JPH1176239A - 超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置 - Google Patents

超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置

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JPH1176239A
JPH1176239A JP9237968A JP23796897A JPH1176239A JP H1176239 A JPH1176239 A JP H1176239A JP 9237968 A JP9237968 A JP 9237968A JP 23796897 A JP23796897 A JP 23796897A JP H1176239 A JPH1176239 A JP H1176239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の振動子をアレイ状に配列した超音波プ
ロ−ブにおいて、信号レベルを低下させずに、従来より
も広範囲のドプラリファレンス周波数を設定できる広帯
域特性の超音波プロ−ブを提供する。 【解決手段】 複数の振動子をアレイ状に配列した超音
波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
の振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
る透過率が0. 1未満の圧電単結晶からなる部分1aを
5%以上、30%未満有する圧電体1を含む超音波プロ
−ブを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波診断装置、
探傷装置などに用いられる超音波プロ−ブ及びこれを用
いた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波プロ−ブが用いられた超音波画像
装置には人体内部を検査する為の医用診断装置や、金属
構造物内部の欠陥を検査する為の探傷装置などがある。
このうち医用診断装置では、人体の断層像(Bモ−ド
像)に加え、超音波の血流によるドプラシフトにより血
流速度を2次元カラ−表示するカラ−フロ−マッピング
(CFM)法が開発されている。超音波プロ−ブの中心
周波数はその診断対象によって様々に設計されている
が、このBモ−ド像を得るためのプロ−ブの中心周波数
と、CFM像を得るドプラモ−ドの為の周波数(ドプラ
リファレンス周波数)は、例えば前者が3.75MHz 、
後者が2.5MHz と2種の異なる周波数を設定する場合
がある。
【0003】超音波プロ−ブの最大感度、すなわち反射
エコ−の信号レベルが最大になるのは、Bモ−ド像を得
る為の周波数領域、前記の例では3.75MHz 近傍に設
定してあり、従ってドプラモ−ドでのドプラリファレン
ス周波数、前記の例では2.5MHz での信号レベルは小
さくなる。また、ドプラモ−ドでは微小な血球からの反
射エコ−を利用しているため、得られる信号レベルはさ
らに小さくなる傾向がある。
【0004】そのため、超音波プロ−ブにはBモ−ド像
の為の周波数のみならずドプラリファレンス周波数でも
大きな信号レベルが得られるものが望ましい。言い替え
れば広帯域な特性を持つプロ−ブが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、超音波
プロ−ブは広い周波数領域に渡って大きな信号レベルが
得られるものが望ましい。超音波プロ−ブの広帯域化を
図る手段として、超音波送受信素子の残留振動を抑制す
る為に素子の背面に設けられたバッキング材に、音響イ
ンピ−ダンスが大きなものを用いる事が考えられる。し
かしながらこの手段により、確かにプロ−ブの広帯域化
は実現できるが、一方で全体の信号レベルが著しく低下
してしまう。本発明の目的は信号レベルの著しい低下を
招かずに超音波プロ−ブの広帯域化を図る事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため本発明は、複数の振動子をアレイ状に配列した超音
波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
の振動子は、所定の中心周波数及び所定のエコー感度の
周波数特性の最大値を有する第1の圧電単結晶部分と、
この第1の圧電単結晶部分よりも中心周波数が低く、か
つエコー感度の周波数特性の最大値が小さい第2の圧電
単結晶部分とを備えたことを特徴とする超音波プロ−ブ
を提供する。
【0007】また本発明は、複数の振動子をアレイ状に
配列した超音波プロ−ブであって、前記振動子の中の少
なくとも1つの振動子は、厚さ1mmにおける波長400
nmの光に対する透過率が0.1未満の圧電単結晶からな
る部分を5%以上、30%未満有する圧電体を含むこと
を特徴とする超音波プロ−ブを提供する。
【0008】上記した本発明において、以下の態様が好
ましい。 (1)前記第1及び第2の圧電単結晶部分の少なくとも
一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
((M11/3 Nb(2/3)-(2z/3)Ta2z/31-x-y Tix
M2y )O3 (M1はZn、Ni及びMgから選ばれる
少なくとも1つの金属、M2はPt,Fe、Bi、Rh
及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、
x、y及びzはそれぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y
≦0.01(好ましくは、0.00001≦y≦0. 0
1。)、0≦z≦0.1である。)として規定されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなること。
【0009】(2)前記第1及び第2の圧電単結晶部分
の少なくとも一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分
は、Pb((M31/2 Nb(1/2)-(z/2) Taz/2
1-x-y Tix M2y )O3 (M2はPt,Fe、Bi、
Rh及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属、M3
はScおよびInから選ばれる少なくとも1つの金属を
示し、x、y及びzはそれぞれ0.2≦x≦0.6、0
≦y≦0.01(好ましくは、0.00001≦y≦
0. 01。)、0≦z≦0.1である。)として規定さ
れるペロブスカイト型複合酸化物からなること。
【0010】(3)前記第1及び第2の圧電単結晶部分
の少なくとも一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分
は、Pb((Zn1/3 Nb2/31-x Tix )O3 (x
は0.05≦x≦0.2である。)として規定されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなること。
【0011】(4)前記圧電体は単結晶からなること。
また本発明は、複数の振動子をアレイ状に配列した超音
波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
の振動子は、所定の中心周波数及び所定のエコー感度の
周波数特性の最大値を有する第1の圧電単結晶部分と、
この第1の圧電単結晶部分よりも中心周波数が低く、か
つエコー感度の周波数特性の最大値が小さい第2の圧電
単結晶部分とを備えた上記超音波プロ−ブを用いたこと
を特徴とする超音波診断装置を提供する。
【0012】さらにまた本発明は、複数の振動子をアレ
イ状に配列した超音波プロ−ブであって、前記振動子の
中の少なくとも1つの振動子は、厚さ1mmにおける波長
400nmの光に対する透過率が0.1未満の圧電単結晶
からなる部分を5%以上、30%未満有する圧電体を含
む上記超音波プロ−ブを用いた超音波診断装置を提供す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係わる圧電単結晶を用い
た振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
る透過率が0.1未満の部分を5%以上、30%未満有
している。この透過率が0.1未満の部分(透過率が低
い部分と呼ぶ。)は、透過率が0.1以上の部分(透過
率が高い部分と呼ぶ。)に比べ、同じ厚さでも<001
>方位の厚み縦振動の共振周波数が10〜20%程度小
さいことが、本発明者によって見出された。
【0014】そのため、アレイ状に多数配列された振動
子の一本一本が、異なる2種の共振周波数を有する振動
子の複合体のような振る舞いを示し、単一の共振周波数
を有する従来の振動子に較べ、広い周波数領域にわたっ
て高い信号レベルが得られる。
【0015】図1は、上記圧電振動子における周波数と
エコー感度との関係を示す特性図である。この図に示さ
れるように、点線で示される共振周波数の高い部分の周
波数特性曲線(透過率の高い部分に相当する。)と、一
点破線で示される共振周波数の低い部分の周波数特性曲
線(透過率の低い部分に相当する。)とを合成すること
により、実線で表される周波数特性曲線が得られる。こ
の実線の周波数特性曲線は、広い周波数帯域にわたって
エコー感度が高くなっており、高い信号レベルが得られ
ることがわかる。
【0016】図1においては、実線の周波数特性曲線の
エコー感度最高値から6dB小さいエコー感度における
周波数値はf1 (1.65MHz)とf2 (5.40M
Hz)であり、中心周波数は3.53MHzである。し
たがって、−6dB比帯域(f1 とf2 の差を中心周波
数で割った値)は106%となる。
【0017】特に、本発明者が検討した結果、一本の振
動子中に含まれる透明度の低い部分の割合を5%以上3
0%未満としたときに、特に信号レベルに著しい低下を
招かずに、超音波プロ−ブの広帯域化が可能であること
を見出した。その結果、Bモ−ド像とCFM像の双方に
高い信号レベルが得られ、透明度の低い部分を含まない
圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックス
を用いた超音波プロ−ブに比べて広帯域特性の超音波プ
ロ−ブを提供できる。
【0018】ただ、振動子に含まれる透過率の低い部分
の割合が5%未満の場合、広帯域化の効果は顕著に現れ
ず、30%を越える場合はある程度の広帯域化はなされ
るが、全体の信号レベルが低下してしまう。
【0019】
【実施例】
(実施例1)亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛圧電単結晶P
b((Zn1/3 Nb2/31-x Tix )O3 (xは0.
05≦x≦0.2である。)を用いて超音波プロ−ブを
作製した。
【0020】まず、単結晶原料として純度99.99%
以上のPbO、ZnO、Nb25、TiO2 を、亜鉛
ニオブ酸鉛とチタン酸鉛が91:9のモル比となるよう
に秤量し、融材として単結晶原料の1.2倍のPbOを
加えた。これを雷潰機で20分混合し、250ccの白金
坩堝に充填し、さらに電気炉中で1270℃に加熱して
10時間保持した。その後、1℃/hの速度で900℃ま
で徐冷し、室温までは自然冷却した。
【0021】次に、白金坩堝内の単結晶と融材の混合し
た固形物から融材を割り、中の単結晶塊を取り出した。
丸みを帯びた、1辺がおよそ35mmの平行6面体の単結
晶が得られ、X線回折でペロブスカイト構造を成してい
る事を確認した。前記単結晶塊をラウエカメラで観察す
ることにより、その<001>の方位を確定し、これを
垂直にダイヤモンドカッタ−で1mm厚にスライスし、
(001)ウエハを得た。
【0022】次に、鏡面研磨を行い、この後に前記(0
01)ウエハの表面を観察すると、ウエハには光学的に
透過率の高い部分と低い部分との2種類が混在して観察
された。透過率の高い部分と低い部分は、図3における
圧電単結晶薄板1の部分1b、1aにそれぞれ相当す
る。ここで、ウエハの透過率の測定は以下に述べる手法
により行った。
【0023】即ち、まず、キセノンランプを光源とし、
モノクロメータを介して波長400nmの単色光を得、さ
らにレンズを介してウエハ表面でのスポット径が1mmΦ
になるように集光した。このスポット光の単位面積当た
りのパワーが10μW/cmになるよう光源の出力を調整し
た。30×30×1mmの(001)ウエハの両面を鏡
面研磨し、(001)面に垂直に光が入射するように設
置した。(001)ウエハの透過光をシリコンのフォト
ダイオードを用いた光パワーメータで計測し、別途測定
したウエハへ入射する直前の光の強度に対する透過光の
強度比として透過率を求めた。
【0024】以上述べた透過率の測定方法に基づいて、
波長400nmの光を使用して、ウエハ1の透過率を測定
したところ、比較的透過率が高い部分は一様に30%以
上の透過率で、比較的透過率が低い部分は一様に5%以
下の透過率であった。
【0025】次に、前記(001)ウエハの両面を#2
000の研磨材で厚み0.24mmに研磨し、Ti/Au
をスパッタメタライズして電極を構成した。先述の透過
率の高い部分と低い部分をそれぞれ含むように、上記ウ
エハから幅0.12mm×長さ14mm×厚み0.24mmの
短冊状振動子を10本切り出し、電気機械結合係数k3
3' を測定した。
【0026】透過率の高い部分から切り出した振動子は
平均でk33' =84%となり、共振周波数(fr )と
厚みの積で表される周波数定数Nr が820Hz・mとなっ
た。一方、透過率が低い部分はk33' が80%、周波
数定数Nr が720Hz・mとなり、透過率の低い部分は同
じ厚みでも共振周波数が低いことがわかった。
【0027】次に、前記単結晶塊から切りだした別の
(001)ウエハを用いて以下に示す手順で超音波プロ
−ブを作製した。まず、(001)ウエハの両面を#2
000の研磨材で0.24mmに研磨し、Ti/Auをス
パッタメタライズして電極を構成した。
【0028】次に、図3に示すようにダイシングソ−で
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板に加工し
た。この図3には電極を示していないが、圧電単結晶薄
板1の両面に電極が形成されている。この電極は、後の
図4に示す短冊状振動子の電極3a及び3bに相当す
る。この際、図3に示す如く、圧電単結晶薄板1の面積
の8%から12%が先述の透過率が低い部分となるよう
に、(001)ウエハから切り出しを行った。
【0029】この圧電単結晶薄板1に対して、210℃
のシリコ−ンオイル中で600V/mmの電界を10分間印
加し、電界を保持したまま40℃まで冷却して分極処理
を施し、電気機械結合係数ktを測定したところ、kt
=54%であった。
【0030】次に、上記薄板の片面に128chのフレキ
シブル配線基盤(FPC)(図示せず。)を、もう一方
の面に銅箔からなるア−ス板(図示せず。)を半田付け
し、各々半田付けした部分の裏側の電極をエッチングに
より除去した。次に、図2に示すようにFPCを取り付
けた面にバッキング材2を、ア−ス板を取り付けた面に
マッチング層4を接着した。
【0031】次に、FPCのチャンネルピッチ(150
μm )に合わせ、マッチング層4と上記薄板をダイシン
グソ−で幅30μm のブレ−ドにより深さ400μm
(約50μm バッキング材2に切れ込む。)で128素
子にアレイ加工し、図示しない音響レンズをマッチング
層4上に接着し、図1に示すような超音波プロ−ブを作
製した。
【0032】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.55±
0.15MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で106%になった。この帯
域は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数
を設定できる値であった。
【0033】(比較例1)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×厚み14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図5に示す如く、圧電単結晶薄板51の面積の
0%から4%が先述の透過率が低い部分51aとなるよ
うにした。51bは透過率が高い部分である。このウエ
ハからの切り出し位置以外のプロセスは実施例1と同一
とし、図6に示す短冊状振動子からなる超音波プロ−ブ
を作製した(53a、53bは電極。)。
【0034】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.75±
0.11MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で82%になった。この値
は、従来のジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスを
用いた同タイプの超音波プロ−ブよりは広帯域である
が、実施例1の方がより広帯域特性を示した。また、エ
コ−波形の波高値は実施例1に較べて+1dBで、透過率
が低い部分を比較的多く含んだ実施例1の方がわずかに
劣るが、有異差と言える程の差はなかった。
【0035】(実施例2)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図7に示す如く、圧電単結晶薄板71の面積の
20%から25%が先述の透過率が低い部分71aとな
るようにした。71bは透過率が高い部分である。この
ウエハからの切り出し位置以外のプロセスは実施例1と
同一とし、図8に示す短冊状振動子からなる超音波プロ
−ブを作製した(73a、73bは電極。)。
【0036】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.50±
0.15MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で108%になった。この帯
域は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数
を設定できる値であった。また、エコ−波形の波高値は
実施例1に較べ−3dBとなり、やや劣ったが、比帯域で
は優った。
【0037】(比較例2)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図10に示す如く、圧電単結晶薄板91の面積
の45%から55%が先述の透過率が低い部分91aと
なるようにした。このウエハからの切り出し位置以外の
プロセスは実施例1と同一とし、図10に示す短冊状振
動子からなる超音波プロ−ブを作製した(93a、93
bは電極。)。
【0038】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.25±
0.25MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で80%になった。この値
は、従来のジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスを
用いた同タイプの超音波プロ−ブよりは広帯域である
が、実施例1及び2の方がより広帯域特性を示した。ま
た、エコ−波形の波高値は実施例2に較べて−8dBとな
り、比帯域と共に大きく劣った。
【0039】(比較例3)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、薄板の面積の32%から38%が先述の透過率
が低い部分となるようにした。このウエハからの切り出
し位置以外のプロセスは実施例1と同一とし、超音波プ
ロ−ブを作製した。
【0040】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.40±
0.20MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で93%になった。この帯域
は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数を
設定できる値であった。しかしながら、エコ−波形の波
高値は実施例1に較べ−6dBと劣った。
【0041】(比較例4)一般にバッキング材の音響イ
ンピ−ダンスを大きくする、すなわち振動子の音響イン
ピ−ダンスに近づけるほど、特性は広帯域となるが感度
は低下する。また、逆にバッキング材の音響インピ−ダ
ンスを小さくすると狭帯域となるが感度は上がる。そこ
で前記プロ−ブのバッキング材の音響インピ−ダンスを
これまでのもの(Z=6.2×106kg/m2s )よりも
小さいもの(Z=2.2×106kg/m2s )に替え、同
様のプロセスでプロ−ブを作製した。ところが、従来の
バッキング材を使用したプロ−ブと異なり、150μm
ピッチでのアレイ加工時に、振動子の折れ、チッピン
グ、FPCと振動子接合部の剥離等の不良が多く発生
し、歩留まりが著しく低下した。
【0042】これは、一般に音響インピ−ダンスが小さ
いバッキング材を選択した場合、その材質が柔らかい傾
向があり、そのためダイシングソ−による切削性が低下
し、このような不良が多発したものである。また、不良
が発生しなかった振動子の特性を調べたところ、エコ−
波形の波高値は実施例1に較べ−4dBとなり、従来のバ
ッキング材を使用したプロ−ブよりも2dB向上してい
た。しかし、−6dBの比帯域は82%と狭帯域化してし
まった。
【0043】このように、透過率の低い部分を実施例2
の場合よりも増し、かつバッキング材の音響インピ−ダ
ンスを小さいものに替えることによっても、感度向上と
広帯域化を同時に図ることはできなかった。
【0044】(実施例3)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図12に示す如く、圧電単結晶薄板101の面
積の20%から25%が先述の透過率が低い部分101
aとなるようにした。101bは透過率が高い部分であ
る。この実施例3では、透過率が低い部分101aが短
冊状振動子の中心に位置するようにした。
【0045】上記したウエハからの切り出し位置以外の
プロセスは実施例1と同一とし、図10に示す短冊状振
動子からなる超音波プロ−ブを作製した(図11)。こ
の超音波プロ−ブによれば、透過率が低い部分101a
が短冊状振動子の中心に位置しており、透過率が低い部
分101aは上述したように周波数定数が小さく、発振
される超音波の音速が小さくなるので、超音波の集束性
を向上させることが可能である。
【0046】以上述べたように本発明の詳細を説明した
が、本発明は上記した実施例に限定されるものではな
い。例えば、透過率が低い圧電単結晶部分と透過率が高
い圧電単結晶部分とを別々のウエハに形成しておき、そ
れらをウエハからそれぞれ切り出して、透過率が低い圧
電単結晶部分と透過率が高い圧電単結晶部分とを接合す
ることにより、本発明の超音波プローブを作製すること
も可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することが可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば圧
電単結晶を用いた超音波プロ−ブにおいて、厚さ1mmに
おける波長400nmの光に対する透過率が0.1未満の
部分が、面積率で5%以上30%未満含まれるような圧
電単結晶を用いることにより、従来のセラミックス、又
は透過率が5%未満、若しくは30%以上の圧電単結晶
を用いた同タイプの超音波プロ−ブよりも広帯域特性を
得ることができる。これにより、広範囲のドプラリファ
レンス周波数を設定することができるので、医用診断装
置などの診断能力向上に顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる圧電振動子における周波数と
エコー感度との関係を示す特性図。
【図2】 本発明の実施例1にかかる超音波プロ−ブの
構成を示す斜視図。
【図3】 本発明の実施例1にかかる、透過率が0.1
未満の部分を8〜12%含む圧電単結晶の構成を示す斜
視図。
【図4】 本発明の実施例1にかかる、透過率が0.1
未満の部分を8〜12%含む圧電単結晶で作製したプロ
−ブの1振動子の構成を示す斜視図。
【図5】 比較例1にかかる、透過率が0.1未満の部
分を0〜4%含む圧電単結晶の構成を示す斜視図。
【図6】 比較例1にかかる、透過率が0.1未満の部
分を0〜4%含む圧電単結晶で作製したプロ−ブの1振
動子の構成を示す斜視図。
【図7】 本発明の実施例2にかかる、透過率が0.1
未満の部分を20〜25%含む圧電単結晶の構成を示す
斜視図。
【図8】 本発明の実施例2にかかる、透過率が0.1
未満の部分を20〜25%含む圧電単結晶で作製したプ
ロ−ブの1振動子の構成を示す斜視図。
【図9】 比較例2にかかる、透過率が0.1未満の部
分を45〜55%含む圧電単結晶の構成を示す斜視図。
【図10】 比較例2にかかる、透過率が0.1未満の
部分を45〜55%含む圧電単結晶で作製したプロ−ブ
の1振動子の構成を示す斜視図。
【図11】 本発明の実施例3にかかる超音波プロ−ブ
の構成を示す斜視図。
【図12】 本発明の実施例3にかかる、透過率が0.
1未満の部分を中心部に含む圧電単結晶振動子の構成を
示す斜視図。
【符号の説明】
1、51、71、91、101…圧電体 1a、51a、71a、91a、101a…透過率が
0.1%未満の圧電体 1b、51b、71b、91b、101b…透過率が
0.1以上の圧電体 2…バッキング材 3a、3b、53a、53b、73a、73b、93
a、93b…電極 4…マッチング層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の振動子をアレイ状に配列した超音
    波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
    の振動子は、所定の中心周波数及び所定のエコー感度の
    周波数特性の最大値を有する第1の圧電単結晶部分と、
    この第1の圧電単結晶部分よりも中心周波数が低く、か
    つエコー感度の周波数特性の最大値が小さい第2の圧電
    単結晶部分とを備えたことを特徴とする超音波プロ−
    ブ。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の圧電単結晶部分の少
    なくとも一つは、Pb((M11/3 Nb(2/3)-(2z/3)
    2z/31-x-y Tix M2y )O3 (M1はZn、Ni
    及びMgから選ばれる少なくとも1つの金属、M2はP
    t、Fe、Bi、Rh及びIrから選ばれる少なくとも
    1つの金属を示し、x、y及びzはそれぞれ0.05≦
    x≦0.2、0≦y≦0.01、0≦z≦0.1であ
    る。)として規定されるペロブスカイト型複合酸化物か
    らなることを特徴とする請求項1記載の超音波プロ−
    ブ。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の圧電単結晶部分の少
    なくとも一つは、Pb((M31/2 Nb(1/2)-(z/2)
    z/21-x-y Tix M2y )O3 (M2はPt,F
    e、Bi、Rh及びIrから選ばれる少なくとも1つの
    金属、M3はScおよびInから選ばれる少なくとも1
    つの金属を示し、x、y及びzはそれぞれ0.2≦x≦
    0.6、0≦y≦0.01、0≦z≦0.1である。)
    として規定されるペロブスカイト型複合酸化物からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波プロ−ブ。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の圧電単結晶部分の少
    なくとも一つは、Pb((Zn1/3 Nb2/31-x Ti
    x )O3 (xは0.05≦x≦0.2である。)として
    規定されるペロブスカイト型複合酸化物からなることを
    特徴とする請求項1記載の超音波プロ−ブ。
  5. 【請求項5】 複数の振動子をアレイ状に配列した超音
    波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
    の振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
    る透過率が0.1未満の圧電単結晶からなる部分を5%
    以上、30%未満有する圧電体を含むことを特徴とする
    超音波プロ−ブ。
  6. 【請求項6】 前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
    ((M11/3 Nb(2/3)-(2z/3)Ta2z/31-x-y Tix
    M2y )O3 (M1はZn、Ni及びMgから選ばれる
    少なくとも1つの金属、M2はPt,Fe、Bi、Rh
    及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、
    x、y及びzはそれぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y
    ≦0.01、0≦z≦0.1である。)として規定され
    るペロブスカイト型複合酸化物からなることを特徴とす
    る請求項5記載の超音波プロ−ブ。
  7. 【請求項7】 前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
    ((M31/2 Nb(1/2)-(z/2) Taz/21-x-y Tix
    M2y )O3 (M2はPt,Fe、Bi、Rh及びIr
    から選ばれる少なくとも1つの金属、M3はScおよび
    Inから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y
    及びzはそれぞれ0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.0
    1、0≦z≦0.1である。)として規定されるペロブ
    スカイト型複合酸化物からなることを特徴とする請求項
    5記載の超音波プロ−ブ。
  8. 【請求項8】 前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
    ((Zn1/3 Nb2/31-x Tix )O3 (xは0.0
    5≦x≦0.2である。)として規定されるペロブスカ
    イト型複合酸化物からなることを特徴とする請求項5記
    載の超音波プロ−ブ。
  9. 【請求項9】 前記圧電体は単結晶からなることを特徴
    とする請求項5乃至8記載の超音波プロ−ブ。
  10. 【請求項10】 複数の振動子をアレイ状に配列した超
    音波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1
    つの振動子は、所定の中心周波数及び所定のエコー感度
    の周波数特性の最大値を有する第1の圧電単結晶部分
    と、この第1の圧電単結晶部分よりも中心周波数が低
    く、かつエコー感度の周波数特性の最大値が小さい第2
    の圧電単結晶部分とを備えた超音波プロ−ブを用いたこ
    とを特徴とする超音波診断装置。
  11. 【請求項11】 複数の振動子をアレイ状に配列した超
    音波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1
    つの振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対
    する透過率が0.1未満の圧電単結晶からなる部分を5
    %以上、30%未満有する圧電体を含む超音波プロ−ブ
    を用いた超音波診断装置。
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