JPH1170868A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH1170868A
JPH1170868A JP23302297A JP23302297A JPH1170868A JP H1170868 A JPH1170868 A JP H1170868A JP 23302297 A JP23302297 A JP 23302297A JP 23302297 A JP23302297 A JP 23302297A JP H1170868 A JPH1170868 A JP H1170868A
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skid control
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伸也 竹本
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井本  雄三
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキペダルの移動が制限される時間を調
整して、良好なペダルフィールのアンチスキッド制御装
置を提供する。 【解決手段】 アンチスキッド制御時において、所定時
間以上の間、保持弁21〜24のいずれもが開かれない
か否かを判定し、いずれの保持弁21〜24も開かれな
いと判定された場合には、複数の車輪1〜4のうち少な
くも1つの車輪を選択して、その選択された車輪のホイ
ールシリンダ11〜14に対応する保持弁21〜24を
開くようにする。これにより、運転者が板感を受ける前
にブレーキペダル27が踏み込めるようになる。また、
保持弁21〜24を開くホイールシリンダ11〜14に
対応する減圧弁31〜34も保持弁21〜24を開くと
きに同時に開くようにする。これにより、保持弁21〜
24を開くことによってホイールシリンダ11〜14が
増圧されないようにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の制動時に発
生する車輪のスリップを調整するアンチスキッド制御装
置の関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチスキッド制御装置は、各車
輪それぞれについて車体速度と車輪速度からスリップ率
を求め、車両のスリップ状態を適正状態に維持すること
によって車輪ロックを回避するアンチスキッド制御を行
っている。アンチスキッド制御装置は、運転者のブレー
キペダルの操作に応じてブレーキ液圧を発生するマスタ
シリンダと、マスタシリンダに発生したブレーキ液圧に
基づき各車輪にブレーキ液圧を発生させる複数のホイー
ルシリンダを備えている。そして、アンチスキッド制御
装置は、ホイールシリンダにおけるブレーキ液圧(以
下、W/C圧という)を増減制御することによって車両
のスリップ状態を制御している。
【0003】具体的には、アンチスキッド制御装置は、
上記したスリップ率が大きくなって車輪がロック傾向に
ある時には各ホイールシリンダにおけるブレーキ液をリ
ザーバに逃がすことでブレーキ液圧(以下、W/C圧と
いう)を減圧し、この減圧によってロック傾向が解除に
向かった時にはW/C圧を保持し、さらにロック傾向が
解除された時には所定のタイミングでW/C圧を増圧す
るという制御を行うことによって上記アンチスキッド制
御を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記装置ではマスタシ
リンダが発生するブレーキ液圧に基づいてW/C圧の増
圧を行っているため、W/C圧を保持するとき若しくは
減圧するときには、マスタシリンダとホイールシリンダ
とを結ぶ管路に備えられた所定の保持弁を遮断状態にし
て、マスタシリンダに発生するブレーキ液圧がホイール
シリンダに伝わらないようになっている。
【0005】しかしながら、保持弁を遮断状態にするこ
とによってブレーキペダルの移動が制限され、このブレ
ーキペダルの移動が制限される時間が長時間になると、
あたかもブレーキペダルが踏み込めないような感じ(以
下、板感という)を運転者に与えてしまい、ペダルフィ
ールを悪化させるうという問題がある。本発明は上記点
に鑑みてなされたもので、ブレーキペダルの移動が制限
される時間を調整して、良好なペダルフィールのアンチ
スキッド制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは、アンチスキッド制御装置の制御方法に
ついての検討を行った。アンチスキッド制御装置は、各
車輪独立してそれぞれの車輪に相応したW/C圧を増
圧、保持、減圧制御することでアンチスキッド制御を行
っている。
【0007】このアンチスキッド制御時におけるタイム
チャートをブレーキペダルの操作量と共に図9に示す。
但し、図9において(a)は車体速度と車輪速度の比較
を示し、(b)は保持弁の開閉タイミングを示し、
(c)は減圧弁の開閉タイミングを示し、(d)はW/
C圧を示し、(e)はリザーバに逃がされたブレーキ液
をポンプを用いずにマスタシリンダに向けて返流する、
いわゆるポンプレスシステムにおけるブレーキペダルの
操作量を示し、(f)はリザーバに逃がされたブレーキ
液をポンプを用いてマスタシリンダに向けて返流する、
いわゆるポンプ付システムにおけるブレーキペダルの操
作量を示している。
【0008】この図に示すように、アンチスキッド制御
が開始すると、減圧、保持制御が順に成される。従っ
て、この間は保持弁が常に遮断状態にされ、マスタシリ
ンダに発生するブレーキ液圧がホイールシリンダに伝わ
らないようにされる。上述したように、保持弁を遮断状
態する際にブレーキペダルの移動が制限されるために運
転者が板間を受けるのであるから、長時間に渡って保持
弁が遮断状態にされなければ運転者は板感を受けず、ペ
ダルフィールを悪化させないと考えられる。
【0009】上記検討に基づき、本発明は以下の技術的
手段を採用する。請求項1に記載の発明においては、ア
ンチスキッド制御手段は、アンチスキッド制御時におい
て、第1所定時間(KT1)以上の間、複数の管路の全
てにおけるブレーキ液の流動が禁止されている場合に
は、複数の車輪(1〜4)のうち少なくも1つの車輪を
選択し、この選択された車輪におけるホイールシリンダ
(11〜14)に対応する保持弁(21〜24)を連通
状態にして、マスタシリンダ(16)とホイールシリン
ダ(11〜14)との間におけるブレーキ液の流動を許
容するようになっていることを特徴としている。
【0010】このように、運転者が板感を受け得る時間
よりも早めの第1所定時間(KT1)以上の間、マスタ
シリンダ(16)と当該減圧するホイールシリンダ(1
1〜14)の間におけるブレーキ液の流動が禁止されて
いる場合に、複数の車輪(1〜4)のうち少なくも1つ
の車輪におけるホイールシリンダ(11〜14)に対応
する保持弁(21〜24)を連通状態にして、マスタシ
リンダ(16)とホイールシリンダ(11〜14)との
間におけるブレーキ液の流動を許容するようすれば、運
転者が板感を受ける前に、ブレーキペダル(27)の踏
み込みを行えるようにすることができる。これにより、
ペダルフィールの良好なアンチスキッド制御装置にする
ことができる。
【0011】なお、運転者が板感を受け得る時間が第1
所定時間(KT1)を越えてさらに第2所定時間(KT
2)経過した時であるとすると、この時間内にいずれか
の保持弁(21〜24)が連通状態になれば、運転者が
板感を受けることはない。このため、請求項2に示すよ
うに、第2所定時間(KT2)の間、複数の管路のすべ
てにおいてブレーキ液の流動が許容される予定がない場
合にのみ、複数の車輪(1〜4)のうち少なくも1つの
車輪を選択して、この選択された車輪におけるホイール
シリンダ(11〜14)に対応する保持弁(21〜2
4)を連通状態にするようにしてもよい。
【0012】請求項3に記載の発明においては、保持弁
(21〜24)を連通状態にする時間を、選択された車
輪におけるホイールシリンダ(11〜14)の圧力に応
じて変化させることを特徴としている。選択された車輪
が、ホイールシリンダ(11〜14)の圧力を所定の圧
力に保持しているとき等に保持弁を長時間連通状態にす
ると、ホイールシリンダ(11〜14)の圧力が大きく
増圧してしまう。従って、選択された車輪におけるホイ
ールシリンダ(11〜14)の圧力に応じて保持弁(2
1〜24)を連通状態にする時間を変化させるようにす
れば、ホイールシリンダ(11〜14)の圧力を大きく
増圧してしまうことを防止することができる。
【0013】請求項4に記載の発明においては、アンチ
スキッド制御手段は、保持弁(21〜24)と共に、選
択された車輪に対応する減圧弁(31〜34)を連通状
態にして、選択された車輪のホイールシリンダ(11〜
14)に対応する管路とリザーバ(37、39)の間に
おけるブレーキ液の流動を許容するようになっているこ
とを特徴としている。
【0014】このように、保持弁(21〜24)と共に
減圧弁(31〜34)を連通状態にするようにすれば、
保持弁(21〜24)を連通状態にすることによってホ
イールシリンダ(11〜14)の圧力が増加することな
く、運転者に板感を与えないようにすることができる。
請求項5に記載の発明においては、アンチスキッド制御
手段は、複数の車輪(1〜4)のうち、前回の増圧制御
が行われてから最も時間が経過している車輪を選択する
ようになっていることを特徴としている。
【0015】前回の増圧制御が行われてから最も時間が
経過している車輪は、前回増圧出力を実行してから時間
が経過しているため、W/C圧があまり高くなくて増圧
する余裕があると考えられる。このため、このような車
輪を選択することにより、アンチスキッド制御をより好
適に行うことができる。また、請求項6に示すように、
スリップ率が一番低い車輪を選択すれば、より具体的に
車輪のスリップを防ぐことができる。そして、請求項7
に示すように、先に行った減圧出力から現在に至るまで
において、増圧出力を行った時間の和が一番少ない車輪
を選択してもよい。すなわち、増圧出力を行った時間の
和が一番少ない車輪においては、それだけ他の車輪と比
べてW/C圧が低いと考えられるため、車輪のスリップ
を防止しつつ所望の増圧制御を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1は、本発明が適用されたアンチ
スキッド制御装置の構成を表す概略図である。図1に示
すように、右前輪1、左前輪2、右後輪3及び左後輪4
のそれぞれには、電磁ピックアップ式又は電気抵抗素子
(MRE)式の車輪速度センサ5〜8が配置され、各車
輪1〜4の回転に応じてパルス信号を発生する。
【0017】また、各車輪1〜4には、各々ホイールシ
リンダ11〜14が配設され、マスタシリンダ16から
のブレーキ液圧が弁手段としての保持弁21〜24及び
各油圧管路を介して各ホイールシリンダ11〜14に送
られる。なお、マスタシリンダ16はブレーキペダル2
7の踏み込みによりブレーキ液圧を発生し、ブレーキペ
ダル27の踏み込み状態はストップスイッチ29によっ
て検出されている。
【0018】さらに、ホイールシリンダ11、14は減
圧弁31、34を介してリザーバ37に接続されてお
り、ホイールシリンダ32、33は減圧弁32、33を
介してリザーバ39に接続されている。なお、各保持弁
21〜24及び減圧弁31〜34は、連通位置と遮断位
置とを有する電磁式2位置弁である。また、保持弁21
〜24の上下流には、逆止弁41a〜44aにより、ホ
イールシリンダ11〜14からマスタシリンダ16へ向
かう圧油のみを保持弁21〜24を介して流通するバイ
パス管路41〜44が設けられている。またさらに、リ
ザーバ37、39とマスタシリンダ16とは、逆止弁4
7、49を介した油圧管路で接続されており、リザーバ
37、39からマスタシリンダ16へ向かう圧油の流通
のみが許容されている。
【0019】車輪速度センサ5〜8及びストップスイッ
チ29の検出信号は、電子制御回路(以下、ECUとい
う)50に入力されている。ECU50は、CPU、R
OM、RAM、I/Oを有する周知のマイクロコンピュ
ータで、上記検出信号に基づいて各保持弁21〜24及
び減圧弁31〜34を制御する信号を発生する。この制
御信号は、各車輪1〜4毎に発生される増圧出力、保持
出力及び減圧出力によって構成される。ここで、各出力
に対応する保持弁21〜24及び減圧弁31〜34の動
作を右前輪1を例に説明する。
【0020】右前輪1に増圧出力を発生するとは、保持
弁21を連通位置にすると共に減圧弁31を遮断位置に
するように制御信号を発生することである。これによ
り、マスタシリンダ16が発生するブレーキ液圧がその
ままホイールシリンダ11に供給される。右前輪1に保
持出力を発生するとは、保持弁21、減圧弁31を共に
遮断位置にするように制御信号を発生することである。
これにより、ホイールシリンダ11のブレーキ液圧が保
持される。なお、この保持出力の継続中にブレーキペダ
ル27が緩められると、バイパス管路41を介して圧油
が流通し、ホイールシリンダ11のブレーキ液圧が減圧
される。
【0021】右前輪1に減圧出力を発生するとは、保持
弁21を遮断位置にすると共に減圧弁31を連通位置に
するように制御信号を発生することである。これによ
り、ホイールシリンダ11の圧油がリザーバ37へ流入
し、ブレーキ液圧が減圧される。なお、ECU50は、
他の車輪2〜4に対しても同様の出力を行う。また、減
圧出力、増圧出力、保持出力の各制御信号においては、
それぞれ前回がどの出力制御信号であったかによって制
御信号の状態を変えるようにしてもよい。
【0022】次に、ECU50が実行する処理の詳細を
図2〜7のフローチャートを用いて説明する。ECU5
0はイグニッションスイッチがオンすると図2に示すメ
インルーチンを実行する。なお、ECU50は、このメ
インルーチンを時分割により各車輪1〜4毎に実行す
る。処理を開始すると、まずステップ1000にて初期
化処理を実行する。この初期化処理によって、メモリク
リア、フラグリセット等の初期化処理を行い、続くステ
ップ2000にて、移行の演算処理を所定時間Ta(例
えば5ms)毎に実行するために、所定時間Taが経過
したか否かを判定することにより所定時間Taが経過す
るのを待つ。
【0023】そして、ステップ2000でYesであれ
ば、ステップ3000に移行して上記各車輪速センサ5
〜8からの回転速度信号に基づき各車輪1〜4の車輪速
度VW**を演算する。ここで、「**」は各車輪1〜
4を示す記号FR、RL、RR、FLの総称であり、す
なわち「VW**」はVWFR、VWRL、VWRR、
VWFLを表し、それぞれ右前輪1、左後輪2、右後輪
3及び左前輪4に対する車輪速度を示している。
【0024】続くステップ4000では、ステップ30
00で求めた車輪速度VW**を微分することによっ
て、各車輪1〜4の車輪加速度dVW**を演算する。
そして、ステップ5000では、ステップ3000で求
めた各車輪1〜4の車輪速度VW**のうちの最大速度
VWmax等に基づいて車体速度(推定車体速度)を演
算する。この処理は、例えば各車輪1〜4の車輪速度V
WFR〜VWRLのうちの最大速度VWmaxが前回求
めた車体速度VB(n−1)に所定値を加えた加速限界
値Vαから、車体速度VB(n−1)から所定値を減じ
た減速限界値Vβまでの範囲内にあるか否かを判断し、
最大速度VWmaxが加速限界値VαからVβまでの範
囲内にあれば最大速度VWmaxをそのまま車体速度V
Bとして設定し、最大速度VWmaxが加速限界値Vα
を超えていれば加速限界値Vαを車体速度VBとして設
定し、最大速度VWmax減速速限界値Vβを下回って
いれば減速限界速度Vβを車体速度VBとして設定する
ようにして実行される。
【0025】また、ステップ6000では、ステップ5
000で求められた車体速度VBを微分することによっ
て車体減速度dVBを演算する。そして、求められた車
体速度VBと車輪速度VB**によって各車輪1〜4に
おけるスリップ率SW**を演算する。この後、ステッ
プ8000では、各車輪1〜4におけるスリップ率SW
**と車輪加速度dVW**に基づき各車輪1〜4ごと
に各アクチュエータ21〜24の制御モードの演算を行
う。なお、この処理の詳細については図3に示す4輪の
制御モード演算のフローチャートで説明する。
【0026】そして、ステップ9000で保持弁開判定
を行い、所定の条件に合致した車輪に対して保持弁及び
減圧弁開要求の設定を行う。なお、この処理の詳細につ
いては図4に示す保持弁及び減圧弁開判定のフローチャ
ートで説明する。その後、ステップ10000では、ス
テップ8000及びステップ9000で選択された各制
御モードに従った処理を実行し、保持弁21〜24及び
減圧弁31〜34におけるソレノイド駆動を行う。な
お、この処理の詳細は図5〜図7に示す各輪出力制御の
フローチャートで説明する。
【0027】次に、図2におけるステップ8000の詳
細を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。こ
のルーチンは、各車輪1〜4における保持弁21〜24
及び減圧弁31〜34の制御モードの設定処理を行うも
のであり、FR輪1、FL輪2、RR輪3、RL輪4に
対して計4回実行されるようになっている。この制御モ
ードの設定は、各車輪1〜4における増圧出力、減圧出
力、保持出力を何ms、どの様な状態で行うかという制
御条件を決定するために行うものである。なお、各制御
モードの詳細については後述する。
【0028】まずステップ210では、ストップスイッ
チ26がON、すなわち車両が制動中であるか否かを判
定する。そして、ストップスイッチ26がONになるま
では、ステップ220に進んで当該車輪の制御中フラグ
をリセットし、当該車輪における保持弁21〜24及び
減圧弁31〜34の制御モードを増圧モードにセットし
て処理を終了する。ここで、増圧モードとは、前述の増
圧出力を連続的に発生するモードである。すなわち、車
両制動中のノーマルブレーキで、マスタシリンダ16が
発生するブレーキ液圧がそのままホイールシリンダ11
〜14に供給される。
【0029】一方、ストップスイッチ26がONになっ
たときはステップ240に進み、制御フラグがセットさ
れているか否かを判定する。つまり、ストップスイッチ
26がONになった直後は制御中フラグがリセット状態
にあるので、ステップ240でNoであればステップ2
50に進み、判定対象なっている車輪のスリップ率SW
**が目標スリップ率KS0(例えば20%)に対して
大きいか否かを判定する。
【0030】そして、ステップ250でNoであれば、
ステップ220に進み、制御中フラグリセットし、当該
車輪の制御モードを増圧モードにセットして処理を終了
する。また、ステップ250でYesであればステップ
260に進み、制御中フラグをセットしてステップ27
0に進む。次に、ステップ270では、当該車輪のスリ
ップ率SW**が所定のスリップ率KS1に対して大き
いか否かを判定する。この所定のスリップ率KS1は、
目標スリップ率KS0に比して小さく、例えばKS1=
20%であればKS1=15%というように設定されて
いる。
【0031】そして、ステップ270でYesであれば
ステップ280に進み、当該車輪の車輪加速度dVW*
*が加速度零(0G)よりも小さいか否か、すなわち当
該車輪が減速方向に制御されている状態にあるか、それ
とも減速方向から加速方向に反転した状態にあるかを判
定する。ステップ280でYesであればステップ29
0に進み、保持弁21〜24及び減圧弁31〜34の制
御モードとして減圧モードをセットして処理を終了す
る。また、ステップ280でNoであればステップ30
0に進み、保持弁21〜24及び減圧弁31〜34の制
御モードとして保持モードをセットして処理を終了す
る。
【0032】ここで、減圧モードとは前述の保持出力と
減圧出力とを交互に繰り返し(例えば15ms毎に切り
替えて)発生するモードであり、保持モードとは前述の
保持出力を連続的に発生するモードである。すなわち、
車輪加速度dVW**が0G以下となって車輪がロック
しつつある場合は、減圧モードによりホイールシリンダ
11〜14のブレーキ液圧を徐々に減圧し、車輪加速度
dVW**が0Gを超えてスリップが徐々に解消されつ
つある場合は、保持モードによりブレーキ液圧を保持す
るようになっている。なお、減圧モードにおいては、こ
の制御モード設定にて減圧出力と保持出力の変化周期等
が決定される。
【0033】具体的には、前回の増圧モードにおける増
圧出力回数が多ければ(或いは増圧出力時間が長けれ
ば)、減圧出力のデューティー比を大きくする。一方ス
テップ270でNoであればステップ310に進み、パ
ルス増圧モードの制御モードを所定回数分実行したか否
かを判定する。ここで、パルス増圧モードとは、所定周
期で保持弁21〜24及び減圧弁31〜34に対して増
圧出力と保持出力で交互に変化させて、ブレーキ装置の
ホイールシリンダ圧をその変化周期に応じた増圧パター
ンで徐々に増圧させるモードであり、この制御モード設
定において変化周期等が決定されて増圧に緩急が設けら
れる。
【0034】具体的には、増圧モードの変化周期等は、
前回の減圧モードにおける減圧出力の回数(或いは減圧
出力の累積時間)によって決定される。例えば、前回の
減圧モード中の減圧出力の累積時間が長ければ、ある程
度大きくて急なW/C圧の増圧が可能であるとして、今
回の増圧モードの出力への変化周期を早くする。また、
前回の減圧モード中の減圧出力の累積時間が短ければ、
今回の増圧モードにおける増圧出力の変化周期を遅くす
る。これにより、増圧モードにおける増圧出力タイミン
グが変わるが、このように決定された変化周期に基づ
き、増圧モード中における増圧出力の予定を推測するこ
とが可能である。
【0035】そして、ステップ310でYesであれ
ば、当該車輪のスリップは完全に抑制され、油圧制御を
終了しても車輪がスリップすることはないものとして、
ステップ220に進み、制御中フラグをリセットして、
保持弁21〜24及び減圧弁31〜34の制御モードを
増圧モードにセットして処理を終了する。すなわち、ノ
ーマルブレーキに戻す。また、ステップ310でNoで
あればステップ320に進み、そのままパルス増モード
の制御をセットし続け、処理を終了する。
【0036】続いて、図2におけるステップ9000の
詳細を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
このルーチンは、将来的に運転者が板感を感じる状況下
になり得る場合を判定して、保持弁21〜24を開くの
に最適な車輪を選択すると共に選択された車輪に対して
保持弁21〜24を開く要求(以下、保持弁開要求とい
う)をセットし、さらに保持弁21〜24を開くと同時
に減圧弁31〜34を開く場合には減圧弁31〜34を
開く要求(以下、減圧弁開要求という)をセットする処
理を行うものである。
【0037】まず、ステップ410では、前回いずれか
のホイールシリンダ11〜14に対する増圧出力がなさ
れたときから4輪ともに所定時間KT1以上保持弁21
〜24が開かれる出力がなされていないか否かについて
判定する。すなわち、所定時間KT1を超えてさらに保
持弁21〜24が開かれないと、マスタシリンダ16内
のブレーキ液が消費されないため、マスタシリンダ16
内のブレーキ液がホイールシリンダ側に移動せず、運転
者がブレーキペダルを踏み込めないという板感を受け、
ペダルフィールが悪化するからである。そして、ステッ
プ410でYesであればステップ420に進み、No
であれば処理を終了する。
【0038】なお、このステップ410で肯定判定され
る場合としては、4輪いずれもが減圧モード或いは保
持モードに設定されていて、この状態で所定時間KT1
経過したとき、4輪のうち少なくとも1輪が増圧モー
ドに設定されているが、増圧出力への変化周期に基づき
前回の増圧出力から所定時間KT1が経過したときが考
えられる。
【0039】ステップ420では、前回いずれかの保持
弁21〜24が開かれてから所定時間KT1が経過した
後、さらに所定時間KT2を経過するまでの時間内に4
輪のうちのいずれの車輪についても保持弁21〜24が
開かれる予定がないか否かを判定する。すなわち、保持
弁21〜24が開かれない時間が所定時間KT1を超え
てさらに所定時間KT2を経過した場合が、上述した板
感を感じる時間であるとすると、この所定時間KT2の
時間内にいずれの車輪についても保持弁21〜24が開
かれなければペダルフィールが悪化してしまう。
【0040】このため、ステップ420でYesである
とステップ430に進み、保持弁21〜24や減圧弁3
1〜34を開く車輪を選択する。この車輪選択は、各車
輪のうち減圧弁31〜34を開くことによってリザーバ
37、39内にブレーキ液が流入してもよい車輪である
か否かに基づいて行われ、具体的には各車輪1〜4のう
ちでリザーバ37、39内におけるブレーキ液の流入量
が最も少ない系統の車輪を選択している。この系統の車
輪に対応するリザーバ37、39がブレーキ液を収容す
る余裕があると考えられるからである。また、ステップ
420でNoであると、ペダルフィールは悪化しないた
め処理を終了する。
【0041】そして、ステップ430で車輪の選択がな
されると、ステップ440に進み、選択された車輪に対
して、その選択された車輪の状態に応じた弁開要求をセ
ットして処理を終了する。具体的には、この弁開要求の
セットは、保持弁開要求のみをセットするか、若しくは
保持弁開要求と共に減圧弁開要求をセットするかを選択
して行っている。つまり、保持弁開要求のみをセットす
る場合は、パルス増圧モード時に保持出力がセットされ
るとき、若しくはW/C圧が略零でないときである。こ
れらの場合には、W/C圧を保持する必要があるため、
減圧弁31〜34を開かないようにしてW/C圧が減圧
されてしまうのを防止している。一方、保持弁開要求と
共に減圧弁開要求もセットする場合は、保持モードがセ
ットされており、かつW/C圧が略零であるとき、若し
くは減圧モードがセットされているときである。この場
合には、にはW/C圧を保持する必要がないため、保持
弁開要求と共に減圧弁開要求もセットするようにしてい
る。
【0042】なお、W/C圧が略零であるか否かは、W
/C圧を直接圧力センサ等を用いて検出したり、減圧す
る前の車体減速度よりW/C圧を推定したりすることに
よって判定している。例えば、減圧する前の車体減速度
によってW/C圧を推定する場合には、減圧時間と減圧
曲線に基づいてW/C圧が略零であるか否かを判定して
いる。
【0043】このように、弁開判定が終了すると、図2
におけるステップ10000に進み、4輪出力制御の処
理を実行する。以下、ステップ10000の詳細を図5
〜図7に示すフローチャートに基づいて説明する。この
ルーチンでは、ステップ9000の弁開要求判定の結果
を優先させつつ、先に設定された各車輪1〜4における
制御モードに従って、増圧出力、減圧出力及び保持出力
の各出力に対応したソレノイド駆動パターンをセットす
る。なお、このルーチンは、FR輪1、FL輪2、RR
輪3、RL輪4に対して計4回実行されるようになって
いる。
【0044】まず、各車輪1〜4から1輪をセットし
て、その車輪について処理を行い、その車輪について増
圧モードがセットされていたらステップ510に進み、
増圧出力におけるソレノイド駆動パターンをセットす
る。セットされた車輪についてパルス増圧モードがセッ
トされていたらステップ520に進み、現在その車輪に
ついて増圧出力タイミングであるか否かを判定する。こ
の増圧出力タイミングは、ステップ310で設定された
変化周期等に従って判定される。そして、増圧出力タイ
ミングである場合にはステップ510に進み、増圧出力
におけるソレノイド駆動パターンをセットし、増圧出力
タイミングでない場合にはステップ530に進み、保持
出力におけるソレノイド駆動パターンをセットする。
【0045】また、セットされた車輪について保持モー
ドがセットされていたらステップ530に進み、保持出
力におけるソレノイド駆動パターンをセットする。そし
て、ステップ530で保持出力におけるソレノイド駆動
パターンがセットされると、ステップ540に進み減圧
弁開出力判定の処理を実行する。図6に、減圧弁開出力
判定の処理のフローチャートを示し、ステップ540の
詳細を説明する。
【0046】このルーチンでは、選択輪に相応する保持
弁21〜24を開くに際して、選択輪に相応する減圧弁
31〜34も共に開くか否かを判定する。すなわち、図
述したステップ440で設定された弁開要求に応じて減
圧弁31〜34を開くか否かを判定する。ステップ61
0では、ステップ440で減圧弁開要求がセットされて
いるか否かを判定する。そして、ステップ610でYe
sであればステップ620に進み、Noであればそのま
ま処理を終了する。
【0047】ステップ620では、現在減圧弁31〜3
4を開く出力タイミングであるか否かを判定する。すな
わち、減圧弁31〜34を開く時間は予め設定されてお
り、例えばTR1時間は連続的に減圧弁31〜34を開
くという設定がなされているため、TR1時間の間は減
圧弁31〜34を開く出力タイミングであると判定さ
れ、TR1時間を経過すると減圧弁31〜34を開く出
力タイミングでないと判定される。従って、すべての保
持弁21〜24が閉じた状態が時間KT1連続したら、
その後時間TR1は減圧弁31〜34が開かれることに
なる。ただし、この時間TR1は定数とする必要はな
く、W/C圧に応じて変化させるようにしてもよい。
【0048】そして、ステップ620でYesである
と、ステップ630に進んで減圧弁開出力パターンをセ
ットして処理を終了し、Noであるとそのまま処理を終
了する。このように、減圧弁開出力パターンがセットさ
れると、この減圧弁開出力パターンが先にセットされた
保持出力におけるソレノイド駆動パターンより優先され
て、強制的に減圧弁31〜34が開かれるソレノイド駆
動パターンとなる。
【0049】このように、ステップ540の減圧弁開出
力判定の処理が終了すると、ステップ550に進み保持
弁開出力判定の処理を実行する。図7に、保持弁開出力
判定の処理のフローチャートを示し、ステップ550の
詳細を説明する。このルーチンでは、保持弁21〜24
を開くか否かを判定する。すなわち、上述したステップ
440で設定された弁開要求に応じて保持弁21〜24
を開くか否かを判定する。
【0050】ステップ710では、ステップ440で保
持弁開要求がセットされているか否かを判定する。そし
て、ステップ710でYesであればステップ720に
進み、Noであればそのまま処理を終了する。ステップ
720では、現在保持弁21〜24を開く出力タイミン
グであるか否かを判定する。すなわち、保持弁21〜2
4を開く時間は予め設定されており、例えば時間TH1
は連続的に保持弁21〜24を開くという設定がなされ
ているため、時間TH1の間は保持弁21〜24を開く
出力タイミングであると判定され、時間TH1を経過す
ると保持弁21〜24を開く出力タイミングでないと判
定される。従って、すべての保持弁21〜24が閉じた
状態が時間KT1連続したら、その後時間TH1は保持
弁21〜24が開かれることになる。ただし、この時間
TH1は定数とする必要はなく、W/C圧に応じて変化
させるようにしてもよい。
【0051】そして、ステップ720でYesである
と、ステップ730に進んで減圧弁開出力パターンをセ
ットして処理を終了し、Noであるとそのまま処理を終
了する。このように、保持弁開出力パターンがセットさ
れると、この保持弁開出力パターンが先にセットされた
保持出力におけるソレノイド駆動パターンより優先され
るため、強制的に保持弁21〜24が開かれるようなソ
レノイド駆動パターンとなる。
【0052】さらに、セットされた車輪について減圧モ
ードがセットされていたらステップ560に進み、現在
その車輪について減圧出力タイミングか否かを判定す
る。この減圧出力タイミングはステップ290で設定さ
れた変化周期に従って判定される。そして、減圧タイミ
ングでない場合にはステップ530に進み、保持出力に
おけるソレノイド駆動パターンをセットし、減圧タイミ
ングである場合にはステップ570に進み、減圧出力に
おけるソレノイド駆動パターンをセットする。
【0053】そして、ステップ530で保持出力におけ
るソレノイド駆動パターンがセットされると、ステップ
540に進んで上述した減圧弁開出力判定を行ったの
ち、ステップ550に進む。また、ステップ570で減
圧出力におけるソレノイド駆動パターンがセットされる
と、ステップ550に進む。そして、ステップ550で
上述した保持弁開出力判定を行う。
【0054】ここで、減圧出力におけるソレノイド駆動
パターンがセットされている場合にステップ540にお
ける減圧弁開出力判定を行っていないのは、減圧出力に
おけるソレノイド駆動パターンは、減圧弁31〜34が
開かれるパターンであるためであり、この場合には通常
の減圧出力ときのタイミングで減圧弁31〜34が開か
れるようになっている。
【0055】このようにして、各制御モードに対応した
ソレノイド駆動パターンがセットされると、ステップ5
80に進んでソレノイド駆動パターンのセットが4輪と
も終了しているか否を判定する。そして、ステップ58
0でYesであればステップ590に進み、先にセット
されたソレノイド駆動パターンに従って、各保持弁21
〜24及び各減圧弁31〜34に備えられたソレノイド
を駆動して、各出力に相応した弁位置に2位置弁の弁を
移動させる。また、ステップ580でNoであればステ
ップ600に進み、現在処理を行った車輪とは異なる次
の車輪をセットし、その車輪における処理を行う。
【0056】このように、運転者が板感を感じる前に、
選択した保持弁21〜24を開くことによって、運転者
がブレーキペダル27を踏み込めるようにしている。こ
のような処理に基づくアンチスキッド制御を行った時の
タイムチャートを図8に示す。但し、図8では簡略化の
ため、上記制御のうちステップ430で選択された車輪
についてのみタイムチャートに示す。なお、図8におい
て(a)は車体速度と車輪速度の比較を示し、(b)は
選択された車輪における保持弁21〜24の開閉タイミ
ングを示し、(c)は選択された車輪における減圧弁3
1〜34の開閉タイミングを示し、(d)はW/C圧を
示し、(e)はリザーバに逃がされたブレーキ液をポン
プを用いずにマスタシリンダに向けて返流する、いわゆ
るポンプレスシステムにおけるブレーキペダルの操作量
を示し、(f)はリザーバに逃がされたブレーキ液をポ
ンプを用いてマスタシリンダに向けて返流する、いわゆ
るポンプ付システムにおけるブレーキペダルの操作量を
示している。
【0057】図8(a)に示すように、車体速度に対し
て車輪速度が落ち込んでた状態になると、減圧制御が始
まってステップ290で減圧モードがセットされる。こ
の後、車輪速度が復帰してロック傾向が回避されると保
持モードがセットされるが、この減圧モードと保持モー
ドがセットされている間においては、図8(b)に示す
ように保持弁21〜24が閉じられた状態が続く。
【0058】しかしながら、このような場合においても
保持弁21〜24が閉じられた状態が時間KT1続き、
さらに時間KT2の間に保持弁21〜24が開かれる状
態になる予定がない場合には、上述したように時間KT
1が経過すると共に最適な車輪が選択され、その車輪に
相応する保持弁21〜24が開かれる。すなわち、時間
KT1が経過したのちさらに時間KT2が経過する以前
に保持弁21〜24のいずれかが開かれるため、運転者
が板感を感じる以前にブレーキペダル27を踏み込める
ようにできる。
【0059】また、選択された車輪に相応する保持弁2
1〜24が開かれると共に、図8(c)に示すように該
車輪に相応する減圧弁31〜34も同時に開かれる。つ
まり、図8(d)に示すように、先に実行された減圧制
御によってW/C圧が略零になっていることからW/C
圧を保持する必要がないため、保持弁21〜24を開く
と共に減圧弁31〜34を開くようにして、W/C圧が
増圧してしまうのを防止している。なお、保持モードが
セットされている場合において、W/C圧を所定の圧力
で保持しているときには、ステップ440で保持弁開要
求のみがセットされるようになっており、これによりW
/C圧を減圧させないようになっている。
【0060】このように、運転者が板感を感じる前に保
持弁21〜24が開かれるようすることによって、良好
なペダルフィールのアンチスキッド制御装置にすること
ができる。さらに、保持弁21〜24を開くと共に減圧
弁31〜34も開くようにすることによって、保持モー
ドや減圧モードがセットされているにも関わらず保持弁
21〜24を開くことによって、W/C圧が増圧してし
まうことを防止することができる。
【0061】なお、上記実施形態では、ステップ430
における車輪選択の際に、各車輪1〜4のうちでリザー
バ37、39内におけるブレーキ液の流入量が少ない系
統の車輪を選択しているが、リザーバ37、39内への
ブレーキ液の流入量は、リザーバ37、39のピストン
の移動量等から直接検出したり、減圧出力を実行した時
間の総和等から間接的に検出したりすることができる。
【0062】また、ステップ430における車輪選択で
は、現在減圧モードがセットされている車輪を選択する
ようにしても良い。減圧モードが設定されているという
ことは減圧弁31〜34を開いてもよい状況下にあるた
め、保持弁21〜24を開くと共に減圧弁31〜34を
開けばホイールシリンダ11〜14を増圧することなく
運転者に板感を与えないようにすることができるからで
ある。
【0063】さらに、ステップ430における車輪選択
では、前回増圧出力を行ったのが一番古い車輪や、車輪
スリップ率が最も少ない車輪を選択するようにしても良
い。その車輪について増圧を行っても当該車輪がスリッ
プしないと考えられるからである。なお、現在減圧モー
ドがセットされている車輪を選択する場合や車輪スリッ
プ率が最も少ない車輪を選択する場合は、図1に示した
いわゆるポンプレスシステムを適用した場合に限らず、
いわゆるポンプ付システムにおいても適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるアンチスキッド制御装置の構
成を示す概略図である。
【図2】図1に示すアンチスキッド制御装置のメインル
ーチンを示すフローチャートである。
【図3】図2における制御モード演算処理のフローチャ
ートである。
【図4】図2における4輪出力モード判定処理のフロー
チャートである。
【図5】図2における4輪出力制御処理のフローチャー
トである。
【図6】図5における減圧弁開出力判定のフローチャー
トである。
【図7】図5における保持弁開出力判定のフローチャー
トである。
【図8】図1のアンチスキッド制御装置の処理に基づく
作用を示すタイムチャートである。
【図9】従来のアンチスキッド制御装置の処理に基づく
作用を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…右前輪、2…左前輪、3…右後輪、4…左後輪、5
〜8…車輪速センサ、11〜14…ホイールシリンダ、
21〜24、31〜34…2位置弁、27…ブレーキペ
ダル、29…ストップスイッチ、50…ECU。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両制動時に複数の車輪(1〜4)のそ
    れぞれに車輪制動力を付与する複数のホイールシリンダ
    (11〜14)と、 前記車両制動時に前記複数のホイールシリンダに向けて
    ブレーキ液を付与するマスタシリンダ(16)と、 前記マスタシリンダと前記複数のホイールシリンダのそ
    れぞれとを連通する複数の管路と、 前記複数の車輪のスリップ状態を検知するスリップ状態
    検知手段(7000)と、 前記スリップ状態検知手段の検知結果に基づいて前記複
    数のホイールシリンダにかかるブレーキ液圧を調整して
    アンチスキッド制御を行うアンチスキッド制御手段と、 前記複数の管路のそれぞれに設けられ、前記アンチスキ
    ッド制御手段によって制御される複数の保持弁(21〜
    24)とを備えおり、 前記アンチスキッド制御手段は、前記アンチスキッド制
    御時において、前記複数のホイールシリンダのいずれか
    のブレーキ液圧を減圧する減圧制御又は保持する保持制
    御を行う場合には、当該減圧・保持するホイールシリン
    ダに対応する前記保持弁を遮断状態にして前記マスタシ
    リンダと当該減圧するホイールシリンダの間におけるブ
    レーキ液の流動を禁止し、前記複数のホイールシリンダ
    のいずれかのブレーキ液圧を増圧する増圧制御を行う場
    合には、当該増圧するホイールシリンダに対応する前記
    保持弁を連通状態にして前記マスタシリンダと当該増圧
    するホイールシリンダの間におけるブレーキ液の流動を
    許容するようになっており、 前記アンチスキッド制御手段は、前記アンチスキッド制
    御時において、第1所定時間(KT1)以上の間、前記
    複数の管路の全てにおけるブレーキ液の流動が禁止され
    ているか否かを判定する第1判定手段(410)を備
    え、 前記第1判定手段によって肯定判定が成された場合に
    は、前記アンチスキッド制御手段は、前記複数の車輪の
    うち少なくも1つの車輪を選択し、この選択された車輪
    におけるホイールシリンダに対応する前記保持弁を連通
    状態にして、前記マスタシリンダとホイールシリンダと
    の間におけるブレーキ液の流動を許容するようになって
    いることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 前記アンチスキッド制御手段は、前記ア
    ンチスキッド制御時において、前記第1所定時間を越え
    たのち第2所定時間(KT2)の間に、前記複数の管路
    のうちのいずれかにおいてブレーキ液の流動が許容され
    る予定があるか否かを判定する第2判定手段(420)
    を備え、 前記第2判定手段によって否定判定が成された場合に
    は、前記アンチスキッド制御手段は、前記複数の車輪の
    うち少なくも1つの車輪を選択し、この選択された車輪
    におけるホイールシリンダに対応する前記保持弁を連通
    状態にして、前記マスタシリンダとホイールシリンダと
    の間におけるブレーキ液の流動を許容するようになって
    いることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記アンチスキッド制御手段は、前記選
    択された車輪におけるホイールシリンダに対応する前記
    保持弁を連通状態にする時間を、前記選択された車輪に
    おけるホイールシリンダの圧力に応じて変化させている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンチスキッ
    ド制御装置。
  4. 【請求項4】 前記減圧制御時に、前記複数の管路内の
    ブレーキ液を逃がすリザーバ(37、39)と、 前記複数の管路から前記リザーバへのブレーキ液の流動
    を制御する複数の減圧弁(31〜34)とを有し、 前記アンチスキッド制御手段は、前記減圧制御を行う場
    合には、当該減圧するホイールシリンダに対応する前記
    減圧弁を制御して、当該減圧するホイールシリンダに対
    応する前記管路と前記リザーバの間におけるブレーキ液
    の流動を許容し、前記保持制御又は増圧制御を行う場合
    には、当該増圧・保持するホイールシリンダに対応する
    前記減圧弁を制御して、当該減圧するホイールシリンダ
    に対応する前記管路と前記リザーバの間におけるブレー
    キ液の流動を禁止するようになっており、 前記第1判定手段によって肯定判定が成された場合に
    は、前記アンチスキッド制御手段は、前記選択された車
    輪に対応する減圧弁を連通状態にして、前記選択された
    車輪のホイールシリンダに対応する前記管路と前記リザ
    ーバの間におけるブレーキ液の流動を許容するようにな
    っていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    つに記載のアンチスキッド制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アンチスキッド制御手段は、前記複
    数の車輪のうち、前回の増圧制御が行われてから最も時
    間が経過している車輪を選択するようになっていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のア
    ンチスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 前記アンチスキッド制御手段は、前記複
    数の車輪のうち、スリップ率が最も小さい車輪を選択す
    るようになっていることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1つに記載のアンチスキッド制御装置。
  7. 【請求項7】 前記アンチスキッド制御手段は、前記複
    数の車輪のうち、前回減圧制御を行ったときからの増圧
    時間が最も短い車輪を選択するようになっていることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のアン
    チスキッド制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001039287A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Aisin Seiki Co Ltd ブレーキ液圧制御装置
JP2002160617A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Aisin Seiki Co Ltd 車両の運動制御装置
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