JP3993669B2 - 作業車両の変速操作機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車両の変速操作機構における、変速レバーの支持構造、及び、変速操作機構とトランスミッションとの係脱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタ等の作業車両のトランスミッション構造においては、車両前部に搭載するエンジンの出力部より、後部車軸(リアアクスル)を軸支する後部車軸ハウジング内に収納される後輪差動機構に対して、一連の変速機構を形成している。そして、従来は、ミッションケースへの一本または複数本の変速レバーの組み付け構造としては、従来、実公平6−3213号にも開示されるようにミッションケースに変速レバー各別用にレバー取付部を設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
低コスト化やアセンブリーの容易化、また、メンテナンス作業の容易化が望まれる中で、従来のように、変速レバーの取付部をミッションケースに直接的に一体形成するのは、ミッションケースの加工複雑化やコスト高の要因となる。変速レバーが複数本であって、各別にこのような取付部を設ける場合には、尚更である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、作業車両のトランスミッションに関しての以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
【0005】
請求項1においては、変速機構を内装するハウジング(1)の上面に形成した窓孔(1c)を閉塞すべく変速台(51)を設け、該変速台(51)の左右方向の隅部に第一変速レバー(52)と第二変速レバー(55)を配置し、該変速台(51)により、第二変速レバー(55)の操作支点である球部(56)を支持させて、該第二変速レバー(55)を傾斜配設する一方、変速ギアに係止した第一変速フォーク(42a)を設置する第一変速フォーク軸(58)と、第二変速フォーク(44a)を設置する第二変速フォーク軸(59)を並設し、該第一変速フォーク軸(58)の係合部材(61)と、第二変速フォーク軸(59)の係合部材(62)とを窓孔(1c)に対応して、変速台(51)の隅部の方向に指向させるべく配設し、該変速台(51)内にて第二変速レバー(55)の操作支点より延伸した操作杆(57)を、前記係合部材(61・62)に係脱自在に突入させ、前記係合部材(61・62)を、前記窓孔(1c)を通じて、前記第一変速フォーク軸(58)と第二変速フォーク軸(59)の上面に着脱自在に設置したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の変速操作機構において、前記第一変速フォーク軸(58)と第二変速フォーク軸(59)のいずれもが中立位置になった時に、前記操作杆(57)が係合部材(61・62)の中間部に位置し、第二変速レバー(55)が中立位置(N)に位置すべく、該係合部材(61・62)の各々に、前記操作杆(57)を中立位置に付勢するための中立復帰機構を具備したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付の図面を基に説明する。図1は本発明のトランスミッションを有するトラクタの側面図、図2はデテント機構の組立斜視図、図3はクラッチハウジング1の第一室A内のクラッチ機構を示す側面断面図、図4はクラッチハウジング1の第二室B内の変速機構を示す側面断面図、図5は同じく展開図、図6は後部車軸ハウジング2の内部後面図、図7はトラクタの座席91に対する第一変速レバー52及び第二変速レバー55の配設位置を示す正面断面図、図8は第一変速レバー52及び第二変速レバー55を取り付けた変速台51のクラッチハウジング1に対する取付けの様子を示す斜視図、図9はクラッチハウジング1の第二室B内の第一変速フォーク軸58、第二変速フォーク軸59及び第三変速フォーク軸60の取付構造を示す平面断面図、図10は第一変速レバー52・第二変速レバー55と各変速フォークの配置構成を示す図9中X−X線断面図、図11は第一変速フォーク軸58・第二変速フォーク軸59に対する係合部材61・62及び付勢メンバー63・64の取付構造を示す斜視図、図12は軸受板3のデテント機構配設部分の正面図である。
【0008】
図1より、本発明のトランスミッションを有する作業車両の実施例としてのトラクタの全体構造について説明する。まず、トラクタの前部に前部フレーム83が水平方向に配設されていて、その後端にエンジンEが配設され、前部フレーム83及びエンジンEを覆うべく、ボンネット84が搭載されている。ボンネット84内にて、エンジンEの前部にはラジエータ85を配設し、エンジンEの上部にはマフラー86を介して、外部に排気管87を延出している。ボンネット84の後端には、ハンドル89を具備するダッシュボード88が配設されていて、その後部には、左右後輪78・78を覆う左右のフェンダー90・90間にて、座席91が配設され、座席91の左右各側に、図11にも示すように、第一変速レバー52及び第二変速レバー55を配設している。
【0009】
エンジンE後端の出力部には、クラッチハウジング1の前端をボルト締結しており、クラッチハウジング1が後方に延設されて、座席91の下方を通過し、その後端は、左右後輪78・78間に配設された後部車軸ハウジング2の前端にボルト締結により係合されて、本トラクタの機体フレーム兼トランスミッションのハウジングを構成している。なお、クラッチハウジング1は、前部ハウジング1Fと後部ハウジング1Rとをボルト締結して、一体状に形成したものである。後部車軸ハウジング2内は、内部に後輪差動機構及びリアPTO機構を収納し、左右側方に後部車軸77・77を軸支し、各後部車軸77の外端にはそれぞれ左右の後輪78・78を装着する。また、後部車軸ハウジング2上には、トラクタ後部に装着する作業機を昇降するためのリフトアーム93を有する油圧リフト装置92が搭載され、更に、作業機にエンジンEの動力を伝動すべく、後部車軸ハウジング2の後端を覆う後部カバー17よりPTO軸18を後方に突出している。
【0010】
更に、前記の前部フレーム83の下部に、前輪駆動機構を収納し、左右の前部車軸81・81を軸支する前部車軸ハウジング80を配設している。各前部車軸81・81の外端には、それぞれ左右の前輪82・82を装着する。前記のクラッチハウジング1の底面には、前輪用動力取出しケース4が装着され、前輪用動力取出しケース4より前方に前輪動力取出し軸20が延出され、前部車軸ハウジング80内の前輪差動機構に対し継手軸79を介して連結されている。こうしてクラッチハウジング1内の変速機構より、左右の前部車軸81・81の前輪82・82へ動力伝達されている。
【0011】
本発明のトランスミッションの内部構造の概略について図3等を参照して説明する。クラッチハウジング1の内部は、前後途中部に略垂直状に形成した隔壁1aによって、前後に第一室A、第二室Bに区画される。第一室Aを形成するハウジングは、図3でも判るように、クラッチハウジング1を形成する前部ハウジング1Fと後部ハウジング1Rの前半部分であり、前端が開口して端面にフランジ部1dを形成し、図1の如く、エンジンEの後端にボルトにて締結するものである。また、第一室A内にて、クラッチハウジング1と一体に形成した軸受壁1bを配設しており、隔壁1aと軸受壁1bとにて前後略水平状に、筒状の走行入力軸7を軸支している。走行入力軸7は、軸受壁1bより更に前方に延出され、その前端部にて、クラッチ板6を軸周りに固設している。
【0012】
クラッチハウジング1の第一室A内には、エンジンEのクランク軸に直結したフライホイル5が収容されて、前記走行クラッチ板6との間に通例の乾式単板型の主クラッチ機構を構成する。また、図3に示すように、クラッチハウジング1の前記軸受壁1bの前面には、サポート筒76bが取り付けられ、走行入力軸7に外嵌させてある。クラッチアーム76に連結するレリーズベアリング76aがこのサポート筒76b上に軸方向摺動自在に設置されて、その前端面が、前記主クラッチ機構を係脱操作するレバー5aに当接されている。クラッチペダルを踏込み操作すると、クラッチアーム76が回動して、レリーズベアリング76aを前方摺動させ、レバー5aが押されて、クラッチ板6がフライホイル5より離脱し、主クラッチが切れた状態となる。クラッチペダルから足を離すと、クラッチアーム76、レリーズベアリング76a、及びレバー5aが図示位置に戻り、クラッチ板6はフライホイル5に圧着して主クラッチが入る。なお、フライホイル5に圧着したクラッチ板6より前部PTO伝動軸13に回転が伝わる際に、エンジンEと一体のフライホイル5の振動が、直接、前部PTO伝動軸13に伝わることのないように、クラッチ板6にダンパスプリング6aを介装している。
【0013】
筒状の走行入力軸7内には、前部PTO伝動軸13が挿通しており、その前端部は、走行入力軸7の前端よりも更に前方に延出して、フライホイル5に対して固定板12を介して直結されている。
【0014】
走行入力軸7とその中に配置される前部PTO伝動軸13、また、その前端に構成されるフライホイル5を主要部とする主クラッチ機構は、一体のユニットとして、クラッチハウジング1の前端開口部より第一室A内に組み入れることができ、走行入力軸7の中途部を軸受壁1bにて貫通支持させ、その後端を隔壁1aに支持させることで、組み付けを完了でき、組み付け作業が容易となる。
【0015】
クラッチハウジング1の後半部分は、その後端が開口して端面にフランジ1eを形成しており、後部車軸ハウジング2の前端に形成したフランジ2dにボルト締結するものとなっている。この第二室B後端の開口部内には軸受板3が配設され、後部車軸ハウジング2の前端において、ハウジング内側に突出するように一体形成したボス部2a・2a・・・(図6等参照)の前面にボルトにて締止固定している。なお、軸受板3は、クラッチハウジング1の後端面に同様のボス部を設けて固設するものとしてもよい。第二室B内における隔壁1aと軸受板3との間に、前後略水平方向に沿って、走行変速用の軸として平行な三本の軸が軸支されている。即ち、前記の走行入力軸7より常時伝動される第一走行変速軸8、走行入力軸7の後端に同一軸線上で対向させた第二走行変速軸9、そして、後記のプロペラ軸11に連接される走行出力軸10である。なお、第二走行変速軸9は走行入力軸7と同様に筒状となっており、その内部には、前記の前部PTO伝動軸13に連接される後部PTO伝動軸14が挿通されており、走行入力軸7の軸端7内でジョイント95を介して結合される。後部PTO伝動軸14の後端は、軸受板3より更に後方に延出して、後部車軸ハウジング2内のリアPTOクラッチに連結される。
【0016】
これらの変速機構を構成する三本の走行変速軸8・9・10は、クラッチハウジング1と後部車軸ハウジング2とのボルト締結前に、後部車軸ハウジング2の前端に固設された軸受板3に対して予め支持させておく。なお、第二走行変速軸9内には、後部PTO伝動軸14を挿通させた状態としておく。一方、クラッチハウジング1内においては、隔壁1aに走行入力軸7を支持させた状態にしておく。クラッチハウジング1と後部車軸ハウジング2との締結時に際しては、後部車軸ハウジング2の前端の軸受板3より前方に延出されている走行変速軸8・9・10を、クラッチハウジング1の後端開口部よりその内部に挿入させる。クラッチハウジング1の後端がフランジ1eを後部車軸ハウジング2の前端のフランジ2dに当接すると、第一走行変速軸8及び走行出力軸10の前端は、隔壁1aに設けた各別の軸受内に自然に嵌入し、また、後部PTO伝動軸14及び第二走行変速軸9の前端は、筒状の走行入力軸7内に自然に嵌入する。このように、クラッチハウジング1と後部車軸ハウジング2とをボルト締結すべく、両フランジ1e・2dを位置合わせするだけで、自然に第二室B内における各軸の組み付けが完了するのである。
【0017】
図10より、正面視で第二室B内の各軸8・9(14)・10の配置構造を見てみると、まず、走行入力軸7及び第二走行変速軸9を、クラッチハウジング1の左右方向の略中央に配設している。これにより、第二室B内にて、第二走行変速軸9の左右に十分なスペースを確保することができる。即ち、本実施例では、第二走行変速軸9の下方右側(正面から見て右側。以後、左右位置関係については正面視を基準とする。)のスペースに第一走行変速軸8を、そして下方左側のスペースに走行出力軸10を配設している。
【0018】
また、第二室B形成部分におけるクラッチハウジング1の底面に装着した前記前輪動力取出しケース4内には、支軸19、及び前輪動力取出し軸20が軸支され、支軸19上のギア38を介して、走行出力軸10より前輪動力取出し軸20までの伝動系が形成される。ここで、走行出力軸10は、図10の如く、第一走行変速軸8よりも下位レベルに配設してあるので、支軸19との距離を積極的に縮めて前輪動力取出し軸20までの伝動系をコンパクトにできる。
【0019】
後部車軸ハウジング2内には、プロペラ軸11が支持されており、プロペラ軸11の前端は、図4に示すように、軸受板3内に配設したジョイントを介して、前記走行出力軸10の後端に連結される。プロペラ軸11の後端は、第一軸受壁より後方に突出して、ベベルピニオンを刻設し、後輪差動機構の大ベベルギアに噛合される。
【0020】
後部車軸ハウジング2の後端は開口しており、後端開口部には、前記の後部軸受カバー17をボルトにて締結する。第二軸受壁と後部軸受カバー17との間には、PTOカウンター軸と前記のPTO軸18とを前後略水平状に軸支している。
【0021】
以上のように、クラッチハウジング1、後部車軸ハウジング2、及び前輪動力取出しケース4よりなるハウジング構成を有する作業車両のトランスミッション構造の中で、第二室B内における変速機構の具体的構成を、図4乃至図12より説明する。
【0022】
図4及び図5の如く、隔壁1aから第二室B内に突入した走行入力軸7の軸端(後端)7aに入力ギア22が固設されており、走行入力軸7の軸端7aに第二走行変速軸9の前端部がニードルベアリングを介して相対回動自在に支持されているとともに、走行入力軸7の軸端7a内に配したスラスト軸受96に第二走行変速軸9からの推力を受けさせるようにしてある。
【0023】
こうして、走行入力軸7と第二走行変速軸9とを同一軸上に対向配設している。
【0024】
図5の如く、第二走行変速軸9(後部PTO伝動軸14)に対して平行状に配設される第一走行変速軸8の前端部には、ギア23が固定されており、入力ギア22に常時噛合している。第一走行変速軸8の後半部上には、第一駆動ギア24と第二駆動ギア25とを遊嵌設置すると共に、第一駆動ギア24または第二駆動ギア25のいずれかを第一走行変速軸8に係合させるための、シンクロナイザー付きの第一クラッチ装置41を設置してある。この第一クラッチ装置41は、第一変速フォーク42aの前後動に伴って、その第一変速スリーブ(シンクロナイザスリーブ)42を前後摺動させることにより、第一駆動ギア24を第一走行変速軸8に係合する位置、第二駆動ギア25を第一走行変速軸8に係合する位置、また、いずれにも係合しない中立位置のいずれかに切換可能に構成している。第一変速フォーク42aのボス部には、図9に示すように、前後摺動可能に隔壁1aと軸受壁3との間に架設される第一変速フォーク軸58が挿通されており、このボス部を第一変速フォーク軸58に対してスプリングピン97を介して相対回転不能で且つ軸方向移動不能に固定し、第一変速フォーク42aが第一変速フォーク軸58と一体的に前後摺動するようにしている。
【0025】
なお、シンクロナイザーに対する強制潤滑油供給構造を、図5、図6、及び図9に示すように構成してある。即ち、第一走行変速軸8の後端を支持する軸受板3内に油溜まり3aを形成し、油溜まり3aに連通する油管71を軸受板3の側面に取り付け、後部車軸ハウジング2の外側壁に開口した油孔2eに接続する。そして、この油孔2eに、例えばトラクタに装備された前輪操向用のパワーステアリング装置や前述の油圧リフト装置で発生したドレン油を配管100を介して導入させるのである。本実施例では、図6に示すように、パワーステアリングシリンダー98の圧油給排回路99で発生したドレン油を用いる。なお、後部車軸ハウジング2内の潤滑油をパワーステアリングシリンダー98の作動油として圧油給排回路99に供給すべく、後部車軸ハウジング2内の底部付近にサクションフィルター101を設け、このサクションフィルター101より吸入した潤滑油をハウジング外部に取出し、油圧ポンプ102によって、圧油給排回路99に供給するものである。油圧リフト装置からドレン油を導入する場合には、パワーステアリングシリンダー99をリフトアーム昇降用の油圧シリンダーに、圧油給排回路100を、油圧リフト装置内の圧油給排回路に置き換えればよい。
【0026】
この油溜まり3aに、図5に図示する如く、第一走行変速軸8内の後端面に開口する潤滑油路8aが連通して、シンクロナイザーの摩擦部分等に潤滑油が強制的に供給される。この油溜まり3aは、軸受板3の後面に凹部を設け蓋69で覆って形成される。蓋69に潤滑油圧を設定するリリーフバルブ70を取り付け、油溜まり3a内に導入される油圧がリリーフバルブ70の設定値を上回ると、軸受板3の後方の後部車軸ハウジング2内に余剰圧をリリーフする。また、油溜まり3aは、図5及び図6の如く、オイルレベルOLより上位にある第二走行変速軸7及び後部PTO伝動軸14上の前記スラスト軸受96やスプライン嵌合部等の潤滑を要する部位にも油供給するように構成してあり、これにより潤滑油分配機能を備えたものとなっている。
【0027】
そして、第二走行変速軸9上の前端には、一速用駆動ギア26が固定されており、該ギア26の前端にはクラッチギア26aが形成され、クラッチギア26aと、その直前の入力ギア22後端に形成したクラッチギア22aとの間に、第二変速フォーク44aに連動して前後動可能な第二変速スリーブ44を配設して、第二クラッチ装置43を構成している。第二変速フォーク44aのボス部には、図9に示すように、前後摺動可能に隔壁1aと軸受壁3との間に架設される第二変速フォーク軸59が挿通されており、このボス部を第二変速フォーク軸59に対して、スプリングピン97を介して相対回転不能で且つ軸方向移動不能に固定し、第二変速フォーク44aが第二変速フォーク軸59と一体的に前後摺動するようにしている。
【0028】
この第二クラッチ装置43は、第二変速スリーブ44を、クラッチギア26aのみに噛合して走行入力軸7と第二走行変速軸9とを分離した状態と、両クラッチギア26a・22aに噛合して走行入力軸7と第二走行変速軸9とを直接的に連結した状態とに切り換えることができる。前者の場合、走行入力軸7の回転は、減速ギア列22・23を介して第一走行変速軸8に伝動されてから、前記第一変速スリーブ42によって第一・第二駆動ギア24・25のいずれかをクラッチ係合することにより、第二走行変速軸9に伝動されるものである。後者の場合、走行入力軸7の回転は第二走行変速軸9に直接的に伝動され、この時、第二走行変速軸9は走行出力軸10を機体前進方向に回転させる。
【0029】
なお、第二変速フォーク44aを前方摺動して、第二変速スリーブ44を両クラッチギア26a・22aに噛合した位置(第二クラッチ装置43の係合位置)にできるのは、前記の第一クラッチ装置41が中立位置の時のみとなるように牽制してある。これにより第一走行変速軸8は空転状態となり、走行入力軸7にて直接的に駆動される第二走行変速軸9が二重動力伝達状態となることがない。また逆に、第一クラッチ装置41が第一駆動ギア24または第二駆動ギア25のいずれかを第一走行変速軸8に係合した状態にできるのは、第二変速スリーブ44をクラッチギア26aのみに噛合する位置(第二クラッチ装置43の中立位置)にした場合のみとなるように牽制してある。これにより、走行入力軸7から第一走行変速軸8を介しての第二走行変速軸9への伝動が確保されるのである。第一変速スリーブ42と第二変速スリーブ44との牽制機構は、後記の第二変速レバー55及び第一変速レバー52と第二室B内の変速機構との関係についての説明の中で詳述する。
【0030】
第二走行変速軸9上には、前方から後方にかけて順に、前記クラッチギア26aを付設する一速用駆動ギア26、三速用駆動ギア27、二速用駆動ギア28及び四速用駆動ギア29を固定している。そして、前部走行出力軸10上には、前方から後方にかけて順に、一速用従動ギア31、三速用従動ギア32、二速用従動ギア33及び四速用従動ギア34を遊転しており、一速用従動ギア31と三速用従動ギア32との間、及び二速用従動ギア33と四速用従動ギア34との間には、各々スプラインハブ35・36を配設して走行出力軸10に固定している。一速用従動ギア31、三速用従動ギア32、二速用従動ギア33、四速用従動ギア34は各々、第二走行変速軸9上に固設された一速用駆動ギア26、三速用駆動ギア27、二速用駆動ギア28、四速用駆動ギア29にそれぞれ常時噛合している。
【0031】
更に、第二走行変速軸9上に固設される四速用駆動ギア29は走行出力軸10上の四速用従動ギア34に噛合すると同時に、第一走行変速軸8上の第一駆動ギア24にも常時噛合しており、両ギア24・29にて、正転減速歯車列を形成する。第一クラッチ装置41が第一駆動ギア24を第一走行変速軸8に係合する場合には、第一駆動ギア24からの動力は、四速用駆動ギア29から第二走行変速軸9に伝動され、第二走行変速軸9は、走行出力軸10を、機体前進方向で、前述の第二クラッチ装置43を作動させた場合に比べて、減速回転させる。
【0032】
また、三速用従動ギア32には、アイドルギア37が連設されていて、第一走行変速軸8上の第二駆動ギア25に常時噛合して逆転歯車列を形成する。第一クラッチ装置41が第二駆動ギア25を第一走行変速軸8に係合する場合には、第二駆動ギア25からの動力は、アイドルギア37、三速用従動ギア32、三速用駆動ギア27を介して第二走行変速軸9に伝動され、この時、第二走行変速軸9は走行出力軸10を機体後進方向に回転させる。
【0033】
走行出力軸10上に遊嵌される一速用従動ギア31及び三速用従動ギア32の各々スプラインハブ35を向く面には、クラッチギア31a・32aを突出形成し、そして、スプラインハブ35上に設置された前部第三変速スリーブ47上には、該スプラインハブ35に対して相対回転不能で且つ軸方向に摺動自在に嵌合すると共に、前記クラッチギア31a・32aに噛み合い自在な内歯が形成されている。この前部第三変速スリーブ48の外周に形成した環状溝に後部第三変速フォーク48aが係止されている。同様に、二速用従動ギア33及び四速用従動ギア34の各々スプラインハブ36を向く面には、クラッチギア33a・34aを突出形成している。そして、スプラインハブ36上に設置された後部第三変速スリーブ48には、該スプラインハブ36に対して相対回転不能で且つ軸方向に摺動自在に嵌合するとともに、前記クラッチギア33a・34aに噛み合い可能な内歯が形成されている。この後部第三変速スリーブ48の外周に形成した環状溝に後部第三変速フォーク48aが係止されている。
【0034】
前部第三変速フォーク47aと後部第三変速フォーク48aとのボス部には、図9に示すように、共通の第三変速フォーク軸60が挿通されている。ここで、前部第三変速フォーク47aを第三変速フォーク軸60に対してスプリングピン97を介して相対回転不能で且つ軸方向移動不能に固定する一方、後部第三変速フォーク48aを、第三変速フォーク軸60に植設した他のスプリングピン97と前部第三変速フォーク軸60を中心に回動自在となるようにしてある。これにより走行変速機構の組立時において、前部第三変速フォーク47aが前部第三変速スリーブ47に、また、後部第三変速フォーク48aが後部第三変速スリーブ48にそれぞれ係止させ易くなっている。
【0035】
後述する第一変速レバー52の変速操作により、前部第三変速フォーク47aと後部第三変速フォーク48aと第三変速フォーク軸60とが一体的に軸方向に移動し、従って、前部第三変速スリーブ47と後部第三変速スリーブ48とは、一体的に前後摺動する。即ち、走行出力軸10上において、前部第三変速スリーブ47とその両側のクラッチギア31a・32a、並びに後部第三変速スリーブ48とその両側のクラッチギア33a・34aにより、第三クラッチ装置45・46が構成され、第一・第二の両変速スリーブ47・48が同時に摺動して、一速位置、二速位置、三速位置、及び四速位置の四位置に切り換えられる。まず、一速位置では、前部第三変速スリーブ47が、一速用従動ギア31のクラッチギア31aとスプラインハブ35とを結合しているとともに、後部第三変速スリーブ48は、二速用従動ギア33のクラッチギア33aのみに噛合している。即ち一速用従動ギア31が走行出力軸10に係合され、第二走行変速軸9の回転が、一速用ギア列26・31を介して走行出力軸10に伝動される。
【0036】
次に、二速位置(図5の図示位置)では、前部第三変速スリーブ47がスプラインハブ35のみに噛合するとともに、後部第三変速スリーブ48は、二速用従動ギア33のクラッチギア33aとスプラインハブ36とを結合して、二速用従動ギア33が走行出力軸10に係合され、第二走行変速軸9の回転が、二速用ギア列28・33を介して走行出力軸10に伝動される。
【0037】
三速位置では、前部第三変速スリーブ47がスプラインハブ35と三速用従動ギア32のクラッチギア32aとに噛合しているとともに、後部第三変速スリーブ48は、スプラインハブ36のみに噛合して、三速用従動ギア32が走行出力軸10に係合され、第二走行変速軸9の回転が、三速用ギア列27・32を介して走行出力軸10に伝動される。
【0038】
そして、四速位置では、前部第三変速スリーブ47が三速用従動ギア32のクラッチギア32aのみに噛合しているとともに、後部第三変速スリーブ48は、スプラインハブ36と四速用従動ギア34のクラッチギア34aとに噛合して、四速用従動ギア34が走行出力軸10に係合され、第二走行変速軸9の回転が、四速用ギア列29・34を介して走行出力軸10に伝動される。
【0039】
次に、第二室B内における走行変速機構から前輪動力取出し軸20までの伝動構造を、図4より説明する。第二室Bの前端の隔壁1aに沿うように、走行出力軸10上に前輪駆動ギア30が固定されている。そして、クラッチハウジング1の底面開口部より第二室B内に、前輪動力取出しケース4に架設した支軸19が挿入されており、支軸19に遊嵌されたギア38が前輪駆動ギア30に常時噛合する。ギア38は、前輪動力取出しケース4内にて軸支される前輪動力取出し軸20に固定された前輪入力ギア39にも常時噛合する。更に、前輪動力取出し軸20上にスプラインハブ40が固設され、スプラインハブ40と、前輪入力ギア39に形成されるクラッチギア39aとの間で、前輪駆動切換用スリーブ50が軸方向に摺動する。前輪駆動切換用スリーブ50は、レバー操作等にて、スプラインハブ40のみに噛合する状態、及びスプラインハブ40とクラッチギア39aとを結合する状態に切り換えられる。前者の状態では、前輪は駆動されず、作業車両(トラクタ)は後輪78のみの駆動となり、後者の状態になった時に、第二室B内の走行変速機構より前輪82への動力伝達がなされ、作業車両(トラクタ)は、四輪駆動する。
【0040】
次に、第二室B内の走行変速機構の操作部材である第一(主)変速レバー52と第二(副)変速レバー55の取り付け構造、また、これらのレバーと走行変速機構との間の第二室B内におけるリンク機構について、図2及び図7乃至図12より説明する。なお、図8において、矢印Fは、機体前方を指す。
【0041】
まず、図7の如く、前記座席91の左右にそれぞれ第一変速レバー52、第二変速レバー55を配設する。これらレバー52・55は、後輪78のフェンダー20と座席91との間に位置するガイド板94L・94Rに設けたガイド溝G1・G2内を挿通して、クラッチハウジング1の第二室B形成部分の上面に設置した変速台51の左右各側にそれぞれ支持される。変速台51は、図8にも示すように、クラッチハウジング1の上面に形成した窓孔1cを覆うように取り付けるものである。
【0042】
図8の如く、第一変速レバー52は、I型のレバーガイド溝G1に設定した一速位置(1)、二速位置(2)、三速位置(3)、四速位置(4)に直線状にシフトできるよう、その基部を変速台51の左側壁に横架した回動軸53の外端に固設している。第二変速レバー55は、h型のレバーガイド溝G2に設定した前進低速位置L、後進位置R、中立位置N、及び前進高速位置Hにシフトできるよう、変速台51の右側壁に嵌入した第二変速レバー55の基端には球部56を固設し、変速台51の右側コーナー部に受けさせている。そして、変速台51内において、第一変速レバー52に連動する回動軸53の内端に操作杆54が固設され、また、第二変速レバー55の球部56より斜め下方に操作杆57が延伸されている。
【0043】
図8乃至図10の如く、クラッチハウジング1の第二室B内における窓孔1cの直下の右側上隅部には、第一変速フォーク軸58及び第二変速フォーク軸59を前後方向に並設し、左側上隅部には、第三変速フォーク軸60を前後方向に配設するものであり、それぞれ、前後摺動可能に隔壁1aと軸受板3との間にて軸支され、軸受板3に設けた後記デテント機構にて位置決めされるものとなっている。第三変速フォーク軸60上の前部第三変速フォーク47aの側面に係合部47bを形成しており(後部第三変速フォーク48aの側面に同様の係合部を形成してもよい)、係合部47bに操作杆54の先端部を係合させるものとなっている。
【0044】
一方、第一変速フォーク軸58及び第二変速フォーク軸59に、それぞれ第一変速フォーク42a、第二変速フォーク44aのボス部が固定されており、更に、図11の如く、窓孔1cの直下に位置する第一・第二変速フォーク軸58・59の各上端の一部を水平に切り欠いて設置面58a・59aを形成し、各設置面58a・59aに、それぞれ、操作杆57に係合するための係合部材61・62の各下面に形成した凹部を設置して取付ボルトにて締結し、各係合部材61・62を、それぞれ、第一・第二変速フォーク軸58・59上に固設する。
【0045】
変速台51を前記の如く外せば、係合部47b及び係合部材61・62に対して、自然に、操作杆54・57が外れて、第一変速レバー52及び第二変速レバー55とクラッチハウジング1内の変速機構とを直ちに分離することができ、また、係合部材61・62は、クラッチハウジング1と後部車軸ハウジング2とを結合して、第二室B内に第一・第二フォーク軸58・59を組み込んだ後に、クラッチハウジング1の窓孔1cから差し入れて、これらフォーク軸58・59に取り付けることができる。
【0046】
こうして第一変速レバー52と第二変速レバー55とを取り付けた変速台51をクラッチハウジング1上面に設置し、走行変速機構と両レバー52・55とを連結させた場合において、まず、第一変速レバー52をガイド溝G1に沿って一速位置(1)、二速位置(2)、三速位置(3)、四速位置(4)にシフトすると、操作杆54及び係合部47bを介して第三変速フォーク軸60が前後摺動し、前部第三変速フォーク47aと後部第三変速フォーク48aとが、前記の如く、前部第三変速スリーブ47及び後部第三変速スリーブ48を、前述した一速位置、二速位置、三速位置、四速位置に切り換える。
【0047】
そして、第二変速レバー55は、その左右方向のシフトによって、操作杆57を、第一変速フォーク軸58の係合部材61若しくは第二変速フォーク軸59の係合部材62のいずれかに係合させるものであり、操作杆57が係合部材61に係合した状態で、第二変速レバー55を前後方向にシフトすると、第一変速フォーク軸58、第一変速フォーク42aを介して、第一変速スリーブ42を逆転位置R、中立位置N、正転減速位置Lの三位置に切り換える。また、操作杆57が係合部材62に係合した状態で、第二変速レバー55を前後にシフトすると、第二変速フォーク軸59、第二変速フォーク44aを介して第二変速スリーブ44を高速位置H、中立位置Nの二位置に切り換える。
【0048】
係合部材61・62の上面に形成した、前記操作杆57が嵌入するための凹部は、第一変速フォーク軸58及び第二変速フォーク軸59がいずれも中立位置の時に左右方向に並ぶ。この時に、操作杆57は、第二変速レバー55のガイド溝G2に沿っての左右方向へのシフトに伴って、係合部材61と係合部材62との間を移動できる。また、図10及び図11の如く、係合部材61には、係合部材62方向に向けて操作杆57を付勢するための付勢メンバー63が設けられており、一方、係合部材62には、係合部材61方向に向けて操作杆57を付勢するための付勢メンバー64が設けられている。これら付勢メンバー63・64は、係合部材61・62の操作杆57突入用凹部に向かって貫通する貫通孔61a・62a内に配設されて、その先端が該操作杆57の先端に接当するピン63a・64a、係合部材61・62の貫通孔61a・62aの開口端に止着される栓部材63b・64b、及び、前記ピン63a・64aと栓部材63b・64bとの間に介在されて該ピン63a・64aを操作杆57方向へ押し出すバネ63c・64cにて構成される。第一変速フォーク軸58及び第二変速フォーク軸59のいずれもが中立位置になった時には、操作杆57がピン63a・64aの付勢力を受けて係合部材61・62の中間部に位置し、第二変速レバー55は、ガイド溝G2の中立位置Nに位置する。操作杆57を係合部材61または係合部材62のいずれかに係合させる場合には、第二変速レバー55を、バネ63c・64cの付勢力に抗して球部56を支点とし、図10で見て上下方向に揺動させることとなる。
【0049】
第一変速フォーク軸58、第二変速フォーク軸59、及び第三変速フォーク軸60のそれぞれのデテント機構について、図9、図12、及び図2より説明する。デテント機構は、前記の如く軸受板3に取り付けられる。まず、図12の如く、各フォーク軸58・59・60を内嵌すべく軸受板3内に設けた各孔3b・3b・3bに連通するように、軸受板3の前面に、正面視長方形状で、断面がUの字状(図2参照)の溝3c・3c・3cを設ける。溝3c内には、付勢バネ65とデテント球66とを、デテント球66が孔3bに臨むような状態にして嵌入し、その後、図12の如く、各溝3cの開放部分を覆うように、軸受板3の前面にカバー67・68を取り付ける。図2の如く、各溝3cの、各孔3bへの連接部分3dも、デテント球66の先端部のみが孔3b内に突入するように幅狭にして、各変速フォーク軸58・59・60を孔3cから抜き出した時に、デテント球66が孔3b内に抜けるのを防止する。
【0050】
図9の如く、第一変速フォーク軸58には、後方から前方にかけて、逆転保持溝58b、中立保持溝58c、正転減速保持溝58dの三個のデテント溝を、また、第二変速フォーク軸59には、後方から前方にかけて、正転高速保持溝59b、中立保持溝59cの二個のデテント孔を、そして第三変速フォーク軸60には、後方から前方にかけて、一速保持溝60a・二速保持溝60b・三速保持溝60c・四速保持溝60dの四個のデテント溝を設けており、各フォーク軸58・59・60が孔3b内を摺動することで、各デテント溝にデテント球66が選択的に嵌入するのである。
【0051】
以上のようにして、図1乃至図12図示の本実施例の作業車両の走行変速機構では、第二変速レバー55の操作にて、前進低速(正転減速)位置L、前進高速(正転高速)位置H、後進(逆転)位置R、そして中立状態Nに切り換えることができ、そして、第二変速レバー55の前進低速位置L、前進高速位置H、後進位置Rの速度レンジにおいて、第一変速レバー52の操作にて、一速(1)、二速(2)、三速(3)、及び四速(4)の全四段の速度を設定でき、合計で、前進8段、後進4段の多段変速を得ることができるのである。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、以上の如く構成することにより、次のような効果を奏する。
請求項1記載の如く、変速機構を内装するハウジング(1)の上面に形成した窓孔(1c)を閉塞すべく変速台(51)を設け、該変速台(51)の左右方向の隅部に第一変速レバー(52)と第二変速レバー(55)を配置し、該変速台(51)により、第二変速レバー(55)の操作支点である球部(56)を支持させて、該第二変速レバー(55)を傾斜配設する一方、変速ギアに係止した第一変速フォーク(42a)を設置する第一変速フォーク軸(58)と、第二変速フォーク(44a)を設置する第二変速フォーク軸(59)を並設し、該第一変速フォーク軸(58)の係合部材(61)と、第二変速フォーク軸(59)の係合部材(62)とを窓孔(1c)に対応して、変速台(51)の隅部の方向に指向させるべく配設し、該変速台(51)内にて第二変速レバー(55)の操作支点より延伸した操作杆(57)を、前記係合部材(61・62)に係脱自在に突入させ、前記係合部材(61・62)を、前記窓孔(1c)を通じて、前記第一変速フォーク軸(58)と第二変速フォーク軸(59)の上面に着脱自在に設置したので、変速レバーは、変速機構を内装するハウジングとは別個の変速台に対して支持されるものであり、ハウジングの加工容易化を促し、変速機構との係合及び分解は、変速台のハウジングに対する着脱を通じて容易に行うことができる。
また、変速台をハウジングより外すだけで、ハウジング上端の窓孔を通じてハウジング内の変速機構を外部に開放することができ、メンテナンス作業性が向上する。
【0053】
また、前記係合部材(61・62)を、前記窓孔1cを通じて、前記の各フォーク軸(58・59)の上面に着脱自在に設置したので、フォーク軸側の係合部材を、窓孔を通じて差し入れ及び抜き出し容易に構成することができる。
【0054】
請求項2の如く、前記第一変速フォーク軸(58)と第二変速フォーク軸(59)のいずれもが中立位置になった時に、前記操作杆(57)が係合部材(61・62)の中間部に位置し、第二変速レバー(55)が中立位置(N)に位置すべく、該係合部材(61・62)の各々に、前記操作杆(57)を中立位置に付勢するための中立復帰機構を具備したので、操作杆は中立位置に付勢され、変速レバーを中立位置にして手を離せば、自然にその位置に変速レバーが固定され、また、不意に変速レバーに力が加わって不当に変速位置に回動してしまう不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトランスミッションを有するトラクタの側面図である。
【図2】 デテント機構の組立斜視図である。
【図3】 クラッチハウジング1の第一室A内のクラッチ機構を示す側面断面図である。
【図4】 クラッチハウジング1の第二室B内の変速機構を示す側面断面図である。
【図5】 同じく展開図である。
【図6】 後部車軸ハウジング2の内部後面図である。
【図7】 トラクタの座席91に対する第一変速レバー52及び第二変速レバー55の配設位置を示す正面断面図である。
【図8】 第一変速レバー52及び第二変速レバー55を取り付けた変速台51のクラッチハウジング1に対する取付けの様子を示す斜視図である。
【図9】 クラッチハウジング1の第二室B内の第一変速フォーク軸58、第二変速フォーク軸59、及び第三変速フォーク軸60の取付構造を示す平面断面図である。
【図10】 第一変速レバー52・第二変速レバー55と各変速フォークの配置構成を示す図9中X−X線断面図である。
【図11】 第一・第二変速フォーク軸59・60に対する、係合部材61・62及び付勢メンバー63・64の取付構造を示す斜視図である。
【図12】 軸受板3のデテント機構配設部分の正面図である。
【符号の説明】
1 クラッチハウジング
1c 窓孔
42a 第一変速フォーク
44a 第二変速フォーク
51 変速台
55 第二変速レバー
56 球部
57 操作杆
58 第一変速フォーク軸
58a 設置面
59 第二変速フォーク軸
59a 設置面
61・62 係合部材
61a・62a 貫通孔
63・64 付勢メンバー
63a・64a ピン
63b・64b 栓部材
63c・64c バネ

Claims (2)

  1. 変速機構を内装するハウジング(1)の上面に形成した窓孔(1c)を閉塞すべく変速台(51)を設け、該変速台(51)の左右方向の隅部に第一変速レバー(52)と第二変速レバー(55)を配置し、該変速台(51)により、第二変速レバー(55)の操作支点である球部(56)を支持させて、該第二変速レバー(55)を傾斜配設する一方、変速ギアに係止した第一変速フォーク(42a)を設置する第一変速フォーク軸(58)と、第二変速フォーク(44a)を設置する第二変速フォーク軸(59)を並設し、該第一変速フォーク軸(58)の係合部材(61)と、第二変速フォーク軸(59)の係合部材(62)とを窓孔(1c)に対応して、変速台(51)の隅部の方向に指向させるべく配設し、該変速台(51)内にて第二変速レバー(55)の操作支点より延伸した操作杆(57)を、前記係合部材(61・62)に係脱自在に突入させ、前記係合部材(61・62)を、前記窓孔(1c)を通じて、前記第一変速フォーク軸(58)と第二変速フォーク軸(59)の上面に着脱自在に設置したことを特徴とする作業車両の変速操作機構。
  2. 請求項1記載の作業車両の変速操作機構において、前記第一変速フォーク軸(58)と第二変速フォーク軸(59)のいずれもが中立位置になった時に、前記操作杆(57)が係合部材(61・62)の中間部に位置し、第二変速レバー(55)が中立位置(N)に位置すべく、該係合部材(61・62)の各々に、前記操作杆(57)を中立位置に付勢するための中立復帰機構を具備したことを特徴とする作業車両の変速操作機構。
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