JPH1181640A - 床パネルの接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床パネルの施工作業を簡易化し、床面の遮音
性、断熱性を確保する。 【解決手段】 床パネルＰの端縁１Ａに係合凸条３に沿
って形成した第１突き当て面５と、端縁１Ｂに係合溝４
に沿って形成した第２突き当て面６とを当接させ、端縁
１Ａに係合凸条３に沿って形成した第１逃し面６と、端
縁１Ｂに係合溝４に沿って形成した第２逃し面８とをス
リット状の空隙９を隔てて離間させた状態で、隣接する
各床パネルＰを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建物内の床部に
敷き詰められて施工される木質の床パネルの接続構造に
関する。

【０００２】

【従来の技術】床パネルとして適用される長方形板状の
単板積層材（床用ＬＶＬ）は、複数枚の単板を少数枚の
単板を除く各単板の板目を一定方向に揃えた状態で、積
層して貼り合わせる工程によって作製される。単板積層
材による床パネルは、多数枚の床パネルを縦横方向に密
接状態で並べて建物の大引き等の横架材に直接釘で固定
する方法によって接続施工される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記単板積層材は湿気
による板目方向への吸湿膨張が大きく、各床パネル間に
２〜３ｍｍの隙間を形成した状態で各床パネルを敷き詰
めて施工する必要があるので、一定幅の隙間を造出しな
がら各床パネルを施工する施工作業が煩雑となって作業
能率が悪くなるばかりでなく、各床パネル間の隙間によ
って断熱性や遮音性が低下する問題点がある。そこで、
本発明の課題は木質の床パネルにおける施工時の作業性
を良化し、かつ施工後の断熱性や遮音性の低下を抑止し
得る床パネルの接続構造を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の床パネルの接続
構造は、床パネルの端縁のうち、側方へ突出された係合
凸条が全長にわたって形成された端縁には、前記係合凸
条に沿って形成された第１突き当て面と、この第１突き
当て面の若干内方位置で前記係合凸条に沿って形成され
た第１逃し面とを並設し、床パネルの端縁のうち、前記
係合凸条に嵌め合わせられる係合溝が全長にわたって形
成された端縁には、前記係合溝に沿って形成された第２
突き当て面と、この第２突き当て面の若干内方位置で前
記係合溝に沿って形成された第２逃し面とを並設し、隣
接して施工された両床パネルを、前記第１突き当て面と
前記第２突き当て面とを当接させて前記第１逃し面と前
記第２逃し面とをスリット状の空隙を隔てて離間させた
状態で接続したことを特徴とする。

【０００５】請求項１の発明では、隣り合う両床パネル
のうちの一方の床パネルの端縁に形成された係合凸条
と、他方の床パネルの端縁に形成された係合溝とを嵌め
合わせ、一方の床パネルの端縁に係合凸条に沿って形成
された第１突き当て面と、他方の床パネルの端縁に係合
溝に沿って形成された第２突き当て面とを突き合わせ状
に当接させた状態で両床パネルを施工すると、一方の床
パネルの端縁に第１突き当て面の若干内方位置で係合凸
条に沿って形成された第１逃し面と、他方の床パネルの
端縁に第２突き当て面の若干内方位置で係合溝に沿って
形成された第２逃し面とがスリット状の空隙を隔てて離
間した状態で、隣り合う各床パネルが接続される。敷き
つめられた床パネルが吸湿によって膨張すると、隣接す
る床パネルの第１突き当て面付近の部位と第２突き当て
面付近の部位とが互に押しつけられてそれぞれ圧縮変形
し、床パネルの吸湿による膨張変形が第１，第２突き当
て面付近の圧縮変形挙動および前記空隙によって吸収さ
れる。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。縦横方向に並べられた状態で建
物の床部に敷きつめられて施工される木質の床パネルＰ
は、単板積層材（床用ＬＶＬ）によって、例えば幅が９
１０ｍｍ，長さが１８２０ｍｍ，厚さが２４ｍｍの長方
形板状に形成されている。

【０００７】単板積層材は、複数枚（例えば８枚）の単
板を、全単板のうちの少数枚（例えば２枚）の単板を除
く各単板の板目を同一方向に揃えた状態で重ねて貼り合
わせた構造を有する。

【０００８】各床パネルＰにおいて、１対の長辺側の端
縁１Ａ，１Ｂのうちの一方の長辺側端縁１Ａの上下方向
中央部には、台形状の断面形状を有し、側方へ突出され
た状態で水平方向へ伸びる係合凸条３がそれぞれ全長に
わたって形成されている。但し、係合凸条３を一方の長
辺側の端縁と一方の短辺側の端縁とにわたって形成して
もよい。

【０００９】また、各床パネルＰにおいて、１対の長辺
側の端縁１Ａ，１Ｂのうちの他方の長辺側の端縁１Ｂの
上下方向中央部には、係合凸条３との嵌め合わせが可能
な台形状の断面形状を有し、内方へ凹陥された状態で水
平方向へ伸びる係合溝４がれぞれ全長にわたって形成さ
れている。但し、係合溝４を他方の長辺側の端縁と他方
の短辺側の端縁とにわたって形成してもよい。

【００１０】各床パネルＰは、隣接する両床パネルＰの
一方の長辺側の端縁１Ａの係合凸条３と、他方の長辺側
の端縁１Ｂの係合溝４とが嵌め合わせられ、建造物の横
架材１０上に裁置された両床パネルＰの隣接端縁付近が
釘によって横架材１０に固定された状態で施工される。

【００１１】各床パネルＰの端縁のうち、係合凸条３が
形成された長辺側の端縁１Ａの下縁付近には、係合凸条
３の内端位置で係合凸条３に沿って水平方向へ伸びる垂
直面状の第１突き当て面５が係合凸条３と並行に形成さ
れている。

【００１２】各床パネルＰのうち、係合凸条３が形成さ
れた長辺側の端縁１Ａの上縁付近には、第１突き当て面
５の若干内方位置で係合凸条３に沿って水平方向へ伸び
る垂直面状の第１逃し面６が第１突き当て面５と並行に
形成されている。

【００１３】各床パネルＰの端縁のうち、係合溝４が形
成された長辺側の端縁１Ｂの下縁付近には、係合溝４の
外端位置でそれぞれ係合溝４に沿って水平方向へ伸びる
垂直面状の第２突き当て面７が係合溝４と並行に形成さ
れている。

【００１４】各床パネルＰの端縁のうち、係合溝４が形
成された長辺側の端縁１Ｂの上縁付近には、第２突き当
て面７の若干内方位置でそれぞれ係合溝４に沿って水平
方向へ伸びる垂直面状の第２逃し面８が第２突き当て面
７と並行に形成されている。

【００１５】各床パネルＰの端縁１Ａには、それぞれ第
１突き当て面５と第１逃し面６とが並設され、各床パネ
ルＰの端縁１Ｂには、それぞれ第２突き当て面７と第２
逃し面８とが並設されている。

【００１６】但し、係合凸条３が一方の長辺側の端縁
と、一方の短辺側の端縁とにわたって形成され、係合溝
４が他方の長辺側の端縁と、他方の短辺側の端縁とにわ
たって形成された床パネルにおいて、第１突き当て面５
および第１逃し面６を一方の長辺側の端縁と一方の短辺
側の端縁とにわたって形成し、第２突き当て面７および
第２逃し面８を他方の長辺側の端縁と他方の短辺側の端
縁とにわたって形成するようにしてもよい。

【００１７】各床パネルＰの第１突き当て面５および第
２突き当て面７は、隣接する床パネルＰが吸湿によって
膨張して互に押しつけられたときに第１突き当て面５付
近の部位および第２突き当て面７付近の部位が圧縮変形
し易い形状にそれぞれ形成されている。

【００１８】隣接する両床パネルＰを第１突き当て面５
と第２突き当て面７とを当接させた状態で接続すると、
この両床パネルＰの第１逃し面６と第２逃し面８との間
には、床パネルＰの吸湿状態によって拡縮されて床パネ
ルＰの吸湿膨張による寸法差を吸収するスリット状の空
隙９が形出される。

【００１９】隣接する両床パネルＰは、第１突き当て面
５と第２突き当て面７とが突き合わせ状に当接し、第１
逃し面６と第２逃し面８とがスリット状の空隙間９を隔
てて離間した状態で施工される。

【００２０】各床パネルＰの施工に際し、隣接する両床
パネルＰの係合凸条３と係合溝４とを嵌め合わせて第１
突き当て面５と第２突き当て面７とをそれぞれ当接させ
た状態で、各床パネルＰを縦横方向に並べて敷きつめる
と、各床パネルＰは隣接する両床パネルＰの第１逃し面
６と第２逃し面８とが空隙９を隔てて離間した状態とな
って接続される。

【００２１】敷きつめられた床パネルＰが吸湿によって
膨張すると、隣接する床パネルＰの第１突き当て面５付
近の部位と第２突き当て面７付近の部位とが互に押しつ
けられてそれぞれ圧縮変形し、空隙９の幅が狭縮して床
パネルＰの吸湿による膨張変形が両突き当て面５，７付
近の圧縮変形挙動および空隙間９によって吸収される。

【００２２】なお、図４に示すように、第１突き当て面
５，第２突き当て面７を床パネルＰの端縁１Ａ，１Ｂの
上端付近に形成し、第１逃し面６，第２逃し面８を端縁
１Ａ，１Ｂの下縁付近に形成するようにしてもよい。

【００２３】また、係合凸条３の先端面に第１突き当て
面５を形成し、係合溝４の底面に第２突き当て面７を形
成し、各端縁１Ａ，１Ｂの上縁付近および下縁付近にそ
れぞれ逃し面６，８を形成するようにしてもよい。

【００２４】上記実施の形態によれば、各床パネルＰを
第１突き当て面５と第２突き当て面７とを当接させた状
態で敷きつめて施工すればよいので、床パネルＰの施工
作業を簡易化および能率化することができる。

【００２５】また、床パネルＰの寸法が吸湿膨張によっ
て変動しても、隣接する両床パネルＰの両逃し面６，８
間の空隙９によって床パネルＰの寸法変動を吸収するこ
とができ、床パネルＰの施工形態が施工後に異常となる
不具合を解消することができる。

【００２６】さらに、各床パネルＰは第１突き当て面５
と第２突き当て面７とが密接した状態で接続されるの
で、施工後の床面の遮音性や断熱性を確保することがで
き、床パネルＰ間の隙間によって遮音性や断熱性が低下
する不具合を解消することができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、各床パネルを第１突き
当て面と第２突き当て面とを当接させた状態で敷きつめ
て施工すればよいので、床パネルの施工作業を簡易化お
よび能率化することができる。

【００２８】また、床パネルの寸法が吸湿膨張によって
変動しても、隣接する両床パネルの両逃し面間の空隙に
よって床パネルの寸法変動を吸収することができ、床パ
ネルの施工形態が施工後に異常となる不具合を解消する
ことができる。

【００２９】さらに、各床パネルは、第１突き当て面と
第２突き当て面とが密接した状態で接続されるので、施
工後の床面の遮音性や断熱性を確保することができ、床
パネル間の隙間によって遮音性や断熱性が低下する不具
合を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示すもので、床パネルの
平面図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線拡大断面図である。

【図３】床パネルの接続構造を示す要部の縦断面図であ
る。

【図４】床パネルの接続構造の他例を示す要部の縦断面
図である。

【符号の説明】 １Ａ，１Ｂ 長辺側の端縁 ３ 係合凸条 ４ 係合溝 ５ 第１突き当て面 ６ 第１逃し面 ７ 第２突き当て面 ８ 第２逃し面 ９ 空隙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床パネルの端縁のうち、側方へ突出され
   た係合凸条が全長にわたって形成された端縁には、前記
   係合凸条に沿って形成された第１突き当て面と、この第
   １突き当て面の若干内方位置で前記係合凸条に沿って形
   成された第１逃し面とを並設し、床パネルの端縁のう
   ち、前記係合凸条に嵌め合わせられる係合溝が全長にわ
   たって形成された端縁には、前記係合溝に沿って形成さ
   れた第２突き当て面と、この第２突き当て面の若干内方
   位置で前記係合溝に沿って形成された第２逃し面とを並
   設し、隣接して施工された両床パネルを、前記第１突き
   当て面と前記第２突き当て面とを当接させて前記第１逃
   し面と前記第２逃し面とをスリット状の空隙を隔てて離
   間させた状態で接続したことを特徴とする床パネルの接
   続構造。