JPH1182643A - 作業車両のトランスミッション - Google Patents

作業車両のトランスミッション

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JPH1182643A
JPH1182643A JP9236294A JP23629497A JPH1182643A JP H1182643 A JPH1182643 A JP H1182643A JP 9236294 A JP9236294 A JP 9236294A JP 23629497 A JP23629497 A JP 23629497A JP H1182643 A JPH1182643 A JP H1182643A
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shaft
traveling
transmission
speed change
input shaft
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JP9236294A
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Mizuya Matsufuji
瑞哉 松藤
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンに連動する入力軸と、該入力軸に対
し平行に配設されて後輪に連動する出力軸との間に構成
される作業車両用のトランスミッションにおいて、従
来、伝動上手側の前後進切換機構と伝動下手側の多段変
速機構とが前後に振り分けられて前後長が長くなってい
た。 【解決手段】 走行入力軸7と同一軸線に第二走行変速
軸9を配設し、後部走行出力軸11と一体の前部走行出
力軸10と、第一走行変速軸8とを平行に配設する。第
一走行変速軸8には前進低速と後進とを切換選択するシ
ンクロメッシュ機構41の第一クラッチ装置を、走行入
力軸7と第二走行変速軸9との間には前進高速用の第二
クラッチ装置を、第三走行変速軸10には多段変速用の
第三クラッチ装置を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の作業
車両のエンジンに連動する走行入力軸と、走行入力軸に
対して平行に配設されて後輪に連動する走行出力軸との
間に構成されるトランスミッションの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタ等の作業車両のエンジン
に連動する走行入力軸と、走行入力軸に対して平行に配
設されて後輪に連動する走行出力軸との間に構成される
トランスミッションにおいては、前進高速、前進低速、
及び後進の各状態に設定できる駆動上手側の第一変速装
置と、第一変速装置の設定毎に、多段に速度を設定でき
る駆動下手側の第二変速装置とを組み合わせた構造のも
のが、特公平5−26686号にて公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術のトラ
ンスミッションは、駆動上手側の第一変速装置が車体前
部に、第二変速装置が車体後部にと配置されていて、ト
ランスミッション全体として前後長が長くなる。この第
一変速装置と第二変速装置とを平行状に設けることがで
きるならば、前後長を短くして、車両コンパクト化を実
現することができる。また、トランスミッションの下手
側より分岐する前輪動力の取出し部を、より前方側に配
置することができ、前輪車軸の駆動部に近づけて、前輪
駆動の反応性を向上させることができる。また、前記の
特公平5−26686号の中では、各変速装置を操作す
る各変速レバーのシフトパターンは、第一変速装置の操
作レバーが直線型、第二変速装置のそれがH型となって
いるが、多段変速機構である第二変速装置の方が、走行
中に使用することが多く、操作がより容易となることが
望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、作業車両のト
ランスミッションに関しての以上のような課題を解決す
べく、次のような手段を用いるものである。まず、請求
項1に係る発明が講じる手段は、作業車両のエンジンに
連動する走行入力軸と、走行入力軸に対して平行に配設
されて後輪に連動する走行出力軸との間に構成されるト
ランスミッションであって、前記走行入力軸により常時
駆動される第一走行変速軸を走行出力軸と平行に設け、
第一走行変速軸と平行する第二走行変速軸を前記走行入
力軸に対し同一軸線上に対向状に設け、第一走行変速軸
と第二走行変速軸との間には正逆転切換機構を構成する
とともに、第二走行変速軸と走行出力軸との間には正逆
転切換機構と連動連結する多段変速機構を構成するもの
である。
【0005】次に、請求項2に係る発明が講じる手段
は、作業車両のエンジンに連動する走行入力軸と、走行
入力軸に対して平行に配設されて後輪に連動する走行出
力軸との間に構成されるトランスミッションであって、
走行入力軸により常時駆動される第一走行変速軸を走行
出力軸と平行に設け、第一走行変速軸と平行する第二走
行変速軸を前記走行入力軸に対し同一軸線上に対向状に
設け、第一走行変速軸と第二走行変速軸との間には正転
減速歯車列と逆転歯車列を、第二走行変速軸と走行出力
軸との間には複数の減速歯車列を、それぞれ配設し、更
に、正転減速歯車列と逆転歯車列のいずれかを選択して
第一走行変速軸から第二走行変速軸へと伝動可能な第一
クラッチ装置、正転減速列と逆転歯車列のいずれもが非
伝動状態の時に走行入力軸と第二走行変速軸とを直結可
能な第二クラッチ装置、そして、複数の減速歯車列のい
ずれかを選択して第二走行変速軸から走行出力軸へと伝
動可能な第三クラッチ装置を設けるものである。
【0006】また、請求項3に係る発明が講じる手段
は、作業車両のエンジンに連動する走行入力軸と、走行
入力軸に対して平行に配設されて車輪に連動する走行出
力軸との間に構成されるトランスミッションであって、
前記走行入力軸により常時駆動される第一走行変速軸を
走行出力軸と平行に設け、第一走行変速軸と平行する第
二走行変速軸を前記走行入力軸に対し同一軸線上に対向
状に設け、第一走行変速軸上には、正転方向に第二走行
変速軸を駆動するための第一駆動歯車と、走行出力軸上
に遊転外嵌するアイドル歯車に常時噛合して第二走行変
速軸を逆転方向に駆動するための第二駆動歯車とを遊転
外嵌するとともに、第一・第二駆動歯車の一つを選択し
て第一走行変速軸に結合可能な第一クラッチ装置を設
け、走行入力軸と第二走行変速軸との間には、両歯車列
のいずれもが非伝動状態の時に両軸を直結可能な第二ク
ラッチ装置を配設し、第二走行変速軸上には複数個の駆
動歯車を固設し、走行出力軸上には、第二走行変速軸上
の各駆動歯車に常時噛合する従動歯車を遊転外嵌すると
ともに、従動歯車の一つを選択して走行出力軸に結合可
能な第三クラッチ装置を設けるものである。また、この
請求項3の発明において請求項4に係る発明が講じる手
段は、前記第一駆動歯車を、前記第二走行変速軸上の前
記駆動歯車の中の一つに常時噛合させるとともに、前記
アイドル歯車を、前記第二走行変速軸上の前記駆動歯車
の中の他の一つに常時噛合させるものである。
【0007】また、請求項1、2、または3に係る発明
の中で、請求項5に係る発明が講じる手段は、前記走行
入力軸及び前記第二走行変速軸をともに筒状とし、両軸
の中に、PTO伝動軸を貫通配設させるものであり、ま
た、請求項6に係る発明が講じる手段は、前記走行入力
軸を、トランスミッション用ハウジングの左右方向の略
中央に配置するとともに、前記第一走行変速軸を左右一
方側に、前記走行出力軸を左右方向他方側に、それぞれ
振り分けて配設するものである。更に、この請求項6に
係る発明の中で、請求項7に係る発明が講じる手段は、
前記走行出力軸に、前輪と連動する動力取出し用歯車を
設けるとともに、走行出力軸を前記第一走行変速軸より
も下方に配設するものである。
【0008】また、請求項2または3に係る発明の中
で、請求項8に係る発明が講じる手段は、前記第一クラ
ッチ装置にはシンクロナイザを具備させるものであり、
また請求項9に係る発明が講じる手段は、前記第一クラ
ッチ装置と前記第二クラッチ装置とを、前後及び左右方
向に回動可能な共通の第一変速レバーによって択一的に
切換操作可能に連動連係するものであり、また、請求項
10に係る発明が講じる手段では、前記多段変速機構
は、前記第三クラッチ装置を、直線状のシフトパターン
に沿って前後方向に操作可能な第二変速レバーによって
切換操作することにより、前記出力軸に低速段から高速
段までステップ状の多段変速が得られるように構成する
ものであり、更に、請求項11に係る発明が講じる手段
は、前記第一クラッチ装置と前記第二クラッチ装置とを
択一的に切換操作可能な第一変速レバーと、前記第三ク
ラッチ装置を切換操作可能な第二変速レバーとを、前記
ハウジングの上に設置した共通の変速台に支持させるも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付の図面
を基に説明する。図1は本発明のトランスミッションを
有するトラクタの側面図、図2は本発明のトランスミッ
ションのハウジング構造及び内部構造を示すスケルトン
図、図3はクラッチハウジング1の第一室A内のクラッ
チ機構を示す側面断面図、図4はクラッチハウジング1
の第二室B内の変速機構を示す側面断面図、図5は同じ
く展開図、図6は後部車軸ハウジング2の内部後面図、
図7はトラクタの座席91に対する第一変速レバー52
及び第二変速レバー55の配設位置を示す正面断面図、
図8は第一変速レバー52及び第二変速レバー55を取
り付けた変速台51のクラッチハウジング1に対する取
付けの様子を示す斜視図、図9はクラッチハウジング1
の第二室B内の第一変速フォーク軸58、第二変速フォ
ーク軸59及び第三変速フォーク軸60の取付構造を示
す平面断面図、図10は第一変速レバー52・第二変速
レバー55と各変速フォークの配置構成を示す図9中X
−X線断面図、図11は第一変速フォーク軸58・第二
変速フォーク軸59に対する係合部材61・62及び付
勢メンバー63・64の取付構造を示す斜視図、図12
は軸受板3のデテント機構配設部分の正面図、図13は
デテント機構の組立斜視図である。
【0010】図1より、本発明のトランスミッションを
有する作業車両の実施例としてのトラクタの全体構造に
ついて説明する。まず、トラクタの前部に前部フレーム
83が水平方向に配設されていて、その後端にエンジン
Eが配設され、前部フレーム83及びエンジンEを覆う
べく、ボンネット84が搭載されている。ボンネット8
4内にて、エンジンEの前部にはラジエータ85を配設
し、エンジンEの上部にはマフラー86を介して、外部
に排気管87を延出している。ボンネット84の後端に
は、ハンドル89を具備するダッシュボード88が配設
されていて、その後部には、左右後輪78・78を覆う
左右のフェンダー90・90間にて、座席91が配設さ
れ、座席91の左右各側に、図11にも示すように、第
一変速レバー52及び第二変速レバー55を配設してい
る。
【0011】エンジンE後端の出力部には、クラッチハ
ウジング1の前端をボルト締結しており、クラッチハウ
ジング1が後方に延設されて、座席91の下方を通過
し、その後端は、左右後輪78・78間に配設された後
部車軸ハウジング2の前端にボルト締結により係合され
て、本トラクタの機体フレーム兼トランスミッションの
ハウジングを構成している。なお、クラッチハウジング
1は、図2等にも示すように、前部ハウジング1Fと後
部ハウジング1Rとをボルト締結して、一体状に形成し
たものである。後部車軸ハウジング2内は、内部に後輪
差動機構及びリアPTO機構を収納し、左右側方に後部
車軸77・77を軸支し、各後部車軸77の外端にはそ
れぞれ左右の後輪78・78を装着する。また、後部車
軸ハウジング2上には、トラクタ後部に装着する作業機
を昇降するためのリフトアーム93を有する油圧リフト
装置92が搭載され、更に、作業機にエンジンEの動力
を伝動すべく、後部車軸ハウジング2の後端を覆う後部
カバー17よりPTO軸18を後方に突出している。
【0012】更に、前記の前部フレーム83の下部に、
前輪駆動機構を収納し、左右の前部車軸81・81を軸
支する前部車軸ハウジング80を配設している。各前部
車軸81・81の外端には、それぞれ左右の前輪82・
82を装着する。前記のクラッチハウジング1の底面に
は、前輪用動力取出しケース4が装着され、前輪用動力
取出しケース4より前方に前輪動力取出し軸20が延出
され、前部車軸ハウジング80内の前輪差動機構に対し
継手軸79を介して連結されている。こうしてクラッチ
ハウジング1内の変速機構より、左右の前部車軸81・
81の前輪82・82へ動力伝達されている。
【0013】本発明のトランスミッションの内部構造の
概略について図2等を参照して説明する。クラッチハウ
ジング1の内部は、前後途中部に略垂直状に形成した隔
壁1aによって、前後に第一室A、第二室Bに区画され
る。第一室Aを形成するハウジングは、図3でも判るよ
うに、クラッチハウジング1を形成する前部ハウジング
1Fと後部ハウジング1Rの前半部分であり、前端が開
口して端面にフランジ部1dを形成し、図1の如く、エ
ンジンEの後端にボルトにて締結するものである。ま
た、第一室A内にて、クラッチハウジング1と一体に形
成した軸受壁1bを配設しており、隔壁1aと軸受壁1
bとにて前後略水平状に、筒状の走行入力軸7を軸支し
ている。走行入力軸7は、軸受壁1bより更に前方に延
出され、その前端部にて、クラッチ板6を軸周りに固設
している。
【0014】クラッチハウジング1の第一室A内には、
エンジンEのクランク軸に直結したフライホイル5が収
容されて、前記走行クラッチ板6との間に通例の乾式単
板型の主クラッチ機構を構成する。また、図3に示すよ
うに、クラッチハウジング1の前記軸受壁1bの前面に
は、サポート筒76bが取り付けられ、走行入力軸7に
外嵌させてある。クラッチアーム76に連結するレリー
ズベアリング76aがこのサポート筒76b上に軸方向
摺動自在に設置されて、その前端面が、前記主クラッチ
機構を係脱操作するレバー5aに当接されている。クラ
ッチペダルを踏込み操作すると、クラッチアーム76が
回動して、レリーズベアリング76aを前方摺動させ、
レバー5aが押されて、クラッチ板6がフライホイル5
より離脱し、主クラッチが切れた状態となる。クラッチ
ペダルから足を離すと、クラッチアーム76、レリーズ
ベアリング76a、及びレバー5aが図示位置に戻り、
クラッチ板6はフライホイル5に圧着して主クラッチが
入る。なお、フライホイル5に圧着したクラッチ板6よ
り前部PTO伝動軸13に回転が伝わる際に、エンジン
Eと一体のフライホイル5の振動が、直接、前部PTO
伝動軸13に伝わることのないように、クラッチ板6に
ダンパスプリング6aを介装している。
【0015】筒状の走行入力軸7内には、前部PTO伝
動軸13が挿通しており、その前端部は、走行入力軸7
の前端よりも更に前方に延出して、フライホイル5に対
して固定板12を介して直結されている。
【0016】走行入力軸7とその中に配置される前部P
TO伝動軸13、また、その前端に構成されるフライホ
イル5を主要部とする主クラッチ機構は、一体のユニッ
トとして、クラッチハウジング1の前端開口部より第一
室A内に組み入れることができ、走行入力軸7の中途部
を軸受壁1bにて貫通支持させ、その後端を隔壁1aに
支持させることで、組み付けを完了でき、組み付け作業
が容易となる。
【0017】クラッチハウジング1の後半部分は、その
後端が開口して端面にフランジ1eを形成しており、後
部車軸ハウジング2の前端に形成したフランジ2dにボ
ルト締結するものとなっている。この第二室B後端の開
口部内には軸受板3が配設され、後部車軸ハウジング2
の前端において、ハウジング内側に突出するように一体
形成したボス部2a・2a・・・(図6等参照)の前面
にボルトにて締止固定している。なお、軸受板3は、ク
ラッチハウジング1の後端面に同様のボス部を設けて固
設するものとしてもよい。第二室B内における隔壁1a
と軸受板3との間に、前後略水平方向に沿って、走行変
速用の軸として平行な三本の軸が軸支されている。即
ち、前記の走行入力軸7より常時伝動される第一走行変
速軸8、走行入力軸7の後端に同一軸線上で対向させた
第二走行変速軸9、そして、後記のプロペラ軸11に連
接される走行出力軸10である。なお、第二走行変速軸
9は走行入力軸7と同様に筒状となっており、その内部
には、前記の前部PTO伝動軸13に連接される後部P
TO伝動軸14が挿通されており、走行入力軸7の軸端
7内でジョイント95を介して結合される。後部PTO
伝動軸14の後端は、軸受板3より更に後方に延出し
て、後部車軸ハウジング2内のリアPTOクラッチに連
結される。
【0018】これらの変速機構を構成する三本の走行変
速軸8・9・10は、クラッチハウジング1と後部車軸
ハウジング2とのボルト締結前に、後部車軸ハウジング
2の前端に固設された軸受板3に対して予め支持させて
おく。なお、第二走行変速軸9内には、後部PTO伝動
軸14を挿通させた状態としておく。一方、クラッチハ
ウジング1内においては、隔壁1aに走行入力軸7を支
持させた状態にしておく。クラッチハウジング1と後部
車軸ハウジング2との締結時に際しては、後部車軸ハウ
ジング2の前端の軸受板3より前方に延出されている走
行変速軸8・9・10を、クラッチハウジング1の後端
開口部よりその内部に挿入させる。クラッチハウジング
1の後端がフランジ1eを後部車軸ハウジング2の前端
のフランジ2dに当接すると、第一走行変速軸8及び走
行出力軸10の前端は、隔壁1aに設けた各別の軸受内
に自然に嵌入し、また、後部PTO伝動軸14及び第二
走行変速軸9の前端は、筒状の走行入力軸7内に自然に
嵌入する。このように、クラッチハウジング1と後部車
軸ハウジング2とをボルト締結すべく、両フランジ1e
・2dを位置合わせするだけで、自然に第二室B内にお
ける各軸の組み付けが完了するのである。
【0019】図10より、正面視で第二室B内の各軸8
・9(14)・10の配置構造を見てみると、まず、走
行入力軸7及び第二走行変速軸9を、クラッチハウジン
グ1の左右方向の略中央に配設している。これにより、
第二室B内にて、第二走行変速軸9の左右に十分なスペ
ースを確保することができる。即ち、本実施例では、第
二走行変速軸9の下方右側(正面から見て右側。以後、
左右位置関係については正面視を基準とする。)のスペ
ースに第一走行変速軸8を、そして下方左側のスペース
に走行出力軸10を配設している。
【0020】また、第二室B形成部分におけるクラッチ
ハウジング1の底面に装着した前記前輪動力取出しケー
ス4内には、支軸19、及び前輪動力取出し軸20が軸
支され、支軸19上のギア38を介して、走行出力軸1
0より前輪動力取出し軸20までの伝動系が形成され
る。ここで、走行出力軸10は、図10の如く、第一走
行変速軸8よりも下位レベルに配設してあるので、支軸
19との距離を積極的に縮めて前輪動力取出し軸20ま
での伝動系をコンパクトにできる。
【0021】後部車軸ハウジング2内には、図2に示す
前後の第一軸受壁2b及び第二軸受壁2cを形成してお
り、両軸受壁2b・2c間に、後輪差動機構21を配設
している。後部車軸ハウジング2の前端開口部に配設す
る軸受板3と第一軸受壁2bとの間にて、プロペラ軸1
1が支持されており、プロペラ軸11の前端は、図4に
示すように、軸受板3内に配設したジョイント10aを
介して、前記走行出力軸10の後端に連結される。プロ
ペラ軸11の後端は、図2の如く、第一軸受壁2bより
後方に突出して、ベベルピニオン11aを刻設し、後輪
差動機構21の大ベベルギアに噛合される。
【0022】また、第一軸受壁2bの前面には、図2に
示すように、PTOブレーキケース75が固設され、そ
の前方にPTOクラッチケース73が配設されていて、
軸受板3より後方に延出される後部PTO伝動軸14の
後端には、PTOクラッチ板72が設置される。PTO
クラッチケース73は、後部PTO伝動軸14の後端と
同一軸上に並設されるPTOクラッチ軸15に固定され
ており、このPTOクラッチケース73内には、該PT
Oクラッチケース73に対し前記PTOクラッチ板72
を係脱するための油圧ピストンが収容されて、湿式多板
油圧作動型のPTOクラッチ機構を構成してある。
【0023】PTOクラッチケース73の背面に形成し
たボスにPTOブレーキ板74が設置される。前記PT
Oブレーキケース75内には、該PTOブレーキケース
75に対し前記PTOブレーキ板74を係脱するための
油圧ピストンが収容されて、湿式多板油圧作動型のPT
Oブレーキ機構を構成してある。このPTOブレーキ機
構の油圧ピストンは、前記PTOクラッチ機構の油圧ピ
ストンがPTOクラッチ切り方向に作動した時にのみ、
PTOブレーキ板74をPTOブレーキケース75に係
合させるように作動して、PTOクラッチ軸15が制動
される構造となっている。PTOクラッチ軸15は、P
TOブレーキケース75内を貫通し、第一軸受壁2bに
て軸受けされ、更に後方に延出して、第二軸受壁2cに
て軸受けされているPTOカウンター軸16の前端に連
結固定される。
【0024】後部車軸ハウジング2の後端は開口してお
り、後端開口部には、前記の後部軸受カバー17をボル
トにて締結する。第二軸受壁2cと後部軸受カバー17
との間には、PTOカウンター軸16と前記のPTO軸
18とを前後略水平状に軸支し、減速歯車列を介して相
互連結しており、PTOカウンター軸16の前端は第二
軸受壁2cより前方に突出して、PTOクラッチ軸15
の後端に連結する。
【0025】以上のように、クラッチハウジング1、後
部車軸ハウジング2、及び前輪動力取出しケース4より
なるハウジング構成を有する作業車両のトランスミッシ
ョン構造の中で、第二室B内における変速機構の具体的
構成を、図2、図4乃至図13より説明する。図4及び
図5の如く、隔壁1aから第二室B内に突入した走行入
力軸7の軸端(後端)7aに入力ギア22が固設されて
おり、走行入力軸7の軸端7aに第二走行変速軸9の前
端部がニードルベアリングを介して相対回動自在に支持
されているとともに、走行入力軸7の軸端7a内に配し
たスラスト軸受96に第二走行変速軸9からの推力を受
けさせるようにしてある。こうして、走行入力軸7と第
二走行変速軸9とを同一軸上に対向配設している。
【0026】図5の如く、第二走行変速軸9(後部PT
O伝動軸14)に対して平行状に配設される第一走行変
速軸8の前端部には、ギア23が固定されており、入力
ギア22に常時噛合している。第一走行変速軸8の後半
部上には、第一駆動ギア24と第二駆動ギア25とを遊
嵌設置すると共に、第一駆動ギア24または第二駆動ギ
ア25のいずれかを第一走行変速軸8に係合させるため
の、シンクロナイザー付きの第一クラッチ装置41を設
置してある。この第一クラッチ装置41は、第一変速フ
ォーク42aの前後動に伴って、その第一変速スリーブ
(シンクロナイザスリーブ)42を前後摺動させること
により、第一駆動ギア24を第一走行変速軸8に係合す
る位置、第二駆動ギア25を第一走行変速軸8に係合す
る位置、また、いずれにも係合しない中立位置のいずれ
かに切換可能に構成している。第一変速フォーク42a
のボス部には、図9に示すように、前後摺動可能に隔壁
1aと軸受壁3との間に架設される第一変速フォーク軸
58が挿通されており、このボス部を第一変速フォーク
軸58に対してスプリングピン97を介して相対回転不
能で且つ軸方向移動不能に固定し、第一変速フォーク4
2aが第一変速フォーク軸58と一体的に前後摺動する
ようにしている。
【0027】なお、シンクロナイザーに対する強制潤滑
油供給構造を、図5、図6、及び図9に示すように構成
してある。即ち、第一走行変速軸8の後端を支持する軸
受板3内に油溜まり3aを形成し、油溜まり3aに連通
する油管71を軸受板3の側面に取り付け、後部車軸ハ
ウジング2の外側壁に開口した油孔2eに接続する。そ
して、この油孔2eに、例えばトラクタに装備された前
輪操向用のパワーステアリング装置や前述の油圧リフト
装置で発生したドレン油を配管100を介して導入させ
るのである。本実施例では、図6に示すように、パワー
ステアリングシリンダー98の圧油給排回路99で発生
したドレン油を用いる。なお、後部車軸ハウジング2内
の潤滑油をパワーステアリングシリンダー98の作動油
として圧油給排回路99に供給すべく、後部車軸ハウジ
ング2内の底部付近にサクションフィルター101を設
け、このサクションフィルター101より吸入した潤滑
油をハウジング外部に取出し、油圧ポンプ102によっ
て、圧油給排回路99に供給するものである。油圧リフ
ト装置からドレン油を導入する場合には、パワーステア
リングシリンダー99をリフトアーム昇降用の油圧シリ
ンダーに、圧油給排回路100を、油圧リフト装置内の
圧油給排回路に置き換えればよい。
【0028】この油溜まり3aに、図5に図示する如
く、第一走行変速軸8内の後端面に開口する潤滑油路8
aが連通して、シンクロナイザーの摩擦部分等に潤滑油
が強制的に供給される。この油溜まり3aは、軸受板3
の後面に凹部を設け蓋69で覆って形成される。蓋69
に潤滑油圧を設定するリリーフバルブ70を取り付け、
油溜まり3a内に導入される油圧がリリーフバルブ70
の設定値を上回ると、軸受板3の後方の後部車軸ハウジ
ング2内に余剰圧をリリーフする。また、油溜まり3a
は、図5及び図6の如く、オイルレベルOLより上位に
ある第二走行変速軸7及び後部PTO伝動軸14上の前
記スラスト軸受96やスプライン嵌合部等の潤滑を要す
る部位にも油供給するように構成してあり、これにより
潤滑油分配機能を備えたものとなっている。
【0029】そして、第二走行変速軸9上の前端には、
一速用駆動ギア26が固定されており、該ギア26の前
端にはクラッチギア26aが形成され、クラッチギア2
6aと、その直前の入力ギア22後端に形成したクラッ
チギア22aとの間に、第二変速フォーク44aに連動
して前後動可能な第二変速スリーブ44を配設して、第
二クラッチ装置43を構成している。第二変速フォーク
42aのボス部には、図9に示すように、前後摺動可能
に隔壁1aと軸受壁3との間に架設される第二変速フォ
ーク軸59が挿通されており、このボス部を第二変速フ
ォーク軸59に対して、スプリングピン97を介して相
対回転不能で且つ軸方向移動不能に固定し、第二変速フ
ォーク44aが第二変速フォーク軸59と一体的に前後
摺動するようにしている。
【0030】この第二クラッチ装置43は、第二変速ス
リーブ44を、クラッチギア26aのみに噛合して走行
入力軸7と第二走行変速軸9とを分離した状態と、両ク
ラッチギア26a・22aに噛合して走行入力軸7と第
二走行変速軸9とを直接的に連結した状態とに切り換え
ることができる。前者の場合、走行入力軸7の回転は、
減速ギア列22・23を介して第一走行変速軸8に伝動
されてから、前記第一変速スリーブ42によって第一・
第二駆動ギア24・25のいずれかをクラッチ係合する
ことにより、第二走行変速軸9に伝動されるものであ
る。後者の場合、走行入力軸7の回転は第二走行変速軸
9に直接的に伝動され、この時、第二走行変速軸9は走
行出力軸10を機体前進方向に回転させる。
【0031】なお、第二変速フォーク44aを前方摺動
して、第二変速スリーブ44を両クラッチギア26a・
22aに噛合した位置(第二クラッチ装置43の係合位
置)にできるのは、前記の第一クラッチ装置41が中立
位置の時のみとなるように牽制してある。これにより第
一走行変速軸8は空転状態となり、走行入力軸7にて直
接的に駆動される第二走行変速軸9が二重動力伝達状態
となることがない。また逆に、第一クラッチ装置41が
第一駆動ギア24または第二駆動ギア25のいずれかを
第一走行変速軸8に係合した状態にできるのは、第二変
速スリーブ44をクラッチギア26aのみに噛合する位
置(第二クラッチ装置43の中立位置)にした場合のみ
となるように牽制してある。これにより、走行入力軸7
から第一走行変速軸8を介しての第二走行変速軸9への
伝動が確保されるのである。第一変速スリーブ42と第
二変速スリーブ44との牽制機構は、後記の第二変速レ
バー55及び第一変速レバー52と第二室B内の変速機
構との関係についての説明の中で詳述する。
【0032】第二走行変速軸9上には、前方から後方に
かけて順に、前記クラッチギア26aを付設する一速用
駆動ギア26、三速用駆動ギア27、二速用駆動ギア2
8及び四速用駆動ギア29を固定している。そして、前
部走行出力軸10上には、前方から後方にかけて順に、
一速用従動ギア31、三速用従動ギア32、二速用従動
ギア33及び四速用従動ギア34を遊転しており、一速
用従動ギア31と三速用従動ギア32との間、及び二速
用従動ギア33と四速用従動ギア34との間には、各々
スプラインハブ35・36を配設して走行出力軸10に
固定している。一速用従動ギア31、三速用従動ギア3
2、二速用従動ギア33、四速用従動ギア34は各々、
第二走行変速軸9上に固設された一速用駆動ギア26、
三速用駆動ギア27、二速用駆動ギア28、四速用駆動
ギア29にそれぞれ常時噛合している。
【0033】更に、第二走行変速軸9上に固設される四
速用駆動ギア29は走行出力軸10上の四速用従動ギア
34に噛合すると同時に、第一走行変速軸8上の第一駆
動ギア24にも常時噛合しており、両ギア24・29に
て、正転減速歯車列を形成する。第一クラッチ装置41
が第一駆動ギア24を第一走行変速軸8に係合する場合
には、第一駆動ギア24からの動力は、四速用駆動ギア
29から第二走行変速軸9に伝動され、第二走行変速軸
9は、走行出力軸10を、機体前進方向で、前述の第二
クラッチ装置43を作動させた場合に比べて、減速回転
させる。
【0034】また、三速用従動ギア32には、アイドル
ギア37が連設されていて、第一走行変速軸8上の第二
駆動ギア25に常時噛合して逆転歯車列を形成する。第
一クラッチ装置41が第二駆動ギア25を第一走行変速
軸8に係合する場合には、第二駆動ギア25からの動力
は、アイドルギア37、三速用従動ギア32、三速用駆
動ギア27を介して第二走行変速軸9に伝動され、この
時、第二走行変速軸9は走行出力軸10を機体後進方向
に回転させる。
【0035】走行出力軸10上に遊嵌される一速用従動
ギア31及び三速用従動ギア32の各々スプラインハブ
35を向く面には、クラッチギア31a・32aを突出
形成し、そして、スプラインハブ35上に設置された前
部第三変速スリーブ47上には、該スプラインハブ35
に対して相対回転不能で且つ軸方向に摺動自在に嵌合す
ると共に、前記クラッチギア31a・32aに噛み合い
自在な内歯が形成されている。この前部第三変速スリー
ブ48の外周に形成した環状溝に後部第三変速フォーク
48aが係止されている。同様に、二速用従動ギア33
及び四速用従動ギア34の各々スプラインハブ36を向
く面には、クラッチギア33a・34aを突出形成して
いる。そして、スプラインハブ36上に設置された後部
第三変速スリーブ48には、該スプラインハブ36に対
して相対回転不能で且つ軸方向に摺動自在に嵌合すると
ともに、前記クラッチギア33a・34aに噛み合い可
能な内歯が形成されている。この後部第三変速スリーブ
48の外周に形成した環状溝に後部第三変速フォーク4
8aが係止されている。
【0036】前部第三変速フォーク47aと後部第三変
速フォーク48aとのボス部には、図9に示すように、
共通の第三変速フォーク軸60が挿通されている。ここ
で、前部第三変速フォーク47aを第三変速フォーク軸
60に対してスプリングピン97を介して相対回転不能
で且つ軸方向移動不能に固定する一方、後部第三変速フ
ォーク48aを、第三変速フォーク軸60に植設した他
のスプリングピン97と前部第三変速フォーク軸60を
中心に回動自在となるようにしてある。これにより走行
変速機構の組立時において、前部第三変速フォーク47
aが前部第三変速スリーブ47に、また、後部第三変速
フォーク48aが後部第三変速スリーブ48にそれぞれ
係止させ易くなっている。
【0037】後述する第一変速レバー52の変速操作に
より、前部第三変速フォーク47aと後部第三変速フォ
ーク48aと第三変速フォーク軸60とが一体的に軸方
向に移動し、従って、前部第三変速スリーブ47と後部
第三変速スリーブ48とは、一体的に前後摺動する。即
ち、走行出力軸10上において、前部第三変速スリーブ
47とその両側のクラッチギア31a・32a、並びに
後部第三変速スリーブ48とその両側のクラッチギア3
3a・34aにより、第三クラッチ装置45・46が構
成され、第一・第二の両変速スリーブ47・48が同時
に摺動して、一速位置、二速位置、三速位置、及び四速
位置の四位置に切り換えられる。まず、一速位置では、
前部第三変速スリーブ47が、一速用従動ギア31のク
ラッチギア31aとスプラインハブ35とを結合してい
るとともに、後部第三変速スリーブ48は、二速用従動
ギア33のクラッチギア33aのみに噛合している。即
ち一速用従動ギア31が走行出力軸10に係合され、第
二走行変速軸9の回転が、一速用ギア列26・31を介
して走行出力軸10に伝動される。
【0038】次に、二速位置(図5の図示位置)では、
前部第三変速スリーブ47がスプラインハブ35のみに
噛合するとともに、後部第三変速スリーブ48は、二速
用従動ギア33のクラッチギア33aとスプラインハブ
36とを結合して、二速用従動ギア33が走行出力軸1
0に係合され、第二走行変速軸9の回転が、二速用ギア
列28・33を介して走行出力軸10に伝動される。
【0039】三速位置では、前部第三変速スリーブ47
がスプラインハブ35と三速用従動ギア32のクラッチ
ギア32aとに噛合しているとともに、後部第三変速ス
リーブ48は、スプラインハブ36のみに噛合して、三
速用従動ギア32が走行出力軸10に係合され、第二走
行変速軸9の回転が、三速用ギア列27・32を介して
走行出力軸10に伝動される。
【0040】そして、四速位置では、前部第三変速スリ
ーブ47が三速用従動ギア32のクラッチギア32aの
みに噛合しているとともに、後部第三変速スリーブ48
は、スプラインハブ36と四速用従動ギア34のクラッ
チギア34aとに噛合して、四速用従動ギア34が走行
出力軸10に係合され、第二走行変速軸9の回転が、四
速用ギア列29・34を介して走行出力軸10に伝動さ
れる。
【0041】次に、第二室B内における走行変速機構か
ら前輪動力取出し軸20までの伝動構造を、図4より説
明する。第二室Bの前端の隔壁1aに沿うように、走行
出力軸10上に前輪駆動ギア30が固定されている。そ
して、クラッチハウジング1の底面開口部より第二室B
内に、前輪動力取出しケース4に架設した支軸19が挿
入されており、支軸19に遊嵌されたギア38が前輪駆
動ギア30に常時噛合する。ギア38は、前輪動力取出
しケース4内にて軸支される前輪動力取出し軸20に固
定された前輪入力ギア39にも常時噛合する。更に、前
輪動力取出し軸20上にスプラインハブ40が固設さ
れ、スプラインハブ40と、前輪入力ギア39に形成さ
れるクラッチギア39aとの間で、前輪駆動切換用スリ
ーブ50が軸方向に摺動する。前輪駆動切換用スリーブ
50は、レバー操作等にて、スプラインハブ40のみに
噛合する状態、及びスプラインハブ40とクラッチギア
39aとを結合する状態に切り換えられる。前者の状態
では、前輪は駆動されず、作業車両(トラクタ)は後輪
78のみの駆動となり、後者の状態になった時に、第二
室B内の走行変速機構より前輪82への動力伝達がなさ
れ、作業車両(トラクタ)は、四輪駆動する。
【0042】次に、第二室B内の走行変速機構の操作部
材である第一(主)変速レバー52と第二(副)変速レ
バー55の取り付け構造、また、これらのレバーと走行
変速機構との間の第二室B内におけるリンク機構につい
て、図7乃至図13より説明する。なお、図8におい
て、矢印Fは、機体前方を指す。
【0043】まず、図7の如く、前記座席91の左右に
それぞれ第一変速レバー52、第二変速レバー55を配
設する。これらレバー52・55は、後輪78のフェン
ダー20と座席91との間に位置するガイド板94L・
94Rに設けたガイド溝G1・G2内を挿通して、クラ
ッチハウジング1の第二室B形成部分の上面に設置した
変速台51の左右各側にそれぞれ支持される。変速台5
1は、図8にも示すように、クラッチハウジング1の上
面に形成した窓孔1cを覆うように取り付けるものであ
る。
【0044】図8の如く、第一変速レバー52は、I型
のレバーガイド溝G1に設定した一速位置、二速位置
、三速位置、四速位置に直線状にシフトできるよ
う、その基部を変速台51の左側壁に横架した回動軸5
3の外端に固設している。第二変速レバー55は、h型
のレバーガイド溝G2に設定した前進低速位置L、後進
位置R、中立位置N、及び前進高速位置Hにシフトでき
るよう、変速台51の右側壁に嵌入した第二変速レバー
55の基端には球部56を固設し、変速台51の右側コ
ーナー部に受けさせている。そして、変速台51内にお
いて、第一変速レバー52に連動する回動軸53の内端
に操作杆54が固設され、また、第二変速レバー55の
球部56より斜め下方に操作杆57が延伸されている。
【0045】図8乃至図10の如く、クラッチハウジン
グ1の第二室B内における窓孔1cの直下の右側上隅部
には、第一変速フォーク軸58及び第二変速フォーク軸
59を前後方向に並設し、左側上隅部には、第三変速フ
ォーク軸60を前後方向に配設するものであり、それぞ
れ、前後摺動可能に隔壁1aと軸受板3との間にて軸支
され、軸受板3に設けた後記デテント機構にて位置決め
されるものとなっている。第三変速フォーク軸60上の
前部第三変速フォーク47の側面に係合部47bを形成
しており(後部第三変速フォーク48の側面に同様の係
合部を形成してもよい)、係合部47bに操作杆54の
先端部を係合させるものとなっている。
【0046】一方、第一変速フォーク軸58及び第二変
速フォーク軸59に、それぞれ第一変速フォーク43、
第二変速フォーク45のボス部が固定されており、更
に、図11の如く、窓孔1cの直下に位置する第一・第
二変速フォーク軸58・59の各上端の一部を水平に切
り欠いて設置面58a・59aを形成し、各設置面58
a・59aに、それぞれ、操作杆57に係合するための
係合部材61・62の各下面に形成した凹部を設置して
取付ボルトにて締結し、各係合部材61・62を、それ
ぞれ、第一・第二変速フォーク軸58・59上に固設す
る。
【0047】変速台51を前記の如く外せば、係合部4
8b及び係合部材61・62に対して、自然に、操作杆
54・57が外れて、第一変速レバー52及び第二変速
レバー55とクラッチハウジング1内の変速機構とを直
ちに分離することができ、また、係合部材61・62
は、クラッチハウジング1と後部車軸ハウジング2とを
結合して、第二室B内に第一・第二フォーク軸58・5
9を組み込んだ後に、クラッチハウジング1の窓孔1c
から差し入れて、これらフォーク軸58・59に取り付
けることができる。
【0048】こうして第一変速レバー52と第二変速レ
バー55とを取り付けた変速台51をクラッチハウジン
グ1上面に設置し、走行変速機構と両レバー52・55
とを連結させた場合において、まず、第一変速レバー5
2をガイド溝G1に沿って一速位置、二速位置、三
速位置、四速位置にシフトすると、操作杆54及び
係合部47bを介して第三変速フォーク軸60が前後摺
動し、前部第三変速フォーク47aと後部第三変速フォ
ーク48aとが、前記の如く、前部第三変速スリーブ4
7及び後部第三変速スリーブ48を、前述した一速位
置、二速位置、三速位置、四速位置に切り換える。
【0049】そして、第二変速レバー55は、その左右
方向のシフトによって、操作杆57を、第一変速フォー
ク軸58の係合部材61若しくは第二変速フォーク軸5
9の係合部材62のいずれかに係合させるものであり、
操作杆54が係合部材61に係合した状態で、第二変速
レバー55を前後方向にシフトすると、第一変速フォー
ク軸58、第一変速フォーク42aを介して、第一変速
スリーブ42を逆転位置R、中立位置N、正転減速位置
Lの三位置に切り換える。また、操作杆57が係合部材
62に係合した状態で、第二変速レバー55を前後にシ
フトすると、第二変速フォーク軸59、第二変速フォー
ク44aを介して第二変速スリーブ44を高速位置H、
中立位置Nの二位置に切り換える。
【0050】係合部材61・62の上面に形成した、前
記操作杆57が嵌入するための凹部は、第一変速フォー
ク軸58及び第二変速フォーク軸59がいずれも中立位
置の時に左右方向に並ぶ。この時に、操作杆57は、第
二変速レバー55のガイド溝G2に沿っての左右方向へ
のシフトに伴って、係合部材61と係合部材62との間
を移動できる。また、図10及び図11の如く、係合部
材61には、係合部材62方向に向けて操作杆57を付
勢するための付勢メンバー63が設けられており、一
方、係合部材62には、係合部材61方向に向けて操作
杆57を付勢するための付勢メンバー64が設けられて
いる。これら付勢メンバー63・64は、係合部材61
・62の操作杆57突入用凹部に向かって貫通する貫通
孔61a・62a内に配設されて、その先端が該操作杆
57の先端に接当するピン63a・64a、係合部材6
1・62の貫通孔61a・62aの開口端に止着される
栓部材63b・64b、及び、前記ピン63a・64a
と栓部材63b・64bとの間に介在されて該ピン63
a・64aを操作杆57方向へ押し出すバネ63c・6
4cにて構成される。第一変速フォーク軸58及び第二
変速フォーク軸59のいずれもが中立位置になった時に
は、操作杆57がピン63a・64aの付勢力を受けて
係合部材61・62の中間部に位置し、第二変速レバー
55は、ガイド溝G2の中立位置Nに位置する。操作杆
57を係合部材61または係合部材62のいずれかに係
合させる場合には、第二変速レバー55を、バネ63c
・64cの付勢力に抗して球部53を支点とし、図10
で見て上下方向に揺動させることとなる。
【0051】第一変速フォーク軸58、第二変速フォー
ク軸59、及び第三変速フォーク軸60のそれぞれのデ
テント機構について、図9、図12、及び図13より説
明する。デテント機構は、前記の如く軸受板3に取り付
けられる。まず、図12の如く、各フォーク軸58・5
9・60を内嵌すべく軸受板3内に設けた各孔3b・3
b・3bに連通するように、軸受板3の前面に、正面視
長方形状で、断面がUの字状(図13参照)の溝3c・
3c・3cを設ける。溝3c内には、付勢バネ65とデ
テント球66とを、デテント球66が孔3bに臨むよう
な状態にして嵌入し、その後、図12の如く、各溝3c
の開放部分を覆うように、軸受板3の前面にカバー67
・68を取り付ける。図13の如く、各溝3cの、各孔
3bへの連接部分3dも、デテント球66の先端部のみ
が孔3b内に突入するように幅狭にして、各変速フォー
ク軸58・59・60を孔3cから抜き出した時に、デ
テント球66が孔3b内に抜けるのを防止する。
【0052】図9の如く、第一変速フォーク軸58に
は、後方から前方にかけて、逆転保持溝58b、中立保
持溝58c、正転減速保持溝58dの三個のデテント溝
を、また、第二変速フォーク軸59には、後方から前方
にかけて、正転高速保持溝59b、中立保持溝59cの
二個のデテント孔を、そして第三変速フォーク軸60に
は、後方から前方にかけて、一速保持溝60a・二速保
持溝60b・三速保持溝60c・四速保持溝60dの四
個のデテント溝を設けており、各フォーク軸58・59
・60が孔3b内を摺動することで、各デテント溝にデ
テント球66が選択的に嵌入するのである。
【0053】以上のようにして、図1乃至図13図示の
本実施例の作業車両の走行変速機構では、第二変速レバ
ー55の操作にて、前進低速(正転減速)位置L、前進
高速(正転高速)位置H、後進(逆転)位置R、そして
中立状態Nに切り換えることができ、そして、第二変速
レバー55の前進低速位置L、前進高速位置H、後進位
置Rの速度レンジにおいて、第一変速レバー52の操作
にて、一速、二速、三速、及び四速の全四段の
速度を設定でき、合計で、前進8段、後進4段の多段変
速を得ることができるのである。
【0054】
【発明の効果】本発明は、作業車両のエンジンに連動す
る入力軸と、該入力軸に対して平行に配設されて後輪に
連動する走行出力軸との間に構成されるトランスミッシ
ョンを以上の如く構成することにより、次のような効果
を奏する。まず、従来、正逆転切換機構と多段変速機構
とは、前者を伝動上手側に、後者を伝動下手側に配設す
る関係上、前後に振り分けて配置されていたが、請求項
1記載の如く、両機構を平行状の第一走行変速軸、第二
走行変速軸、及び走行出力軸に振り分けて配設すること
で、両機構が前後方向においてオーバーラップし、トラ
ンスミッション全体の前後長を短縮化でき、コンパクト
な作業車両のトランスミッション構造とすることができ
る。またこのことは、後記の如く前輪駆動用の動力を伝
動下手側より取り出す場合において、前輪駆動部にでき
るだけ近づけて配設できることとなり、前輪駆動の応答
性を向上できることに繋がる。
【0055】また、請求項2記載の如く、第一走行変速
軸、第二走行変速軸、走行出力軸を平行状に配設し、各
軸間で各歯車列を形成し、また、第一・第二・第三のク
ラッチ装置を設ける構造とすることで、前記の請求項1
記載の正逆転切換機構と、それに連動する多段変速機構
とをコンパクトに構成することができ、これらの歯車列
や各クラッチ装置も、前後位置をオーバーラップさせ
て、トランスミッションの前後長の短縮化を図ることが
できる。また、第二クラッチ装置は、第一クラッチ装置
が、正転減速歯車列と逆転歯車列のいずれも非伝動状態
とした時のみ、入力軸と第二走行変速軸とを直結する構
造としているので、第一走行変速軸と第二走行変速軸と
で動力の二重伝達状態が発生するのを回避できる。
【0056】また、請求項3記載の如く、各軸に振り分
けて、第一、第二、第三クラッチ装置を設けることで、
より具体的に、請求項1または2記載の作業車両のトラ
ンスミッション構造をコンパクトに構成することができ
る。
【0057】また、請求項3記載の構成の中で、アイド
ル歯車に関しては、請求項4記載の如く構成すること
で、該第二走行変速軸上の駆動歯車をそのまま利用する
ことができ、歯車個数を削減できる。
【0058】また、請求項1、2、または3記載の構成
の中で、PTO伝動軸の配設構造を請求項5の如く構成
したので、PTOを兼備する作業車両において、PTO
伝動軸は、連続した筒状の入力軸と第二走行変速軸の配
設空間をそのまま利用でき、PTO伝動軸の配設空間
を、走行用トランスミッションの配設空間と別に設ける
必要がなく、コンパクトなトランスミッションを構成で
きる。
【0059】更に、走行用トランスミッションとしての
走行入力軸、第一走行変速軸、第二走行変速軸、及び走
行出力軸の配設構造を、請求項6の如く構成したので、
ハウジング内において、該走行入力軸及び該第二走行変
速軸が、左右方向の略中央に配設することで、その左側
にも右側にも十分な軸及び歯車の配設空間を確保でき、
左右各スペースに振り分けて、該第一走行変速軸、該走
行出力軸を振り分けて配設し、コンパクトなハウジング
内空間で、第一走行変速軸、第二走行変速軸、走行出力
軸上の各歯車を相互に噛合させることのできる効果的な
トランスミッション配設構造とすることができる。
【0060】そして、請求項6記載の構成の中で、請求
項7記載の如く構成することにより前輪駆動用の動力取
出し歯車を固設する該走行出力軸が、ハウジングの下端
に取り付ける前輪動力の取出し部に近づけることがで
き、前輪動力取出し部のコンパクト化に寄与する。
【0061】また、請求項2または3記載の構成の中
で、請求項8記載の如く構成することで、該第一クラッ
チ装置の係合が滑らかになり、操作性の向上及び変速シ
ョックの低減を図ることができる。
【0062】また、請求項9記載の如く構成すること
で、第一クラッチ装置と第二クラッチ装置とは、共通の
一つの第一変速レバーにて択一的に切換操作が可能とな
り、部品点数を節約できるとともに、操作が容易とな
り、一方、請求項10記載の如く構成することで、多段
変速機構を切り換える第三クラッチ装置は、一つの第二
変速レバーの前後一方向の回動にて切換操作が可能であ
り、複数の回動方向を組み合わせたシフトパターンに比
べて操作が容易である。そして、第一変速レバー及び第
二変速レバーの支持構成に関して、請求項11の如く構
成することにより、第一変速レバー及び第二変速レバー
を、トランスミッション用ハウジングに設置する共通の
変速台に支持しているので、各別に直接該ハウジングに
取付支持する構成に比べて、組立分解が容易である。ま
た、ハウジングの加工が容易化され、コストを安くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスミッションを有するトラクタ
の側面図である。
【図2】本発明のトランスミッションのハウジング構造
及び内部構造を示すスケルトン図である。
【図3】クラッチハウジング1の第一室A内のクラッチ
機構を示す側面断面図である。
【図4】クラッチハウジング1の第二室B内の変速機構
を示す側面断面図である。
【図5】同じく展開図である。
【図6】後部車軸ハウジング2の内部後面図である。
【図7】トラクタの座席91に対する第一変速レバー5
2及び第二変速レバー55の配設位置を示す正面断面図
である。
【図8】第一変速レバー52及び第二変速レバー55を
取り付けた変速台51のクラッチハウジング1に対する
取付けの様子を示す斜視図である。
【図9】クラッチハウジング1の第二室B内の第一変速
フォーク軸58、第二変速フォーク軸59、及び第三変
速フォーク軸60の取付構造を示す平面断面図である。
【図10】第一変速レバー52・第二変速レバー55と
各変速フォークの配置構成を示す図9中X−X線断面図
である。
【図11】第一・第二変速フォーク軸59・60に対す
る、係合部材61・62及び付勢メンバー63・64の
取付構造を示す斜視図である。
【図12】軸受板3のデテント機構配設部分の正面図で
ある。
【図13】デテント機構の組立斜視図である。
【符号の説明】
A 第一室 B 第二室 E エンジン G1 ガイド溝(I型) G2 ガイド溝(h型) 1 クラッチハウジング 1a 隔壁 1c 窓孔 2 後部車軸ハウジング 3 軸受板 3a 油溜まり(潤滑油分配部) 7 走行入力軸 8 第一走行変速軸 9 第二走行変速軸 10 走行出力軸 14 後部PTO伝動軸 20 前輪動力取出し軸 21 後輪差動機構 24 第一駆動ギア 25 第二駆動ギア 26 一速駆動ギア 27 三速駆動ギア 28 二速駆動ギア 29 四速駆動ギア 30 前輪入力ギア(前輪動力取出し歯車) 31 一速従動ギア 32 三速従動ギア 33 二速従動ギア 34 四速従動ギア 37 アイドルギア 41 第一クラッチ装置 43 第二クラッチ装置 45 第三クラッチ装置 46 第三クラッチ装置 51 変速台 52 第一変速レバー 55 第二変速レバー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【請求項11】 前記第一クラッチ装置と前記第二クラ
ッチ装置とを択一的に切換操作可能な第変速レバー
と、前記第三クラッチ装置を切換操作可能な第変速レ
バーとを、前記ハウジングの上に設置した共通の変速台
に支持させる請求項2または3記載の作業車両のトラン
スミッション。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業車両のエンジンに連動する走行入力
    軸と、走行入力軸に対して平行に配設されて後輪に連動
    する走行出力軸との間に構成されるトランスミッション
    であって、前記走行入力軸により常時駆動される第一走
    行変速軸を走行出力軸と平行に設け、第一走行変速軸と
    平行する第二走行変速軸を前記走行入力軸に対し同一軸
    線上に対向状に設け、第一走行変速軸と第二走行変速軸
    との間には正逆転切換機構を構成するとともに、第二走
    行変速軸と走行出力軸との間には正逆転切換機構と連動
    連結する多段変速機構を構成したことを特徴とする作業
    車両のトランスミッション。
  2. 【請求項2】 作業車両のエンジンに連動する走行入力
    軸と、走行入力軸に対して平行に配設されて後輪に連動
    する走行出力軸との間に構成されるトランスミッション
    であって、前記走行入力軸により常時駆動される第一走
    行変速軸を走行出力軸と平行に設け、第一走行変速軸と
    平行する第二走行変速軸を前記走行入力軸に対し同一軸
    線上に対向状に設け、第一走行変速軸と第二走行変速軸
    との間には正転減速歯車列と逆転歯車列を、第二走行変
    速軸と走行出力軸との間には複数の減速歯車列を、それ
    ぞれ配設し、更に、正転減速歯車列と逆転歯車列のいず
    れかを選択して第一走行変速軸から第二走行変速軸へと
    伝動可能な第一クラッチ装置、正転減速歯車列と逆転歯
    車列のいずれもが非伝動状態の時に走行入力軸と第二走
    行変速軸とを直結可能な第二クラッチ装置、そして、複
    数の減速歯車列のいずれかを選択して第二走行変速軸か
    ら走行出力軸へと伝動可能な第三クラッチ装置を設けた
    ことを特徴とする作業車両のトランスミッション。
  3. 【請求項3】 作業車両のエンジンに連動する走行入力
    軸と、走行入力軸に対して平行に配設されて車輪に連動
    する走行出力軸との間に構成されるトランスミッション
    であって、前記走行入力軸により常時駆動される第一走
    行変速軸を走行出力軸と平行に設け、第一走行変速軸と
    平行する第二走行変速軸を前記走行入力軸に対し同一軸
    線上に対向状に設け、第一走行変速軸上には、正転方向
    に第二走行変速軸を駆動するための第一駆動歯車と、走
    行出力軸上に遊転外嵌するアイドル歯車に常時噛合して
    第二走行変速軸を逆転方向に駆動するための第二駆動歯
    車とを遊転外嵌するとともに、第一・第二駆動歯車の一
    つを選択して第一走行変速軸に結合可能な第一クラッチ
    装置を設け、走行入力軸と第二走行変速軸との間には、
    両歯車列のいずれもが非伝動状態の時に両軸を直結可能
    な第二クラッチ装置を配設し、第二走行変速軸上には複
    数個の駆動歯車を固設し、走行出力軸上には、第二走行
    変速軸上の各駆動歯車に常時噛合する従動歯車を遊転外
    嵌するとともに、従動歯車の一つを選択して走行出力軸
    に結合可能な第三クラッチ装置を設けたことを特徴とす
    る作業車両のトランスミッション。
  4. 【請求項4】 前記第一駆動歯車を、前記第二走行変速
    軸上の前記駆動歯車の中の一つに常時噛合させるととも
    に、前記アイドル歯車を、前記第二走行変速軸上の前記
    駆動歯車の中の他の一つに常時噛合させる請求項3記載
    の作業車両のトランスミッション。
  5. 【請求項5】 前記走行入力軸及び前記第二走行変速軸
    をともに筒状とし、両軸の中に、PTO伝動軸を貫通配
    設させる請求項1、2または3記載の作業車両のトラン
    スミッション。
  6. 【請求項6】 前記走行入力軸を、トランスミッション
    用ハウジングの左右方向の略中央に配置するとともに、
    前記第一走行変速軸を左右一方側に、前記走行出力軸を
    左右方向他方側に、それぞれ振り分けて配設する請求項
    1、2、または3記載の作業車両のトランスミッショ
    ン。
  7. 【請求項7】 前記走行出力軸に、前輪と連動する動力
    取出し用歯車を設けるとともに、走行出力軸を前記第一
    走行変速軸よりも下方に配設する請求項6記載の作業車
    両のトランスミッション。
  8. 【請求項8】 前記第一クラッチ装置にはシンクロナイ
    ザを具備させる請求項2または3記載の作業車両のトラ
    ンスミッション。
  9. 【請求項9】 前記第一クラッチ装置と前記第二クラッ
    チ装置とを、前後及び左右方向に回動可能な共通の第一
    変速レバーによって択一的に切換操作可能に連動連係す
    る請求項2または3記載の作業車両のトランスミッショ
    ン。
  10. 【請求項10】 前記多段変速機構は、前記第三クラッ
    チ装置を、直線状のシフトパターンに沿って前後方向に
    操作可能な第二変速レバーによって切換操作することに
    より、前記出力軸に低速段から高速段までステップ状の
    多段変速が得られるように構成する請求項2または3記
    載の作業車両のトランスミッション。
  11. 【請求項11】 前記第一クラッチ装置と前記第二クラ
    ッチ装置とを択一的に切換操作可能な第一変速レバー
    と、前記第三クラッチ装置を切換操作可能な第二変速レ
    バーとを、前記ハウジングの上に設置した共通の変速台
    に支持させる請求項2または3記載の作業車両のトラン
    スミッション。
JP9236294A 1997-09-01 1997-09-01 作業車両のトランスミッション Pending JPH1182643A (ja)

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JP9236294A JPH1182643A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 作業車両のトランスミッション
EP98116480A EP0899477B1 (en) 1997-09-01 1998-09-01 Transmission for a working vehicle
US09/145,021 US6119552A (en) 1997-09-01 1998-09-01 Transmission for a working vehicle
DE69819979T DE69819979T2 (de) 1997-09-01 1998-09-01 Getriebe für ein Arbeitsfahrzeug
US09/617,775 US6314827B1 (en) 1997-09-01 2000-07-17 Transmission for a working vehicle

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