JPH1192415A - テレフタル酸の精製方法 - Google Patents

テレフタル酸の精製方法

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JPH1192415A
JPH1192415A JP25470797A JP25470797A JPH1192415A JP H1192415 A JPH1192415 A JP H1192415A JP 25470797 A JP25470797 A JP 25470797A JP 25470797 A JP25470797 A JP 25470797A JP H1192415 A JPH1192415 A JP H1192415A
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JP
Japan
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terephthalic acid
aqueous solution
temperature
slurry
purifying
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JP25470797A
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English (en)
Inventor
Haruo Suzuki
春生 鈴木
Isao Teraguchi
勲 寺口
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、テレフタル酸精製工程におけ
る、機器・配管等の材質を規定し、経済的に高純度テレ
フタル酸を製造する方法を提供することにある。 【解決手段】テレフタル酸を精製する工程において、テ
レフタル酸のスラリーまたは、水溶液の温度が260o
C以上の接液部材質として、SUS316、SUS31
7、またはそれらの相当材、または、それらの低炭素材
用い、260oC未満の接液部材質として、SUS30
4、またはその低炭素材を用い、経済的に高純度テレフ
タル酸を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレフタル酸の製
造方法に関し、特に、パラキシレンの酸化反応によって
得られた粗テレフタル酸の水溶液を第VIII族金属触媒の
存在下、水素を用いて精製する高純度テレフタル酸の精
製方法に関し、更に詳しくは、テレフタル酸スラリー及
び水溶液の接液部の材質の選定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸の精製方法として、高温・
高圧下にて粗テレフタル酸の水溶液をPd,Pt等の第
VIII族金属触媒の存在下、水素を用いて高純度テレフタ
ル酸の不純物を還元処理し、処理された水溶液から結晶
を晶析させ、遠心分離、濾過等の方法を用いて、テレフ
タル酸の結晶を回収する方法が知られている。
【0003】テレフタル酸精製工程に使用される材質と
しては、177OC(350OF)以上の温度ではチタニ
ウム(望ましくは青色酸化処理を施した)、177O
(350OF)未満の温度では304SSを用いること
が知られている。(英特許1152575号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】テレフタル酸は、芳香
族ジカルボン酸に属し、その水溶液は温度が高くなるに
従って腐食性が大きくなる。
【0005】チタニウムやハステロイC等の高耐食材料
は、腐食性の強い流体を取り扱う際に用いられるが、高
価、加工性の点で実際に機器を製作する際の困難を伴
う。チタニウム等の特殊材ではなく、ステンレススティ
ール(SUS)のような安価で入手しやすい材質で機器
を製作することが可能となれば、その経済的な効果は大
きい。
【0006】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、より
改良されたテレフタル酸の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】本発明の更に他の目的は、テレフタル酸精
製工程において、ステンレススティールのような比較的
安価な材質で機器等を製作できる高純度テレフタル酸の
精製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の問題点に鑑み、本
発明では、粗テレフタル酸のスラリーをテレフタル酸が
完全溶解するする温度まで加熱させ、次いで、水添反応
後、逐次連続的に降温させ、析出する結晶を回収する工
程に用いられる機器・配管等のテレフタル酸水溶液・ス
ラリーの接液部材質をチタニウム・ハステロイC等の特
殊材ではなく、JIS規格に基づくSUS304、31
6、317、またはそれらの低炭素材、またはそれらの
クラッド材といった汎用材を用いることを特徴とする。
以下にSUS304、316、317の成分を示す。
【0009】
【表1】
【0010】SUS304、316、317の低炭素材
の規格基準は、それぞれの炭素成分が0.03以下であ
る。
【0011】特定のプロセス条件に対して、一般に0.
1〜0.15mm/年の腐食率であれば、その材質は使
用可能である言われている。本発明者らは、テレフタル
酸の精製工程におけるプロセス条件を実験で再現し、数
種の材質に対しその腐食率を調査した。その結果におけ
る代表的な液相物質の組成例を以下に示す。
【0012】 酢酸 0.1 wt% テレフタル酸 25 wt% 水 残部 この条件で、温度を変化させることにより、テレフタル
酸精製工程における材質の検討をおこなったところ、驚
くべき事に、前述の英特許に示されているチタニウムの
ような特殊材を必ずしも用いなくてもよいことが判明し
た。
【0013】特に260OC以上の高温でも、腐食代を
適正にとることにより、ステンレススティール材でも使
用可能である。シェル&チューブ型の熱交換器における
チューブのように、構造的に腐食代をとることが難しい
部分については、チタニウムやハステロイCのような特
殊材を用いることが望ましい。
【0014】また、本発明の別の適用法として、耐食性
のない材料の内側にSUS304、316、317等の
材料を内張りまたは障壁として、形成させることもあ
る。特に、高圧力条件の下で、耐食性を上記の材料で満
足させ、強度を鉄のような材料で満足させるクラッド材
を用いることで、より安価に機器類を製作することが可
能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に実施例により、本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1:実験室において、化学プラント
に一般的に使用される材料を数種類選択し、前述の液相
条件で腐食試験を実施した。試験片は、およそ0.6×
1.8×0.3(cm)の寸法であり、これを12日間
撹拌無しでオートクレーブ内に285OCの温度で保持
した。その腐食率の結果を以下に示す。なお腐食率(m
m/年)の計算は重量変化/表面積/密度/試験時間×
24×365である。
【0017】 この試験結果より、SUS317L、ハステロイC、チ
タニウムの腐食率は0.15mm/年以下で、テレフタ
ル酸精製工程の接液部に使用可能な材質であることが判
明した。また、腐れ代を多めに取ることにより、SUS
316Lも使用可能である。特にハステロイC、チタニ
ウムは、腐食代のとれない部分にも使用可能である。
【0018】実施例2:実施例1と比較して、温度条件
を260OCに変更して、実験を行った。その腐食率の
結果を以下に示す。
【0019】 実施例3:実施例1と比較して、温度条件を230O
に変更して、実験を行った。その腐食率の結果を以下に
示す。
【0020】 実施例2、3より、テレフタル酸精製工程において、テ
レフタル酸スラリーの温度が260OC未満の接液部材
質としてSUS304を使用可能であることがわかる。
【0021】実施例4:テレフタル酸精製工程のブロッ
クフローを図1に示し、以下にプロセスの説明を示し、
その機器材質を表1に示す。
【0022】図1において、1は粗テレフタル酸再溶解
槽、2、3は熱交換器、4は溶解槽、5は水添反応槽、
6は晶析槽段、7は固液分離装置である。
【0023】粗テレフタル酸再溶解槽1における水に対
するテレフタル酸の濃度(含有率)は25wt%であ
り、温度は90〜100OCである。水添反応を起こさ
せるためには、テレフタル酸を完全に溶解させる必要が
あり、熱交換器2、3のシェル及びチューブ型の熱交換
器でテレフタル酸スラリーを加熱する。熱交換器2のチ
ューブの加熱媒体側の温度は260OC以下であり、熱
交換器3のチューブの加熱媒体側の温度は260OC以
上である。そのとき、溶解槽4及び水添反応槽5の操作
温度における蒸気圧以上に加圧する必要がある。溶解槽
4及び水添反応槽5の操作温度はテレフタル酸が完全に
溶解する285OCに設定している。晶析槽段6は、具
体的には3〜6段の個別の晶析槽で構成され、285O
Cの温度から蒸発を利用して逐次降温し、最終段の晶析
槽では140〜150OCの温度にする。1段目の晶析
槽の操作温度は258OCに設定している。晶析槽段6
の固液分離装置の操作温度は最終段の晶析槽と同じ温度
である。
【0024】
【表2】
【0025】熱交換器チューブの材質の選定は、加熱側
媒体の温度で行っている。
【0026】
【発明の効果】本発明より、チタニウム等の特殊材では
なく、SUS材で機器を製作することが可能であり、そ
の結果、経済的・工程的に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレフタル酸精製工程を示すブロックフロー図
である。
【符号の説明】
1:粗テレフタル酸再溶解槽、2:熱交換器、3:熱交
換器、4:溶解槽、5:水添反応槽、6:晶析槽、7:
固液分離装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸の水溶液を高温・高圧下で、
    第VIII族金属触媒の存在下に水素を接触させて還元処理
    し、処理された水溶液からテレフタル酸の結晶を回収す
    る方法において、テレフタル酸のスラリーまたは水溶液
    の温度が260OC以上の接液部材質としてSUS31
    6、SUS317、またはそれらの相当材、またはそれ
    らの低炭素材を用いることを特徴とする高純度テレフタ
    ル酸の精製方法。
  2. 【請求項2】テレフタル酸の水溶液を高温・高圧下で、
    第VIII族金属触媒の存在下に水素を接触させて還元処理
    し、処理された水溶液からテレフタル酸の結晶を回収す
    る方法において、テレフタル酸のスラリーまたは水溶液
    の温度が260OC未満の接液部材質としてSUS30
    4またはその相当材、またはその低炭素材を用いること
    を特徴とする高純度テレフタル酸の精製方法。
  3. 【請求項3】テレフタル酸の水溶液を高温・高圧下で、
    第VIII族金属触媒の存在下に水素を接触させて還元処理
    し、処理された水溶液からテレフタル酸の結晶を回収す
    る方法において、テレフタル酸のスラリーまたは水溶液
    の温度が260OC以上でかつ、構造的に腐食代のとれ
    ない部分の接液部材質として、チタニウムまたはその合
    金、またはハステロイCまたはその相当品を用いること
    を特徴とする高純度テレフタル酸の精製方法。
  4. 【請求項4】耐食性のない材料の内側に、請求項1また
    は2記載の材料を内張りまたは障壁として形成させるこ
    とを特徴とする高純度テレフタル酸の精製方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3のいずれか記載の高純度
    テレフタル酸の精製方法において、完全溶解したときの
    テレフタル酸水溶液の濃度が20〜30wt%であるこ
    とを特徴とする高純度テレフタル酸の精製方法。
  6. 【請求項6】テレフタル酸の水溶液を高温・高圧下で、
    第VIII族金属触媒の存在下に水素を接触させて還元処理
    し、処理された水溶液からテレフタル酸の結晶を回収す
    る方法において、テレフタル酸のスラリーまたは水溶液
    の温度が260OC以上の接液部材質としてSUS31
    6、SUS317、またはそれらの相当材、またはそれ
    らの低炭素材を用いることを特徴とするテレフタル酸の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523918A (ja) * 2002-04-23 2005-08-11 ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド 芳香族酸の製造及び/又は精製中に液体ストリームから鉄汚染物を除去する方法
WO2007129669A1 (ja) * 2006-05-08 2007-11-15 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. 晶析方法

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