JPH1180315A - エポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物及びその製造方法

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JPH1180315A
JPH1180315A JP25606697A JP25606697A JPH1180315A JP H1180315 A JPH1180315 A JP H1180315A JP 25606697 A JP25606697 A JP 25606697A JP 25606697 A JP25606697 A JP 25606697A JP H1180315 A JPH1180315 A JP H1180315A
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fluorine
compound
epoxidized
general formula
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JP25606697A
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English (en)
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Yasunori Sakano
安則 坂野
Hirobumi Kinoshita
博文 木下
Yasushi Yamamoto
靖 山本
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副反応を伴わない含フッ素ポリエーテル末端
へのエポキシ基の定量的な導入により得られる新規なエ
ポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】式(1):Z-SiR1R2-W-Y-Rf-Y-W-SiR1R2-Z(R
fはパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロ
ポリエーテル基、Zはエポキシ基含有1価有機基、R1
R2は置換可能な1価炭化水素基、WはC2以上の2価ア
ルキレン基、Yは2価のブリッジ基)のエポキシ化含フ
ッ素ポリエーテル化合物は、式(2):Q-Y-Rf-Y-Q (Rf、Y
は前述のとおり、Qはアルケニル基含有有機基)のオレ
フィン性含フッ素化合物と式(3): 【化1】 (R3、R4は置換可能な1価炭化水素基、R5〜R7は水素原
子又は置換可能な1価炭化水素基、jは1〜3、Uはj
+1価のブリッジ基)のSi-H基含有エポキシ化合物とを
ヒドロシリル化反応させて得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子の両末端に2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ化含フッ素ポリエ
ーテル化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より含フッ素ポリエーテルはその優
れた熱的安定性、化学的安定性、光学特性を利用するた
め、分子末端に複数の反応性基を導入することにより、
架橋剤と組み合わせて硬化性組成物の原料として使用さ
れている。含フッ素ポリエーテル末端に導入する反応性
基については、例えば米国特許第4094911号明細書に示
されるように、ビニル基、アリル基、アミノ基、水酸
基、アクリロイル基、メタクリロイル基、シアノ基、エ
ポキシ基など種々のものが検討されてきた。中でもエポ
キシ基は、他の反応性基に比べ架橋反応可能な化合物に
対する選択肢が広く、また自己重合性も期待できること
から、硬化性の制御、及び得られる硬化物の物性を顕著
に向上させることが予想される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに検
討されてきた、含フッ素ポリエーテル末端へのエポキシ
基の導入法は、米国特許第4094911号又は特開平1-21694
8に記載されるような水酸基を有する含フッ素ポリエー
テルと、エピクロロヒドリン又は下式:
【0004】
【化6】
【0005】(但し、Xはハロゲン、kは2〜8の整
数)で示されるようなハロゲンを有するエポキシアルキ
ルとを水酸化ナトリウム等の強アルカリの存在下で反応
させる方法に限られている。また、この反応ではエポキ
シ基の開環と閉環が起こるため、1級及び2級のアルコ
ールが副生成物として残存し、定量的なエポキシ基の導
入は難しい。特に分子量の大きい含フッ素ポリエーテル
を用いた場合、蒸留による精製が不可能であるため、定
量的にエポキシ基が導入された精製品を得るのは困難で
ある。
【0006】従って本発明は、副反応を伴わない含フッ
素ポリエーテル末端へのエポキシ基の定量的な導入によ
り得られる新規なエポキシ化含フッ素ポリエーテル化合
物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するために鋭意検討を重ねた結果、エポキシ基の導入
にヒドロシリル化反応を利用すると、含フッ素ポリエー
テル化合物に、副反応の開環反応を伴わずに定量的にエ
ポキシ基が導入されることを知見し、本発明を完成する
に至った。
【0008】即ち、本発明は下記一般式(1): Z-SiR1R2-W-Y-Rf-Y-W-SiR1R2-Z (1) (式中、Rfは2価のパーフルオロアルキレン基又は2価
のパーフルオロポリエーテル基を示し、Zは1個以上の
エポキシ基を有する1価の有機基であり、R1及びR2は各
々置換又は非置換の1価炭化水素基、Wは炭素数2以上
の2価のアルキレン基であり、Yは2価のブリッジ基で
ある。)で表される、末端に少なくとも2個のエポキシ
基を有する新規なエポキシ化含フッ素ポリエーテル化合
物である。
【0009】本発明の他の一つは、下記一般式(2): Q-Y-Rf-Y-Q (2) (式中、Rfは2価のパーフルオロアルキレン基又は2価
のパーフルオロポリエーテル基、Qは1個以上のアルケ
ニル基を有する有機基、Yは2価のブリッジ基であ
る。)で表される、末端に少なくとも2個のアルケニル
基を有する含フッ素化合物と、下記一般式(3):
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R3及びR4は各々置換又は非置換の
1価炭化水素基であり、R5、R6及びR7は各々水素原子、
又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、jは
1〜3の整数、Uはj+1価のブリッジ基である。)で
表されるSi-H基含有エポキシ化合物とをヒドロシリル化
反応させることを特徴とする前記一般式(1)のエポキ
シ化含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明について、さらに詳述
する。エポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物 本発明のエポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物は前記
一般式(1)で表される新規化合物である。一般式
(1)において、Rfは2価のパーフルオロアルキルキレ
ン基又は2価のパーフルオロポリエーテル基である。特
に2価のパーフルオロアルキレン基としては -(CF2)m- (但し、mは1〜10、好ましくは2〜6の整数である)
で示されるものが好ましく、また2価のパーフルオロポ
リエーテル基としては下記式で示されるものが望まし
い。
【0013】
【化8】 (但し、Xはフッ素原子又は-CF3基であり、またp、q
はp≧1の整数、 q≧1の整数であるが、2≦p+q
≦200、特に2≦p+q≦110を満足しなければならな
い。またrは0≦r≦6の整数である。)
【0014】
【化9】 (但し、rは0≦r≦6の整数であり、また、s、t
はs≧0の整数、t≧0の整数であるが、0≦s+t≦
200、特に2≦s+t≦110を満足しなければならな
い。)
【0015】
【化10】 (但し、Xはフッ素原子又は-CF3基であり、またuは1
≦u≦100の整数、vは1≦v≦100の整数である。) -CF2CF2(OCF2CF2CF2)wOCF2CF2− (但し、wは1≦w≦100の整数である。) Rfの具体的としては、下記のものが挙げられる。なお、
各式において、n,mはいずれも整数である。
【0016】
【化11】 中でも好ましいRfは
【0017】
【化12】 (但し、n,mはn≧1の整数、 m≧1の整数で、且
つn+m=2〜200)である。
【0018】一般式(1)において、Zは1個以上のエ
ポキシ基を有する1価の有機基であって、例えば下記一
般式
【0019】
【化13】 (但し、a、b、cは1以上、好ましくは2〜6の整数
である。)等が挙げられるが、好ましくは
【0020】
【化14】 (a、bは前述の通り)である。
【0021】一般式(1)において、 R1及びR2は各々
置換又は非置換の1価炭化水素基であり、炭素数1〜1
2で脂肪族不飽和結合を含まないものが好ましく、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシク
ロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナ
フチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル
基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;あるいはこ
れら基の水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子等で
置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロ
ピル基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6
−ノナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。中
でも好ましいものはメチル基である。
【0022】一般式(1)において、Wは炭素数2以上
の2価のアルキレン基であり、例えばエチレン基、プロ
ピレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、ヘキ
サメチレン基等が挙げられるが、好ましくはエチレン基
である。また、一般式(1)において、Yは2価のブリ
ッジ基であり、例えば下記式で示されるような基が挙げ
られる。 -CH2-, -CH2O-, -CH2OCH2-, -NR8SO2-, -CONR8-,-
CH2OSO2-, -NR8SO2-V-, -CONR8-V-, -CH2OSO2-V-
【0023】上式中、R8は水素原子又は置換又は非置換
の1価炭化水素基である。この1価炭化水素基として
は、炭素数1〜12で且つ脂肪族不飽和結合を含まないも
のが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の
アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベン
ジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のア
ラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の少なくとも
一部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換し
たクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル
基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノ
ナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。中でも
好ましい1価炭化水素基はメチル基である。また、Vは
-CH2-、又は各々オルソ、メタ又はパラ位に結合する
【0024】
【化15】 (但し、R10、R11は各々置換又は非置換の1価炭化水素
基を表す。)
【0025】である。なお、R10、R11の具体例として
は、R1と同様なものが挙げられる。中でも好ましいもの
はメチル基である。以上のような2価のブリッジ基Yの
中でも好ましいものは、Vが
【0026】
【化16】 である-CONR8-V-である。
【0027】エポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物の
製造方法 本発明のエポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物は、前
記一般式(2)で表される、末端に少なくとも2個のアル
ケニル基を有する含フッ素化合物と、前記一般式(3)で
表されるSi-H基含有エポキシ化合物とをヒドロシリル化
反応させることにより製造される。
【0028】一般式(2)において、Rfは2価のパーフル
オロアルキレン基又は2価のパーフルオロポリエーテル
基であり、詳細は一般式(1)のRfで説明したとおりで
ある。一般式(2)において、Yは2価のブリッジ基であ
り、詳細は一般式(1)のYで説明したとおりである。
【0029】一般式(2)において、Qは1個以上のアル
ケニル基を有する有機基であり、このような有機基は、
ヒドロシリル化反応の対象となるアルケニル基を1個以
上持つものであれば、どのようなものも使用できるが、
中でもCH2=CH-, CH2=CH-CH2-等が好ましく、特にCH2=C
H-が好ましい。含フッ素ポリエーテル末端へのこれら反
応性基(有機基Q)の導入は、米国特許4094911号明細
書或いは本出願人の出願に係る特開平8-198926号に示さ
れるように、酸フルオライド末端でのアミド化反応を利
用することにより、定量的に行うことができる。
【0030】一方、一般式(3)において、 R3及びR4
は各々置換又は非置換の1価炭化水素基である。 この
ような1価炭化水素基の具体例としては、R1と同様なも
のが挙げられる。中でも好ましものはメチル基である。
一般式(3)において、R5、R6及びR7は各々水素原子、
又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基、好ましくは
水素原子である。この1価炭化水素基の具体例として
は、 R1と同様なものが挙げられる。一般式(3)にお
いて、jは1〜3の整数(好ましくは1)、Uはj+1
価のブリッジ基である。Uのブリッジ基の具体例として
は、
【0031】
【化17】 (但し、dは2〜6の整数、e及びfは0又は1、R12,
R13はR1と同様の1価炭化水素基を表す。)等が挙げら
れる。中でもR12, R13が共にメチル基である
【0032】
【化18】 (a、bは前述の通り)が好ましい。
【0033】エポキシ基の導入試薬である一般式(3)のS
i-H基含有エポキシ化合物については、Si-H基を有する
エポキシ化合物であれば、どのようなものも使用できる
が、例えばR5、 R6及び R7が水素原子であるようなビニ
ル基含有エポキシ化合物と、Si-Hを複数個有する化合物
とのヒドロシリル化反応により簡便に合成される化合物
が挙げられる。この方法を用いて合成できるSi-H基含有
エポキシ化合物としては次のようなものが挙げられる。
【0034】
【化19】 (但し、a、b、cは1以上、好ましくは2〜6の整数
である。)
【0035】ここで、一般式(2)の含フッ素化合物(末
端に少なくとも2個のアルケニル基を有する)と一般式
(3)のSi-H基含有エポキシ化合物とのヒドロシリル化反
応は、前者のオレフィン性含フッ素化合物に対して後者
のSi-H基含有エポキシ化合物を等量以上使用し、白金触
媒等の付加反応触媒の存在下に反応(付加反応)させる
ことより行われる。
【0036】ヒドロシリル化反応の触媒としては公知の
もの、即ち、周期律表第VIII族元素又はこれら元素を有
する化合物が好適に使用できる。具体的には塩化白金酸
(米国特許第3220972号)、塩化白金酸とオレフィンと
の錯体(米国特許第3159601号、同第3159662号、同第37
75452号)、白金黒、パラジウム、ロジウム−オレフィ
ン錯体、ウィルキンソン触媒等が挙げられる。錯体の場
合は、中性化処理した後、エーテル系、トルエン系等の
有機溶媒に希釈して用いることが好ましい。上記触媒の
使用量はいわゆる触媒量でよく、通常、単金属換算でSi
-H基含有エポキシ化合物に対し、1〜1,000ppm、特に10
〜500ppmになる量に添加することが好ましい。
【0037】なお、ヒドロシリル化反応に際しては、反
応に影響を与えない範囲内で各成分を有機溶媒に溶解又
は分散して使用することができる。この場合、有機溶媒
が各成分及び反応物を溶解し、均一に分散させることが
可能である場合には、反応の進行を円滑に行うことがで
きるので有用である。このような有機溶媒としては、例
えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、石油
エーテル、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエー
テル、n−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケ
トン、ジブチルケトン、酢酸エチル等のケトン系溶媒;
メチレンクロライド、クロルベンゼン、クロロホルム等
の塩素化炭化水素系溶媒;アセトニトリル等のニトリル
系溶媒;トリフルオロベンゼン、1,3−ビストリフル
オロメチルベンゼン等のフッ素系溶媒などが挙げられ
る。これらは必要に応じて1種単独で又は2樽以上組み
合わせて使用することができる。ヒドロシリル化反応の
反応条件は特に制限されないが、反応温度は50〜150℃
が好ましく、さらに好ましくは60〜120℃である。
【0038】エポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物の
用途 本発明の新規なエポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物
は、架橋剤と組み合わせて硬化性組成物の原料として使
用される。また、組成物の硬化物は含フッ素ポリエーテ
ル化合物の熱的安定性、化学的安定性、光学特性を利用
した用途、例えば電気・電子部品、自動車や航空機のシ
ール、ガスケット、ダイヤフラム、コネクター等に好適
である。
【0039】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。実施例1 1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン124gをベン
ゼン124gに溶解した溶液に、塩化白金酸を1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンで変
性した触媒のトルエン溶液(i)(白金濃度0.5重量%)0.
10gを50℃で加えた。この溶液に1,2−エポキシ−5
−ヘキセン42.5gを80℃で滴下した。この温度で2時間
攪拌した後、沸点が91〜93℃/3mmHgの常温で無色透明
の液状化合物72.4g(収率72.6%)を単離した。この化
合物のIRスペクトル(図1参照)及び1H-NMRスペクトル
より、ビニル基は完全に消失しており、この化合物の構
造は
【0040】
【化20】
【0041】であることが確認された。 IR: 905cm-1 エポキシ基 2119cm-1 Si-H 3043cm-1 エポキシ基 1H-NMR:
【0042】
【化21】 次に、本出願人の出願に係る特開平8-198926号に記載の
処方に従って合成した下記化合物(D):
【0043】
【化22】 [但し、Rf1は下記式(4):
【0044】
【化23】 (但し、p,qはp≧1の整数、 q≧1の整数で、且つp
+q=100)を表す。]
【0045】500gを1,3−ビストリフルオロメチルベ
ンゼン500gに溶解し、これに前記触媒のトルエン溶液
(i) 0.03gを50℃で添加した後、前記化合物(C) 15gを1
時間で滴下した。得られた混合液を90℃で6時間反応さ
せた後、100℃で溶媒及び過剰の化合物(C)を除去した。
次いで反応生成物をパーフルオロ−2−ブチルテトラヒ
ドロフラン 500gで希釈した溶液に活性炭30gを加え20時
間攪拌した後、濾過し濃縮して、無色透明の液状化合物
480gを得た。粘度20380cSt、屈折率1.31975。得られた
化合物はIRスペクトル(図2参照)及び1H-NMRスペクト
ルから、次のような構造を持つことが判った。
【0046】
【化24】 (Rf1は前述の通り)1 H-NMR:
【0047】
【化25】
【0048】実施例2 1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン134gをベン
ゼン134gに溶解した溶液に、塩化白金酸を1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンで変
性した触媒のトルエン溶液(i)(白金濃度0.5重量%)0.
10gを50℃で加えた。この溶液にアリルグリシジルエー
テル57.0gを80℃で滴下した。この温度で2時間攪拌し
た後、沸点が127℃/10mmHgの常温で無色透明の液状化
合物62.4g(収率50.0%)を単離した。この化合物のIR
スペクトル(図3参照)及び1H-NMRスペクトルより、ビ
ニル基は完全に消失しており、この化合物の構造は
【0049】
【化26】
【0050】であることが確認された。 IR: 838cm-1 エポキシ基 2119cm-1 Si-H 3050cm-1 エポキシ基 1H-NMR:
【0051】
【化27】
【0052】次に、実施例1で合成した化合物(D)500g
を1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン500gに溶解
し、これに前記触媒のトルエン溶液(i) 0.03gを50℃で
添加した後、前記化合物(E) 16.5gを1時間で滴下し
た。得られた混合液を90℃で6時間反応させた後、100
℃で溶媒及び過剰の化合物(E)を除去した。次いで反応
生成物をパーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン
500gで希釈した溶液に活性炭30gを加え20時間攪拌した
後、濾過し濃縮して、無色透明の液状化合物460gを得
た。粘度27158cSt、屈折率1.32153。得られた化合物はI
Rスペクトル(図4参照)及び1H-NMRスペクトルから、次
のような構造を持つことが判った。
【0053】
【化28】 (Rf1は前述の通り)
【0054】IR: 840cm-1 エポキシ基 1697cm-1 カルボニル基 3054cm-1 エポキシ基1 H-NMR:
【0055】
【化29】
【0056】
【発明の効果】本発明の製造方法により、エポキシアル
カン、グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル等の各種構造のエポキシ基を定量的に含フッ素ポリエ
ーテルに導入した新規なエポキシ化含フッ素ポリエーテ
ル化合物を得ることができる。このエポキシ化含フッ素
ポリエーテル化合物は、架橋剤と組み合わせて硬化性組
成物の原料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で合成したSi-H基含有エポキシ化合
物のIRスペクトル図である。
【図2】 実施例1で合成したエポキシ化含フッ素ポリ
エーテル化合物のIRスペクトル図である。
【図3】 実施例2で合成したSi-H基含有のグリシジル
エーテル化合物のIRスペクトル図である。
【図4】 実施例2で合成したエポキシ化含フッ素ポリ
エーテル化合物のIRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 靖 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): Z-SiR1R2-W-Y-Rf-Y-W-SiR1R2-Z (1) (式中、Rfは2価のパーフルオロアルキレン基又は2価
    のパーフルオロポリエーテル基を示し、Zは1個以上の
    エポキシ基を有する1価の有機基であり、R1及びR2は各
    々置換又は非置換の1価炭化水素基、Wは炭素数2以上
    の2価のアルキレン基であり、Yは2価のブリッジ基で
    ある。)で表される、末端に少なくとも2個のエポキシ
    基を有するエポキシ化含フッ素ポリエーテル化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、 Rfが 【化1】 (但し、n,mはn≧1の整数、 m≧1の整数で、且
    つn+m=2〜200)であり、 Zが 【化2】 又は 【化3】 であり、 R1及び R2が各々メチル基であり、 Wがエチレ
    ン基であり、またYが 【化4】 である請求項1に記載のエポキシ化含フッ素ポリエーテ
    ル化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2): Q-Y-Rf-Y-Q (2) (式中、Rfは2価のパーフルオロアルキレン基又は2価
    のパーフルオロポリエーテル基、Qは1個以上のアルケ
    ニル基を有する有機基、Yは2価のブリッジ基であ
    る。)で表される、末端に少なくとも2個のアルケニル
    基を有する含フッ素化合物と、下記一般式(3): 【化5】 (式中、R3及びR4は各々置換又は非置換の1価炭化水素
    基であり、R5、R6及びR7は各々水素原子、又は置換もし
    くは非置換の1価炭化水素基であり、jは1〜3の整
    数、Uはj+1価のブリッジ基である。)で表されるSi
    -H基含有エポキシ化合物とをヒドロシリル化反応させる
    ことを特徴とする請求項1のエポキシ化含フッ素ポリエ
    ーテル化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2)においてQがCH2=CH-基であ
    り、また一般式(3)においてjが1であり、且つR5 、R6
    及びR7が各々水素原子である請求項2に記載のエポキシ
    化含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。
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