JP3483706B2 - トラクタのミッション - Google Patents

トラクタのミッション

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JP3483706B2
JP3483706B2 JP15712296A JP15712296A JP3483706B2 JP 3483706 B2 JP3483706 B2 JP 3483706B2 JP 15712296 A JP15712296 A JP 15712296A JP 15712296 A JP15712296 A JP 15712296A JP 3483706 B2 JP3483706 B2 JP 3483706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタのミッシ
ョンに関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタで作業を行う場合、例えばロー
タリでの深耕・砕土耕耘作業、トレンチャ作業等のとき
は、超低速(クリープ変速)を必要としており、例え
ば、特開昭53−112369号公報で開示されている
ように主変速装置、副変速装置とは別にクリープ変速装
置を独立して装備したものがある。この従来例では、ミ
ッションの大型化を招き、変速操作系を個々に独立して
設けなければならず構造及び取扱いとも煩雑であった。
【0003】この点を改善した技術として特公昭61−
25933号公報で開示したものがある(従来例)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述公報で開示の従来
例は、それなりに有用ではあるものの、次のような課題
があった。すなわち、トラクタ車体を構成するクラッチ
ハウジングとミッションケースとの間に中間ケースを設
け、該中間ケース内に副変速装置とクリープ変速装置と
を内蔵(収容)しているため、トラクタ車体の前後長が
過大になりすぎてホイールベースも長くなって、ユティ
リティトラクタ(汎用トラクタ)のニーズに対応でき難
いものであった。
【0005】また、クリープ変速装置を構成するのに、
別途のクリープ軸が必要で、これに起因して軸受も必要
となって部品点数が多くなり、部品管理が面倒になるだ
けでなく、組立工程も複雑化するし、加工部分も多くな
っていた。そこで本発明は、トラクタの車体を構成する
クラッチハウジングの後端に後方開口部を形成し、この
開口部に副変速装置とクリープ変速装置とを収容した状
態でミッションケースによって前記開口部を閉塞するこ
とによって、ホイールベースが長くなく、組立分解等が
容易なユティリティトラクタに適合したミッションを提
供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明では、主クラッチ7を介してエンジン1に連
動する走行伝動系に、主変速装置9と、主クラッチ7か
ら主変速装置9に伝達される動力を前進・後進に切換え
るシャトル変速装置8と、前記主変速装置9からの動力
が伝達される副変速装置10およびクリープ変速装置1
1を備えており、トラクタの車体を構成するクラッチハ
ウジング2は、前記主クラッチ7を収容する第1室3
と、前記シャトル変速装置8および前記主変速装置9を
共に収容する第2室4とを連設し、該第2室4の後部に
後方開口部5を形成しているとともに、同じ第2室
(4)に収容したシャトル変速装置(8)と主変速装置
(9)とは、軸方向で互いに平行として架設されている
変速主軸(25)と変速副軸(26)のそれぞれに同軸
上で軸方向に並設して備えられ、該後方開口部5に前記
副変速装置10とクリープ変速装置11を収容し、前記
後方開口部5を、後輪デフ装置13を収容しているミッ
ションケース6で閉塞しており、前記ミッションケース
6には、後輪デフ装置13の前方に前輪動力断接装置1
2が収容されていることを特徴とするものであり、この
ような構成を採用したことにより、ホイールベースが長
くなることもなく、組立分解も容易になったのである
(請求項1)。
【0007】また、本発明では、前記副変速装置10は
高・低2段に切換え変速可能であり、クリープ変速装置
11は前記副変速装置10の低速側でクリープ変速を得
るようにされていることにより、無駄なクリープ変速を
採ることなく、必要なクリープ変速が確保できて、これ
により、変速操作も容易になったのである(請求項
)。更に、本発明では、前記副変速装置10とクリー
プ変速装置11とは軸方向の前後で並設されており、該
クリープ変速装置11は前記副変速装置10の構成軸3
4,35を用いて構成されていることにより、クリープ
変速を確保するのに、別途専用のクリープ軸は必要でな
くなって、部品点数を節減し、部品管理も容易であると
ともに、加工数を少なくして安価なミッションを提供で
きるのである(請求項)。
【0008】また、本発明では、前記副変速装置10の
構成軸である副軸35は、主変速装置9の変速主軸25
の軸心延長上に配置され、副変速装置10の構成軸であ
る伝動軸34は主変速装置9の変速副軸26の軸心延長
上に配置されていることにより、変速操作系が集約でき
てコンパクトに簡素化できて、変速操作系の伝達ロスが
少なく軽快な変速ができるに到ったのである(請求項
4)。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態について説明する。トラクタのミッションの全体
構成を模式的に示している図1において、エンジン1の
後面に連結されていて該エンジン1とともにトラクタの
車体を構成するクラッチハウジング2は、第1室3と第
2室4とを前後に連設して備え、第2室4の後部は後方
開口部5とされ、該開口端にミッションケース6がボル
ト接合等によって連設されて該開口部5を閉塞してお
り、ここに、エンジン1、クラッチハウジング2および
ミッションケース6によってトラクタの車体を実質的に
構成している。
【0010】クラッチハウジング2の第1室(クラッチ
室)3には主クラッチ7が収容されており、第2室4に
は主クラッチ7を介してエンジン1に連動する走行伝動
系としてのシャトル変速装置8と主変速装置9が収容さ
れ、更に、後方開口部5には副変速装置10およびクリ
ープ変速装置11が収容され、ミッションケース6には
前輪動力断接装置12、後輪デフ装置13およびPTO
系の油圧クラッチ装置14等が内蔵されている。主クラ
ッチ7は、図2で示すようにエンジンのフライホイール
15に装着されており、ダンパー手段16を介して走行
系の推進軸17が連結され、該推進軸17には推進軸ケ
ース18が套嵌され、該推進軸ケース18の軸部上には
クラッチレリーズ手段19が装着され、図では該レリー
ズ手段19の摺動を介してダイヤフラム式で示す主クラ
ッチ7を断接し、推進軸17が断続回転されるようにな
っている。
【0011】推進軸ケース18は第1室3と第2室4と
を実質的に区画するため区画壁20に形成した開口部
(実質的に正背面視で円形)に嵌合される挿嵌部18A
をその基部に一体に備え、該挿嵌部18Aを区画壁20
の開口部に前方から嵌合して基部18Bを区画壁20に
ボルト止めしている。推進軸ケース18の挿嵌部18A
には、上下2段で軸受嵌合凹部18C,18Dを有し、
上段の軸受嵌合凹部18Cと軸心を一致して筒状軸部1
8Eが前方に延伸され、該筒状軸部18Eに推進軸17
が挿通されていて該推進軸17の前後端が軸受21,2
2によって回転自在に支持されている。
【0012】推進軸17は筒軸であって、その後部はや
や膨径部17Aとされて軸受22によって支持され、第
2室4に臨入しており、この筒内にフライホイール15
に接手23を介して連結されているPTO推進軸24が
相対回転自在として挿通されている。図2および図3で
示すように、前記第2室4に収容したシャトル変速装置
8と主変速装置9は、軸方向で互いに平行として架設さ
れている変速主軸25と変速副軸26のそれぞれに同軸
上で軸方向に並設して備えられている。
【0013】すなわち、変速主軸25は筒軸構成であっ
て、前記推進軸17の軸心延長線上に位置し、その前部
が推進軸17の膨径部17Aに挿入されてニードル軸受
25Aによって支持され、後部は第2区画壁27に軸受
25Bによって支持されていて変速副軸26はその前後
が軸受26A,26Bによって支持されている。更に、
シャトル変速装置8と主変速装置9はともに同期咬合形
のギヤ変速であり、変速主軸25を上部でかつ入力側と
して位置づけられ、変速副軸26を下部でかつ出力側と
して位置づけられ、同期変速手段28は変速主軸25上
に備えられているとともに、シャトル変速装置8が第2
室4の前側でかつエンジン1に近い側に配置され、主変
速装置9が第2室4の後側でかつエンジン1から遠い側
に配置されている。
【0014】このように、同期変速手段28を入力側で
エンジン1に近い側の走行主軸25上に備えることによ
り、該手段28を走行副軸26上に備えたものよりもト
ルクが小さくなって、これにより径を小径にしても支障
なく、このことがクラッチハウジング2の高さ及び横幅
も小さくできて図9に示すように乗降ステップ2Bの装
着も容易でオペレータの車体またぎが従来では車体上部
が仮想線となるのに対し容易となったのであり、更に、
同期変速手段28を摺動するシフトフォークの長さも短
くできて摺動も軽快にできるのである。
【0015】同期咬合形ギヤ変速によるシャトル変速装
置8は、推進軸17の膨径部17Aに取付けている第1
ギヤ8Aと、この第1ギヤ8Aに咬合していて変速副軸
26上に備えている第2ギヤ8Bと、この第2ギヤ8B
と一体に形成されている第3ギヤ8Cと、この第3ギヤ
8Cにアイドルギヤ8Dを介して連動されていて、前記
第1ギヤ8Aの後方で走行変速主軸25上に備えている
第4ギヤ8Eとからなり、第1ギヤ8Aと第4ギヤ8E
との間に介装されている同期変速手段28を、図1の矢
符Fの方向に摺動すると前進(正転)で、矢符Rの方向
に摺動すると後進(逆転)となり、中立を含めて前後進
に切換え可能である。
【0016】同期咬合形ギヤ変速による主変速装置9
は、実施の形態においては第1速(1F)から第4速
(4F)の4段変速が可能であり、第4速変速ギヤ9A
から第1速変速ギヤ9Dの順で走行変速主軸25上に回
転自在に套嵌支持して列設しており、走行変速副軸26
上には前記変速ギヤ9A,9B,9C,9Dに対応して
咬合している第4〜1の変速伝達ギヤ9E,9F,9
G,9Hが固着されており、第4速変速ギヤ9Aと第3
速変速ギヤ9Bとの間、および第2速変速ギヤ9Cと第
1速変速ギヤ9Dとの間にそれぞれ同期変速手段28が
介装されていて、該手段28を図1に示す矢符1F〜4
Fの方向に摺動することで、中立を含めて4段変速が可
能とされている。
【0017】なお、シャトル変速装置8および主変速装
置9の同期変速手段28は、図では、キー式のイナーシ
ャロック形で示しているが、ピン式のイナーシャロック
形であっても、コンスタントロード形でも、サーボ形で
あっても構わない。更に、クラッチハウジング2の第2
室4と対応する上壁には、図2および図5で示すように
方形状の開口部2Aが形成されていて、該開口部2Aを
着脱自在として塞ぐ蓋体30に、主変速装置9の同期変
速手段28を操作する変速レバー31が立設され、該蓋
体30の内面に該変速レバー31にて摺動するシフトフ
ォークを有するシフトロッド等が前後摺動自在として支
持されているとともに、クラッチハウジング2の側壁に
はシャトル変速装置8の同期変速手段28を操作する操
作軸32が左右方向として支持されている。
【0018】上記のように、クラッチハウジング2の第
2室4にシャトル変速装置8と主変速装置9とを同軸的
に軸方向に並設することによって、変速操作系(変速レ
バー31、操作軸32等)を集約できて操作が容易にな
るだけでなく、クラッチハウジング2の後部に開口部5
を形成することにより、クラッチハウジング2にシャト
ル変速装置8、主変速装置9および副変速装置10並び
にクリープ変速装置11の全てを組付けることが可能と
なって、ユティリティ(汎用形)トラクタのニーズに対
応できるに到ったのである。
【0019】また、シャトル変速装置8および主変速装
置9の同期変速手段28は操作負荷が軽い走行変速主軸
25上に同軸的に軸方向で並設したことにより、操作が
軽快にできるだけでなく、シフトフォーク等も短くでき
て車体の高さ及び横幅も狭くできることとなり、これに
よって車体の左右側壁に備えられる乗降ステップの装着
も広くかつ確実にできて乗降が軽快でオペレータに優し
いユティリティトラクタを提供できるのである。図3お
よび図4を参照すると、クラッチハウジング2の後方開
口部5に収められる副変速装置10およびクリープ変速
装置11の詳細が示されている。
【0020】図1、図3および図4において、走行変速
副軸26は第2区画壁27より後方に突出していて開口
部5に臨入しており、該突出部26Cには軸端から前方
にくり抜き形成された凹部26Dを有するとともに、副
変速用第1ギヤ33と咬合い部33Aを備えている。走
行変速副軸26の軸心延長上に伝動軸34が配置され、
該伝動軸34の前部が前記凹部26Bに挿入されて軸受
34Aで支持されているとともに、該伝動軸34の後部
は後方開口部5の後縁部に備えている軸受34Bで支持
され、かつ、該軸受34Bより後方に延伸されている。
【0021】走行変速主軸25の軸心延長上に、筒軸構
造の副変速副軸35が配置され、該副軸35の前部は軸
受抑え36に嵌着した軸受35Aによって支持されてい
るとともに、副軸35の後部は軸受35Bによって支持
され、ここに、前記伝動軸34と副軸35は互いに軸方
向平行として上下に配置されている。このように、主変
速装置の変速主軸25の軸心延長上に副軸35を配置
し、変速副軸26の軸心延長上に伝動軸34を配置する
ことによって、変速操作系を集約できて変速操作系の伝
達ロスを少なくし、軽快な変速を可能にしたのである。
【0022】なお軸受抑え36は、第2壁27の後面に
ボルト止めされていて軸受25Bを位置決めしていると
ともに、該抑え36に嵌着した軸受35Aは、走行変速
主軸25の後部と副軸35の前部にまたがって配置され
ている。副変速副軸35上には、前記第1ギヤ33と咬
合している減速用第2ギヤ37と、この第2ギヤ37と
一体に形成した小径の第3ギヤ38とがニードル軸受等
を介して回転自在に套嵌されており、第3ギヤ38に咬
合している副変速低側の第4ギヤ39が伝動軸34上に
ニードル軸受等を介して回転自在に套嵌されている。
【0023】第4ギヤ39には咬合い部39Aを有し、
この咬合い部39Aと突出部26Cに形成した咬合い部
33Aとが軸方向で相対しており、両咬合い部33A,
39Aに対して係脱自在なシフタ40が伝動軸34上に
摺動自在として備えられている。従って、シフタ40を
図1の矢符Hの方向に摺動して咬合い部33Aに係合す
ることにより走行変速副軸26と伝動軸34を直結して
副変速高とし、一方、シフタ40を図1の矢符Lの方向
に摺動して咬合い部39Aにシフタ40を係合すること
によって副変速低を得るのであり、ここに、副変速装置
10はシフタ40の摺動で中立を含めて高低速の2段に
変速可能である。
【0024】クラッチハウジング2の後方開口部5に
は、副変速装置10とクリープ変速装置11が軸方向の
前後で並設して収容されており、該クリープ変速装置1
1は、副変速装置10の構成軸(副軸35および伝動軸
34)を利用して別軸を用いることなく構成されてい
て、これにより、部品点数を節減しているとともに組立
分解も容易にし、更に、副変速装置10の高速側でなく
低速側にてのみクリープ変速を確保し、無駄な変速段を
なくし、必要なクリープ変速だけを得るようにされてい
る。
【0025】すなわち、図1および図3において、副変
速装置10の低速用第3ギヤ39に、これと一体として
のクリープ入力ギヤ41を設けて伝動軸34上に套嵌し
ており、一方、副変速副軸35上には、前記入力ギヤ4
1と咬合する減速ギヤ42とこのギヤ42より小径のク
リープ出力ギヤ43とを軸方向に並設して備え、更に、
伝動軸34上には、クリープ出力ギヤ43と咬合する大
径のクリープギヤ44を相対回転自在に備え、伝動軸3
4上には、クリープギヤ44の咬合部44Aに対して係
脱自在なクリープ用シフタ45を備え、該シフタ45を
図1の矢符Cの方向に摺動してクリープギヤ44の咬合
部44Aと伝動軸34とを接合することにより、副変速
装置10の低速域においてのクリープ変速を確保し得る
ようにされている。
【0026】副変速装置10およびクリープ変速装置1
1の伝動を共用している伝動軸34は、軸受34Bより
後方に突出してあり、該伝動軸34の軸心延長上には後
輪デフ装置13のベベルピニオン形とされたデフ駆動軸
46がミッションケース6内に配置されており、伝動軸
34の突出部とデフ駆動軸46の前部とが軸カップリン
グ47で連動連結され、該軸カップリング47上には、
前輪動力切換用のシフタ48が摺動自在としてスプライ
ン等で套嵌されており、該シフタ48を図1の矢符Dの
方向に摺動して、前輪駆動ギヤ49の咬合部49Aに係
合することによって、前輪伝動ギヤ50、前輪伝動軸5
1等を介して後輪を駆動しつつ前輪へも同期した動力を
伝達し、ここに、後輪駆動と前後輪の全輪駆動とが選択
できるようにされている。
【0027】前輪駆動ギヤ49は伝動軸34の突出部に
ニードル軸受等を介して套嵌支持されているとともに、
クラッチハウジング2の下部において走行変速副軸26
および伝動軸34と平行に架設されている伝動軸51に
前記駆動ギヤ49に咬合する前輪伝動ギヤ50が備えら
れている。ここに、前輪動力断接(切換)装置12に
は、カウンタ軸等を採用しなくとも構成できてこの点に
おいても部品点数を節減しているとともに組立分解も容
易になっているのである。
【0028】更に、伝動軸34、デフ駆動軸46を同一
軸心上に配置したことにより、図7および図8で示すよ
うに副変速用シフタ40、クリープ用シフタ45および
前輪断接用シフタ48は同一径のシフタに構成できる
し、各シフタ40,45,48に係合するシフトフォー
ク52およびフォーク軸53並びに操作支軸54等は、
同一部品を採用することも可能となってこの点からも部
品点数の節減、在庫部品の管理、操作性の向上等が期待
できるのである。図1および図4等を参照すると、推進
軸17,走行変速主軸25および副変速副軸35のそれ
ぞれを挿したPTO推進軸24は、ミッションケース6
の前上部において弾性緩衝軸接手55を有するPTO油
圧クラッチ14を介して伝動軸56に連動されており、
伝動軸56はミッションケース6の後面に所謂外付けで
装着したPTO変速ケース57内のPTO変速装置58
に連動されてPTO軸59を変速連動可能としている。
【0029】PTO油圧クラッチ14は図外の制御弁か
らの圧油を加圧ピストン14Aに作用させ、複数のクラ
ッチ板14Bを圧接することで断接されるものであり、
該クラッチの戻り油が、同期変速手段28の強制潤滑油
として利用されている。すなわち、PTO伝動軸56と
PTO推進軸24とに互いに連通する油通路24A,5
6Aを軸心方向に形成し、この通路24A,56Aにク
ラッチ戻り油(クラッチ冷却油でもよい)を供給するよ
うに構成し、PTO推進軸24と走行変速主軸25およ
び副変速副軸35との僅少スキマに潤滑油を流入させ、
変速主軸25には、同期変速手段28と対応して径方向
の潤滑油噴出孔を形成することによって同期変速手段2
8の摺動部に対する潤滑油送液手段60を備えているの
である。
【0030】このように構成することによって、走行変
速主軸25上に同期変速手段28を具備しても、該手段
28の潤滑は確保されて円滑かつ軽快にして故障の少な
い変速が可能となったのである。なお、クラッチハウジ
ング2の第2室4およびミッションケース6等にはギヤ
潤滑油(油面をLで示す)が収容されており、この潤滑
油がクラッチ室3(第1室)に流入するのを阻止するた
め推進軸ケース18の挿嵌部18Aの外周にはオイルリ
ングが装着され、また、前輪伝動軸51の軸受部61お
よび軸受22にはオイルシール62が備えられ、更に、
強制潤滑油が推進軸ケース18内に漏出するのを防止す
るためオイルシール63が備えられている(図2参
照)。
【0031】また、前輪伝動軸51はクラッチ室2の下
部の軸受部61に挿通してエンジンオイルパン64の下
面に沿って延伸して前輪デフ駆動軸(図示せず)に連動
する場合と、第2室の底壁に形成した開口部65を介
してギヤ連動させて前輪デフ駆動軸に連動するいずれの
場合であってもよく、前者のときは開口部65はシール
付蓋体で閉塞され、後者のときは軸受部61はシール付
蓋体で閉塞される。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、副変
速装置とクリープ変速装置とを備えたミッションにおい
て、トラクタのホイールベースを長くしなくとも良く、
必要なクリープ変速を確保できて操作性に優れたユティ
リティトラクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すミッション前半部の
側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すミッション中間部の
側断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を示すミッション後半部の
側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す車体前半部の平面図
である。
【図6】本発明の実施の形態を示す車体後半部の平面図
である。
【図7】本発明の実施の形態を示す副変速装置とクリー
プ変速装置の側断面図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す副変速装置とクリー
プ変速装置の正面断面図である。
【図9】本発明の実施の形態を示す車体の正面(立面)
図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチハウジング 5 後方開口部 6 ミッションケース 7 主クラッチ 9 主変速装置 10 副変速装置 11 クリープ変速装置 13 後輪デフ装置 25 走行変速主軸 26 走行変速副軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−278484(JP,A) 特開 昭62−120227(JP,A) 特開 昭61−25933(JP,A) 特開 昭53−112369(JP,A) 特開 昭60−104867(JP,A) 実開 昭52−160770(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/02 - 17/08 F16H 57/02 A01B 51/00 - 61/04 A01B 63/14 - 67/00 B62D 49/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主クラッチ(7)を介してエンジン
    (1)に連動する走行伝動系に、主クラッチ(7)から
    推進軸(17)を介して伝達される動力を前進・後進に
    切換えるシャトル変速装置(8)と、このシャトル変速
    装置(8)から伝達される前進・後進の動力を変速する
    主変速装置(9)と、前記主変速装置(9)から動力が
    伝達される副変速装置(10)およびクリープ変速装置
    (11)を備えており、トラクタの車体を構成するク
    ラッチハウジング(2)は、前記主クラッチ(7)を収
    容する第1室(3)と、前記シャトル変速装置(8)お
    よび主変速装置(9)を共に収容する第2室(4)とを
    区画壁(20)で区画して前後に連設して備え、第2室
    (4)の後部を区画壁(27)で区画し、2つの区画壁
    (20、27)間の第2室(4)に収容したシャトル変
    速装置(8)と主変速装置(9)とは、前記2つの区画
    壁(20、27)によって軸方向で互いに平行として架
    設されている変速主軸(25)と変速副軸(26)のそ
    れぞれに同軸上で軸方向に並設して備えられ、該第2室
    (4)の後部に後方開口部(5)を形成しているととも
    に、該後方開口部(5)に前記副変速装置(10)とク
    リープ変速装置(11)を収容し、前記後方開口部
    (5)を、後輪デフ装置(13)を収容しているミッシ
    ョンケース(6)で閉塞しており、前記ミッションケー
    ス(6)には、後輪デフ装置(13)の前方に前輪動力
    断接装置(12)が収容されていることを特徴とするト
    ラクタのミッション。
  2. 【請求項2】 前記第1室(3)と第2室(4)とを区
    画する区画壁(20)に推進軸ケース(18)がボルト
    固定され、この推進軸ケース(18)に主クラッチ
    (7)に連結されかつ第2室(4)に突入した推進軸
    (17)の後部が軸受(22)を介して支持され、この
    推進軸(17)に軸受(25A)を介して前記変速主軸
    (25)の前部が支持され、前記推進軸ケース(18)
    に軸受(26A)を介して変速副軸(26)の前部が支
    持され、前記変速主軸(25)及び変速副軸(26)の
    後部が共に区画壁(27)に軸受(25B、26B)を
    介して支持されていることを特徴とする請求項1に記載
    のトラクタのミッション。
  3. 【請求項3】 主クラッチ(7)に連結されかつ第2室
    (4)に突入した推進軸(17)に前記シャトル変速装
    置(8)の前進駆動用の第1ギヤ(8A)が設けられ、
    前部が推進軸(17)に支持された変速主軸(25)に
    後進駆動用の第4ギヤ(8E)と前後進を切り換える同
    期変速手段(28)と主変速装置(9)の複数の変速ギ
    ヤ(9A、9B、9C、9D)とが設けられており、前
    記第1ギヤ(8A)に咬合する第2ギヤ(8B)と第4
    ギヤ(8E)に咬合する第3ギヤ(8C)とが一体に形
    成されていて主変速装置(9)の前記変速ギヤ(9A、
    9B、9C、9D)と咬合する変速伝達ギヤ(9E、9
    F、9G、9H)が設けられた前記変速副軸(26)に
    遊転自在に設けられていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のトラクタのミッション。
  4. 【請求項4】 副変速装置(10)は高・低2段に切換
    え変速可能であり、クリープ変速装置(11)は前記副
    変速装置(10)の低速側でクリープ変速を得るように
    され、副変速装置(10)とクリープ変速装置(11)
    とは軸方向の前後で並設されており、該クリープ変速装
    置(11)は前記副変速装置(10)の構成軸(34、
    35)を用いて構成され、副変速装置(10)の構成軸
    である副軸(35)は、主変速装置(9)の変速主軸
    (25)の軸心延長上に配置され、副変速装置(10)
    の構成軸である伝動軸(34)は主変速装置(9)の変
    速副軸(26)の軸心延長上に配置されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトラクタのミ
    ッション。
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