JP4017359B2 - アンチスキッド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンチスキッド装置に関し、特に、運転者のブレーキ操作量に応じてブレーキ圧を制御する機能を有するブレーキ系統におけるアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレーキ操作時のスリップを防止するため、各車輪に付与される制動力(ブレーキ液圧)をスリップ量に応じて制御するアンチスキッド制御装置が知られている。こうした装置の一つとして特開平11−129884号公報に開示されている技術がある。
【0003】
この技術は、スリップ量に応じてホイルシリンダのブレーキ液圧を減圧あるいはパルス増圧制御するものであって、パルス増圧制御中にさらにブレーキペダルが踏み込まれた場合には増圧デューティ比を増圧時間割合が大となるよう制御するものである。これにより、パルス増圧制御中に運転者がブレーキペダルを踏み込んだ場合に、制動力を増大させて運転者の期待した車両減速度を達成することができると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この技術では増圧制御中にブレーキペダルが踏み込まれた場合に増圧量を大きくする制御を行うことで減速度を増大させているため、必ずしも運転者の意図に応じた車両減速度が得られるとは限らない。また、増圧量が大きくなりすぎて車輪速度が急減すると、再度スリップが発生して、この結果、減圧制御と増圧制御とを繰り返し行うこととなり、かえって運転者の意図に反する制御結果をもたらすおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、運転者意志を反映した減速度を得られるとともに、必要以上のブレーキ圧力増圧による車輪速度の急減を抑制して制動距離を短縮可能なアンチスキッド装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るアンチスキッド制御装置は、運転者のブレーキ操作量を検知するブレーキ操作量検知手段と、各車輪に対応して設けられ液圧により各車輪に対して独立して制動力を付与するホイルシリンダと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサと、検出されたブレーキ操作量および車輪速度に応じてホイルシリンダへ供給する液圧を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド装置において、各ホイルシリンダのシリンダ圧力を検知するホイルシリンダ圧力センサをさらに備え、制御手段は、アンチスキッド制御の際にホイルシリンダへの供給圧力を再増圧させる際の制御圧力の増圧勾配および増圧勾配持続時間を、検出されたブレーキ操作量に応じて設定される各ホイルシリンダの目標シリンダ圧力と検出された実際のシリンダ圧力との偏差に応じて変化させ、当該偏差が大きいほど再増圧時の増圧勾配を大きく設定することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、アンチスキッド装置において、ホイルシリンダ圧力をスリップ量に応じて制御する際に、増圧制御時のホイルシリンダ圧の時間変化特性は運転者のブレーキ操作量から得られる運転者の意図している制動力に対応する目標シリンダ圧力と実際のシリンダ圧力の偏差に応じて調整される。つまり、運転者の意図している制動力への回復制御を行う際に、目標シリンダ圧と実際のシリンダ圧の偏差を用いて制御を行うことで、過大な増圧を抑制してスリップ発生を抑制し、充分な制動力を確保して制動距離を短縮することが可能となる。
【0008】
ここで、制御手段は、偏差が大きいほど再増圧時の増圧勾配を大きく設定するか、偏差が大きいほど再増圧時の増圧勾配持続時間を長く設定するか、あるいは両方を組み合わせて行うことが好ましい。
【0009】
このように制御することで、偏差が大きく、制動力が目標制動力に至らない場合には、偏差を小さくするための制動力の回復制御が優先される。一方、偏差が小さい場合には、過大な増圧を抑制する方向で回復制御を行う。
【0010】
本発明に係るアンチスキッド装置は、液圧によって制動力を付与するものに限られず、各車輪に対応して設けられ各車輪に対して独立して制動力を付与するブレーキ機構と、検出されたブレーキ操作量および車輪速度に応じてブレーキ機構を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド装置において、各ブレーキ機構の作動力を検知するセンサをさらに備え、制御手段は、アンチスキッド制御の際にブレーキ機構によって制動力を再増加させる際の制動力の増加勾配および増加勾配持続時間を、検出されたブレーキ操作量に応じて設定される各輪ブレーキ機構の目標作動力と検出された実際の作動力との偏差に応じて変化させ、当該偏差が大きいほど再増加時の作動力の増加勾配を大きく設定することを特徴とするものであってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は本発明に係るアンチスキッド装置の実施形態を説明するブロック図であり、図2はそのブレーキ系統を説明する概略構成図である。
【0013】
図1、図2に示されるように、本発明に係るアンチスキッド装置は、各車輪15FL〜15RRに設けられたホイルシリンダ31FL〜31RRへの供給油圧をブレーキECU1が制御する構成を採る。各ホイルシリンダへ供給する油圧を生成するハイドロブースタ2とブレーキECU1からの指示に基づいて油圧を制御するブレーキアクチュエータ3とを備えている。
【0014】
ブレーキECU1にはマスタ圧センサ32、33、ホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RR、アキュムレータ圧センサ26、27の各油圧センサと各車輪に設けられている車輪速センサ16FL〜16RRの各出力値が入力されるとともに、アクチュエータ3内の各ソレノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RR、37〜40およびポンプ24の動作を制御する機能を有している。
【0015】
ハイドロブースタ2は、ブレーキペダル11に接続され、ブレーキ踏力に応じた油圧を生成するとともに、この油圧を増圧するブースタ機能を併せ持つマスタシリンダ21を中心に構成され、作動油であるブレーキフルードを貯留するリザーバ22と、リザーバ22から供給されるブレーキフルードの油圧を高める電動式のポンプ24とこのポンプで発生した高圧を蓄えるアキュムレータ23と、ブレーキフルードをポンプ24で生成された圧力が所定以上の高圧に達したときにブレーキフルードをリザーバ22に返送するためのリリーフ弁25とを備えている。そしてアキュムレータ23とブレーキアクチュエータ3との間にアキュムレータ圧センサ27、28が配置されている。アキュムレータ圧センサ27と28は異なる測定レンジを有している。
【0016】
ブレーキアクチュエータ3は、各ホイルシリンダ31FL〜31RRへの供給油圧を制御するものであって、各ホイルシリンダ31FL〜31RRに対応して増圧用のリニアソレノイド弁35FL〜35RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RRとホイルシリンダ圧検出用のホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRとを備えている。また、システムフェイル時にマスタシリンダ21からの増圧油圧を供給するための切替ソレノイド弁37〜40と、マスタシリンダ圧を検出するマスタ圧センサ32、33とを備えている。
【0017】
増圧用のリニアソレノイド弁35FL〜35RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RRはいずれも対応するソレノイド弁同士が直列に接続され、その中間から分岐された配管が対応するホイルシリンダ31FL〜31RRへと接続されている。これらの配管上にはそれぞれホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRが配置されている。これらの増圧用のリニアソレノイド弁35FL〜35RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RRの両端がそれぞれアキュムレータ23とリザーバ22との間に並列に接続されている。
【0018】
またマスタシリンダ21から延びる2本の配管にはそれぞれマスタ圧センサ32、33が配置され、切替ソレノイド弁37、38を介してホイルシリンダ31FR、31RRへと延びる配管に接続されている。さらに、前輪のホイルシリンダ31FRと31FLとは切替ソレノイド弁39を介して、後輪のホイルシリンダ31RRと31RLとは切替ソレノイド弁40を介してそれぞれ接続されている。
【0019】
ここで、リニアソレノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RRはいずれもOFF時に閉止、ON時にはその制御電流に比例して流量を制御するものであり、切替ソレノイド弁37〜40はいずれもOFF時には開、ON時には閉止動作を行うものである。
【0020】
したがって、システムフェイル時には、リニアソレノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RRはいずれも閉止しているが、切替ソレノイド弁37〜40はいずれも開放しているので、マスタシリンダ2により増圧された油圧が各ホイルシリンダ31FL〜31RRへと直接供給されることで、必要な制動力を確保することが可能な構成となっている。
【0021】
通常時においては、ブレーキECU1は、各ホイルシリンダ31FL〜31RRに付与される油圧がそれぞれ設定した制御油圧Pcになるようホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRの検出値を参照してリニアソレノイド弁35FL〜35RRと36FL〜36RRおよびポンプモータ24の作動を制御する。
【0022】
具体的に右前輪15FRの場合を例に説明すると、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御油圧Pcより低い場合、すなわち増圧が必要な場合(以下、増圧モードと呼ぶ)には、減圧用のリニアソレノイド弁36FLを閉じ、増圧用のリニアソレノイド弁35FRを開くことで、アキュムレータ23側の高圧のブレーキフルードをホイルシリンダ31FRへと供給することでその圧力を増加せしめる。
【0023】
また、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御油圧Pcに一致し、保持する必要がある場合(以下、保持モードと呼ぶ)には、各リニアソレノイド弁35FL、36FRを閉じることでブレーキフルードがホイルシリンダ31FR側から抜けないように保持してその圧力を保持する。
【0024】
そして、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御油圧Pcより高い場合、すなわち減圧が必要な場合(以下、減圧モードと呼ぶ)には、減圧用のリニアソレノイド弁36FLを開き、増圧用のリニアソレノイド弁35FRを閉じることで、ホイルシリンダ31側からブレーキフルードの一部をリザーバ22へと返送することでその圧力を低下せしめる。
【0025】
本実施形態では、増圧用、減圧用に切替ソレノイド弁ではなく、リニアソレノイド弁を用いることで増圧モード、減圧モードにおいてホイルシリンダ圧力を制御油圧Pcに容易かつ確実に一致させることができ、制御性が向上する。もちろん、切替ソレノイド弁を用いてデューティ制御等により制御油圧への制御を行うことも可能である。
【0026】
次に、本発明に係るアンチスキッド装置の通常時の動作を図3を参照して説明する。図3は本制御のフローチャートである。この制御はブレーキECU1によって行われるものであり、車両の電源がONになってからタイムステップΔtごとに繰り返し実行される。ここでは車輪ごとに区分して説明しないが、実際の制御(ステップS4以降)は各輪ごとに実行される。
【0027】
まずステップS1では、アキュムレータ圧センサ27、28、マスタ圧センサ32、33、ホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RR、車輪速センサ16FL〜16RRのそれぞれの出力値が読み込まれる。
【0028】
続くステップS2では、運転者が要求している制動力、すなわち目標減速度を演算する。運転者がブレーキペダル11を踏み込むと、マスタシリンダ21は踏力に応じてこれを増圧した油圧を出力する。通常時においては、切替ソレノイド弁36、37が閉じられているため、この圧力が直接ホイルシリンダ31FL〜31RRへと送られることはない。しかし、マスタ圧センサ32、33で検出されるマスタシリンダ圧は運転者のブレーキ操作量に応じている。したがって、このマスタシリンダ圧から算出される運転者のブレーキ操作量と車輪速センサ16FL〜16RRから得られる車速情報を基にして目標減速度を演算することができる。
【0029】
ステップS3ではこうして設定した目標減速度から各輪の制動力配分を設定してこの制動力が得られる目標ホイルシリンダ圧Ptを設定する。
【0030】
ステップS3では、アンチスキッド制御中(以下、ABS制御中と称する)であるか否かを判定する。この判定はABS制御フラグがONになっているか否かによって行われる。ABS制御中であればステップS5へと移行し、ABS制御中でない場合にはステップS20へと移行する。
【0031】
ステップS20では、ABS開始条件が満たされているか否かを判定する。このABS開始条件とは、例えば、車輪減速度が所定値以上でかつスリップ率が所定値以上の場合である。ABS開始条件が満たされている、すなわち、車輪がロックしつつあると判定した場合には、ステップS22へと移行してABS制御フラグをONにし、再増圧モードフラグをOFFにするとともに、現在の時刻tを変数tstart0に格納する。そして、車体減速度に応じてABS制御の減圧モードにおける減圧勾配aとその持続時間taを設定する。そして、ステップS24では、設定した減圧勾配aに基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pcからa×Δtだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移行して減圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0032】
ステップS20でABS開始条件が満たされていない場合、すなわち、車輪がロックされていないと判定された場合には、ステップS21へと移行してホイルシリンダの制御油圧Pcを目標油圧Ptに設定してステップS13へと移行し、ホイルシリンダ圧Pmが目標油圧Ptになるよう制御する。すなわち、Pm>Ptならば減圧モード、Pm<Ptならば増圧モード、Pm=Ptならば保持モードとして制御が行われる。
【0033】
ステップS4でABS制御中であると判定した場合には、ステップS5へと移行してABS制御の終了条件が満たされているか否かを判定する。例えば、運転者のブレーキ装置が解除された場合や車速が所定値以下である場合には、ABS制御の終了条件を満たしていると判定する。
【0034】
ステップS5でABS制御の終了条件を満たしていると判定した場合には、ステップS30へと移行し、ABS制御フラグをOFFにした後、ステップS31へと移行してホイルシリンダの制御油圧Pcを目標油圧Ptに設定してからステップS13へと移行し、ホイルシリンダ圧Pmが目標油圧Ptになるよう制御する。すなわち、Pm>Ptならば減圧モード、Pm<Ptならば増圧モード、Pm=Ptならば保持モードとして制御が行われる。
【0035】
一方、ステップS5でABS制御終了条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS6へと移行してステップS22で設定されたtstart0からの経過時間がステップS23で設定したta時間未満であるか否かを判定する。
【0036】
経過時間がta時間未満の場合には、ステップS24へと移行して、設定されている減圧勾配aに基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pcからa×Δtだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移行して減圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0037】
一方、経過時間がta時間以上であった場合には、ステップS7へと移行して再増圧モード中か否かを判定する。具体的には、再増圧モードフラグがONの場合のみに再増圧モード中であると判定する。
【0038】
再増圧モード中でないと判定した場合には、ステップS8へと移行して再増圧条件が満たされているか否かの判定を行う。この再増圧条件とは、スリップ率が所定値以下の場合であり、ステップS20のABS開始条件の所定値より小さい値であってもよい。再増圧条件が満たされていないとして減圧が十分ではないと判定された場合には、ステップS40へと移行して、緩減圧モードにあるとして制御を行う。すなわち、減圧勾配a’(ここで、a’<a)に基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pcからa’×Δtだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移行して減圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0039】
ステップS8で再増圧条件が満たされたと判定された場合には、ステップS9へと移行して再増圧モードフラグをONにし、現在の時刻tを変数tstart1に格納する。次に、ステップS10では、現在の目標ホイルシリンダ圧Ptと実際のホイルシリンダ圧Pm(ホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRで検出された実際の圧力)との差をΔPに格納する。ステップS11では、求めたΔPに応じて再増圧勾配bおよびその持続時間tbを設定する。図4は再増圧勾配bの設定例を示すグラフであり、このグラフでは、差圧ΔPがP1未満の場合には、再増圧勾配bをb1に、差圧ΔPがP1以上P2未満の場合には、再増圧勾配bをb1より大きいb2に、差圧ΔPがP2以上の場合には、b2より大きいb3にと3段階に設定する例を示している。ここでは、bを段階的に変化させる例に説明しているが、bをΔPの関数としてΔPが大きくなるほど大きくなるように制御してもよい。また、以下の説明では、持続時間tbは差圧ΔPに依存しない場合を例に説明するが、再増圧勾配に代えて持続時間tbを差圧ΔPが大きいほど長くなるよう段階的あるいは無段階に変化させてもよく、両者を組み合わせてもよい。
【0040】
続くステップS12では、設定された再増圧勾配bに基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pcをb×Δtだけ増加させた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移行して増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0041】
ステップS7において再増圧モード中であると判定された場合には、ステップS41へと移行してABS開始条件が再度満たされていないかを判定する。この時の判定条件はステップS20の判定条件と同一である。ABS開始条件が再度満たされたと判定された場合には、ステップS22へと移行してABS制御の減圧モードへと移行する。これにより、再増圧中に再度車輪がロックされた場合には、速やかにABS制御の減圧モードに移行することにより、車輪のロックを抑制して、制動力を確保し、制動距離を短縮することが可能となる。
【0042】
ABS開始条件が満たされていないと判定された場合には、ステップS42へと移行してステップS9で設定されたtstart1からの経過時間がステップS23で設定したtb時間未満であるか否かを判定する。
【0043】
経過時間がtb時間未満の場合には、ステップS12へと移行して、設定されている再増圧勾配bに基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pcをb×Δtだけ増加させた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移行して増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0044】
一方、経過時間がtb時間以上であった場合には、ステップS43へと移行して緩増圧モードへと移行する。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pcをb’×Δtだけ増加させた値(ここで、b’<bである)を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移行して増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0045】
図5、図6はそれぞれ本実施形態の制御によるホイルシリンダ圧、変化を従来の制御の場合と比較して示す図であり、図5が再増圧時における差圧ΔPが大きい場合を、図6が再増圧時における差圧ΔPが小さい場合を示している。いずれも実線が本実施形態による制御、点線が従来の制御の場合の結果を示している。
【0046】
図5に示されるように再増圧開始時の差圧ΔPが大きい場合には、本実施形態では従来に比べて再増圧時の増圧勾配を急に設定する。この結果、ホイルシリンダの目標油圧Ptに速やかに近づけることができるため、車輪速度を従来よりも急減させて制動力を確保することが可能となる。再増圧中に再びABS制御の減圧モードに入ることもあるが、その場合でも車輪がロックに至らない範囲で運転者の意図している十分に強い制動力を付与することができるので、制動距離を短くすることが可能となる。
【0047】
一方、図6に示されるように再増圧開始時の差圧ΔPが小さい場合には、本実施形態では従来に比べて再増圧時の増圧勾配を緩やかに設定する。この結果、ホイルシリンダの目標油圧Ptに対する差を確保することにより、従来の制御のように再増圧時にABS制御の減圧モードに再突入することを抑制することが可能となる。この結果、従来のように過剰にABS制御を行うことがなく、車輪がロックするのを抑制することが可能となる。この結果、車輪のロックに至らない範囲で運転者の意図しているのに近い制動力を車輪に付与することができるので、制動距離を短くすることが可能となる。
【0048】
以上の説明においては、油圧アクチュエータにより各車輪に付与される制動力を制御する形態について説明してきたが、各車輪に設けられたブレーキパッドを個別に設けられた電動モータによって押圧することで独立して制動を制御する装置に対しても本発明は好適に適用可能である。その他の各種の電子制御ブレーキにおいても本発明は好適に適用できる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アンチスキッド制御を行う際に、ホイルシリンダへの供給圧力を再増圧する際に、目標シリンダ圧力と実際のシリンダ圧力との偏差に応じてその増圧時間変化特性を変化させることで、車輪のロックを抑制しつつ、それに至らない範囲で十分に強い制動力を付与することができる。したがって、過剰な増圧を抑制しつつ、制動力を確保して制動距離を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンチスキッド装置の実施形態を説明するブロック図である。
【図2】本発明に係るアンチスキッド装置の実施形態におけるブレーキ系統を説明する概略構成図である。
【図3】図1、図2の実施形態におけるアンチスキッド制御を説明するフローチャートである。
【図4】図3の制御における再増圧勾配bの設定例を示すグラフである。
【図5】図3の制御によるホイルシリンダ圧力制御の一例を示す図である。
【図6】図3の制御によるホイルシリンダ圧力制御の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1…ブレーキECU、2…ハイドロブースタ、3…ブレーキアクチュエータ、11…ブレーキペダル、12…ブレーキストロークセンサ、15FL〜15RR…車輪、16FL〜16RR…車輪速センサ、21…マスタシリンダ、22…リザーバ、23…アキュムレータ、24…ポンプ、25…リリーフ弁、26、27…アキュムレータ圧センサ、31FL〜31RR…ホイルシリンダ、32、33…マスタ圧センサ、34FL〜34RR…ホイルシリンダ圧センサ、35FL〜35RR、36FL〜36RR…リニアソレノイド弁、37〜40…切替ソレノイド弁。

Claims (4)

  1. 運転者のブレーキ操作量を検知するブレーキ操作量検知手段と、各車輪に対応して設けられ液圧により各車輪に対して独立して制動力を付与するホイルシリンダと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサと、検出されたブレーキ操作量および車輪速度に応じて前記ホイルシリンダへ供給する液圧を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド装置において、
    各ホイルシリンダのシリンダ圧力を検知するホイルシリンダ圧力センサをさらに備え、前記制御手段は、アンチスキッド制御の際に前記ホイルシリンダへの供給圧力を再増圧させる際の制御圧力の増圧勾配および増圧勾配持続時間を、検出されたブレーキ操作量に応じて設定される各ホイルシリンダの目標シリンダ圧力と検出された実際のシリンダ圧力との偏差に応じて変化させ、当該偏差が大きいほど再増圧時の前記増圧勾配を大きく設定することを特徴とするアンチスキッド装置。
  2. 前記制御手段は、偏差が大きいほど再増圧時の前記増圧勾配持続時間を長く設定することを特徴とする請求項1に記載のアンチスキッド装置。
  3. 運転者のブレーキ操作量を検知するブレーキ操作量検知手段と、各車輪に対応して設けられ各車輪に対して独立して制動力を付与するブレーキ機構と、各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサと、検出されたブレーキ操作量および車輪速度に応じて前記ブレーキ機構を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド装置において、
    各ブレーキ機構の作動力を検知するセンサをさらに備え、前記制御手段は、アンチスキッド制御の際に前記ブレーキ機構によって制動力を再増加させる際の制動力の増加勾配および増加勾配持続時間を、検出された前記ブレーキ操作量に応じて設定される各輪ブレーキ機構の目標作動力と検出された実際の作動力との偏差に応じて変化させ、当該偏差が大きいほど再増加時の作動力の前記増加勾配を大きく設定することを特徴とするアンチスキッド装置。
  4. 前記制御手段は、偏差が大きいほど再増加時の前記増加勾配持続時間を長く設定することを特徴とする請求項3に記載のアンチスキッド装置。
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