される。
又、EGR制御領域、BACS制御領域の判断は、運転
者の操作に連動するアクセルレバーの開度(アクセルレ
バー開度)と、エンジン回転数との関係により予め定め
られたマップを参照して行われる。そして、ディーゼル
エンジンの運転状態がEGR制御領域からBACS制御
領域へ切り替わった時には、BACSの負圧室に導入さ
れる制御負圧を、EGR制御領域の終了時点での制御負
圧よりも一旦小さくしてから徐々に大きくさせるよう
に、EVRVの開度がデューティ制御される。つまり、
EGR制御領域からBACS制御領域への移行時には、
BACSの負圧室に導入される制御負圧が漸増するよう
にVERVに関する「なまし制御」が行われる。これに
より、加速時等に燃料噴射量の急変が抑えられて、ディ
ーゼルエンジンにおける急激なトルク変化の防止が図ら
れていた。又、加速時等に燃料噴射量が漸増することか
ら、黒煙等の排出を抑制することも可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、EGR制御領域からBACS制御領域へ移行し
たと判断されたときには、車両の加速時(発進時も含
む)とレーシング時とにかかわらず、同様な「なまし制
御」が行われることになった。つまり、EGR制御領域
からBACS制御領域への移行時に、その運転状態が加
速時であるかレーシング時であるかが特に区別されてい
なかった。ところで、車両の加速時には、加速のもたつ
きを解消するために、「なまし制御」による燃料噴射量
の漸増分、即ち「なまし値」を大きくすることが好まし
い。一方、レーシング時には、黒煙等の排出を極力抑え
るために、「なまし値」を小さくすることが好ましい。
【0005】従って、従来技術では、これら加速時又は
レーシング時で異なる「なまし値」の中間的な「なまし
値」を使うか、或いは加速時に適した「なまし値」又は
レーシング時に適した「なまし値」を一義的に使うしか
なかった。その結果、加速時に「なまし値」が小さ過ぎ
て加速のもたつきを引き起こしたり、レーシング時に
「なまし値」が大き過ぎて黒煙等の排出を増大させたり
するおそれがあった。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、燃料噴射ポンプにおける燃
料噴射量調整機構を、その圧力室に導入される作動圧に
応じて作動させることにより燃料噴射量を増量補正する
ようにしたものであって、燃料噴射量の増量補正を行わ
ない運転領域から燃料噴射量の増量補正を行うべき運転
領域へ移行したときに、その増量補正分を漸増させるよ
うにしたものにおいて、加速時には充分なエンジン出力
を確保すると共にレーシング時には黒煙等の排出を抑え
ることの可能なディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明においては、図1に示すように、ディーゼ
ルエンジンM1へ燃料を圧送するための燃料噴射ポンプ
M2と、圧力室M3に導入される作動圧に応じて燃料噴
射ポンプM2からの燃料噴射量を増量補正するための燃
料噴射量調整機構M4と、その燃料噴射量調整機構M4
の圧力室M3に導入される作動圧を制御するために開度
調節される圧力制御弁M5と、ディーゼルエンジンM1
の運転状態を検出するための運転状態検出手段M6と、
その運転状態検出手段M6の検出結果に基づき、燃料噴
射量調整機構M4により燃料噴射量を増量補正させるべ
き運転領域であるか否かを判断するための運転領域判断
手段M7と、その運転領域判断手段M7の判断結果に基
づき、燃料噴射量調整機構M4により燃料噴射量を増量
補正させるべき運転領域へ他の運転領域から移行したと
判断したときに、圧力室M3に導入される作動圧を漸増
させるべく圧力制御弁M5の開度を漸増させるように制
御するための圧力制御弁制御手段M8とを備えたディー
ゼルエンジンの燃料噴射量制御装置において、運転状態
検出手段M6の検出結果に基づき、ディーゼルエンジン
M1による加速時とレーシング時とを判別するための運
転判別手段M9と、その運転判別手段M9によりレーシ
ング時と判別されたときに、圧力制御弁制御手段M8に
より漸増制御される圧力制御弁M5の開度の単位時間当
たりの漸増分を、加速時の漸増分よりも小さく設定する
ための漸増制御設定手段M10とを備えたことを趣旨と
している。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、運転
状態検出手段M6ではディーゼルエンジンM1の運転状
態が検出される。又、その検出結果に基づき、運転領域
判断手段M7では、燃料噴射量調整機構M4により燃料
噴射量を増量補正させるべき運転領域であるか否かが判
断される。更に、運転判別手段M9では、運転状態の検
出結果に基づき、ディーゼルエンジンM1による加速時
とレーシング時とが判別される。
【0009】そして、圧力制御弁制御手段M8では、運
転領域の判断結果に基づき、燃料噴射量を増量補正させ
るべき運転領域へ他の運転領域から移行したと判断した
ときに、圧力室M3に導入される作動圧を漸増させるべ
く圧力制御弁M5の開度を漸増させる制御が行われる。
これにより、燃料噴射量調整機構M4が作動して、燃料
噴射ポンプM2からディーゼルエンジンM1へ圧送され
る燃料噴射量の増量補正分が漸増される。又、このと
き、運転判別手段M9によりレーシング時と判別された
ときには、圧力制御弁制御手段M8により漸増制御され
る圧力制御弁M5の開度の単位時間当たりの漸増分が、
漸増制御設定手段M10によって加速時の漸増分よりも
小さく設定される。
【0010】従って、レーシング時には、燃料噴射量の
増量補正分が加速時に漸増されるよりも緩やかに漸増さ
れる。
【0011】
【実施例】以下、この発明におけるディーゼルエンジン
の燃料噴射量制御装置を具体化した一実施例を図2〜図
8に基づいて詳細に説明する。
【0012】図2はこの実施例において自動車に搭載さ
れたディーゼルエンジンシステムの概略構成図を示して
いる。このシステムはディーゼルエンジン1と、同エン
ジン1へ燃料を圧送する燃料噴射ポンプ2とを備えてい
る。
【0013】ディーゼルエンジン1を構成するエンジン
本体3は複数気筒よりなり、各気筒毎の燃焼室に対応し
て、図示しない燃料噴射ノズルがそれぞれ設けられてい
る。エンジン本体3には吸気系を構成する吸気マニホル
ド4と、排気系を構成する排気マニホルド5とがそれぞ
れ接続されている。吸気マニホルド4には吸気通路6
が、排気マニホルド5には排気通路7がそれぞれ接続さ
れている。吸気通路6の上流側にはコンプレッサ8が設
けられ、排気通路7の下流側にはタービン9が設けられ
ている。そして、コンプレッサ8及びタービン9により
ターボチャージャ10が構成されている。周知のよう
に、このターボチャージャ10は、排気通路7を流れる
排気ガスによりタービン9を回転させ、その回転力によ
りコンプレッサ8を回転させて、吸気通路6及び吸気マ
ニホルド4を通じてエンジン本体3の各燃焼室に取り込
まれる吸気を昇圧させるものである。
【0014】エンジン本体3から排出される排気ガスの
一部を、そのエンジン本体3に取り込まれる吸気へ再循
環させるために、つまり排気ガス再循環(EGR)を行
うために、吸気通路6と排気通路7との間には、両者
6,7の間を接続するEGR通路11が設けられてい
る。このEGR通路11の途中には、同通路11を開閉
するEGR弁12が設けられている。そして、これらE
GR通路11及びEGR弁12により、EGR装置13
が構成されている。EGR弁12はダイヤフラム式の負
圧作動弁である。周知のように、EGR弁12は、EG
R通路11を開閉する弁体12aと、弁体12aに連結
されたダイヤフラム12bと、ダイヤフラム12bで区
画された負圧室12cと、負圧室12cに配置されてダ
イヤフラム12bを付勢するスプリング12d等とによ
り構成されている。そして、負圧室12cに負圧が導入
されない状態では、ダイヤラム12bがスプリング12
dにより付勢されて、弁体12aがEGR通路11を閉
じる位置に配置される。つまり、EGR弁12が閉弁さ
れる。一方、負圧室12cに負圧が導入されることによ
り、ダイヤフラム12bが負圧で引かれて変位し、弁体
12aがEGR通路11を開く位置に配置される。つま
り、EGR弁12が開弁される。
【0015】EGR弁12の負圧室12cは、負圧通路
14を通じて、第1のバキューム・スイッチング・バル
ブ(第1のVSV)15に接続されている。第1のVS
V15は、入力ポート、出力ポート及び大気ポートを備
えた三方式の電磁弁であり、その出力ポートに負圧通路
14の一端が接続されている。又、第1のVSV15の
入力ポートは、負圧通路16を通じて、圧力制御弁とし
てのエレクトリック・バキューム・レギュレーティング
・バルブ(EVRV)17の出力ポートに接続されてい
る。この負圧通路16の途中には、周知のバキュームダ
ンパ18が設けられている。EVRV17は、デューテ
ィ制御によって開度調節される電磁弁であり、その入力
ポートは、負圧通路19を通じて、負圧源であるバキュ
ームポンプ20に接続されている。バキュームポンプ2
0はエンジン本体3のクランクシャフトに駆動連結され
ており、エンジン本体3の運転に連動して駆動されてE
VRV17へ負圧を供給する。
【0016】そして、第1のVSV15がオンされるこ
とにより、EGR弁12の負圧室12cが負圧通路1
4、第1のVSV15及び負圧通路16等を通じて、E
VRV17の出力ポートに連通される。このとき、バキ
ュームポンプ20からEVRV17へ供給される負圧
は、EVRV17が開かれることにより、負圧通路1
6、第1のVSV15及び負圧通路14等を通じてEG
R弁12の負圧室12cへと供給される。又、このとき
に負圧室12cへ供給される負圧の振動は、バキューム
ダンパ18の作用によって平滑化される。一方、第1の
VSV15がオフされることにより、EGR弁12の負
圧室12cが負圧通路14を通じて大気へと開放され
る。
【0017】加えて、エンジン本体3には、その冷却水
の温度(冷却水温)THWを検出するための水温センサ
41が設けられている。燃料噴射ポンプ2は分配型であ
り、エンジン本体3のクランクシャフトに駆動連結され
ている。周知のように、燃料噴射ポンプ2の内部にはド
ライブシャフトが設けられ、そのドライブシャフトがカ
ム機構を介してプランジャに連結されている。そして、
燃料噴射ポンプ2のドライブシャフトがクランクシャフ
トに連動して回転されることにより、そのドライブシャ
フトの1回転中に、プランジャがエンジン本体3の気筒
数と同数だけ往復動されて燃料が吐出され、各気筒毎の
燃料噴射ノズルへと燃料が圧送される。
【0018】燃料噴射ポンプ2には、図示しないアクセ
ルペダルの操作に連動して回動されるアクセルレバー2
1が設けられている。このアクセルレバー21はプラン
ジャ上の図示しないスピルリングに連結されている。そ
して、アクセルレバー21の回動位置、即ちアクセルレ
バー開度ACCPが適宜に変えられることにより、スピ
ルリングの位置が変更され、プランジャの有効ストロー
クが変更され、もって燃料噴射ポンプ2からの最大燃料
噴射量が制御される。
【0019】アクセルレバー21の近傍には、そのアク
セルレバー開度ACCPを検出するためのロータリーポ
ジションセンサよりなるレバーセンサ42が設けられて
いる。このレバーセンサ42では、アクセルレバー21
の全開を「100%」としてアクセルレバー開度ACC
Pが検出される。又、燃料噴射ポンプ2には、そのドラ
イブシャフトの回転から、エンジン本体3のクランクシ
ャフトの回転数、即ちエンジン回転数NEを検出するた
めの回転数センサ43が設けられている。
【0020】燃料噴射ポンプ2には、エンジン本体3に
おける過給圧PiM等に応じて最大燃料噴射量を増量補
正するための燃料噴射量調整機構を構成するブースト・
アンド・アルティチュード・コンペンセーショナル・ス
トッパ(BACS、以下単に「ブーコン」と言う)22
が設けられている。周知のように、このブーコン22は
ダイヤフラム22aにより上下に区画されてなる二つの
部屋を備えている。又、そのダイヤフラム22aにはス
トッパロッド22bの一端が固定されており、同ロッド
22bが図示しないガバナ機構を介して、前述したスピ
ルリングに連結されている。ここで、ダイヤフラム22
aにより区画された上側の部屋が過給圧の導入される過
給圧室23となっており、下側の部屋が負圧又は大気圧
の導入される圧力室としての負圧室24となっている。
そして、ダイヤフラム22aは過給圧室23の過給圧P
iMと負圧室24の圧力との関係によって変位される。
従って、ダイヤフラム22aの変位により決定されるス
トッパロッド22bの上下位置により、スピルリングの
燃料増量方向への移動が規制され、燃料噴射ポンプ2か
らの最大燃料噴射量が決定される。
【0021】尚、このブーコン22の詳しい構成につい
ては、例えば、特開平2−61330号公報に開示され
ているものと基本的に同じであることから、ここでは詳
しい説明を省略する。
【0022】ブーコン22の過給圧室23は、過給圧通
路25を通じて、吸気通路6に連通されている。これに
より、過給圧通路25には、コンプレッサ8によって過
給される過給圧が導入される。又、ブーコン22の負圧
室24は、負圧通路26を通じて第2のVSV27に接
続されている。第2のVSV27は、入力ポート、出力
ポート及び大気ポートを備えてなる三方式の電磁弁であ
り、その出力ポートに負圧通路26の一端が接続されて
いる。又、第2のVSV27の入力ポートは、負圧通路
28を通じてEVRV17の出力ポートに接続されてい
る。
【0023】そして、第2のVSV27がオンされるこ
とにより、ブーコン22の負圧室24が負圧通路26、
第2のVSV27及び負圧通路28を通じて、EVRV
17の出力ポートに連通される。このとき、バキューム
ポンプ20からEVRV17へ供給される負圧は、EV
RV17が開かれることにより、負圧通路28、第2の
VSV27及び負圧通路26を通じて、ブーコン22の
負圧室24に作動圧として供給される。一方、第2のV
SV27がオフされることにより、ブーコン22の負圧
室24が、負圧通路26を通じて大気へと開放される。
【0024】この実施例では、前述した過給圧通路25
における過給圧PiMと、負圧通路16における制御負
圧CNPとを検出するために、吸気圧センサ44が設け
られている。又、過給圧PiM及び制御負圧CNPを吸
気圧センサ44により選択的に検出するために、第3の
VSV29が設けられている。第3のVSV29は、二
つの入力ポートと一つの出力ポートとを備えた三方式の
電磁弁であり、一方の入力ポートは連通路30を通じて
過給圧通路25に接続され、他方の入力ポートは連通路
31を通じて負圧通路16に接続されている。又、残り
の出力ポートは、連通路32を通じて吸気圧センサ44
に接続されている。
【0025】そして、第3のVSV29がオンされるこ
とにより、吸気圧センサ44が連通路32、第3のVS
V29及び連通路30を通じて、過給圧通路25に連通
される。これにより、吸気圧センサ44では、過給圧通
路25にかかる過給圧PiMが検出される。又、第3の
VSV29がオフされることにより、吸気圧センサ44
が連通路32、第3のVSV29及び連通路31を通じ
て、負圧通路16に連通される。これにより、吸気圧セ
ンサ44では、負圧通路16にかかる制御負圧CNPが
検出される。
【0026】この実施例では、ディーゼルエンジン1の
運転状態検出手段として、上記の水温センサ41、レバ
ーセンサ42、回転数センサ43及び吸気圧センサ44
等の他に、自動車の走行速度(車速)SPDを検出する
車速センサ45が設けられている。車速センサ45は図
示しない自動変速機に設けられたものであり、その自動
変速機のギアの回転から車速SPDを検出するようにな
っている。又、自動変速機には、そのシフト位置ShP
を指示する信号を出力するシフト位置センサ46が設け
られている。
【0027】そして、この実施例では、前述したEVR
V17及び各VSV15,27,29のそれぞれが、電
子制御装置(以下単に「ECU」と言う)47により駆
動制御されるようになっている。この実施例では、EC
U47により、運転領域判断手段、圧力制御弁制御手
段、運転判別手段及び漸増制御設定手段が構成さてい
る。ECU47は中央処理装置(CPU)と、所定の制
御プログラム等を予め記憶したり、CPUの演算結果等
を一次記憶したりする各種メモリと、これら各部と外部
入力回路及び外部出力回路等とをバスによって接続した
論理演算回路として構成されている。そして、ECU4
7の外部入力回路には、前述した水温センサ41、レバ
ーセンサ42、回転数センサ43、吸気圧センサ44、
車速センサ45及びシフト位置センサ46等がそれぞれ
接続されている。又、ECU47の外部出力回路には、
前述したEVRV17及び各VSV15,27,29等
がそれぞれ接続されている。このECU47の詳しい電
気的構成については周知であるものとして、ここではそ
の説明を省略する。
【0028】次に、上記のように構成された燃料噴射量
制御装置において、ECU47により実行される燃料噴
射量制御のための処理動作の内容について説明する。図
3はECU47により実行される処理内容としての「大
気圧学習・EGR・BACS制御ルーチン」を説明する
フローチャートであり、所定の時間間隔毎に実行され
る。
【0029】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ110において、各種センサ41〜46からの各
検出信号に基づき、冷却水温THW、アクセルレバー開
度ACCP、エンジン回転数NE、過給圧PiM、制御
負圧CNP、車速SPD及びシフト位置ShPをそれぞ
れ読み込む。
【0030】続いて、ステップ120において、今回読
み込まれたアクセルレバー開度ACCP及びエンジン回
転数NEに基づき、現在の運転状態の領域を演算する。
即ち、アクセルレバー開度ACCP及びエンジン回転数
NEに基づき、現在の運転領域が、ブーコン22により
最大燃料噴射量を制御すべき「BACS制御領域」であ
るかを演算する。又、EGR装置13によりEGR流量
を制御すべき「EGR制御領域」であるか、或いはEG
R流量を制御せずに大気圧PAの学習を行うべき「大気
圧学習領域」であるかを演算する。この演算は、図4に
示すように、エンジン回転数NEとアクセルレバー開度
ACCPとの関係により予め定められてメモリに記憶さ
れているマップを参照して行われる。
【0031】そして、ステップ130において、領域演
算の結果が「大気圧学習領域」であるか否かを判断す
る。ここで、領域演算の結果が「大気圧学習領域」であ
る場合には、大気圧PAの学習制御を実行すべく、ステ
ップ200へ移行する。
【0032】ステップ200においては、第2のVSV
27と第3のVSV29とを「オフ」とし、第1のVS
V15を「オン」とする。又、EVRV17を全閉とし
てその出力負圧をゼロ(大気圧PA)とする。よって、
吸気圧センサ44には、EVRV17、連通路31、第
3のVSV29及び連通路32を通じて大気圧PAが作
用することになり、吸気圧センサ44ではその大気圧P
Aが検出される。そして、ステップ210において、そ
の検出された大気圧PAの大きさの学習制御を実行す
る。ここでは、大気圧PAの学習制御のための詳しい処
理内容の説明を省略する。そして、ステップ210の処
理を終了した後、その後の処理を一旦終了する。
【0033】一方、ステップ130において、領域演算
の結果が「大気圧学習領域」でない場合には、ステップ
140へ移行して、領域演算の結果が「EGR制御領
域」であるか否かを判断する。ここで、領域演算の結果
が「EGR制御領域」である場合には、通常のEGR制
御を実行すべく、ステップ300へ移行する。
【0034】ステップ300においては、第2のVSV
27と第3のVSV29とを「オフ」とし、第1のVS
V15を「オン」とする。そして、ステップ310にお
いて、通常のEGR制御を実行する。即ち、EVRV1
7の開度をデューティ制御する。これにより、EVRV
17では、バキュームポンプ20からの負圧が調整され
て制御負圧CNPとして出力される。そして、その制御
負圧CNPが、負圧通路16、第1のVSV15及び負
圧通路14を通じて、EGR弁12の負圧室12cに導
入され、EGR弁12が制御負圧CNPの大きさに応じ
た開度で開弁される。つまり、EGR通路11を流れる
EGR流量が制御されるのである。このとき、吸気圧セ
ンサ44では、連通路31及び第3のVSV29及び連
通路32を通じて制御負圧CNPが作用することにな
り、吸気圧センサ44ではその制御負圧CNPが検出さ
れる。そして、その検出された制御負圧CNPに基づ
き、EVRV17の開度をフィードバック制御するので
ある。ここでは、EGR制御の詳しい処理内容の説明を
省略する。そして、ステップ310の処理を終了した
後、その後の処理を一旦終了する。
【0035】一方、ステップ140において、領域演算
の結果が「EGR制御領域」でない場合には、「BAC
S制御領域」であるものとして、BACS制御を実行す
べくステップ400へ移行する。
【0036】ステップ400においては、第2のVSV
27及び第3のVSV29を「オン」とし、第1のVS
V15を「オフ」とする。これにより、EVRV17の
出力ポートが、負圧通路28、第2のVSV27及び負
圧通路26を通じて、ブーコン22の負圧室24に連通
される。又、吸気圧センサ44には、過給圧通路25、
連通路30、第3のVSV29及び連通路32を通じ
て、過給圧PiMが作用することになり、吸気圧センサ
44ではその過給圧PiMが検出される。
【0037】そして、ステップ500において、EVR
V17の開度をデューティ制御することにより、BAC
S制御を実行し、その後の処理を一旦終了する。これに
より、EVRV17では、バキュームポンプ20からの
負圧が調整されて制御負圧CNPとして出力される。そ
して、その制御負圧CNPが、負圧通路28、第2のV
SV27及び負圧通路26を通じて、ブーコン22の負
圧室24に導入され、その制御負圧CNPの大きさに応
じてブーコン22が作動し、燃料噴射ポンプ2からの最
大燃料噴射量が決定される。このとき、吸気圧センサ4
4で検出される過給圧PiMに基づき、EVRV17の
開度を制御する。
【0038】ここで、ステップ500におけるBACS
制御の詳しい処理内容を、図5のフローチャートに従っ
て以下に説明する。処理がステップ500に移行する
と、先ずステップ501において、ブーコン22の負圧
室24に最終的に導入すべき制御負圧CNPを決定する
ための負圧要求値GBACSPを演算する。この演算
は、今回読み込まれたアクセルレバー開度ACCP、エ
ンジン回転数NE及び過給圧PiMに基づいて行われ
る。又、この演算は、図6に示すように、アクセルレバ
ー開度ACCPと過給圧PiMとの関係から負圧要求値
GBACSPが予め定められてメモリに記憶されている
マップを参照して行われる。又、負圧要求値GBACS
Pは、エンジン回転数NEに応じて最適の値が設定され
るようになっている。図6のマップからも明らかなよう
に、負圧要求値GBACSPは、BACS制御領域にお
いて過給圧PiMの大きさに応じて決定され、EGR制
御領域では制御負圧CNPに応じて決定されるようにな
っている。
【0039】続いて、ステップ502において、前回の
制御周期が「BACS制御領域」であったか否かを判断
する。そして、前回が「BACS制御領域」でない場合
には、今回初めて「BACS制御領域」に入ったものと
して、ステップ503において、ブーコン22の負圧室
24に導入すべき制御負圧CNPを制御するための負圧
指令値BACSPを「0」に設定し、その後の処理を一
旦終了する。
【0040】一方、ステップ502において、前回の制
御周期が「BACS制御領域」である場合には、「BA
CS制御領域」が継続しているものとして、ステップ5
04へ移行する。そして、ステップ504において、負
圧指令値BACSPが負圧要求値GBACSPよりも大
きいか否かを判断する。ここで、負圧指令値BACSP
が負圧要求値GBACSPよりも大きくない場合には、
ディーゼルエンジン1の運転状態を更に詳しく判別し、
その判別結果に基づいて負圧指令値BACSPを決定す
るために、ステップ505へ移行する。
【0041】即ち、ステップ505においては、今回読
み込まれたエンジン回転数NEと前回読み込まれたエン
ジン回転数NEとの差を、回転数変化分ΔNEとして算
出する。そして、ステップ506においては、エンジン
回転数NEと回転数変化分ΔNEとがそれぞれ所定値以
上であるか否かを判断する。ここで、エンジン回転数N
Eと回転数変化分ΔNEとがそれぞれ所定値以上でない
場合には、低いエンジン回転数NEの状態がしばらく続
く坂道発進時等の運転領域であるものとして、その後の
処理を一旦終了する。又、エンジン回転数NEと回転数
変化分ΔNEとがそれぞれ所定値以上である場合には、
ステップ507へ移行する。
【0042】ステップ507においては、今回読み込ま
れたアクセルレバー開度ACCPと前回読み込まれたア
クセルレバー開度ACCPとの差を、開度変化分ΔAC
CPとして算出する。そして、ステップ508において
は、アクセルレバー開度ACCPと開度変化分ΔACC
Pとがそれぞれ所定値以上であるか否かを判断する。こ
こで、アクセルレバー開度ACCPと開度変化分ΔAC
CPとがそれぞれ所定値以上でない場合には、小さいア
クセルレバー開度ACCPの状態がしばらく続く坂道発
進時等の運転領域であるものとして、その後の処理を一
旦終了する。又、アクセルレバー開度ACCPと開度変
化分ΔACCPとがそれぞれ所定値以上である場合に
は、ステップ509へ移行する。
【0043】ステップ509においては、今回読み込ま
れた車速SPDと前回読み込まれた車速SPDとの差
を、車速変化分ΔSPDとして算出する。そして、ステ
ップ510においては、車速SPD又は車速変化分ΔS
PDが各所定値以下であるか否かを判断する。ここで、
車速SPD又は車速変化分ΔSPDが各所定値以下でな
い場合には、自動車の加速時(発進時も含む)であるも
のと判別して、負圧指令値BACSPを漸増させるべく
ステップ511へ移行する。
【0044】ステップ511においては、負圧指令値B
ACSPに、加速時に適した漸増分αを加算し、その加
算結果を新たな負圧指令値BACSPとして設定すると
共に、その設定された負圧指令値BACSPに基づいて
EVRV17の開度をデューティ制御し、その後処理を
一旦終了する。
【0045】又は、ステップ510において、車速SP
D又は車速変化分ΔSPDが各所定値以下である場合に
は、ディーゼルエンジン1のレーシング時であるものと
判別して、負圧指令値BACSPを漸増させるべくステ
ップ512へ移行する。
【0046】ステップ512においては、負圧指令値B
ACSPに、レーシング時に適した漸増分βを加算し、
その加算結果を新たな負圧指令値BACSPとして設定
すると共に、その設定された負圧指令値BACSPに基
づいてEVRV17の開度をデューティ制御し、その後
処理を一旦終了する。ここで、レーシング時に適した漸
増分βとは、加速時の漸増分αよりも小さく設定された
ものである。
【0047】一方、ステップ504において、負圧指令
値BACSPが負圧要求値GBACSPよりも大きい場
合には、各漸増分α,βの加算により負圧指令値BAC
SPが負圧要求値GBACSPに達したものとして、ス
テップ513において、負圧要求値GBACSPを負圧
指令値BACSPとして設定し、その設定された負圧指
令値BACSPに基づいてEVRV17の開度をデュー
ティ制御し、その後の処理を一旦終了する。
【0048】以上説明したように、この実施例の燃料噴
射量制御装置によれば、ディーゼルエンジン1の運転領
域、即ち「大気圧学習領域」、「EGR制御領域」又は
「BACS制御領域」に応じて、大気圧PAの学習制
御、通常のEGR制御又はBACS制御がそれぞれ行わ
れる。そして、BACS制御に際しては、低いエンジン
回転数NEの状態や小さいアクセルレバー開度ACCP
の状態がしばらく続く坂道発進時等の運転領域であるか
否かが判断される。又、坂道発進時等の運転領域でなけ
れば、自動車の加速時であるか或いはディーゼルエンジ
ン1のレーシング時であるかが判別される。
【0049】ここで、特に坂道発進時等の運転領域でな
い場合には、負圧要求値GBACSPが求められて、そ
の負圧要求値GBACSPに基づいてEVRV17の開
度のデューティ制御が行われる。これにより、EVRV
17では、バキュームポンプ20からの負圧が負圧要求
値GBACSPに基づいて調整され、その負圧要求値G
BACSPに応じた制御負圧CNPがEVRV17から
出力される。そして、その制御負圧CNPがブーコン2
2の負圧室24に導入され、ブーコン22が制御負圧C
NPの大きさに応じて作動して、燃料噴射ポンプ2から
の最大燃料噴射量が決定される。又、その最大燃料噴射
量は、そのときどきに吸気圧センサ44により検出され
る吸気圧PiMの大きさに応じて制御される。
【0050】しかも、この実施例では、ディーゼルエン
ジン1の運転領域が「EGR制御領域」から「BACS
制御領域」へ移行したときに車両の加速時と判別された
場合には、負圧室24に導入される制御負圧CNPを漸
増させるためのEVRV17に関する制御、即ち「なま
し制御」が行われる。即ち、図7のタイムチャートに示
すように、そのとき求められた負圧要求値GBACSP
を上限値として、負圧指令値BACSPが加速時に適し
た漸増分αだけ各制御周期毎に加算され、その加算結果
の負圧指令値BACSPに基づいてEVRV17の開度
がデューティ制御される。つまり、加速時に応じてEV
RV17の開度を漸増させる「なまし制御」が行われ
る。これにより、ブーコン22が作動して、燃料噴射ポ
ンプ2からディーゼルエンジン1へ圧送される最大燃料
噴射量の増量補正分が漸増される。
【0051】一方、この実施例では、ディーゼルエンジ
ン1の運転領域が「EGR制御領域」から「BACS制
御領域」へ移行したときにディーゼルエンジン1のレー
シング時と判別された場合にも、同じく負圧室24に導
入される制御負圧CNPを漸増させるための「なまし制
御」が行われる。即ち、図8のタイムチャートに示すよ
うに、そのとき求められた負圧要求値GBACSPを上
限値として、負圧指令値BACSPが、加速時の漸増分
αよりも小さい、レーシング時に適した漸増分βだけ各
制御周期毎に加算され、その加算結果の負圧指令値BA
CSPに基づいてEVRV17の開度がデューティ制御
される。つまり、レーシング時に応じてEVRV17の
開度を漸増させる「なまし制御」が行われる。これによ
り、ブーコン22が作動して、燃料噴射ポンプ2から圧
送される最大燃料噴射量の増量補正分が漸増される。従
って、図7,8からも明らかなように、加速時には、最
大燃料噴射量が比較的速やかに漸増され、「なまし制
御」に要する「なまし時間」Tnが短くなる。又、レー
シング時には、最大燃料噴射量が加速時よりも緩やかに
漸増され、「なまし時間」Tnが長くなる。
【0052】このため、自動車の加速時、特に発進時に
は、「EGR制御領域」から「BACS制御領域」への
移行時における最大燃料噴射量の切り替えが滑らかに行
われる。その結果、ディーゼルエンジン1の出力におけ
る急激なトルク変化を抑えることができ、加速ショック
等の発生を防止することができる。しかも、加速時には
負圧指令値BACSPの漸増分αが加速時に適した値
で、かつ相対的に大きく設定されていることから、最大
燃料噴射量の増量補正が比較的速やに行われる。よっ
て、加速時の黒煙等の排出を抑えながら充分なエンジン
出力を確保することができ、加速のもたつきや発進のも
たつきを解消することができる。
【0053】又、ディーゼルエンジン1のレーシング時
にも、「EGR制御領域」から「BACS制御領域」へ
の切り替えにおける最大燃料噴射量の切り替えが滑らか
に行われ、急激なトルク変化を抑えることができる。し
かも、レーシング時には負圧指令値BACSPの漸増分
βが相対的に小さく設定されていることから、最大燃料
噴射量の増量補正が比較的緩やかとなり、黒煙等の排出
を極力抑えることができる。
【0054】加えて、この実施例では、通常の「BAC
S制御領域」でありながら、低いエンジン回転数NEや
小さいアクセルレバー開度ACCPの状態がしばらく続
く坂道発進時等の運転領域、即ち図4のマップに示すよ
うに「非BACS・非EGR制御領域」である場合に
は、負圧指令値BACSPが「0」に設定され、EVR
V17が一義的に全閉とされる。このため、ブーコン2
2の負圧室24に負圧が導入されることがなくなり、ブ
ーコン22の作動によって燃料噴射ポンプ2からの最大
燃料噴射量が漸増されることはない。つまり、坂道発進
時等には、発進それ自体に時間がかかることから、通常
の発進時と同じように最大燃料噴射量を漸増させたとし
ても、その効果が失われることになる。従って、この実
施例では、坂道発進時等の運転領域に限って、通常の加
速時、発進時における燃料噴射量制御が中止され、制御
の無駄が省略される。
【0055】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、車速SPD又は車速変化分ΔS
PDの大きさに基づいて加速時又はレーシング時を判別
した。これに対し、シフト位置信号ShPが走行可能な
ドライブレンジ等を指示していることと、アクセルレバ
ー開度ACCPが所定値以上であることとを判断するこ
とにより、加速時又はレーシング時を判別することもで
きる。
【0056】(2)前記実施例では、負圧指令値BAC
SPを漸増させる際に、その負圧指令値BACSPを一
旦「0」に戻したが、それを行うことなく負圧指令値B
ACSPを漸増させたり、或いは「0」以外の小さい値
に戻してから負圧指令値BACSPを漸増させるように
してもよい。 (3)前記実施例では、ブーコン22の負圧室24を圧
力室として、その負圧室24に導入される制御負圧CN
Pを圧力制御弁としてのEVRV17によって制御する
ようにした。これに対し、ブーコンの過給圧室を圧力室
として、その過給圧室に導入される制御正圧を圧力制御
弁としてのEVRVにより制御するようにしてもよい。
この場合、正圧源は所定の圧力ポンプとなる。要は、燃
料噴射ポンプからの最大燃料噴射量を増量補正するため
にブーコンに作用させるべき圧力は、その負圧室に対す
る制御負圧でも、過給圧室に対する制御正圧でもどちら
でもよい。
【0057】(4)前記実施例では、過給機としてター
ボチャージャ10を備えたディーゼルエンジン1に具体
化したが、過給機を備えていないディーゼルエンジンに
具体化してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、燃料噴射ポンプにおける燃料噴射量調整機構を、そ
の圧力室に導入される圧力に応じて作動させることによ
り、燃料噴射量を増量補正するようにしている。しか
も、ディーゼルエンジンの運転領域が、燃料噴射量調整
機構により燃料噴射量を増量補正させるべき運転領域へ
他の運転領域から移行したときに、レーシング時と判別
されたときには、圧力制御弁の開度を制御して圧力室に
導入される作動圧を漸増させると共に、その圧力制御弁
の開度の単位時間当たりの漸増分を、加速時の漸増分よ
りも小さく設定するようにしている。従って、レーシン
グ時には、燃料噴射量の増量補正分が加速時に漸増され
るよりも緩やかに漸増される。その結果、加速時には、
急激なトルク変化を抑えながら充分なエンジン出力を確
保することができ、レーシング時には、同じく急激なト
ル変化を抑えながら黒煙等の排出を抑えることができる
という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を示す概念構成図
である。
【図2】この発明を具体化した一実施例におけるディー
ゼルエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図3】一実施例において、ECUにより実行される
「大気圧学習・EGR・BACS制御ルーチン」を説明
するフローチャートである。
【図4】一実施例において、ディーゼルエンジンの運転
領域を演算するために使用されるマップである。
【図5】一実施例において、「大気圧学習・EGR・B
ACS制御ルーチン」におけるBACS制御の詳しい処
理内容を説明するフローチャートである。
【図6】一実施例において、BACS制御の中で負圧要
求値を求めるために使用されるマップである。
【図7】一実施例において、BACS制御の作用を説明
するタイムチャートである。
【図8】一実施例において、同じくBACS制御の作用
を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン、2…燃料噴射ポンプ、17…
圧力制御弁としてのEVRV、22…燃料噴射量調整機
構としてのブーコン、24…圧力室としての負圧室、4
2…レバーセンサ、43…回転数センサ、45…車速セ
ンサ(42,43,45は運転状態検出手段を構成して
いる)、47…ECU(47は圧力制御弁制御手段を構
成している)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/02 380 D 8011−3G E 8011−3G 45/00 312 M 7536−3G F02M 25/07 550 R 570 P

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンへ燃料を圧送するた
    めの燃料噴射ポンプと、 圧力室に導入される作動圧に応じて前記燃料噴射ポンプ
    からの燃料噴射量を増量補正するための燃料噴射量調整
    機構と、 前記燃料噴射量調整機構の圧力室に導入される作動圧を
    制御するために開度調節される圧力制御弁と、 前記ディーゼルエンジンの運転状態を検出するための運
    転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記燃料噴
    射量調整機構により前記燃料噴射量を増量補正させるべ
    き運転領域であるか否かを判断するための運転領域判断
    手段と、 前記運転領域判断手段の判断結果に基づき、前記燃料噴
    射量調整機構により前記燃料噴射量を増量補正させるべ
    き運転領域へ他の運転領域から移行したと判断したとき
    に、前記圧力室に導入される作動圧を漸増させるべく前
    記圧力制御弁の開度を漸増させるように制御するための
    圧力制御弁制御手段とを備えたディーゼルエンジンの燃
    料噴射量制御装置において、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記ディー
    ゼルエンジンによる加速時とレーシング時とを判別する
    ための運転判別手段と、 前記運転判別手段により前記レーシング時と判別された
    ときに、前記圧力制御弁制御手段により漸増制御される
    前記圧力制御弁の開度の単位時間当たりの漸増分を、前
    記加速時の漸増分よりも小さく設定するための漸増制御
    設定手段とを備えたことを特徴とするディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射量制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010058650A1 (ja) * 2008-11-19 2010-05-27 ヤンマー株式会社 電子制御式ディーゼルエンジン
KR101151518B1 (ko) * 2004-12-22 2012-05-30 두산인프라코어 주식회사 고도에 따른 엔진의 출력제어장치

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