JP7330713B2 - ユニット式建物の梁接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ユニット式建物の梁接合構造に関する。
従来より、建物として、直方体状をなす複数の建物ユニットが互いに組み合わされることにより構成されるユニット式建物が知られている(例えば特許文献1参照)。ユニット式建物では、各建物ユニットが、その四隅に設けられた柱と、それら各柱の上端部及び下端部に連結された天井大梁及び床大梁とを有して構成されている。この場合、天井大梁及び床大梁はそれぞれ柱の側面に対して連結される。
ユニット式建物では、建物ユニットとして、大きさの異なる複数種の建物ユニットが用いられることがある。例えば、平面視における長手方向(以下、ユニット長手方向という)の長さが異なる複数種の建物ユニットが用いられることがある。かかるユニット式建物では、ユニット長手方向の長さが長い建物ユニット(以下、長尺ユニットという)と、ユニット長手方向の長さが短い建物ユニット(以下、短尺ユニットという)とが、互いの桁面(長辺側の側面)同士を対向させた状態で配置されることがある。この場合、長尺ユニットと短尺ユニットとの対向部分では、長尺ユニットの天井大梁と短尺ユニットの柱とが互いに対向して配置されることになる。
このような構成では、互いに対向する長尺ユニットの天井大梁及び短尺ユニットの柱が連結プレートを介して連結される場合がある。この場合、連結プレートがそれら天井大梁及び柱の上に跨がって設けられ、その連結プレートによりそれら両者が互いに連結される。
この場合の連結構成について詳しく説明すると、天井大梁が柱の側面に連結されている構成では、天井大梁の上面が柱の上端面よりも低い位置にある。そのため、長尺ユニットの天井大梁の上面と短尺ユニットの柱の上端面との間には所定の段差が生じている。そこで、かかる段差を埋めるべく、長尺ユニットの天井大梁の上面にはベースプレートが載置される。そして、そのベースプレートの上面と短尺ユニットの柱の上端面とに跨がって上記連結プレートが配設され、その配設状態において、当該連結プレートにより長尺ユニットの天井大梁と短尺ユニットの柱とが連結される。
特開2009-68168号公報
ところで、ユニット長さの異なる複数種の建物ユニットが用いられる場合、それら各建物ユニットごとに大梁(天井大梁、床大梁)の長さが異なることになる。このような場合、建物メーカでは、決まった長さの鋼材(長物)を部材メーカより購入し、その鋼材をユニット長さに応じて切り出し大梁を製造することになると考えられる。ただ、この場合、切り出しにより生じた端材は捨てられることになると考えられるため、鋼材の有効利用の点からすると好ましくないといえる。
そこで、大梁を複数の鋼材を溶接により接合することで製造することが考えられる。この場合、大梁は、長手方向に分割された複数の分割梁(鋼材)が互いに接合されることにより構成されることになる。かかる構成によれば、端材を用いて大梁を製造することが可能となるため、鋼材の有効利用を図ることが可能となる。
大梁を上記のように複数の分割梁を用いて製造する場合、それら各分割梁を溶接により接合するに際し、裏当て材を用いることになると考えられる。例えば分割梁が溝形鋼からなる場合には、各分割梁のウェブ及びその両側の各フランジをそれぞれ溶接する必要があるため、ウェブ及び各フランジの溶接に合わせてそれぞれ裏当て材を用意する必要が生じると考えられる。ただ、その場合、裏当て材の点数が増える等して、構成の煩雑化を招くおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大梁をその長手方向に分割した複数の分割梁を溶接により接合することで製造する場合にあって、構成の簡素化を図ることができるユニット式建物の梁接合構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明のユニット式建物の梁接合構造は、柱及び大梁をそれぞれ構造材として有しているとともに、前記大梁は上下に延びるウェブとそのウェブの上端部に接続されたフランジとを有する形鋼からなる建物ユニットを備え、その建物ユニットが複数組み合わされることにより構築されるユニット式建物に適用され、前記建物ユニットとして、横並びで隣り合う第1ユニット及び第2ユニットを備え、前記第1ユニットは、前記大梁として、前記第2ユニットと対向して設けられる対向梁を有し、前記第2ユニットは、前記構造材として、前記対向梁と対向して設けられる対向構造材を有し、前記対向梁の前記フランジ上に載置され、当該対向梁の長手方向において前記対向構造材と同じ位置に配置されたベースプレートと、前記ベースプレート及び前記対向構造材の上に跨がって設けられ、前記対向梁と前記対向構造材とを連結する連結プレートとを備え、前記対向梁は、その長手方向に分割された複数の分割梁が溶接により互いに接合されることで構成されており、前記各分割梁の接合部分は前記ベースプレートの下方に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、隣り合う第1ユニット及び第2ユニットにおいて、第1ユニットの対向梁と第2ユニットの対向構造材とが互いに対向して配置されている。対向梁のフランジ上には、その対向梁の長手方向における対向構造材と同位置にベースプレートが載置され、そのベースプレート及び対向構造材の上に跨がって連結プレートが設けられている。そして、その連結プレートにより、対向梁と対向構造材とが互いに連結されている。
かかる連結構造を有する構成にあって、対向梁は、長手方向に分割された複数の分割梁が溶接により接合されることで構成されている。そして、それら各分割梁の接合部分はベースプレートの下方に設定されている。この場合、各分割梁の接合部分、特に各分割梁のフランジ間の接合部分がベースプレートにより上方から覆われた状態となる。そのため、各分割梁を溶接により接合する際、少なくともフランジ間の溶接に際してはベースプレートを裏当て材として用いることが可能となる。つまり、連結プレートによる連結のために用いられるベースプレートを裏当て材として用いることが可能となる。これにより、各分割梁の溶接に際し用いる裏当て材の点数削減等を図ることができるため、複数の分割梁を溶接により接合して大梁を製造する場合にあって、構成の簡素化を図ることができる。
第2の発明のユニット式建物の梁接合構造は、第1の発明において、前記各建物ユニットでは、前記柱の側面に前記大梁としての天井大梁が連結されていることで前記天井大梁の前記フランジの上面が前記柱の上端面よりも低い位置に設定されており、前記対向梁は、前記第2ユニットと対向する前記天井大梁である対向天井梁であり、前記対向構造材は、前記対向天井梁と対向する前記柱である対向柱であり、前記ベースプレートは、前記対向天井梁の前記フランジ上に載置され、その上面が前記対向柱の上端面と同じ高さ位置に設定されており、前記連結プレートは、前記対向柱の上端面と前記ベースプレートの上面とに跨がって設けられ、前記対向柱と前記対向天井梁とを互いに連結しており、前記対向天井梁では、前記各分割梁の接合部分が前記ベースプレートの下方に設定されていることを特徴とする。
隣り合う第1ユニット及び第2ユニットにおいて、第1ユニットの天井大梁(対向天井梁)と第2ユニットの柱(対向柱)とが互いに対向して配置される場合、それら対向天井梁及び対向柱とを連結プレートを介して連結することが考えられる。ここで、一般に建物ユニットでは、柱の側面に天井大梁が連結されている関係で、天井大梁のフランジ上面が柱の上端面よりも低い位置に設定されている。このため、互いに対向する対向天井梁及び対向柱においては、対向天井梁のフランジ上面と対向柱の上端面との間に所定の段差が生じることが考えられる。したがって、対向天井梁と対向柱とを連結プレートにより連結するにあたっては、まず上記段差を解消すべく、対向天井梁のフランジ上面にベースプレートを載置し、それから、そのベースプレートの上面と対向柱の上端面とに跨がって連結プレートを設けることが考えられる。
そして、本発明では、このように対向天井梁と対向柱とが連結される構成にあって、上記段差解消のために用いられるベースプレートの下方に対向天井梁の各分割梁の接合部分を設定している。これにより、かかるベースプレートを各分割梁の溶接に際し裏当て材として用いることができるため、上記第1の発明と同様の効果を得ることが可能となる。
第3の発明のユニット式建物の梁接合構造は、第2の発明において、前記ユニット式建物では、前記第1ユニットが前記対向天井梁の長手方向に前記第2ユニットよりも張り出して設けられていることで、その張出部と前記第2ユニットとの境界部に入隅部が形成されており、その入隅部において互いに対向する前記対向柱及び前記対向天井梁が前記連結プレートを介して連結されており、その連結プレートと前記対向天井梁との間に介在された前記ベースプレートの下方に前記各分割梁の接合部分が設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1ユニットにおいて第2ユニットよりも張り出した張出部と第2ユニットとの境界部に入隅部が形成され、その入隅部において互いに対向する対向柱及び対向天井梁が連結プレートを介して連結されている。そして、その連結プレートと対向天井梁との間に介在されたベースプレートの下方に各分割梁の接合部分が設定されている。この場合、各分割梁の接合部分が入隅部に存在することとなる。
ここで、各分割梁の接合部分では、梁(対向天井梁)の外面から溶接部(溶接ビード)がはみ出したり、裏当て材等、溶接に用いる部材が取り付けられたりすることが考えられる。このため、各分割梁の接合部分が建物の外周部に設定されると、例えば外壁を対向天井梁に取り付ける際、外壁が接合部分と干渉するおそれがある。また、各分割梁の接合部分が他の天井大梁と対向する位置に設定されると、天井大梁間に配設される配線や配管が接合部分と干渉するおそれがある。その点、本発明では、各分割梁の接合部分が入隅部に設定されているため、こうした干渉の問題を回避しながら、上記第1の発明の効果を得ることができる。
第4の発明のユニット式建物の梁接合構造は、第1乃至第3の発明において、前記各分割梁の間には継ぎプレートが挟まれており、その継ぎプレートを介して前記各分割梁が溶接により互いに接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、各分割梁の間に挟まれた継ぎプレートを介してそれら各分割梁が溶接により接合されている。この場合、各分割梁を継ぎプレートに突き合わせ溶接する等して、それら各分割梁を接合することが可能となる。これにより、各分割梁を強固に接合することが可能となる。
また、こうした構成では、各分割梁の接合部分が他の天井大梁と対向する位置に設定されると、天井大梁間に配設される配線や配管が継ぎプレートと干渉する可能性が高くなると考えられる。そこで、この点を鑑み、本発明を上記第3の発明に適用するようにしてもよい。そうすれば、継ぎプレートが入隅部に設定されることになるため、かかる干渉が生じるのを回避しながら上記の効果を得ることができる。
第5の発明のユニット式建物の梁接合構造は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記対向梁は、その長手方向の途中に屈曲部を有し、その屈曲部において前記各分割梁が互いに接合されることで構成されており、前記ベースプレートは、前記屈曲部に合わせて屈曲形成され、前記各分割梁の前記フランジ上に跨がって配置されていることを特徴とする。
大梁には、その途中に屈曲部を有しているものがある。かかる大梁では、その屈曲部において各分割梁が互いに接合されることで構成されることが考えられる。そこで本発明では、こうした屈曲部を有する対向梁上に、屈曲部に合わせて屈曲形成したベースプレートを各分割梁のフランジ上に跨がって配置している。この場合、屈曲部で分割された各分割梁を溶接するに際し、ベースプレートを裏当て材として用いることが可能となる。
第1の実施形態におけるユニット式建物の概要を示す平面図。 建物ユニットの構成を示す斜視図。 隣り合う建物ユニットの柱同士が連結された連結部分を示す平面図。 隣り合う建物ユニットの柱及び天井大梁が入隅部において連結された連結部分を示す平面図。 天井大梁上にベースプレートが設けられた状態を示す平面図。 柱と天井大梁とが連結された連結部分の構成を示す斜視図。 天井大梁を構成する各分割梁の接合部分周辺を示す正面図。 図5においてベースプレートを取り外した状態を示す平面図。 第2の実施形態におけるカットユニットが並設された構成を示す斜視図。 隣り合うカットユニットの各天井大梁が連結された連結部分の構成を示す平面図。 天井大梁の屈曲部周辺を溝部開放側から見た図。 第3の実施形態における建物ユニット及びカットユニットが並設された構成を示す斜視図。 建物ユニットの柱とカットユニットの天井大梁とが入隅部において連結された連結部分を示す平面図。
〔第1の実施形態〕
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、直方体状をなす複数の建物ユニットが互いに連結されることで構成されるユニット式建物において本発明を具体化している。図1はユニット式建物の概要を示す平面図であり、図2は建物ユニットの構成を示す斜視図である。以下においてはまず、建物ユニットの構成について図2に基づき説明する。
図2に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。この場合、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(枠体)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その溝部を水平方向の内側に向けて設置されている。また、天井大梁22(詳細には、そのウェブ22a)には、複数の箇所に梁貫通孔24が設けられている。なお、柱21、天井大梁22及び床大梁23はそれぞれ構造材に相当する。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。
続いて、ユニット式建物10の構成について図1に基づいて説明する。
図1に示すように、ユニット式建物10(以下、建物10という)は、横並びに設けられた複数(具体的には3つ)の建物ユニット20を備えて構成されている。建物10は、例えば平屋建てであり、各建物ユニット20の上方には図示しない屋根部が設けられている。なお、建物10は、二階建てや三階建て等、複数階建てであってもよい。また、図1では便宜上、建物ユニット20について枠体のみ示している。
建物10の外周部には外壁31が設けられている。外壁31は、建物10の外周部に沿って並べられた複数の外壁パネル32を有して構成されている。それら各外壁パネル32は、建物ユニット20の側面部に取り付けられている。また、図示は省略するが、外壁パネル32は、外壁面材とその裏面側に設けられた下地フレームとを有して構成されている。そして、その下地フレームが建物ユニット20の側面部(詳しくは天井大梁22及び床大梁23)に取り付けられている。なお、図1では便宜上、外壁31にハッチングを付して示している。
建物10を構成する各建物ユニット20(以下、建物ユニット20A~20Cともいう)は、それら各建物ユニット20A~20Cの短手方向(詳しくは平面視における短手方向)に横並びで配置されている。各建物ユニット20A~20Cのうち、建物ユニット20B,20Cは建物ユニット20Aよりも平面視における長手方向(以下、ユニット長手方向という)の長さが長くなっている。各建物ユニット20A~20Cは、互いの短辺側の一側面部を同一平面上に位置合わせした状態で配置されている。これにより、各建物ユニット20B,20Cは、その一部が建物ユニット20Aよりもユニット長手方向に張り出した張出部33となっている。隣り合う建物ユニット20A,20Bにおいては、建物ユニット20Bの張出部33と建物ユニット20Aとの境界部に入隅部34が形成されている。
隣り合う建物ユニット20の対向する各天井大梁22の間のスペースは配線や配管を配設するための配設スペース36として利用されている。この配設スペース36に配設される配線や配管は天井大梁22の梁貫通孔24を通じて建物ユニット20内に導かれる。
次に、隣り合う建物ユニット20の連結構造について図3に基づいて説明する。図3は、隣り合う建物ユニット20の柱21同士が連結された連結部分を示す平面図である。
図3に示すように、隣り合う建物ユニット20の対向する柱21同士はドッキングプレート38により連結されている。ドッキングプレート38は、平板状の金属製プレートであり、各柱21の上端部に跨がって設けられている。詳しくは、各柱21の上端部には平板状の柱頭プレート21aが設けられており、ドッキングプレート38はそれら各柱21の柱頭プレート21aの上に載置された状態で設けられている。
各柱21の柱頭プレート21aには上方に突出するようにスタッキングピン39が固定されている。ドッキングプレート38には、それらスタッキングピン39が挿通される複数の孔部41が設けられている。それら各孔部41にスタッキングピン39が挿通されることで、各柱21がドッキングプレート38を介して連結されている。
続いて、入隅部34における隣り合う建物ユニット20A,20Bの連結構造について説明する。図4は、隣り合う建物ユニット20A,20Bの柱21及び天井大梁22が入隅部34において連結された連結部分を示す平面図である。
図4に示すように、入隅部34においては、建物ユニット20Aの柱21と建物ユニット20Bの天井大梁22とが互いに対向して(換言すると隣接して)配置されている。それら対向する柱21及び天井大梁22はドッキングプレート38により連結されている。このドッキングプレート38は、上述した柱21同士を連結するドッキングプレート38と同じ構成であり、そのため、ここでは同じ符号を付してその説明を省略する。
なお、以下では、各建物ユニット20A,20Bの互いに対向する柱21及び天井大梁22のうち、柱21を柱21Aといい、天井大梁22を天井大梁22Bという。また、この場合、建物ユニット20Aが第2ユニットに相当し、建物ユニット20Bが第1ユニットに相当する。また、柱21Aが対向柱及び対向構造材に相当し、天井大梁22Bが対向天井梁及び対向梁に相当する。また、ドッキングプレート38が連結プレートに相当する。
ドッキングプレート38は、柱21Aの上端部と天井大梁22Bの上とに跨がって設けられている。ドッキングプレート38は、柱21A側では、その柱21Aの柱頭プレート21aの上面に載置された状態で設けられ、天井大梁22B側では、その天井大梁22Bの上にベースプレート43を介して設けられている。
ベースプレート43は、平板状に形成された矩形の金属製プレートであり、天井大梁22B(詳しくはその上フランジ22b)の上面に載置された状態で設けられている。図5は、天井大梁22B上にベースプレート43が設けられた状態を示す平面図であり、以下、図4に加え図5を参照しながら説明を行う。なお、図5は、図4においてドッキングプレート38を取り外した状態を示す図となっている。
図4及び図5に示すように、ベースプレート43は、天井大梁22Bの長手方向において柱21Aと同じ位置に配置されている。ベースプレート43は、その上面が柱21Aの上端面詳しくは柱頭プレート21aの上面と同じ高さ位置に設定されている。この点について詳しくは、建物ユニット20では、天井大梁22が柱21の側面に固定されている関係で天井大梁22の上面が柱21の上端面よりも低い位置にある。そのため、柱21の上端面と天井大梁22の上面との間には、上下方向の段差が生じている。そして、ベースプレート43は、この段差を埋めるべく、その厚みが当該段差の大きさと同じ大きさに設定されている。これにより、ベースプレート43が天井大梁22B上に載置された状態で、その上面が柱21Aの上端面と同じ高さ位置とされている。
ドッキングプレート38は、上述したように、柱21A側では、その柱21Aの上端面に重ねて設けられている。その一方で、ドッキングプレート38は、天井大梁22B側では、その天井大梁22上に載置されたベースプレート43の上面に重ねて設けられている。かかるドッキングプレート38の載置状態において、ドッキングプレート38の各孔部41のうち一方の孔部41には、柱21Aのスタッキングピン39が挿通されている(図6も参照)。また、他方の孔部41には、天井大梁22Bに固定されたスタッキングピン44が挿通されている。スタッキングピン44は、天井大梁22Bの上フランジ22bに上方に突出するようにして固定され、ベースプレート43に形成された孔部43aを通じて上方に延びている。このように、ドッキングプレート38の各孔部41にスタッキングピン39,44が挿通されていることで、柱21Aと天井大梁22Bとがドッキングプレート38を介して互いに連結されている。
続いて、天井大梁22Bの構成について図6~図8に基づいて説明する。図6は、柱21Aと天井大梁22Bとが連結された連結部分の構成を示す斜視図である。図7は、天井大梁22Bを構成する各分割梁46,47の接合部分周辺を示す正面図であり、その接合部分周辺を天井大梁22Bの溝部開放側から見ている。図8は、図5においてベースプレート43を取り外した状態を示す平面図である。
図6~図8に示すように、天井大梁22Bは、上下方向に延びるウェブ22aと、そのウェブ22aの上下両端部に接続された上フランジ22b及び下フランジ22cとを有する溝形鋼からなる。天井大梁22Bにおいて、ウェブ22a及び各フランジ22b,22cにより囲まれた内側は溝部22dとなっている。溝部22dは建物ユニット20Bの内側に向けて開口されている。なお、他の天井大梁22及び床大梁23も同様の構成を有している。また、上フランジ22bがフランジに相当する。
天井大梁22Bは、その長手方向に分割された複数の分割梁46,47を有している。天井大梁22Bは、これら各分割梁46,47が溶接により互いに接合されることで構成されている。各分割梁46,47が接合された接合部分48は入隅部34においてベースプレート43の下方に設定されている。この場合、ベースプレート43は、天井大梁22B上において上記接合部分48を跨いだ状態で配置され、換言すると各分割梁46,47の上フランジ22bの上面に跨がって配置されている。
各分割梁46,47の接合部分48は、隣り合う建物ユニット20を連結する際の境界線であるドッキングラインDL上に位置している。詳しくは、図8において、左右方向に延びるドッキングラインDL上に接合部分48が位置している。なお、このドッキングラインDLを挟んで建物ユニット20Aとは反対側には建物ユニット20が存在していないため、実際には、このドッキングラインDLは、建物ユニット20同士を連結する際のユニット境界線ではない。ただ、このドッキングラインDLは、仮に上記反対側に建物ユニット20が設けられる場合には建物ユニット20同士を連結する際のユニット境界線となる線であり、ここでは、そのような線を含めてドッキングラインDLと呼んでいる。
各分割梁46,47のうち、分割梁46は建物ユニット20Aと対向して配置されている。分割梁46は、その長手方向の長さが建物ユニット20Aの同方向の長さと略同じとなっている。また、分割梁46は、その長手方向の両端部がそれぞれ同方向において建物ユニット20Aの短辺側の各側面部と同じ位置に位置している。一方、分割梁47は、建物ユニット20Bの張出部33を構成している。分割梁47は、その長手方向の長さが張出部33の張出長さと略同じとなっている。
続いて、各分割梁46,47の接合に関する構成について説明する。
各分割梁46,47の間には継ぎプレート51が挟まれた状態で設けられている。継ぎプレート51は、矩形平板状の金属製プレートであり、各分割梁46,47の間に縦向きの状態で挟まれている。各分割梁46,47は、継ぎプレート51に溶接により接合されている。詳しくは、各分割梁46,47は、継ぎプレート51に突き合わせ溶接(完全溶け込み溶接)により接合されている。
分割梁46,47の端面と継ぎプレート51との間には溶接部53(溶接ビード)が入り込んでいる。この溶接部53は、分割梁46,47のウェブ22a及び各フランジ22b,22cに跨がって設けられている。これにより、分割梁46,47のウェブ22a及び各フランジ22b,22cがそれぞれ溶接部53を介して継ぎプレート51に接合されている。
各分割梁46,47を継ぎプレート51に溶接する際には、裏当て材55が用いられる。裏当て材55は、各分割梁46,47の内側(溝部22d)にそれぞれ設けられ、分割梁46,47と継ぎプレート51との境界部に配置されている。裏当て材55は、金属製の板材によりL字状に折り曲げ形成され、分割梁46,47のウェブ22aの内面に当接された縦板部55aと、下フランジ22cの内面に当接された横板部55bとを有する。
各裏当て材55は、分割梁46,47からはみ出して継ぎプレート51に当接した状態で配置されている。そして、各裏当て材55は、分割梁46,47に溶接により固定されている。この場合、分割梁46,47のウェブ22aと継ぎプレート51との間は縦板部55aにより梁内側から覆われ、分割梁46,47の下フランジ22cと継ぎプレート51との間は横板部55bにより梁内側から覆われている。これにより、分割梁46,47のウェブ22a及び下フランジ22cを継ぎプレート51に溶接する際には、各裏当て材55により裏当てをしながら梁外側から溶接を行うこととなる。
ここで、本実施形態では、各分割梁46,47を継ぎプレート51に溶接するに際し、上記裏当て材55の他に、ベースプレート43を裏当て材として用いることとしている。ベースプレート43は、上述したように、各分割梁46,47の上フランジ22b上に跨がって設けられている。この場合、ベースプレート43により、分割梁46の上フランジ22bと継ぎプレート51との間、及び、分割梁47の上フランジ22bと継ぎプレート51との間がそれぞれ梁外側から覆われた状態となっている。これにより、各分割梁46,47の上フランジ22bを継ぎプレート51に溶接する際には、ベースプレート43により裏当てをしながら梁内側から溶接を行うこととなっている。なお、ベースプレート43は、かかる溶接に伴い、各分割梁46,47に対してそれぞれ溶接固定される。
また、ベースプレート43は、天井大梁22Bの長手方向に長い長方形状をなしており、その幅W1が天井大梁22Bの幅W2よりも大きくされている(図5参照)。この場合、ベースプレート43により、分割梁46の上フランジ22bと継ぎプレート51との間の全域、及び、分割梁47の上フランジ22bと継ぎプレート51との間の全域がそれぞれ上方から覆われた状態となっている。これにより、各分割梁46,47の上フランジ22bを継ぎプレート51に溶接する際、ベースプレート43を裏当て材として好適に用いることが可能となっている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
隣り合う建物ユニット20A,20Bにおいては、建物ユニット20Aの柱21Aと建物ユニット20Bの天井大梁22Bとが互いに対向して配置されている。天井大梁22Bの上フランジ22b上には、その天井大梁22Bの長手方向における柱21Aと同位置にベースプレート43が載置されている。そして、そのベースプレート43の上面と柱21Aの上端面とに跨がってドッキングプレート38が載置された状態で設けられ、そのドッキングプレート38により、柱21A及び天井大梁22Bが互いに連結されている。
かかる連結構造を有する構成にあって、天井大梁22Bは、長手方向に分割された複数の分割梁46,47が溶接により接合されることで構成されている。そして、それら各分割梁46,47の接合部分48はベースプレート43の下方に設定されている。この場合、各分割梁46,47の接合部分48、特に各分割梁46,47の上フランジ22b間の接合部分がベースプレート43により上方から覆われた状態となる。そのため、各分割梁46,47を溶接により接合する際、少なくとも上フランジ22b間の溶接に際してはベースプレート43を裏当て材として用いることが可能となる。つまり、ドッキングプレート38による連結のために用いられるベースプレート43を裏当て材として用いることが可能となる。これにより、各分割梁46,47の溶接に際し用いる裏当て材の点数削減等を図ることができるため、複数の分割梁46,47を溶接により接合することで大梁を製造する場合にあって、構成の簡素化を図ることができる。
また、上記の実施形態では、各分割梁46,47のウェブ22a間の溶接、及び、各分割梁46,47の下フランジ22c間の溶接に際しては、L字状の裏当て材55を用いることとした。そして、各分割梁46,47の上フランジ22b間の溶接に際しては、上述のように、ベースプレート43を用いることとした。
ここで、裏当て材55を断面コ字状に形成することで、ウェブ22a間の溶接、及び、下フランジ22c間の溶接に加え、上フランジ22b間の溶接に際しても、裏当て材55を用いることが考えられる。しかしながら、コ字状の裏当て材55を形成する場合、裏当て材55をウェブ22a及び各フランジ22b,22cの内面にそれぞれ当接させて配置する必要があるため、裏当て材55を形成するに際し高い寸法精度が求められる。また、寸法精度が出ないと裏当て材55とウェブ22a及び各フランジ22b,22cとの間に隙間が発生してしまうため、裏当て材として用いるのが困難になってしまう。この点、L字状の裏当て材55と、ベースプレート43とをそれぞれ裏当て材として用いるようにした上記実施形態の構成では、かかる問題が生じるのを回避することができる利点もある。
建物ユニット20Bにおいて建物ユニット20Aよりも張り出した張出部33と建物ユニット20Aとの境界部に入隅部34が形成され、その入隅部34において互いに対向する柱21A及び天井大梁22Bがドッキングプレート38を介して連結されている。そして、そのドッキングプレート38と天井大梁22Bとの間に介在されたベースプレート43の下方に各分割梁46,47の接合部分48が設定されている。この場合、各分割梁46,47の接合部分48が入隅部34に存在することとなる。
ここで、各分割梁46,47の接合部分48では、天井大梁22Bの外面(例えばウェブ22aの外面)から溶接部53(溶接ビード)がはみ出したり、継ぎプレート51等、溶接に用いる部材が取り付けられたりすることが考えられる。このため、各分割梁46,47の接合部分48が建物10の外周部に設定されると、例えば外壁31(詳しくは外壁パネル)を天井大梁22Bに取り付ける際、外壁31が接合部分48と干渉するおそれがある。また、各分割梁46,47の接合部分48が他の天井大梁22と対向する位置に設定されると、天井大梁22間(配設スペース36)に配設される配線や配管が接合部分48と干渉するおそれがある。その点、上記の実施形態では、各分割梁46,47の接合部分48が入隅部34に設定されているため、こうした干渉の問題を回避しながら、上述した各種効果を得ることができる。
各分割梁46,47の間に挟まれた継ぎプレート51を介して各分割梁46,47が溶接により接合されている。具体的には、各分割梁46,47を継ぎプレート51に突き合わせ溶接することで、それら各分割梁46,47が互いに接合されている。これにより、各分割梁46,47を強固に接合することが可能となる。また、こうした構成にあって、各分割梁46,47の接合部分48が入隅部34に設定されているため、天井大梁22間の配設スペース36に配設される配線や配管が継ぎプレート51と干渉する事態が生じるのを回避することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態の建物では、斜線制限等の関係から、建物ユニット20として、天井部の一部を下向きに傾斜させたカットユニットが用いられている。図9には、そのカットユニットが並設された構成が示されており、以下においては、その図9に基づいて説明を行う。
図9に示すように、カットユニット60は、側面視において台形形状をなしており、詳しくはユニット短辺側から見て台形形状をなしている。カットユニット60はユニット長手方向に並んで複数設けられ、それらカットユニット60の上方には図示しない屋根部が形成されている。
カットユニット60は、四隅に配設された4本の柱61,62と、各柱61,62の上端部を連結する4本の天井大梁63,64と、各柱61,62の下端部を連結する4本の床大梁65とを備えている。そして、それら柱61,62、天井大梁63,64及び床大梁65により側面視台形形状の骨格(フレーム)が形成されている。なお、柱61,62、天井大梁63,64及び床大梁65がそれぞれ構造材に相当する。
各柱61,62のうち屋内側に配置された柱61は通常長さで形成された通常柱となっている。この柱61は、通常の建物ユニット20(図2に示す直方体状の建物ユニット20)の柱21と同じ長さを有している。それに対して、屋外側に配置された柱62は通常長さよりも短い長さで形成された短柱となっている。
各天井大梁63,64のうちカットユニット60の長辺側に配置された2本の天井大梁63はそれぞれ各柱61の上端部同士、及び各柱62の上端部同士を連結している。それに対してカットユニット60の短辺側に配置された2本の天井大梁64はその途中に屈曲部66を有し、水平方向に延びる水平部64aと、水平部64aに対して下方傾斜する向きに屈曲された傾斜部64bとを有している。これら各天井大梁64は、各柱61,62の上端部同士を連結しており、水平部64aが柱61に連結され、傾斜部64bが柱62に連結されている。各天井大梁63,64はいずれも断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部をユニット内側に向けて配置されている。
対向する各天井大梁64の屈曲部66の間には中間梁67が架け渡されている。その中間梁67と屋内側の天井大梁63との間には複数の天井小梁68が架け渡され、中間梁67と屋外側の天井大梁63との間には複数の天井小梁69が架け渡されている。また、カットユニット60の長辺側の対向する床大梁65の間には、複数の床小梁71が架け渡されている。
隣り合うカットユニット60において互いに対向する各天井大梁64は屈曲部66において連結されている。図10は、隣り合うカットユニット60の各天井大梁64が連結された連結部分の構成を示す平面図である。図11は、天井大梁64の屈曲部66周辺を溝部開放側から見た図である。以下、これら図10及び図11に基づいて、各天井大梁64の連結構成について説明する。なお、以下の説明では、隣り合うカットユニット60をそれぞれカットユニット60A,60Bといい、それらカットユニット60A,60Bの対向する天井大梁64をそれぞれ天井大梁64A,64Bという。この場合、例えばカットユニット60Aが第1ユニットに相当し、カットユニット60Bが第2ユニットに相当する。また、天井大梁64Aが対向天井梁に相当し、天井大梁64Bが対向構造材に相当する。
図10及び図11に示すように、天井大梁64は、ウェブ73、上フランジ74及び下フランジ75を有する溝形鋼からなる。天井大梁64において水平部64aと傾斜部64bとは屈曲部66において長手方向に分割されている。そして、天井大梁64は、それら水平部64a及び傾斜部64bが溶接により互いに接合されることで構成されている。なお、天井大梁64Aの水平部64a及び傾斜部64bがそれぞれ分割梁に相当する。
各天井大梁64A,64Bの上面にはベースプレート77が設けられている。ベースプレート77は、水平部64aの上フランジ74上に載置された水平板部77aと、傾斜部64bの上フランジ74上に載置された傾斜板部77bとを有している。ベースプレート77は、それら各板部77a,77bの境界部にて天井大梁64の屈曲部66に合わせて屈曲形成されている。なお、この場合、各ベースプレート77のうち、天井大梁64A上に載置されたベースプレート77が特許請求の範囲に記載された「ベースプレート」に相当する。
各ベースプレート77の上には連結プレート78が設けられている。連結プレート78は、矩形平板状をなし、各ベースプレート77の水平板部77aの上面に跨がって設けられている。なお、図11では、連結プレート78の図示を省略している。
各天井大梁64A,64Bの水平部64aには、その上フランジ74に上方に突出するスタッキングピン81が固定されている。これらのスタッキングピン81は連結プレート78に形成された孔部82に挿通されている。これにより、連結プレート78を介して各天井大梁64A,64Bが互いに連結されている。
ベースプレート77は、水平部64aと傾斜部64bとが接合された接合部分84を跨いで設けられている。接合部分84は、上記第1の実施形態の接合部分48と同様の構成となっている。すなわち、水平部64aと傾斜部64bとの間には継ぎプレート85が挟まれており、その継ぎプレート85に水平部64a及び傾斜部64bが溶接(突き合わせ溶接)により接合されている。また、その溶接に際し用いられる裏当て材86が設けられているとともに、ベースプレート77が裏当て材として用いられるようになっている。これにより、本実施形態においても、水平部64aと傾斜部64bとを溶接により接合するに際し、ベースプレート77を裏当て材として利用することで構成の簡素化を図ることができる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態の建物では、カットユニット60と直方体状の建物ユニット20とが並設されており、図12には、それら各ユニット20,60が並設された構成が示されている。以下、この図12に基づいて、本実施形態の構成について説明する。なお、建物ユニット20については、上記第1実施形態のものと同じ構成であり、カットユニット60については、上記第2の実施形態のものと同じ構成であるため、これら各ユニット20,60の詳細な説明については割愛する。
図12に示すように、カットユニット60と建物ユニット20とはそれら各ユニット20,60のユニット長手方向(平面視における長手方向)に並んで設けられている。カットユニット60は、上述したように、側面視にて(詳しくはユニット短辺側から見て)台形形状をなしている。この場合、カットユニット60は、側面視にて矩形形状をなす矩形ユニット部60aと、側面視にて台形形状をなす台形ユニット部60bとを有している。これら各ユニット部60a,60bはユニット短手方向(平面視における短手方向)に並んでおり、各ユニット部60a,60bの境界部には中間梁67が配置されている。
カットユニット60は、そのユニット短手方向の長さが建物ユニット20よりも長くなっている。詳しくは、カットユニット60は、その矩形ユニット部60aのユニット短手方向の長さが建物ユニット20のユニット短手方向の長さと同じとなっている。カットユニット60は、矩形ユニット部60aの長辺側の側面部を建物ユニット20の長辺側の側面部と同一平面上に位置合わせした状態で配置されている。これにより、カットユニット60は、その一部、詳しくは台形ユニット部60bが建物ユニット20よりもユニット短手方向に張り出した張出部91となっている。隣り合う建物ユニット20及びカットユニット60においては、この張出部91と建物ユニット20との境界部に入隅部92が形成されている。
入隅部92においては、建物ユニット20の柱21とカットユニット60の短辺側の天井大梁64とが互いに対向して配置されている。この場合、建物ユニット20の柱21は、天井大梁64の長手方向において、その天井大梁64の屈曲部66と同じ位置に位置している。なお、この場合、カットユニット60が第1ユニットに相当し、建物ユニット20が第2ユニットに相当する。また、天井大梁64が対向天井梁に相当し、柱21が対向柱に相当する。
入隅部92において対向する柱21及び天井大梁64は互いに連結されている。以下、この連結構成について図13に基づいて説明する。図13は、入隅部92において柱21と天井大梁64とが連結された連結部分の構成を示す平面図である。
図13に示すように、天井大梁64の上面にはベースプレート77が設けられている。ベースプレート77は、その構成及び天井大梁64上への設置構成が上記第2の実施形態と同じであるため(図11参照)、その説明を割愛する。つまり、ベースプレート77は、水平部64aの上フランジ74上に載置された水平板部77aと、傾斜部64bの上フランジ74上に載置された傾斜板部77bとを有している。したがって、本実施形態においても、ベースプレート77は、水平部64aと傾斜部64bとが接合された接合部分84を跨いで設けられており、それら水平部64aと傾斜部64bとを溶接により接合するに際し、ベースプレート77を裏当て材として用いることで構成の簡素化を図ることが可能となっている。
ベースプレート77の水平板部77aの上面と建物ユニット20の柱21の上端面(柱頭プレート21aの上面)とは同じ高さ位置に設定されている。そして、ベースプレート77の水平板部77aの上面と建物ユニット20の柱21の上端面とに跨がってドッキングプレート38が載置された状態で設けられている。このドッキングプレート38により互いに対向する天井大梁64及び柱21が連結されている。詳しくは、ドッキングプレート38の各孔部41には柱21のスタッキングピン39と天井大梁64のスタッキングピン81とがそれぞれ挿通されており、それにより、天井大梁64及び柱21がドッキングプレート38を介して連結されている。
〔他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記第2の実施形態では、隣り合う建物ユニット(詳しくはカットユニット60)の対向する天井大梁64A,64B同士を連結プレート78を介して連結したが、例えば隣り合う建物ユニットの対向する床大梁同士を連結プレートを介して連結することも考えられる。この場合にも、各床大梁の上フランジ上にそれぞれベースプレートを載置し、それら各ベースプレートの上面に跨がって連結プレートを設けることが考えられる。そこで、こうした構成にあって、床大梁を複数の分割梁を溶接により互いに接合することで構成し、それら各分割梁の接合部分をベースプレートの下方に設定するようにしてもよい。その場合にも、各分割梁の溶接に際し、ベースプレートを裏当て材として用いることが可能となる。
・上記第1の実施形態では、各分割梁46,47の間に継ぎプレート51を介在させ、その継ぎプレート51を介してそれら各分割梁46,47を溶接により接合したが、継ぎプレート51は必ずしも用いる必要はなく、例えば各分割梁46,47の端面同士を突き合わせた状態でそれら各分割梁46,47を溶接により接合してもよい。
また、各分割梁46,47を溶接するに際しては、必ずしも突き合わせ溶接で行う必要はなく、隅肉溶接等、他の溶接方法を採用してもよい。
・上記実施形態では、溝形鋼からなる天井大梁22B(対向梁に相当)に本発明の接合構造を適用したが、例えばI形鋼やH形鋼等、他の形鋼からなる天井大梁に本発明を適用してもよい。
10…建物、20…建物ユニット、20A…第2ユニットとしての建物ユニット、20B…第1ユニットとしての建物ユニット、21…構造材としての柱、21A…対向構造材及び対向柱としての柱、22…構造材としての天井大梁、22a…ウェブ、22b…フランジとしての上フランジ、22B…対向梁及び対向天井梁としての天井大梁、23…構造材としての床大梁、33…張出部、34…入隅部、39…連結プレートとしてのドッキングプレート、43…ベースプレート、46,47…分割梁、48…接合部分、51…継ぎプレート、60A…第1ユニットとしてのカットユニット、60B…第2ユニットとしてのカットユニット、64a…分割梁としての水平部、64b…分割梁としての傾斜部、64A…対向天井梁としての天井大梁、64B…対向構造材としての天井大梁、66…屈曲部、77…ベースプレート、78…連結プレート。

Claims (4)

  1. 柱及び大梁をそれぞれ構造材として有しているとともに、前記大梁は上下に延びるウェブとそのウェブの上端部に接続されたフランジとを有する形鋼からなる建物ユニットを備え、その建物ユニットが複数組み合わされることにより構築されるユニット式建物に適用され、
    前記建物ユニットとして、横並びで隣り合うとともに、いずれも直方体状に形成された第1ユニット及び第2ユニットを備え、
    前記第1ユニットは、前記大梁として、前記第2ユニットと対向して設けられる対向梁を有し、
    前記第2ユニットは、前記構造材として、前記対向梁と対向して設けられる対向構造材を有し、
    前記対向梁の前記フランジ上に載置され、当該対向梁の長手方向において前記対向構造材と同じ位置に配置された平板状のベースプレートと、
    前記ベースプレート及び前記対向構造材の上に跨がって設けられ、前記対向梁と前記対向構造材とを連結する連結プレートとを備え、
    前記対向梁は、その長手方向に分割された複数の分割梁が溶接により互いに接合されることで構成されており、
    前記各分割梁の接合部分は前記ベースプレートの下方に設定されていることを特徴とするユニット式建物の梁接合構造。
  2. 前記各建物ユニットでは、前記柱の側面に前記大梁としての天井大梁が連結されていることで前記天井大梁の前記フランジの上面が前記柱の上端面よりも低い位置に設定されており、
    前記対向梁は、前記第2ユニットと対向する前記天井大梁である対向天井梁であり、
    前記対向構造材は、前記対向天井梁と対向する前記柱である対向柱であり、
    前記ベースプレートは、前記対向天井梁の前記フランジ上に載置され、その上面が前記対向柱の上端面と同じ高さ位置に設定されており、
    前記連結プレートは、前記対向柱の上端面と前記ベースプレートの上面とに跨がって設けられ、前記対向柱と前記対向天井梁とを互いに連結しており、
    前記対向天井梁では、前記各分割梁の接合部分が前記ベースプレートの下方に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のユニット式建物の梁接合構造。
  3. 前記ユニット式建物では、前記第1ユニットが前記対向天井梁の長手方向に前記第2ユニットよりも張り出して設けられていることで、その張出部と前記第2ユニットとの境界部に入隅部が形成されており、
    その入隅部において互いに対向する前記対向柱及び前記対向天井梁が前記連結プレートを介して連結されており、
    その連結プレートと前記対向天井梁との間に介在された前記ベースプレートの下方に前記各分割梁の接合部分が設定されていることを特徴とする請求項2に記載のユニット式建物の梁接合構造。
  4. 前記各分割梁の間には継ぎプレートが挟まれており、その継ぎプレートを介して前記各分割梁が溶接により互いに接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のユニット式建物の梁接合構造。
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